- 投稿日:2025/01/05
- 更新日:2025/10/01
はじめまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はダン・アリエリー著『予想どおりに不合理』(2013年発行)をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ダン・アリエリー
出典:Amazonのプロフィール
行動経済学研究の第一人者。デューク大学教授。ノースカロライナ大学チャペルヒル校で認知心理学の修士号と博士号、デューク大学で経営学の博士号を取得。その後、マサチューゼッツ工科大学(MIT)のスローン経営大学院とメディアラボの教授職を兼務した。ユニークな実験研究によりイグ·ノーベル賞を受賞。2008年に刊行された「予想どおりに不合理』は、米国各メディアのべストセラーリストを席巻。
わたしたちがみんなどんなふうに不合理かを追求しようというのがこの本の目的だ。 この問題を扱えるようにしてくれる学問分野は、「行動経済学」、あるいは「判断·意思決定科学」という。
ダン・アリエリー 著『予想どおりに不合理』
✅ 人間の不合理性を理解しよう。
✅ 「行動経済学」は不合理な人間の行動を解き明かすもの。
✅ 本書は行動経済学を、身近な例で分かりやすく紹介してくれる。
著者のアリエリーは、「行動経済学の第一人者」であり実験魔である。
わたしの考えでは、わたしたちは不合理なだけでなく、「予想どおりに不合理」だ。つまり、不合理性はいつも同じように起こり、何度も繰り返される。消費者であれ、実業家であれ、政策立案者であれ、わたしたちがいかに予想どおりに不合理かを知ることは、よりよい決断をしたり、生活を改善したりするための出発点になる。
ダン・アリエリー 著『予想どおりに不合理』
人間が不合理に行動する現象を見つけると、すぐに実験してその規則を見つける。
今回は彼のお節介を堪能しよう。
『予想どおりに不合理』
相対性が生む比較の罠
他人との比較が幸福感を左右する
つまり、「隣の芝生は青く見える」ということである。
ジャック・ウェルチ 著『ジャック・ウェルチ わが経営 上下』で似たエピソードがある。
出典:Wikipedia
大学を卒業したウェルチは、名門のGE(ゼネラル・エレクトリック)に就職が決まるが、わずか1年で退職を考える。😩
理由は、年俸が1000ドル昇給したものの、同僚4人全員が同額の昇給をしたと知ったから。😡
なんとか上司からさらに2000ドルの昇給と権限強化を約束されたことで退職を思いとどまった🤔
この場合は上手く機能した。
周囲と同じ評価では満足できず、他者より優れた成果を求め続けた。
1981年、46歳の若さで、GEの歴史上、最年少の会長兼CEOまで駆け上がる。😎
⇒ 人は比較対象があると、それを基準にモノゴトを評価する。
⇒ 比較から自由になれば、幸福感は高まる。
おそらく、さんざん言われているであろう金言。
理解していても、この呪縛から逃れられない。
出典:漫画「グラップラー刃牙」24巻
アンカリングの力
アンカリング:ある事柄を判断する際に最初に提示された情報(アンカー)が、その後の判断に大きく影響を与える心理現象。
船の錨(いかり)を「アンカー」という。
「アンカリング」とは「錨を降ろす」という意味。
まるで錨を付けたように最初に見せられた数字に心がつなぎ止められる。
初期情報が意思決定を左右する
メルカリの相場も最初に出品した人の値段で決まりやすい。
そこから、状態や品質により価格変動が起こる。
⇒ アンカーに流されず、自分の価値観で選ぶ。
人は一貫性ある行動をするので、最初のアンカーが後々の判断に影響を与える。
買う理由が「値段」ではなく、「価値やリセールバリュー」で考えるのはこの心理を防ぐ考え方である。
心理学でも、「一貫性」の原理と呼ばれる。
人には「決めたことやコミットメントは守りたい」「自分の選択は正しいと思いたい」という欲求がある。
参考:ロバート・B・チャルディーニ著『影響力の武器[第三版]』
社会規範と市場規範の衝突
面白い事例がある。
イスラエルの託児所で罰金を導入すると、親の遅刻が増加した。
金銭が絡むと罪悪感が薄れ、社会規範が崩れてしまう。
社会規範の世界に市場規範を持ち込むと、人間関係は失われ二度と戻らない。
託児所の場合、社会規範から市場規範に切り替わり、悪くなった。
仕方なく元に戻すことで社会規範に加え罰金も消えたため、さらに遅刻が増えた。😅
市場規範が支配する場面では、金銭ではなく信頼を重視すべきだ。
参考外部サイト:東洋経済オンライン
保育園「遅刻に罰金科すと、さらに遅刻増えた」訳
⇒ 金銭的価値より人間関係を大切に。
⇒ 金銭が人間関係を変える。
⇒ 人間関係があってこそ金銭的価値は増える。
ブランドとプラシーボ
プラシーボ効果:薬としての有効成分を持たない偽薬(プラセボ)を服用することで、症状の改善や副作用の出現が見られること。
思い込みが生む価値
著者のアリエリーは価格でプラシーボ効果がどう変わるかを確かめるため、ビタミンCを「痛み止めの新薬だ」と伝えて、100人に実験してみた。
「1錠2ドル50セントの高価な薬だ」と伝えるとほぼ全員が「効いている」と答えたが、「1錠10セントの安価な薬だ」と伝えると「効いている」という人は半減した。
高い薬のほうが、より高いプラシーボ効果が出るということだ。
エナジードリンクも値段が高いからこそ、ブランドになる。
⇒ 思い込みを活用し、自分を前向きに。
⇒ 誇大広告はマーケティング担当者にとってジレンマでもある。
⇒ ブランドにもこの効果がある。
リチャード・ワイズマン著「運がいい人の法則」も同じ。
失敗に鈍感で、成功に敏感でいること。
実に不合理だが、なぜか良い結果をつくる。

井堀利宏著『超速経済学の授業』
普通の「経済学」は「架空の世界」での実験を通じて理論を検証する。
⇒ 架空の世界で説明できない経済学は「行動経済学」に派生した。
パコ・アンダーヒル著『なぜこの店で買ってしまうのか』
全米160万部超のベストセラー。
堅苦しいものではなく、読み物としても面白い。
こちらの書籍は行動経済学の考え方である。
ロバート・B・チャルディーニ著『影響力の武器[第三版]』
社会心理学の名著。
「相手にイエスと言わせる戦術とは何か?」が網羅されている。
スコット・ベドベリ著『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』
こちらはナイキとスタバのブランド構築に携わった人物の書籍。
2000年初頭に書かれた、企業ブランディング論。
まとめ
⇒ 不合理な行動の中に、私たちの本質が隠れている。
⇒ 不合理を知り、良い結果にだけ、都合よく利用してしまえ。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
ぜひ、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆