- 投稿日:2025/08/23
- 更新日:2025/10/01
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はエドガー・H.シャイン、ピーター・A・シャイン著『謙虚なリーダーシップ』2020年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
筆者:エドガー・H.シャイン
出典:Amazonのプロフィール
MITスローン経営大学院名誉教授。シカゴ大学を経て、スタンフォード大学で心理学の修士号、ハーバード大学で社会心理学の博士号を取得。ウォルター・リード陸軍研究所に4年間勤務したのち、MITで2005年まで教鞭を執った。組織文化、組織開発、プロセス・コンサルテーション、キャリア・ダイナミクスに関するコンサルティングを行い、アップル、P&G、ヒューレット・パッカード、シンガポール経済開発庁などの企業・公的機関をクライアントとしてきた。
著者:シャイン.ピーター・A
組織文化&リーダーシップ研究所(OCLI.org)の共同創設者、COO。スタンフォード大学(社会人類学)やノースウェスタン大学(マーケティングおよび情報管理のMBAを取得)などで学び、パシフィック・ベルやアップルで新製品開発に従事。
✅ リーダーは「個の力」より「関係の質」である。
✅ 組織の信頼関係が心理的安全性を生む。
✅ 謙虚なリーダーシップは学び続ける姿勢である。
本書は、組織心理学の分野に多大な影響を与えてきたエドガー・H.シャイン氏の半世紀にわたる研究の集大成と位置付けられている。
リーダーは常に「スーパースター」として、英雄のように、大胆かつ非凡なことをしなければならない。そんな考え方をする個人主義的・競争的な経営文化に、あなたはいつの間にか囚われてしまっていないだろうか。
エドガー・H.シャイン、ピーター・A・シャイン著『謙虚なリーダーシップ』
20世紀から21世紀にかけて経済界に最も影響力のあった経営思想家であるP·F·ドラッカーはこう言っている。
『凡人をして非凡なことをなさしめる』ことが組織の目的である。
謙虚なリーダーシップは1つの完成形である。
「どうしたら、あの人の役に立てるだろう?」という問いを究極の命題としている。
押しつけではない真の「協力関係」を築くことの重要性を訴えかけている。
単にビジネスの成功だけでなく、より豊かな人間関係と社会全体の発展に貢献するリーダーシップのあり方とは何だろうか?
謙虚なリーダーシップ
「英雄」より「関係」の時代へ
リーダーシップは、あらゆる組織のあらゆる場所、あらゆるレベルに存在すると思うのだ。リーダーシップとは、ヒエラルキーにおける二次元(トップダウン)の関係でもなければ、「高い潜在能力」を持つ個人の並外れた才能でもなく、人のつながりが複雑に組み合わさったものだ
エドガー・H.シャイン、ピーター・A・シャイン著『謙虚なリーダーシップ』
⇒ 1人のリーダーに依存しない組織が強い。
ヒーロー型リーダーでは複雑な組織課題に対応できない。
信頼と率直な対話を軸にした組織文化が今、求められている。
謙虚なリーダーシップとは何か?
謙虚なリーダーシップは、リーダーが「1人の人間として相手を見る」ことが必要とされる。
リーダーが自身の能力の限界や過ちを正確に把握する意欲を持ち、他者の強みや貢献を評価し、常に学びの姿勢がある。
未来に必要なのは新たな考え方、すなわち「謙虚なリーダーシップ」である。これは、率直に話し、信頼し合う、レベル2の関係が基盤になっている。
エドガー・H.シャイン、ピーター・A・シャイン著『謙虚なリーダーシップ』
レベル2は後述するが、「謙虚なリーダーシップ」とは、リーダーが自身の能力の限界や過ちを正確に把握する意欲を持ち、他者の強みや貢献を評価し、常に学びの姿勢を持つスタイルと語る。
⇒ 他者を尊重し、学び続ける姿勢である。
謙虚さとは、自己の限界を認め、仲間の力を信じること。
他者の強みを見つけ、活かし合う姿勢が鍵となる。

ハーバード·ビジネス·レビュー編集部(ビル·ジョージ)『オーセンティック・リーダーシップ』
本書はリーダー125人を調査したが、共通の特徴・特性・スキルは何ひとつ見いだせなかった。
米国で広がりつつあるのが、オーセンティック・リーダーシップ(Authentic Leadership)という考え方である。
⇒ オーセンティックとは「本心に偽りのない」
「あるべきリーダーの姿」を考えること自体が大間違いで真のリーダーは自然体であるべきとしている。
4つの関係レベルで組織を診る
レベル1:公式な役割に基づく関係(例:上司と部下)
レベル2:個人的な信頼に基づく関係(例:同僚間の協力)
レベル3:相互依存的な協力関係(例:チームメンバー間の深い連携)
レベル4:完全な相互信頼と本音の共有(例:家族のような関係)
関係とは、過去のやりとりに基づき、未来の互いの行動を、互いに予想できることである。関係が築かれているときには、相手の行動が互いにある程度、読めるのだ。
エドガー・H.シャイン、ピーター・A・シャイン著『謙虚なリーダーシップ』
ちなみに本書では、レベルマイナス1もあり、互いに相手を人間として扱わない関係を「望ましくない関係」としている。
看守と囚人、従業員を単なる雇い人としか考えないマネジャーが当たる。
つまり、論外ということである。
⇒ 深い関係が信頼を育てる。
形式的な上下関係から、感情と信頼の共有へ。
レベル2以上の関係性が、心理的安全性と創造性の基盤となる。
ちょうどよい温度感がレベル2なのだ。
私たちはチームであって、家族ではない。
組織文化を変える第一歩

謙虚なリーダーシップは、グループがより機敏で協力的になるのを後押しする。そして、従業員や顧客に合うよう、リーダーシップをカスタマイズする
エドガー・H.シャイン、ピーター・A・シャイン著『謙虚なリーダーシップ』
⇒ 役割より人を見ることが大切。
⇒ 関係性を育てる行動が文化をつくる。
組織文化は自然に生まれるものではない。
日々の小さな行動、関係性の積み重ねが組織全体を変えていく。
特に個人を肩書きでなく、一人の人間として見る努力が必要。
雑談や個人的な対話が、信頼への第一歩となる。
リーダーが自身の弱さを受け入れ、他者の強みを認め、学びの姿勢を持つことが、心理的安全性の高い職場環境を育む。
企業、行政機関、NPO、教育研究機関など、あらゆる分野のリーダーに応用できる。

エイミー·C·エドモンドソンの『恐れのない組織』
心理的安全性は集団の大多数が共有する雰囲気から生まれる。
つまり、「ここではなんでも言える。心おきなくリスクがとれる」と感じる雰囲気のこと
心理的安全性はチームの生産性を向上させる。
「ムチを見せないと社員はサボる」と考えている時点で、不祥事の芽は生まれる。
学び続けるリーダーであれ

弱さを受け容れ、レベル2のつながりを通じて、レジリエンシー(しなやかに適応する力)を育むことである。
エドガー・H.シャイン、ピーター・A・シャイン著『謙虚なリーダーシップ』
⇒ リーダーは「完成形」ではなく「進化形」。
一度学んだら終わりではない。
振り返りと改善、対話の習慣が、謙虚なリーダーシップを育てる。
「どうしたら、あの人の役に立てるだろう?」という問いを究極の命題とし、押しつけではない真の「協力関係」を築くことが必要である。

ピーター・M・センゲ 著「学習する組織 ― システム思考で未来を創造する」
たいていの場合、積極的に見えても、実は受身なのである。 (中略) 真の積極策は、私たち自身がどのように自身の問題を引き起こしているかを理解することから生まれる。 それは、私たちの感情の状態からではなく、私たちの考え方から生み出されるものなのだ。
ピーター・M・センゲ 著「学習する組織 ― システム思考で未来を創造する」
まとめ
✅ リーダーは「個の力」より「関係の質」である。
✅ 組織の信頼関係が心理的安全性を生む。
✅ 謙虚なリーダーシップは学び続ける姿勢である。
⇒ 「人は人との間で育つ」
謙虚なリーダーシップは、彼らが経験し、のちの世代のためにつくっていくことになる未来に、意味をもたらすのだ。
エドガー・H.シャイン、ピーター・A・シャイン著『謙虚なリーダーシップ』
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆
