- 投稿日:2025/06/21
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はティエン・ツォ著『サブスクリプション 「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル』2018年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
筆者:ティエン・ツォ
出典:Zuora CEO ティエン・ツォ(撮影=小田駿一)
フォーブスジャパン:「日本の製造業はサブスクで変わる」 Zuora CEOティエン・ツォが予見
そして、これからのビジネスの目標は、まず特定の顧客のウォンツ(欲求)とニーズ(必要)に着目し、そこに向けて継続的な価値をもたらすサービスを創造することだと主張した。 つまり、顧客をサブスクライバーに変えて、定期収益がもたらされる構造を築くことだ。 この変化をもたらした文脈を、私はサブスクリプション·エコノミーと呼んだ。
ティエン・ツォ著『サブスクリプション 「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル』
著者は企業のサブスク化を支援するズオラ(Zuora)の創業者。
Zuoraは、サブスクリプション型のビジネスを営む企業向けに最適化したSaaSアプリケーションを開発・販売・提供しているソフトウェア会社だ。
まさに、サブスクに関して最前線の人物の書籍である。
✅ 顧客との継続関係こそが最大の資産
✅ 製品ではなく「顧客の成功」を売れ
✅ 今すぐ「サブスク体質」へ進化せよ
現代、所有から利用への移行、製品からサービスへの移行によりサブスクリプションが浸透化してきている。
「サブスクリプションとは何か?」これを知っておくことはあなたの守る力、稼ぐ力にもなる。
サブスクリプションとは何か
すべてがこれまでと様変わりした。 なぜか? いまがビジネスの歴史の重要な転換点にあるからだ。 産業革命以後、見られなかった転換である。 一言でいえば、世界の中心が製品からサービスに移行しつつあるということだ。
ティエン・ツォ著『サブスクリプション 「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル』
製品ではなく関係を売る時代
⇒ 所有から利用へのシフトが進んでいる。
かつてのビジネスは製品を売ったら終わりだったが、今は顧客との継続的な関係を重視するモデルが主流になりつつある。
サブスクとは、顧客が購入し続ける長期的な関係をつくるビジネスモデルのこと。
住民税、社会保険料、新聞・雑誌の定期購読やガス・水道・電気の定期契約も、広い意味(月ごとに多少の変動があっても)でサブスクである。
つまり、昔から存在している。
会社員の給料も契約であり、サブスクだ。
サブスクの本質は「顧客の成功」
⇒ 顧客が継続利用したくなる価値提供が必要。
定期収益を得るには、単なる商品ではなく、顧客にとって有用で、成果が出るサービスが求められる。
一部にとって、ラクサスは悪魔のように魅力的なサブスクがある。
言うまでもないが、毒キノコなので参考にしないように。
月額9800円で30万円の女性用高級バッグ4万点が使い放題という仕組み。
当初、ラクサスはユーザーの女性たちからこんな苦情を受けていた。
「でも、欲しいバッグがない。」
バッグが多すぎて、お気に入りが見つからないのである。
クリス・アンダーソン 著「ロングテール『売れない商品』を宝の山に変える新戦略」
⇒ 選択肢を増やし、探しやすくし、試しやすくする。
ユーザーごとに好みをチェックし、AIでマッチング。
好みのバッグをスマホで簡単に見つけられるようにした。
サブスクで高価格なものをお手頃価格で提供すれば、顧客が買いやすくなって使い続ける。結果として顧客数を増やし、売上成長を実現できる。
シェアリングエコノミーともいう。
シェアリングエコノミー:インターネット上で個人が所有する資産(モノや場所、スキルなど)を他の個人や企業と共有する経済モデル。
図:【シェアリングエコノミーの5分類】
出典:デジタル庁・一般社団法人シェアリングエコノミー協会「シェアリングエコノミー 活用ハンドブック [2022年3月版] 」p.9
触れたことのある人も多いのではないだろうか?
誰がこの巨大な機会をつかむかわからない。 いま、サブスクリプション·ビジネスに移行しなければ、数年後、生き残りのために移行しようとしても、移行できるビジネスそのものがなくなっている可能性がある。
ティエン・ツォ著『サブスクリプション 「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル』
成功するサブスクの条件
デジタルの世界で、何十億という消費者の関心が所有から利用へと加速度的に移行して おり、サブスクリプション·エコノミーが爆発的に拡大している。 それなのに、ほとんどの企業はまだ製品を売ろうとしていて、この先100年ビジネスを続けていくための正しい備えができていない。
ティエン・ツォ著『サブスクリプション 「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル』
成功させる鉄則
古い世界では、成長するのに3つの方法があった。販売数を増やす、値段を上げる、コストを引き下げる、である。
ティエン・ツォ著『サブスクリプション 「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル』
サブスクリプションでは…。
❶顧客に「どうしても使いたい」と思わせる顧客体験・利便性・お得感を提供すること
❷顧客に継続的に使ってもらえるように顧客体験を高め続けること
❸収益化により継続できること
特に、①顧客離反防止と②新規契約獲得の2つの対策が重要になる。
⇒ 実はサブスクのハードルは高い。
単なる定額制ではない
⇒ 「なぜ顧客が継続するか」が鍵。
顧客が得られる価値が明確でなければ、価格だけで判断されてしまい失敗する。
お世話になっている人も多いであろう…
アドビはデザイナー・ソフトの老舗だ。
定価10万円のソフトウェアをCDに入れて箱売りしていたが、2008年のリーマンショックで売上激減した。
従来はソフト1本の販売で売上10万円。
しかしサブスクで毎月2000〜3000円に激減する。
さらにサブスク化する場合、製品・財務・販売の仕組みを変えるコストが増加し、利益がさらに悪化する。
例えば、従来は店舗売上を集計すれば済んだが、サブスクでは毎月ユーザー300万人以上への請求が必要になる。
もし経営陣が短期利益志向の場合、この状況を嫌がるだろう。
現状維持を続けて、サブスク化することなどできないだろう。
しかし、「箱売りに未来はない」と考えた経営陣はサブスク化を決断したのだ。
現在、サブスクは顧客利用状況がわかるので、高精度の顧客情報が入手できる状態になる。
営業は短期売上でなく、長期的な受注に注力するようになった。
モノ売り中心だと常に販売し続ける必要があり、不況になると売上はがた落ちだ。
サブスク売上が主体ならば契約分の売上は確保できる。
実際、サブスク売上の比率が高い企業は、コロナ禍の不況の中でも強い。
エレベーターやエスカレーターを売るだけでなく、その後の20年以上必要なアップデートやメンテナンスサービスの方が安定してお金が入ってくる。
そんなイメージだ。
⇒ 「サブスク」は景気に左右されにくいビジネスモデルである。
ただし、成長や拡大に伴うコスト増から起きる値上げやサービスの改悪でいかに顧客を引き止められるかが、命綱になる。
自社のサブスクリプション・サービスが成功しているかどうかを判断する簡単な方法は、解約率が抑えられているかどうかを見ることだ。
ティエン・ツォ著『サブスクリプション 「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル』
では、どうすれば「サブスク」を自社で進めることができるのか?
顧客中心のオペレーションに刷新
今日のブランドは、広告ではなく経験を通して伝えられている。
ティエン・ツォ著『サブスクリプション 「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル』
特に、伝統的な商品(プロダクト)販売モデルで成功を収めてきた企業にとって、サブスクリプションへの移行は、既存の成功体験と組織慣性の克服という大きな障壁を伴う。
⇒ 全部署が変わる意識改革が必要。
開発・財務・営業など、全社的に顧客起点で動く構造が求められる。
商品設計も価格設定も「顧客の成功」から逆算する。
すなわち「自社のサービスを使ってくれる顧客に確実に成功してもらうことであり、それを自社の収益に変換すること」を組織全体に根付かせることが、持続的な成功には不可欠である。
多くの意味でこの本は、スタートアップ企業よりも伝統的企業に身を置く読者に、ビジネス未経験者よりもビジネス経験を積んだ読者に、より役立てていただけるのではないかと思う。 なぜなら、テクノロジーによる破壊が進む現状の根底には、シンプルだが強力な認識の変化が存在するからだ。すなわち、企業がついに顧客を理解し始めたという変化である。
ティエン・ツォ著『サブスクリプション 「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル』
セス・ゴーディン著『パーミッション・マーケティング』
サブスクリプションは最上位の関係である。
逆にいえば、「サブスク」を登録するということは、 「全面的にそのサービスを信頼します。」 と表明してあなたは契約しているのを理解しているだろうか?
まとめ
✅ 顧客との継続関係こそが最大の資産
✅ 製品ではなく「顧客の成功」を売れ
✅ 今すぐ「サブスク体質」へ進化せよ
⇒ 顧客を知り、育て、支えることで、企業も生き残れる。
ちなみに工業系製品のメーカーのサブスクもできる。
工業系で導入するには、
・顧客が望むのは製品ではなく、製品から得られる結果に注目する。
・製品から提供できるサービスをサブスク化する。
(トラックメーカーであればトラックではなく配送サービスの提供)
・IOT、利用データ等を蓄積し、利用料に応じて課金する。
利用データを次期開発に活かす。等の視点がある。
機械部品メーカーがIoT技術を活用した事例で「スマートベアリング」がある。
ベアリング自体を売るのではなく、その状態監視や予知保全といったサービスを提供することで収益を得るモデルに転換する。
他には、コマツの建機遠隔管理システム「KOMTRAX」も、建設機械の稼働データに基づいてサービスを提供する。
これらの事例は、製品の「機能」を売るのではなく、顧客がその製品を利用することで達成したい「目的」(例:機械の安定稼働、メンテナンスコスト削減)に焦点を当てたサービス提供への転換を示している。
実際、サブスクできないものはないとのこと。
既成概念を捨て、顧客が本当に欲している「体験」にフォーカスすべきだ。
サブスクリプション・ビジネスは顧客の幸せの上に成り立つ唯一のビジネスモデルだからだ。
ティエン・ツォ著『サブスクリプション 「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル』
私たちは知らないうちに、「所有」から「利用」へと大きくシフトしているのだ。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆