- 投稿日:2025/07/05
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はチャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』2022年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:チャールズ・エリス
1937年生まれ。イェール大学卒業後、ハーバード・ビジネス・スクールで最優秀MBA、ニューヨーク大学でPh.D.取得。ロックフェラー基金、ドナルドソン・ラフキン・ジェンレットを経て、1972年にグリニッジ・アソシエイツを設立し、2001年まで代表パートナーとして活躍。米国公認証券アナリスト協会会長、バンガード取締役などを歴任するほか、ハーバード・ビジネス・スクール、イェール大学大学院にて上級運用理論を教え、現在も、大手年金財団、政府機関や富裕層のファミリーオフィス等に投資助言を行う。
今更の話であるが、投資で「勝とう」としていないだろうか?
実は、それが失敗のもとかもしれない。
本書では、多くの投資家が見落としがちな「敗者のゲーム」という考え方を紹介し、なぜ市場平均を目指すインデックス投資が長期的な資産形成に有効なのか、その理由を解き明かす。
投資で損をしたくない、着実に資産を増やしたい、そんなあなたの疑問に答えてくれるだろう。
相手のミスを待つのが最良の戦略だ。投資も同じであり、市場に勝とうとしないことが一番よい方法だ。
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
本書では投資をアマチュアテニスに例える。
ポイントの多く(約80%)は、スーパープレイではなく相手のミスによって失われるのだ。
⇒ 勝敗はウィニングショットではなく、相手のミスで決まるという。
悪手を打たない人間はそれだけで強いのである。
✅ 市場に勝とうとする「勝者のゲーム」はプロでも難しい。
✅ 投資の成功は市場に勝つことではなく、ミスをしないことにある。
✅ 個人投資家はミスを避ける「敗者のゲーム」をすべきである。
✅ 低コストのインデックスファンドで長期・分散投資が最善策である。
投資は「勝者のゲーム」か「敗者のゲーム」か
すべての株式に投資するインデックス·ファンド(投資成果が特定の市場平均指数に連動するように運用されているファンド)を買って所有し続け、経済成長を待つことが、投資の成功法だ。
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
テニスの例え:プロとアマチュアの違い
⇒ アマチュアは相手のミスで勝つ。
⇒ 個人が市場平均を上回るのは極めて困難である。
投資も同じで、個人投資家は市場に勝とうとするより、ミスを減らすことが重要である。
プロがポイントを取りにいく「勝者のゲーム」に対し、アマチュアの試合はミスが多い方が負ける「敗者のゲーム」となる。
なぜ現代市場は「敗者のゲーム」なのか
機関投資家の大多数が市場より良い成果をあげられるという基本的な前提は正しくない。なぜなら、機関投資家そのものが市場だからである。機関投資家全体としては、自分自身に勝つことはできないのである。
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
⇒ それは機関投資家が市場を支配しているからだ。
市場取引の大部分(約90%)をプロである機関投資家が占めている。
彼ら自身が市場平均であり、彼ら全体が市場に勝つことはない。
個人が彼らを出し抜くのは極めて困難である。
アクティブ運用 vs インデックス運用
時間とともに、投資の魅力は最大から最小に、あるいは最小から最大にと様変わりする
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
アクティブ運用とは?
⇒ 市場平均を上回ることを目指す戦略。
個別銘柄の選定や市場のタイミングを計ることでリターンを追求するが、調査や売買に伴うコストが高くなる傾向がある。
多くのファンドが長期的に市場平均を下回るのが現実である。
手数料、市場がどうなるかなんてわからないからだ。
「そんなことは常識でしょ?」そう語る人が増えることを祈っている。
インデックス運用とは?
⇒ 市場平均に連動することを目指す戦略。
特定の市場指数(例:S&P 500)に連動するファンドに投資する。
市場全体に分散投資するため、低コストで運用できる。
本書では、この「勝者のゲーム」を個人投資家に推奨している。
なぜインデックス運用が推奨されるのか
金融商品は「直感」で選ぶものではない。
「直感」は「価値」を把握、理解できるものに留めよ。
新金融商品に投資してはならない。
この手のほとんどは、投資家に保有されるためというより、投資家に売るために設計されている。
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
圧倒的なコストの低さ
⇒ 手数料が低い分、リターンが高くなる。
アクティブファンドは調査費用や売買手数料で経費率が高くなりがちだ。
インデックスファンドは機械的に指数に連動させるため、経費率を低く抑えられ、長期的なリターン向上に直接繋がる。
幅広い分散効果
高い時に買いたくなり、安い時に売ろうとする誘惑を退けるように(中略)刻々と変わる日々の株価の動きに引きずられることである。理論的には株価変動のほとんどはいわゆる「雑音」、すなわち法則性のない無意味な動きである。
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
⇒ 個別株リスクを低減できる。
インデックスファンドは多数の銘柄に自動的に分散投資するため、特定の企業やセクターの不振による大きな損失リスクを避けやすい。
「敗者のゲーム」の哲学であるミスを避ける考え方に合致する。
市場平均を上回ることの難しさ
⇒ 市場は効率的であり、予測は困難である。
多くの情報が瞬時に株価に反映されるため、プロの機関投資家でさえ継続的に市場平均を上回ることは難しい。
市場平均のリターンを目指すインデックス運用は、現実的で優れた戦略である。
もし投資家が、市場平均から乖離させたい運用期間を選ぶ場合は次の3点を十分理解しなければならない。
❶どこまでマーケット・リスクを引き受けるか
❷市場が変化した時、そのリスク水準を維持すべきか、あるいは変更すべきか
❸個々の株式ないし株式グループのリスクを引き受けるべきかどうか。
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
もし、ピンとこないのならば、やらないことをオススメする。
長期投資と時間軸の重要性
長期運用にとっての真のリスクであるインフレに強い。
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
時間は最強の味方
⇒ 短期的な市場変動に惑わされず、複利効果を活かす。
⇒ 長期保有で複利効果を最大化する。
短期的な市場の上下動に一喜一憂せず、長期的な視点を持つことが資産形成の鍵である。
時間をかければ、複利の力が働き、資産は雪だるま式に増える可能性がある。
世界経済の長期的成長を信じることだ。
…ということはさんざん言われている。
信じるか信じないかはあなた次第。
損切りしたと報告した者が本当に損切りしたかはわからないのだから。
市場タイミングの罠
市場の底で買い、天井で売ることはプロでもほぼ不可能だ。
⇒ それを目指すと、「稲妻が輝く瞬間」を逃すことができない。
市場から離れている間に起こる急騰(稲妻が輝く瞬間)を逃すと、リターンは大幅に悪化する。
常に市場に居続け、監視することが大切になってくる。
トランプ関税も人によっては「稲妻の輝く瞬間」であっただろう。
4月7日のトランプ関税による暴落から、大分戻ってきたな😊 日本の高配当株を買った人は、結果的に良いタイミングやったんちゃうかな。 毎回 💦この世の終わり 💦今回は違う 💦早く逃げたほうが良い って阿鼻叫喚になるけども。 過ぎたらこんなもんやな。 もちろん、短期的には、今後わからんけど、 結局、買って持っとくのが正解。笑 元々、長期投資やからな😊 よろしゅに。
https://libecity.com/room_list?room_id=President-Tweet&comment_id=uOGH2mQGVIcvQS90QpE2
そしてこの1年後、3年後、5年後、20年後と買って持っとくのが正解だったかは誰にもわからない。成功する確率が高いと思われているだけである。
40年もウォーレン・バフェットに運用してもらったのなら、たとえ彼が目の前で死んだとしても何も文句を言う筋合いはない。
デビット・クラーク著『マンガ―の投資術』
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
こちらは積立投資のみの方は全く読む必要はない。
”市場と他の投資家を上回るパフォーマンスをあげるため”の心構えを書いている。
バリュー投資家にとって価格は出発点でなければならない。 どんな資産も高すぎる価格で買ってしまえば悪い投資になるということは、繰り返し立証されている。そして、十分安い価格で買っても良い投資にならないほど悪い資産はほとんどない。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
ちなみにバリュー投資は企業の本質的な価値(バリュー)と株式市場での評価のギャップに注目して株価が本来の価値に戻った際に利益を得ることである。
どちらにせよ、四六時中市場に張り付けて、株を検討できる者でもなければ株式の管理は難しい。
しかし、低コストのインデックスファンドが最良と知るためには他の投資術を知ることも必要である。
自分に合ったポートフォリオを
株式で手っ取り早く儲けたいと考える場合、安く買い、高くなったら売ることでしか儲からないのである。
私の父、レイモンド・エリスが忠告したように、「失敗しても耐えられる範囲のリスクに留めるべき」なのだ。
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
リスク許容度を知る
耐えられる範囲に留まること
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
⇒ 年齢や目標に合わせて資産配分を決める。
投資計画は個人の財務目標、投資期間、リスクへの耐性に合わせて調整する必要がある。
一般的に、若いうちは株式比率を高めに、年齢とともに債券比率を高めるなどの調整が考えられる。
自分の年齢の%を預金とし、残りは株式といったことも一つの手である。
(例:30歳なら総資産の30%を預金や債券、残りは株式)
いずれにせよ、”自分が納得できる範囲”にすること。
そして、不用意にそのルールを破らないことである。
元本や利息が安全だとか、リスクが少ないという理由だけで、債券に投資してはならない。
分散投資の徹底
運用基本方針は最も強力なパニックの予防薬である。
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
⇒ 資産クラスや地域も分散する。
インデックスファンドによる銘柄分散に加え、株式だけでなく債券など異なる値動きをする資産クラスを組み合わせる。
また、国内だけでなく海外にも投資するなど、地理的な分散もリスク管理に有効である。
S&P500、オルカン、ナスダック…様々な弁当箱があるが、その弁当箱は誰かに食べてもらうために作られた商品であることも忘れてはいけない。
絶対に食中毒(大暴落)を防ぐことはできない。
天下の大変動を恐れていては、家の布団から出ることさえ難しくなる。
まとめ
✅ 市場に勝とうとする「勝者のゲーム」はプロでも難しい。
✅ 投資の成功は市場に勝つことではなく、ミスをしないことにある。
✅ 個人投資家はミスを避ける「敗者のゲーム」をすべきである。
✅ 低コストのインデックスファンドで長期・分散投資が最善策である。
第8版は行動経済学の要素も含んでおり、さらに充実した本になっている。
わたしの考えでは、わたしたちは不合理なだけでなく、「予想どおりに不合理」だ。つまり、不合理性はいつも同じように起こり、何度も繰り返される。消費者であれ、実業家であれ、政策立案者であれ、わたしたちがいかに予想どおりに不合理かを知ることは、よりよい決断をしたり、生活を改善したりするための出発点になる。
私たちは目の前の結果をどうしても重視する傾向がある。
人が悲観論に注目してしまうのは、人間が進化の過程で身に着けた防衛本能であり、「もっともらしく」聞こえて、「この情報を聞いた自分は賢い」と感じてしまうからである。
ゆったり構え、じたばたしないこと。それが長期的な成功の秘訣である。
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
⇒ 市場に打ち勝とうとせず、自らのミスを減らすことが賢明な投資である。
そして何よりも大事なのは、自分が何を知らないかを知っていることである。
人はみな賢くあろうとしている。私は馬鹿にならないように努めている。
それは、ほとんどの人が考えているより難しい。
デビット・クラーク著『マンガ―の投資術』
一部の人にとっては、金持ちになることは恵みではなく災いなのだから。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆