• 投稿日:2024/12/25
  • 更新日:2025/10/01
スティーブン・コトラー著『The Art of Impossible』:努力を超える「フロー」の秘密

スティーブン・コトラー著『The Art of Impossible』:努力を超える「フロー」の秘密

シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

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要約
『The Art of Impossible』は、極限状態で奇跡を起こす「フロー」について解説した1冊だ。人間の限界を超えるには、脳に情報を詰め込み解放し、準備を整える3ステップが鍵となる。本書はその方法を科学的視点から紹介し、挑戦のための実践的なヒントを提供する。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はスティーブン・コトラー著『The Art of Impossible』2021年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。


著者:スティーブン・コトラーgqdrkvqbqki4gngck9n65fb6ut._SY225_CR0,0,225,225_.jpg出典:Amazonのプロフィール

ニューヨークタイムズのベストセラー作家であり、受賞歴のあるジャーナリスト、そしてフローリサーチコレクティブのエグゼクティブディレクターです。人間のパフォーマンス研究における世界的な第一人者として知られ、これまでに13冊の著書を執筆。そのうち9冊がベストセラーとなり、代表作には『The Art of Impossible』『The Rise of Superman』『Abundance』など。


今回は珍しく、未邦訳の洋書。

ビジネス書の本場だけあって、クオリティの高い書籍が多い。

本記事を読む前に、下の記事を読むと理解が深まる。↓↓↓

0000000.pngリベシティ用サムネ (7).pngM. チクセントミハイ著「フロー体験 喜びの現象学」

フローとは「何かに夢中になり、他のことを忘れる心理状態」を指している。

多少、本記事での意味合いとは異なる。

これは「個性」と「職業」の問題である。

M. チクセントミハイは心理学者であるため、「理論」の話


著者:スティーブン・コトラーは学者ではなく作家、ジャーナリストである。

こちら『The Art of Impossible』はフロー状態で分泌されるホルモンや効果など科学的手順といった「ノウハウ」の話である。


入山章栄著『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』で語られている「経営学者にとって理論が仕事の役に立つかどうかは重要ではない」のと同じである。


本書はジャーナリストとして、登山家やサーファーなど危険を伴うスポーツ選手たちに同行し、間近で観察しながら研究を重ねた。

「同じ人間だとは思えない。」

偉業を達成した人たちを見るたびに、「努力」や「情熱」といった言葉だけでは言い表せないものを私たちは感じる。

著者は「フロー(没頭状態)」に鍵があると教えてくれる。


人間に奇跡をもたらす「フロー」について、生物学的に作り出される要因を明らかにしようとしたのが本書『The Art of Impossible』である。


00000.png✅ ❶ 脳に一気に情報を詰め込む。

✅ ❷ 情報を解放する。

✅ ❸ フローを妨げる4つの要因を遠ざける。


フローとは何か

著者がついに見つけた自分の限界を超えるカギは「フロー(没頭状態)」にあると語る。

「不可能を可能にする人」は「フロー(没頭状態)」にある。

フローは人間の限界を超える状態である。

0.png⇒ フローは最高のパフォーマンスを発揮する脳の特別な状態。

その背後には生物学的なメカニズムが存在する。

フローは単なる偶然ではない。

⇒ 科学的手順で再現可能。


フローを作る3つのステップ

ステップ1:脳に情報を詰め込む

大量の情報を学び、極度に負荷をかける。

最高のパフォーマンスは、最大のフラストレーションからはじまる。格闘やジレンマを歓迎しよう。格闘は、負荷を与えるフェーズだ。この段階では、脳に情報を詰め込むこと・詰め込みすぎることが大事になる」

スティーブン・コトラー著『The Art of Impossible』 Google翻訳した後に手直し。


⇒ これがフローの起点となる。


フローの状態になると、この前頭前皮質は活動しなくなると語る。

つまり、「前頭前皮質(prefrontal cortex)」が沈静化しないと、「フロー」だとは言えない。

00.png前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ):脳の前の部分に位置し、計画や注意、感情の制御、行動の抑制など、さまざまな高度な精神活動を司る重要な脳領域。


0.png前頭前皮質の活動を止めるための最初のステップ

脳に大量の情報を詰め込むこと。極度に負荷をかけることである。

「こんな大変な思いまでしてやるのか?」という批判の声が内側からどんどん出てくる状態を目指す。


脳みそからの「本当にやるの?」という信号に打ち勝つためには、「fight back(やり返す)」という決断をするだけでよい。

まぁ、これが難しいのだが…。


「その通りだ、やってやるぜ。ここが私のいるべき場所なんだ!」


学習初期は「struggle(あがく)」状態で苦痛を伴うが、この過程がフローに至る準備となる。


また、興味深いのが、「自分以外の誰かのため」という目的を持つと前頭前皮質は沈静化する。

「人のために働く」というのは、フローに入りやすく、奇跡を起こしやすい。


ステップ2:情報を解放する

意図的にリラックスし、脳を休ませる。

「次のステージは、解放のフェーズだ。」
負荷をかけている『struggle(あがく)』の段階では、前頭前皮質が極度に活発だった。
なにかの問題を解決するために、激しく働いた。
「次の段階では、リラックスをして、手放すこと」

スティーブン・コトラー著『The Art of Impossible』 Google翻訳した後に手直し。


脳にできるだけ負荷をかけた後は、その問題について意図的に「忘れる」「思考から追い払う」ことが必要。


⇒ 解放が新たな発想を生む。


0.pngそのためには、「デフォルト・モード」を活用すると語る。

軽い運動や手や体を使う趣味に没頭する。

長いドライブをしたり、プラモデルを組み立てたり、庭仕事をしたり、ギターを弾いたり、絵を描いたり、ハイキングをしたり、読書をしたり、料理をしたり、ランニングをしたり。


注意しなければならないのは、SNSやゲーム、マンガは退屈しのぎであり、身体を使うことがリラックス(デフォルト・モード)である。


⇒ 不可能を可能にするカギは、機能をストップさせる。

⇒ そして、「今まで蓄積したものから、つながりを見つけ出す」


ステップ3:フローに入る準備を整える

集中を妨げる要因を排除し、エネルギーを維持する。

「フローとは、私たちの能力と時間を最大限に引き出す状態のこと」

⇒ 持続的なフローを可能にする。


それには、まず「課題の難易度」が自分のスキルにちょうど合っていること。画像25-14.png

もっとも簡単なフローを続ける方法は、フローを妨げる4つの要因を遠ざけること。

000.pngフローを妨げる4つの要因

❶ 中断

集中状態を一度中断すると、その集中状態に戻ってくるまでに15分かかる。

スマートフォンの通知や宅配など、作業を中断させる要因を排除する。

❷ 否定的な思考

「どうせ無理だ」「やっても無駄だ」などといった思考は、前頭前皮質を活発にしてしまう。

❸ エネルギー不足

疲れていたら集中状態は続かない。栄養、睡眠、回復、運動でエネルギーを蓄える。

受動的な回復(テレビ、ビール、惰眠など)はNG。

主体的な回復(マインドフルネス、サウナ、マッサージなど)を推奨している。

❹ 準備不足

フローに入るためには、「自動化」できるくらいのスキルやメンタルが必要。

リハーサル以外にも、「習慣化」「自動化」の技術を身につける。


0000000.png136.png佐々木典士著 「ぼくたちは習慣で、できている。」


意志力に頼らない「習慣化」

⇒ とにかく簡単な目標設定から始める。

身につけたい"習慣"を習慣にする方法

⇒ ①トリガー、②ルーチン、③報酬である。


まとめ


⇒「フロー」は「しかるべき手順」で生まれる。

⇒ 人間の可能性は無限大だと信じることが大切。


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆_00.png

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この記事のレビュー(1
  • 会員ID:4iV8zxv6
    会員ID:4iV8zxv6
    2024/12/26

    いつもありがとうございます! フロー状態になるための条件を丁寧にまとめてくださり、 とても参考になりました(^^) ありがとうございました!

    シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

    投稿者

    2024/12/26

    ロク@ノウハウ図書館3分間記事執筆者様。 いつもお世話になっております<(_ _)> 最初のステップをいかにスタートできるかが鍵となりそうです🤔 脳の機能を意識して止めるのは目から鱗でした👀

    シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

    投稿者