- 投稿日:2025/08/02
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はジョン・P・コッター著『企業変革力』2002年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
筆者:ジョン・P・コッター
出典:Wikipedia
ハーバード・ビジネススクール松下幸之助記念講座名誉教授。リーダーシップ論を担当。1981年、当時としては史上最年少の34歳でハーバード大学の正教授に就任。
他の書籍
ジョン・P・コッター 著『幸之助論』
コッター教授自身が「松下幸之助を、リーダーシップの観点で分析した伝記を書きたい」と考え、7年間かけて書き上げた作品。
✅ 企業変革の失敗には共通のパターンがある。
✅ 成功には8段階のプロセスを着実に踏む必要がある。
✅ リーダーシップは誰でも発揮でき、危機意識が変革の第一歩だ。
いかにすぐれた人材を備えていても、単に管理者のマインドセット(心構え)では変革が失敗に終わることを例示している。
ジョン・P・コッター著『企業変革力』
企業や政治家の不祥事は決してなくなることはなく、「抜本的な変革に取り組んでまいります」や「不徳の致すところ」と語る者は多い。
数年前から同じ言葉を繰り返しているが、結局は何も変わらない。
なぜなのだろうか?
本書は「変革で最大の障害は古い企業文化だ。大規模変革の第一歩は企業文化を変えること」と提示し、企業文化に起こるつまずきや変革のためのプロセスを教えてくれる。
各段階で成果を怠って進めると、問題が発生し変革は失敗する。
難しい書籍だが、たった一文でも参考になれば幸いである。
そしてよく読むと、組織も個人も、規模に関わらず、「変革」を失敗させないためのプロセスは同じだと気づくことになるだろう。
なぜ企業変革を失敗しないための8段階
出典:漫画『へうげもの』
企業を変革する際にわれわれの犯す最大の過ちは、仲間である管理者、従業員の間に改革に対する十分な危機感を盛り上げないうちに変革に突入してしまうことだ。 この種の過ちは正に救いがたい。
なぜなら、現状満足の高い状況では、いかなる変革努力といえども所期の目的が決して達成されないからである。
ジョン・P・コッター著『企業変革力』
①危機意識の欠如
⇒ 現状満足は変革の最大の敵である。
⇒ 市場や競合の現実を直視させ、危機感を醸成せよ。
変革の必要性が管理者、従業員の間で十分に共有されなければ、いかなる努力も実を結ばない。
これは最初の過ちにして、最大の過ちと言える。
楽観的なことは悪いことではないが、現状満足の高い状況では変革は決して達成されない。
「何とかなる」「景気が戻れば復活する」「自分の責任ではない」と思っている間は、変革が進まない。
現状満足の空気を打破することが全ての始まりだ。
②強力な推進チームの不在
⇒ 少数のリーダーだけでは変革は進まない。
⇒ 変革をリードする十分なパワーを備えたグループを結成せよ。
変革を推進するためには、十分な権限と信頼、専門性を持つ多様なメンバーから成る強力な連帯チームの結成が必要不可欠である。
このチーム作りを怠ると、変革は推進力を失う。
ちなみに、人を管理するのが得意な人たちだけだと失敗する。
必要なのは「現状を変えたい」というリーダーシップを持つ人たちでなければならない。
こうしてみると、「元いたトップ陣を全員解雇する」といった強行も理由がないわけではないとわかる。
出典:漫画『ドリフターズ』(DRIFTERS)
補足:収奪とは強制的に奪い取ること。
逆にいえば、それができない組織は変革に間違いなく時間がかかる。
③ビジョンの軽視と曖昧さを無くす。
⇒ 明確で魅力的なビジョンなくして変革は迷走する。
⇒ 人々を鼓舞し、方向性を示すビジョンと戦略を創造せよ。
変革努力を導くための、顧客や株主、社員に説明しやすく、かつアピールしやすい未来図(ビジョン)の重要性を過小評価してはならない。
進むべき方向を示す羅針盤がなければ、変革は力を失う。
明確なシンプルさが鍵だ。
ビジョンとは、将来のあるべき姿を示すもので、なぜ人材がそのような将来を築くことに努力すべきなのかを明確に、あるいは暗示的に説明を加えたもの、と定義できる。
ジョン・P・コッター著『企業変革力』
④ビジョンの未浸透を許さない。
⇒ 素晴らしいビジョンも伝わらなければ意味がない。
⇒ あらゆる手段を活用し、ビジョンと戦略を継続的に伝えよ。
策定したビジョンは、あらゆるコミュニケーション手段を駆使して、従業員に周知徹底されなければならない。
情報過多の現代では、繰り返し伝え、共感を呼ぶ努力が求められる。
私たちは日々膨大な情報に接している。
大切な変革ビジョンも、膨大な情報の中に埋もれてしまう。
そのために明確なシンプルさが鍵となる。
⑤障害を放置しない。
⇒ 変革に立ちはだかる障害の発生を許してはならない。
⇒ 障害を取り除き、従業員が行動しやすい環境を整備せよ。
変革の行く手を阻む障害を放置してはいけない。
新しいビジョンに適合しない組織構造、システム、あるいは抵抗する人々といった障害を放置すれば、従業員の自発性は生まれず、変革の前進は阻まれる。
今まで遂行されたことのないアイデア、活動、行動を積極的に促進させる。
障害除去への断固たる姿勢が必要で、その際、人事の仕組みも見直すことも選択肢となる。
「顧客満足最大化の実現」が変革の狙いならば、人事評価の評価項目は、「売上」でなく「顧客満足」に変えるべきである。
⑥短期的な成果の不足を防ぐ。
⇒ 長期的な変革にはエネルギー維持が不可欠である。
⇒ 目に見える成功を早期に計画し、実現せよ。
変革が本物になるには時間がかかるため、目に見える短期的な成果を計画し、達成することを怠ると、変革の勢いは失速しかねない。
小目標をいくつも設定することで、方向性のチェックもできる。
小さな成功体験が推進力と信頼を生むのだ。
初年度、2年目、5年目と目標を公言して必ず達成する。
OKR(Objectives and Key Results)を参考にするのも良い。
ジョン・ドーア氏『Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR』
⑦早すぎる勝利宣言をしない。
出典:漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(第3部:スターダストクルセイダース)
ある課題を完了するまえに中途で放棄すると、不可欠である推進の勢いが消え去り、元に戻ってしまう
ジョン・P・コッター著『企業変革力』
⇒ 一時的な成功で満足し、変革の手綱を緩めてはならない。
⇒ 短期的成功に満足せず、変革の範囲を拡大・深化させよ。
ある程度の成果が出た時点で「変革は成功した」と早々に宣言すると、そこで変革は途絶えてしまう。
変革の定着には、さらなる粘り強さと時間が必要である。
⑧企業文化への定着を失敗させないために。
われわれがあなたを採用するという決定を下した大きな理由の一つは、あなたがわが社の文化にスムーズにとけ込み、暗黙のうちに認められている価値観と信念を分ちあってくれて、またわが社の行動規範にも容易に適応してくれると考えたからだ
ジョン・P・コッター著『企業変革力』
⇒ 新しい行動様式が組織の血肉とならなければ真の変革ではない。
⇒ 変革を組織のDNAに刻み込み、新しい行動様式を定着させよ。
変革を企業文化に定着させることを怠れば、苦労して導入した新しいアプローチも、いずれ古い慣習に逆戻りする。
古い慣習はそう簡単になくなることはない。
ダイエットのリバウンドやゴムのように元に戻ろうとする。
慣習や暗黙は歴史でつくられる。
その対策として、毎年新たな課題を見つけて解決することが必要である。
大きな変革ほど、様々な人や組織が相互に関わるため、継続を意識しなければならない。
企業文化への定着こそが変革の最終ゴールである。
変革リーダーに求められるもの

マネジメントとリーダーシップの違いを理解する
リーダーシップ能力は、生まれつきの神聖な才能であり、ごく少数の人材に与えられてきた特別な才能であると考えられてきた。
ジョン・P・コッター著『企業変革力』
⇒ リーダーシップは方向を示し動機づけ、マネジメントは計画を実行する。
リーダーシップは変革すべきことを見据え「一緒にあの山頂を目指そう」と方向性を示し、人々を動機づけて行動させる能力。
マネジメントは計画を立て、資源を調達し、確実に実行する能力である。
ゆえに、人を管理するのが得意な人たちだけだと変革は失敗する。
リーダーシップは誰でも発揮できると知る
⇒ リーダーは選ばれたエリートではなく、育成可能である。
優れた変革リーダーになるためには強い意志とスキルが要求されるが、これらは誰でも身につけることができる。
危機感をバネに行動することで、誰もが変革の担い手となり得るのだ。
生涯学習を促す習慣を身につける
ピーター・M・センゲ 著「学習する組織 ― システム思考で未来を創造する」
組織全体での「学習する組織」と内容が近い。
⇒ リスクを恐れず、謙虚に学び、他者の意見に耳を傾ける。
リスクを負うこと、謙虚な自己認識、他人からの意見聴取、注意深い傾聴、柔軟性、新しいアイデアへの開放性といった習慣的行動が、リーダーとしての成長と変革の成功を支える。
つまり、簡単な方法は存在しない。
「意思」も「労力」も必要である。
われわれはこうした人々を多数必要としており、将来に向けて、このような人材をさらに数多く開発していくことが求められている。
ジョン・P・コッター著『企業変革力』
まとめ
✅ 企業変革の失敗には共通のパターンがある。
✅ 成功には8段階のプロセスを着実に踏む必要がある。
✅ リーダーシップは誰でも発揮でき、危機意識が変革の第一歩だ。
⇒ 変革への道は一歩ずつ、しかし確実な歩みから始まる。
日本という国が保ってきたあらゆる強みを認めつつ、前記のすばらしいビジョン(将来の絵姿)を実現するためには、日本の経営者、マネジャー、政治家がさらにすぐれた変革リーダーになることが不可欠の条件となる。
ジョン・P・コッター著『企業変革力』
個人もまた、様々な性格の集合体と考えてみるのも面白い。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆