• 投稿日:2024/11/20
  • 更新日:2025/10/01
M·E·ポーター『競争優位の戦略』:競争を優位にする3つの戦略

M·E·ポーター『競争優位の戦略』:競争を優位にする3つの戦略

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シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

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要約
バリューチェーン(価値連鎖)はまさに企業の全体図である。 ビジネスでは、ライバルとの戦いは避けられない。しかし、賢い企業はライバルとの消耗戦を巧みに回避して余裕で勝つ。本書はそんな勝ちパターンを身につけるための一冊である。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はM·E·ポーター『競争優位の戦略』1985年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。

著者:M·E·ポーターMichael_Porter.jpg出典:Wikipedia

米国の経営学者。ハーバード·ビジネススクール教授。ハーバード大学ュニバーシティ·プロフェッサー。世界各国の政府幹部や企業経営者のアドバイザーとしても活躍している。現代の企業戦略論の生みの親とも。著書に「競争戦略論<I·Ⅱ>』など。


1985年発行なだけあって、読み解くのは実に難しい。

しかし、その分要約や解説が豊富であるのも魅力である。🤔


本記事はバリューチェーン(価値連鎖)が前提になるので注意。

雑にいえば、バリューチェーン(価値連鎖)=会社の全体図である。

買い手の価値とは、もろもろのコストをすべて下げることから生まれてくる。

M·E·ポーター『競争優位の戦略』


競争を優位にする3つの戦略

何が買い手にとっての価値であるか。これを理解するための出発点は買い手の価値連鎖である。個人消費者もまた、価値連鎖を持っている。

M·E·ポーター『競争優位の戦略』

❶コストリーダーシップ戦略、❷差別化戦略、❸集中戦略


❶コストリーダーシップ戦略

自社の属する業界において、低コスト・メーカーの評判を取ればよい。

M·E·ポーター『競争優位の戦略』

業界で最も低コストにして、高収益を実現する戦略。


⇒ 効率的なコスト管理で優位に立つ。


バリューチェーン(連鎖価値)=会社の全体図が明確であれば、活動ごとにコストを把握できる。

ではコストの要因とは何だろうか?🤔


9.png要因① 規模の経済性・非経済性
規模が大きくなるとコストが下がる。(規模の経済性)
パン1個当たりのコストは、1日10個よりも100個生産するほうが下がる。

しかし、規模が大きくなりすぎると、調整が複雑になって逆に効率が落ちる(非経済性の発生)
パンを1日数十万個つくろうとすると、生産調整や配送が複雑になってコスト高になる。

要因② 習熟度

同じ従業員でも、長期間パンづくりを続ければ習熟度が増し、より多くのパンを高品質でつくれるようになってコストが下がる。ただし、時間がかかる。

要因③ 連結関係

バリューチェーンの他の活動とうまくつなげれば、全体のコストが下がる。
おいしいパンを効率よく高品質につくる技術を生み出せば、製造のコストが下がる。

他社と協力するのもここに含まれる。
前回の例:「ウォルマート」「P&G」は販売状況を共有してコストダウン

要因④ 価値連鎖の再構成

競合とはまったく違う新しい価値連鎖をつくれば、コストを下げられる。

販売先のパン屋にレシピを提供して製造を委託し、自社は技術開発と厳選した食材調達に特化すれば、コストの大部分を占める製造コストが不要になる。

9.png

こうしてみると、コストカットする方法もいくつかある。

⇒ 固定費を下げて、利益率を高める。
脂肪ではなく、筋肉質であれ。

参考になる本
「稲盛和夫の実学 経営と会計」稲盛和夫 著 1998年発行


❷差別化戦略

自社を業界内で特異性を持つ会社にしようとするものである。
すなわち、業界内の多くの買い手が重要だと認める特性を、一つまたはそれ以上選び出して、このニーズを満たすのは当社以外にはいないという体制をつくるのである。

M·E·ポーター『競争優位の戦略』


買い手に対して「このニーズに応えられるのは当社だけ」という状況を作り出す。

商品を魅力的にして消費者に買いたくさせる。


⇒ 独自性を武器に市場をリードせよ。


製品やサービスに他社が真似できない要素を加えることで、消費者に選ばれる理由をつくる。


差別化戦略では、お互いのバリューチェーン(価値連鎖)を連結させる。

買い手のコストを下げるか、買い手の実績を向上させて、競争優位をつくり出す。

先ほどの「要因④ 価値連鎖の再構成」も応用できる。

販売先のパン屋にレシピを提供して製造を委託し、自社は技術開発と厳選した食材調達に特化すれば、コストの大部分を占める製造コストが不要になる。


⇒ 厳選した食材は独自性になり得る。


❸集中戦略

業界全体での競争優位はもてなくても、ターゲットに選んだセグメントにおいてだけは競争優位を勝ち取ろうとするのである。

M·E·ポーター『競争優位の戦略』


狭いターゲットに自社を最適化し、他社を排除する戦略。

パンにも種類があるが、カレーパンのみ、メロンパンのみ、生食パンのみと特化するのは、製品の種類を絞る集中戦略である。

ただし、いずれは飽きられてしまうため、複数の商品やマンネリ化を打破できるようにしなければならない。しかし、短期間での成果は早い。

目的によっては十分利用できる。


⇒ 特定市場で圧倒的なポジションを確立せよ。


ターゲットを絞り込み、リソースを集中させることで、効率と競争力を高める。

セイコーマートのように広大で過疎地が多い北海道に特化したコンビニエンスストアとして北海道民の生活基盤になるのは、顧客を絞る集中戦略といえる。


この前(11月3日)の「がっちりマンデー」でやっていた。
実に参考になる。

参考:https://note.com/gacchiri/n/n9b8117b82fd1


まとめ


⇒ 1985年発行の本だが、今でも十分に通用できる。

競争優位は、買い手のために創造できる価値から生まれる。

M·E·ポーター『競争優位の戦略』


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

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