- 投稿日:2025/03/13
- 更新日:2025/10/04

日商簿記3級・第3問では、決算書作成問題が毎回出題されます。
仕分けをして、表に記入が終わって、最後に電卓をたたいて計算したら、「借方合計と貸方合計が一致しない!」なんてこと、ありますよね。
原因探しに時間を取られてパニックになると、合格が遠のいてしまいます。
でも大丈夫。ここでは、間違いを見つけるちょっとしたテクニックをご紹介します。
自己紹介🌸
私は元銀行員で、10年間にわたり数字を合わせる仕事をしていました。
現在では機械が自動計算してくれますが、私が勤めていた頃は、まだ手計算の時代。人力で間違い探しをしていた経験から、そのテクニックをお伝えします。
🌀貸借合計不一致の原因はどこに?
簿記の問題を解いた際、貸借合計が一致しないのは、記録・集計のどこかにミスが生じている証拠です。
まずは、不一致金額(借方合計と貸方合計の差額)を算出し、次の4つのステップで原因をチェックしていきます。
間違い探しの4ステップ
🌸間違い探しは次の4ステップで進めます。
1. 単純に合わない金額を探す
2. 合わない金額を2で割ってみる
3. 合わない金額を9で割ってみる:桁違いを疑う
4. 合わない金額を9で割ってみる:数字をひっくり返して集計していないか疑う
😊では、それぞれみていきましょう。
1. 単純に合わない金額を探す
まずは、不一致金額とぴったり同じ金額が表中にあるかを探します。
⭐単純な記入漏れ、転記忘れ、入力漏れなどは、これですぐに見つかります。
2. 合わない金額を2で割ってみる
不一致金額が2で割り切れる場合、貸方と借方を逆に記載している可能性があります。
<例>
不一致金額が300円の場合
300 ÷ 2 = 150
「150円」借方と貸方を逆に記入している可能性があります。
⭐表の中に「150」がないか探してみましょう。見つかれば、左右の記載が正しいかチェックしましょう。
3. 合わない金額を9で割ってみる:桁違いを疑う
桁違いもよくある間違いのひとつです。
例えば、本来「2,000」と記入すべきところを「200」と桁を間違えて記入してしまったという場合です。
<例>
不一致金額が1,800円の場合
1,800 ÷ 9 = 200
本来「2,000」と記入すべきところを「200」としてしまった可能性があります。(またはその逆。)
😅「イヤイヤ、偶然じゃないの?」と思われるかもしれないのでもうひとつやってみます。
<例>
不一致金額が11,106円の場合
11,106 ÷ 9 = 1234
本来「12,340」と記入すべきところを「1,234」としてしまった可能性があります。
😊 数字の性質上 9で割り切れるのです。これでミスが見つけられたらラッキー。ぜひ試して欲しいです。
4. 合わない金額を9で割ってみる:数字をひっくり返して集計していないか疑う
数字をひっくり返して集計する間違いもよくあります。
例えば、本来「980」と記入すべきところを「890」と数字をひっくり返して記入してしまったという場合です。
<例>
不一致金額が90円の場合
90 ÷ 9 = 10
下の表をみてください。
9で割った後の数字が「10」の場合、10の位と100の位が逆になっている可能性が考えられます。
問3の問題に戻って、怪しいところを調べてみると、「980」を「890」と記入してしまったことが判明しました。
😃 少しわかりにくいので、もう一例やってみましょう。
<例>
不一致金額が63円の場合
63 ÷ 9 = 7
この場合、1の位と10の位が逆になっている可能性があります。
調べてみると、「2,492」を「2,429」と記入してしまったことが判明しました。
簡単に発見できないミスもある!
上記のテクニックは、万能ではありません。
ミスが複数箇所ある場合には、これらのテクニックは使えません。
まずは仕分けを完璧に行い、手書きのメモや数字も丁寧に記入することが大切です。特に「0」と「6」、「3」と「9」、などは、雑に書くと見間違いが起こりやすいので注意しましょう。
また、転記やパソコン入力の際も、落ち着いて作業を進めることが必要です。
原因探しに固執しない
もし上記のテクニックで原因が見つからない場合は、イチから全体を見直すしかありません。不一致の原因探しに時間を浪費してしまうのはもったいないです。
不一致のままでも、途中点はもらえますので(と思われますので)、焦らずに、他の問題に移って、少しでも全体の点数を上げる戦略をとりましょう。
😊 第一問の仕分け問題を見直した方が、得点が高く出るかもしれませんよ。
まとめ
簿記3級・第3問の決算書作成問題で貸借合計が一致しない場合、以下の方法で原因を見つけられることがあります。
1. 単純に合わない金額を探す
2. 合わない金額を2で割ってみる
3. 合わない金額を9で割ってみる:桁違いを疑う
4. 合わない金額を9で割ってみる:数字をひっくり返して集計していないか疑う
それでも原因が分からなければ、間違い探しに固執せず、他の問題に取り組んで全体の点数を上げることを目指しましょう。簿記試験で最も大切なのは、正確な仕分けです。落ち着いて問題を解き、合格を勝ち取りましょう🌸
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