• 投稿日:2025/06/21
  • 更新日:2025/10/01
誰から買うかの時代へ:セス・ゴーディン著『パーミッション・マーケティング』が教える顧客との関係構築術

誰から買うかの時代へ:セス・ゴーディン著『パーミッション・マーケティング』が教える顧客との関係構築術

  • 2
  • -
シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

この記事は約9分で読めます
要約
大量広告では人は動かない。『パーミッション・マーケティング』は、顧客の許可を得て信頼関係を育むマーケティングの重要性を説いた名著。 現代の情報過多社会で成果を出すには、「許可」を得てから価値を提供すべし!

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はセス・ゴーディン著『パーミッション・マーケティング』2011年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。


筆者:セス・ゴーディン

800px-Seth_Godin_in_2009.jpeg出典:Wikipedia

ビジネス書作家、ブロガー。元Yahoo!副社長。squidoo.com設立者。「新時代のアイデア」について語らせたら氏の右に出る者はおらず、「アメリカでもっとも優秀なマーケット戦略家」「デジタル時代を牽引するトレンドメーカー」と賞賛され、2013年には「ダイレクト・マーケティングの殿堂」も受賞している。


他の書籍

309.pngセス・ゴーディン 著『「型を破る人」の時代: “ズバ抜けた結果”を出せる人は、何をしているか』

こちらはノウハウではなく「意識改革」に重点が置かれた書籍


00000.png✅ 広告より信頼がモノを言う時代へ

✅ 許可なくしてマーケティングなし

✅ 関係性の深さが売上を決める


大本は1999年に発表された。

現代マーケティングにおける古典ともいえる書籍である。

インターネットの最大の秘密は、それが本質的にダイレクトマーケティング媒体であるということだ。
実際、インターネットは史上最高のダイレクトマーケティング媒体である。

セス・ゴーディン著『パーミッション・マーケティング』

だが、今だからこそ、十分に利用されている。


一方的に消費者の注意を奪うテレビCMやオンライン広告といった「割り込み型マーケティング」は情報過多の現代においては効果を失いつつあり、むしろ消費者に嫌悪感を抱かせると語る。

DMや広告は、見せた瞬間に勝負が決まる。

だからサムネイルも構成もインパクト最重視になりがちだ。

わざわざ、「マーケティングの大半はスパム(迷惑行為)だ。」と著者が言い切るほどに。

従来の広告マーケティングが「狩り」、パーミッション・マーケティングは「農耕」に近い。


パーミッション・マーケティング

Image_fx.jpg

パーミッション・マーケティングはまるでデートのようなものだ。
見知らぬ人を友だちに、友だちを生涯の顧客に変える。

セス・ゴーディン著『パーミッション・マーケティング』


売れない原因は「一方的」だから見られない

マーケティングの大半はスパムだ。テレビCMも、知らない人に送りつけるDMも、パーミッションを得ずに送るという点で顧客の時間を盗んでいる

セス・ゴーディン著『パーミッション・マーケティング』

0.png⇒ 一方的な広告は無視される。

現代は広告の洪水。テレビCMもバナーも目に入ってこない。

意図はどうあれ、誰も彼もが、他人の時間を1分1秒でも奪おうとしている。

もちろん、この記事もだ。


ネットやSNS疲れが当たり前となり、自分に必要がない情報は無視される時代に、割り込み型の広告はもはや効果がない。

リアルな話、街を歩いているとき、「これ買ってください」といきなり話しかけられても困るのだ。

ビックデータの活用により、消費者が好みそうな情報をある程度振り分けてくれるが、それでも嫌悪感を抱かせる広告はなくならないものである。

つまり、情報過多の時代のマーケティングは「信頼を育てる」時代なのだ。

00.pngパーミッション(Permission)とは「許可」「許し」という意味である。

つまり、顧客が望む情報を提供する関係構築型のマーケティング体形が求められる。


顧客は「数」より「深さ」を

0.png⇒ 数より質。

⇒ 顧客の許可が第一歩。

パーミッション・マーケティングでは、まず相手の同意を得る。

そして、顧客数を追うのではなく、個々と深い関係を築くことが成果につながる。

見込客(=お付き合いの可能性があるお相手)と考えなければならない。

長期的に見れば、丁寧な関係づくりが未来を拓くのはなんとなくわかるだろう。

0000000.png260.png西野亮廣著「夢と金」

「ファン」を大切にすれば、売上も利益も大きくアップする。

ファンは「安く買いたい人」じゃない。 ファンは「応援したい人」だ。

西野亮廣著「夢と金」


267.pngハーマン・サイモン著『価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白』

✅ 高価格戦略や低価格戦略を上手に選択し、利益を最大化せよ。

価格は利益を生み出す最も効果的なものだ。

ハーマン・サイモン著『価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白』

やけくそな理論だが、アラブの石油王たった一人に「君のサービスは最高だ。毎月1億払うよ」と言われるほどの”信頼”を得ることができれば、無駄遣いしない限り、お金に困ることはもう無いだろう。

picture_pc_6857c0827e6ff4bf05b639668cb23332.png漫画:ザ・ゲームスターズ


パーミッションの5段階を理解する

顧客との関係性の深さに応じて、パーミッションには段階があるとゴーディン氏は説く。

見込み客を段階的に優良顧客へと育成するプロセスは以下の5段階である。

※❶ほど、顧客との関係性は高いので注意。

0.png❶点滴許可(すべて委任する状態)
顧客から意思決定を一任された最高レベル
例:雑誌の定期購読や電気・ガス・水道・電話料金、サブスクリプション等
医師が書面で「どんな薬を点滴してもOK」とパーミッションを得ている状態と同じ。


❷ポイント許可(ポイントや特典との交換で情報提供を許可している状態)
例:スタンプやマイレージプログラムは、商品を買うたびにポイントがもらえる。
顧客にメリットがあり、サービス利用したいとパーミッションを得ている状態。

どれくらいポイントを使うかを把握すれば、パーミッションレベルを計れるため顧客との関係性は高い。

ポイ活やポイントカードを捨てられないお客は”企業にとってのお得意様”なのだ。

年会費無料や初回契約時1万ポイントがついてくるインセンティブ(動機付け)は”自主的に参加してもらうため”に存在する。


❸個人的な関係許可(顧客と個人での人間関係があるレベル)
例:「営業の〇〇さん」だから話を聞く。
顧客が企業そのものより、個人同士レベルでのコミュニケーションを許可している状態。
日本企業の営業はこのレベルを目指しているのが多い。


❹ブランド許可(ブランドへの信用)
例:「トヨタ」だから車を買うか検討する。
ブランドに対して一定の好意や信頼を持っている状態。
セス・ゴーディンは、ブランドは過大評価されていると考えているため、このレベルになっている。

理由は、「お金も時間もかかるのに、計測も制御もできないから」


❺状況的許可(顧客と販売員の瞬間的な関係)
販売員と顧客は店舗で間近に接するが、それは一瞬にすぎない。
単純な現場で、顧客情報の一時的な閲覧許可された状態といえる。

”この時間帯に、この商品を買った”程度の顧客情報である。

例:アマゾンでは、ユーザー登録しなくても誰でも商品を検索し放題。

初回注文時に初めて、メールアドレス・住所・名前の必要最小限なデータを登録する。


この5段階で、顧客との絆が測れる。

⇒ 深い関係が成果を生む。

ちなみに、これら5つ以外は、「スパム」や「迷惑メール」と変わらないという徹底ぶりである。

う~ん。強火な意見…。


サブスクリプションは最上位の関係である

0.png⇒ 継続利用=信頼の証。

Amazon定期便やNetflixなど、顧客がサービスに判断を委ねるのは信頼の極みである。

本書においてマーケティングの理想形とも言える。


逆にいえば、「サブスク」を登録するということは、

「全面的にそのサービスを信頼します。」

と表明してあなたは契約しているのを理解しているだろうか?


是非、この点を理解しておきたい。

ひと月だけお試しならまだしも、そのまま大して使用していないのであれば、契約を考え直すべきだ。

私たちが思っている以上に、サブスクリプションは信頼レベルが高い。


0000000.png257.pngフレデリック・F・ライクヘルド 著「顧客ロイヤルティのマネジメント」

顧客ロイヤルティと呼ばれ、「自社や製品、サービスに対して顧客が抱く愛情や信頼」を指す。つまり、「顧客との絆」である。

こちらの書籍も、顧客からのパーミッション獲得を重視した考え方である。


つまり…。

・見込み客に自主的に参加してもらうためのインセンティブ(動機付け)を提供する。(年会費無料、1万ポイントのプレゼント。)

・製品やサービスについて学ぶカリキュラムを時間とともに提供する。
(時間をあけながら、メールや通知で知らせる。)

・許可を維持してもらうためにインセンティブ(メリット)を強化する。
(継続期間に応じてボーナスやポイント付与。)

・時間とともに許可を活用し、消費者の行動を利益につながるように変化させる。(十分な顧客が集まったらポイント付与に条件やランクを設ける。)


これらはすべて、パーミッション・マーケティングの基本なのだ。

時間はかかるし毎日手を抜けない。

収穫を焦ると育たない。

しかし日々じっくり育て続ければ収穫はどんどん増えていく。


初回注文時はメールアドレス・住所・名前といったの情報のみ。

使うたびに行動データが蓄積されていく。

購入商品の履歴。他の購入候補の閲覧履歴。

これらの情報で消費者一人ひとりの好みを把握し、心地よくサービスを使える環境を整えていく。

愚直に20年間以上継続した結果、アマゾンやグーグルは巨人になったのだ。

こうしてみると、パーミッション・マーケティングは現代でも十分に通用するのがわかるだろう🍀


まとめ

リベシティ用サムネ.png✅ 広告より信頼がモノを言う時代へ

✅ 許可なくしてマーケティングなし

✅ 関係性の深さが売上を決める


インターネットの登場は、パーミッション・マーケティングを実践するための強力なツールである。

メール、ブログ、ソーシャルメディアなどは、顧客との継続的なコミュニケーションを可能にし、パーミッションを獲得・維持するための重要なチャネルなのだ。


⇒ 関係性の深さが、選ばれる理由をつくる。

⇒ パーミッションは、瞬間ではなくプロセスの積み重ねである。


このような目線で物事を見ると、あなたの財布のひもは強固になるはずだ👍


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

_.png

ブックマークに追加した記事は、ブックマーク一覧ページで確認することができます。
あとから読み返したい時に便利です。

シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

投稿者情報

シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

イルカ会員

この記事に、いいねを送ろう! 参考になった記事に、
気軽にいいねを送れるようになりました!
この記事のレビュー(0

まだレビューはありません