• 投稿日:2024/11/22
  • 更新日:2025/10/01
世界最古の帝王学:貞観政要

世界最古の帝王学:貞観政要

シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

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要約
『貞観政要』は、中国唐の皇帝・李世民が如何にして名君と呼ばれるまでに至ったかを示す帝王学の名著。出口治明氏の解説を通じて、リーダーシップに不可欠な「3つの鏡」や、忠言の重要性を学ぶことができる。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回は出口治明著『座右の書「貞観政要」―中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」』2017年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。


著者:出口治明bqggFTYx_400x400.jpeg出典:X(旧Twitter)から

1948年、三重県生まれ。ライフネット生命・会長。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立(のちのライフネット生命保険株式会社)、代表取締役社長に就任。


補足 貞観政要(じょうがんせいよう)

本書は1400年前に中国で書かれた帝王学の名著である。

帝王学:国王や皇帝などの特別な地位に就く人物に施される教育や、政治家や企業経営者が後継者を育成する教育を指す。


唐(六一八~九〇七)の第二代皇帝:太宗・李世民
そして、その臣下たちの言行録である。

「貞観」は当時の元号(西暦六二七~六四九)

「政要」とは、政治の要諦を意味している。

『貞観政要』はおそくとも平安時代前期までには日本に伝わり、鎌倉時代の北条政子、江戸時代の徳川家康、そして明治天皇も愛読したといわれている。🤔

参考サイト:NHK100分de名著


帝王学は庶民だからといって、必要ないわけではない。

どんな人間も規模が違うだけで何かしらの主導権を持っている。

大富豪の教えに従い、「自分こそを最大の資本にせよ」

長い人生において、「リーダー」にならない者などいないのだ。

古典は、市場の洗礼に耐えながら、長きにわたって淘汰されずに、生き残ってきた良書です。そこには、時代を越えた本質が詰め込まれています。

出口治明著『座右の書「貞観政要」―中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」』

貞観政要(じょうがんせいよう)は上司として臣下(部下)にどう向き合うかをまとめた書籍である。


「3つの鏡」

リーダーがもつべき「3つの鏡」

李世民は、「鏡」には3つの種類があると説いた。

銅を鏡とすれば、衣服や冠を正すことができる。 古を鏡とすれば、世の興亡を知ることができる。 人を鏡とすれば、善悪を明らかにすることができる。 私は常にこの三つの鏡を保持して、自身の過ちを防いできた。

貞観政要(じょうがんせいよう)


❶銅の鏡:リーダーの振る舞いが部下の振る舞いを決め、組織に影響を与える。現代でいう普通の鏡に相当する。大昔は銅鏡だった。🧐
部下がついてくる”表情”をつくれているか

❷歴史の鏡:歴史ではまったく同じことは起こらない。しかし、歴史を知れば、似た出来事に見舞われたときでもうまく対応できる。

一時的な暴落の後、いつかは戻る確率は高い。など
将来に備えるための教材である。

❸人の鏡:自分を映し出す鏡。最も重要とされる。
耳に痛いことを言ってくれる人がいなければ、裸の王様に過ぎない。

この3つを用いることで、自分の姿勢や判断を客観的に見つめることができる。


⇒ これらの鏡を持つことが、成功するリーダーの鍵である。

リーダーが望むことの多くは、実は部下が望まないことである

出口治明著『座右の書「貞観政要」―中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」』


出口氏は、自身が経営者としてこの「鏡の教え」を実践してきた経験を語る。

社員の意見を真摯に受け止めることで、組織全体が持続的に成長する土台を築いてきたという。🧐


企業における会議やフィードバック文化は、まさに「人の鏡」を活用した例と言える。

参考になる本

「NO RULES 世界一『自由』な会社、NETFLIX」
リード・ヘイスティングス、エリン・メイヤー共著 2020年発行

『1兆ドルコーチ』
エリック・シュミットほか 2019年発行


忠言は耳に痛し

『貞観政要』において李世民は、真のリーダーとは忠言を歓迎する者だと語る。

不愉快なことを直言する人はリーダーの宝物としている。

逆に遠ざければ、ゴマすりが寄ってくる。

周囲が呆れるほど露骨にゴマをする人物でも、トップはほぼ確実に「この人はよく気がつくし、見どころもある」とコロッと騙されてしまう。


著者の出口氏自身がコロっと騙された経験談も載っている。

隣の部署に、ある若手社員がいた。私が仕事を頼むと、いつも小走りにやってくる。「なかなか見どころがあるな」と思い、つい酒の席で部下に「彼はなかなかいいじゃないか」と話したところ、その部下は呆れた顔をしてこう言った。「出口さんは人を見る目が甘くてアホな上司と思っていたけど、ここまでアホとは思いませんでした。彼が走ってくるのは『出口さんは偉くなる』と思っていて、気に入られたいからです。あれだけ上にゴマをすり、下に冷たい人は見たことがありません。出口さんはそんなことがわからないほどアホなんですか。アホらしいから、明日からはもう仕事をしませんよ」
ずいぶんな言われようだったが、翌日から注意深く見ると、たしかにその通りだった。

出口治明著『座右の書「貞観政要」―中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」』


下の立場にいると、ゴマすりはよく見える。

高い地位になればなるほど、誰かに褒められ、持ち上げられるほど、己の未熟さや愚かさが見えなくなるのである。

利益を正しく、分け与え分配しようとしているのか、ただ汚らしくまき散らしているかは考えなければならない。


15.png⇒ 苦言は耳に痛いものだが、成長には欠かせない。


企業経営においても、忌憚のない意見を取り入れることで、多角的な視点がもたらされる。


ゴマすりだらけの組織は徐々に腐っていく。

もし身近にダメ出ししてくれる人がいたら、絶対に「嫌な奴」と思ってはいけない。

「君は船なり、人は水なり。水は能く船を載せ、亦能く船を覆す」
訳:「君主は舟で人民は水だ。水は舟を浮かべ前に進む。一方で舟を転覆させるのも水だ」

貞観政要(じょうがんせいよう)


おまけ

私たちも上司の顔色を伺うだけでなく、「自分がいかに世の役に立つか」を考え、自分の能力を社会や組織をよくするために使うべきとしている。

組織を見切って辞める若者は、ある意味正しい。🤔
「すぐ辞める」と嘆く者は、残念だが若者に見切りをつけられているのだ。


王:李世民にとって不愉快なことを直言する人は、魏徵(ぎ ちょう)という政治家だった。

李世民も晩年には倹約の心を失い、贅沢をしていた。


そこで魏徵は李世民宛に書面で「贅沢しすぎ」「えこひいきしすぎ」など10点を挙げて諫めた上で、こう述べた。

「せっかく築いた太平の基礎も、途中でやめたら水の泡。陛下は能力があるのだから、能力を十分に発揮すべきです。私の意見を参考にしてくださるなら処刑されても満足です。」


それに対して、李世民はこう返した。

「指摘してくれた過失は必ず改める。あなたの言葉は屏風に仕立てて、朝夕に仰ぎ見る。」

屏風を見て毎日反省し、自分を諫めたという。


名君中の名君と呼ばれる所以はここにあるのかもしれない。🤔

どんな組織も「上に立つ人の器以上のことはできない」

貞観政要(じょうがんせいよう)出口治明著『座右の書「貞観政要」―中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」』


まとめ


⇒ 「3つの鏡」を意識して、絶え間ない学びと成長を積み重ねよう!


人の意見というものは、常に同じだとはかぎらない。だから政務を正しく行うためには、意見の是非を論じるべきである。

出口治明著『座右の書「貞観政要」―中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」』


名君の条件は「広く意見を聞くこと」

また、臣下は「君主に直言しなければならない。」

君主はそれを大きな度量を持って受け止めなければならない。


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

マサル.png

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この記事のレビュー(1
  • 会員ID:zwWWthgq
    会員ID:zwWWthgq
    2024/12/24

    まず漢字も読めませんでしたが、帝王学の本について知らなかったので参考にしたいと思います😃 結局はモラルが大事なのかなと感じました♪

    シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

    投稿者

    2024/12/24

    つるべ@パンク好き・ブログ挑戦中薬剤師様。 いつもお世話になっております🍀 貞観政要(じょうがんせいよう)私も読めませんでした。😅 帝王学は現代だと、社員や管理職というよりも社長向けの指南書ですかね🤔  マキャベリの君主論もです。 トップは能力より素早い決断が求められます。

    シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

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