- 投稿日:2025/11/08
- 更新日:2025/11/08
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はジョン・C・ボーグル著『航路を守れ』2021年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ジョン・C・ボーグル
出典:Wikipedia
投資信託会社バンガード・グループの創業者。1974年にバンガードを設立し、1996年まで会長兼CEO、2000年までシニアチェアマンを務めた。世界で初めて個人向けのインデックスファンドを創設したことで知られ、1999年には『フォーチュン』誌で、20世紀における4人の「投資業界の巨人」の1人に選ばれた。2004年には『タイム』誌で、「世界で最も力があり、影響力の強い100人」に選ばれている。『インスティテューショナル・インベスター』誌からは、ライフタイム・アチーブメント賞を贈られた。2019年1月没。
「If you have trouble imagining a 20% loss in the stock market, you shouldn’t be in stocks.(株式市場で20%の損失を被る想像ができないなら、株式に投資すべきではない)」
ジョン・C・ボーグル

バンガード(Vanguard)は、1975年に米国ペンシルベニア州バレーフォージで創業された世界最大級の資産運用会社のひとつ。
創業者の理念として「全ての投資家の皆さまと公平に向き合い、投資目標達成のための最良の機会を提供する」という使命を掲げている。
代表的なETFの1つに「VOO バンガードS&P500 ETF」がある。
米国の有名企業等の大型株に投資ができること、そして経費率が0.04%程度という低コストで運用できることが、VOOの最大の魅力である。
経費率:ETFの純資産総額に対して、運用会社が運用にかかる費用を自動的に差し引く割合のこと。
ま、これも仕事なんでな。完全なコストゼロは無理や。
運用コストは信託報酬や監査費用、管理費用などがあげられる。
経費率が低いほど、長期保有時の運用コストを抑えられ、結果的に投資リターンを高めることが期待できる。
まったく関係ないが、キャッシュレスサービスの手数料問題もこのような「発明」が生まれることを願うばかりだ。
著者の他の本
ジョン・C・ボーグル著『人生のダイヤモンドは足元に埋まっている』
こちらはバンガードやインデックスファンドの誕生に関する話ではなく、ジョン・C・ボーグル自身がどのような思想をしているかを語る書籍。
元のタイトルは「enough」。
本書は「足る」に全てが集約されている。
✅ 長期投資で規律を守ることが成功の鍵。
✅ 低コスト運用が投資家を守る。
✅ 市場に翻弄されず、自分の航路を信じよ。
1974年の創設以来、バンガードは投資コストの引き下げに力を注いできた。その結果、現在バンガードは巨大企業となり、全世界約2000万人の顧客のために、5兆ドル以上(2018年時点)を運用している。
ジョン・C・ボーグル著『航路を守れ』
「投資で成功するにはどうすればいい?」
「プロに任せるべき?それとも自分でやるべき?」
そんな疑問に対して、ジョン・C・ボーグルが提示する答えはシンプルだ
「航路を守れ(ステイ・ザ・コース)」。
短期的な欲に駆られず、長期で規律を持って投資すること。
この記事では、その投資哲学の本質と、実際にどう実践するかを解説する。
本書は、彼が最後に書き遺した、同社誕生から現在までを振り返り、さらにインデックス業界の将来をも予言する回顧録である。
『航路を守れ』
当時、個人向けインデックスファンドは当初「ボーグルの愚行」と酷評された歴史がある。
投資業界は嘲笑で迎え、「ボーグルの愚行」や、「失敗する運命にある」、「アメリカらしくない」など酷評された。
ジョン・C・ボーグル著『航路を守れ』
一般投資家に公平な機会を与えること、投資家の利益のために運営することが、世界最大のミューチュアルファンド(日本だと”投資信託”と呼ばれることが多い)になるとは、ジャック自身も予想していなかった。
後に彼がインデックス投資を世に広める際、バンガード(Vanguard)は金融業界の古い伝統と戦い、新たな時代を切り拓く「旗艦」となった。
投資の航路を守れとは何か?
私は普段、「航路を守る」という表現を、株式市場の毎日の変動は無視して、米国経済の長期的な成長を重視するという、投資を成功させるための重要なルールとして使っている。
ジョン・C・ボーグル著『航路を守れ』
⇒ 短期の変動に惑わされず、長期視点で進む。
「Stay the Course(航路を守れ)」は、単なるスローガンではない。
投資の世界では、暴落や急騰といった大波が必ず訪れ、そのたびに、「売らなきゃ」「もっと買わなきゃ」という衝動に駆られる。
市場の波は常に荒れるが、慌てて舵を切る必要はない。
実際、過去50年の米国株市場では、短期間で大きな下落が何度も起きたが、10年、20年のスパンで見れば市場は一貫して上昇している。
「短期のノイズに惑わされるな、長期の信念を守れ」
目的地を見失わず、時間を味方にすることが投資成功の第1歩である。
そして、1歩踏み出し、2,3歩進んで気がつくと舵を切ってしまうのだ。
ボーグルが築いたバンガードの革命
現実とは異なり、華やかな噴水(アクティブファンド)の周りは干からびてしまう植物も多い。
毎日、「たとえひとりでも変化は起こせる」ことを思い出すべきだ(この言葉を忘れずに自分に当てはめること)。
ジョン・C・ボーグル著『航路を守れ』
⇒ 投資家本位の構造で低コストを実現。
⇒ 挫折が新しい価値を生む。
彼はもともと別の投資信託会社(ウェリントン・マネージメント社)の社長兼CEOだったが、合併による事業多角化や運用スタイルを巡る議論などが原因で社内対立が起き、1974年に事実上解任された。
「私は権力を失ったが、理念を手に入れた」
過去の体験から「顧客を第一にする」理念を貫き、世界最大級の資産運用会社バンガードを築いた。
バンガードは外部の株主を持たず、投資家自身が所有する仕組み「投資家所有構造(mutual ownership structure)」により、利益を顧客に還元し続けるモデルを確立した。
投資界は、「投資家全体が得る利益は、コストが差し引かれなければ、市場全体の利益と全く同じである」という根本的な真実に気づいてしまった。
ジョン・C・ボーグル著『航路を守れ』
利益は会社ではなくファンド投資家に直接還元され、余剰資金やスケールメリット(規模の経済)がコスト削減や経費率引き下げに反映される。
つまり、投資家が自分で売買や運用判断を行う仕組みにより、投資信託にありがちである…不要な相談料や営業コストも排除している。
顧客第一の結果、世界最大級の運用規模を誇り、余剰資金を業務効率化やテクノロジー投資を活かせたことも大きい。
特にファンド規模が拡大するほど、管理費用を分散できるため、さらにコストダウンを享受できる。
2025年8月時点でVOOのファンド規模は7000億ドル超。
仮に経費率が0.04%とすると…。
7000億ドル × 0.04% = 7000億ドル × 0.0004 = 2.8億ドル
2025年8月のドル円相場はおおよそ1ドル=147円前後なので、約411.6億円である。
従業員への給料や様々な設備代を加味しても十分賄える金額である。
ここから、経費率を0.01%上げただけでも、大きな利益(数百億円規模)となるのは容易に想像できる。
だが、バンガードは「全ての投資家の皆さまと公平に向き合い、投資目標達成のための最良の機会を提供する」という航路を創業時から守り続けている。
この構造と方針こそ、現在の「低コスト投資時代」を切り開いた原点といえる。
おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。
マタイによる福音書
結果、業界に手数料戦争を引き起こしたのである。

ジェレミー・リフキン著『限界費用ゼロ社会』
限界費用とは生産を1つ増やしたときの追加コスト。
要は使い倒せば、使い倒すほどコストが低くなるものである。
正しいコストカットは人間のために行われる。
コストカットのために人間を犠牲にしてはいけない。
「無料」というのは有料の購入に向けた顧客基盤構築のための、マーケティング上の工夫なのだ。
ジェレミー・リフキン著『限界費用ゼロ社会』
実践するための3つのポイント
たぶん、きっと、おそらく・・・航路は正しいはずだ!…そうだよね?
機関投資家や個人投資家が普通株を所有するのであれば、請求する報酬が最低限のインデックスファンドを通じて保有するのが最も有利である。
そうすれば、投資のプロが挙げる正味(報酬・経費の控除後)の実績を上回るはずである。
❶コストを下げる
投資の世界では「手数料は雪だるま式に効く」。
1%の手数料でも30年後には大きな差になる。
❷長期で持ち続ける
タイミングを計ろうとする行為は、ほぼ確実に失敗する。
だが、割安な時を見逃してはいけない。
❸信念を曲げない
暴落が来ても、狼狽売りしない。
それが投資家としての最大の試練。
正しいルールを忘れないこと。
もしも、悪いルールだったとわかったらすぐに修正すること。
⇒ コストを下げ、長期で持ち、信念を曲げない。
⇒ 大半のアクティブ運用は市場平均に勝てない。
多くの人が「市場を出し抜きたい」と願う。
過去のデータでは、長期的に市場平均を上回るアクティブファンドはごくわずか。
複雑な戦略やプロの判断よりも、市場全体に低コストで投資し、長期で持つ方が合理的と理解している。
インデックス投資はその事実に基づいた合理的な戦略である。
しかし、何よりもやっかいなのは、私たちは過去のデータなどあてにならないと信じながらも、大金が転がってくるといつでも期待しているからである。
繰り返すが、無駄な手数料を減らし、焦らず持ち続けること。
そして、一時の欲望よりも自分の投資方針を優先することが、航路を守る最大の秘訣である。
多くの人にとって、有益だが、つまらないことを延々と続けられる者は強い。
航路を守る者こそ、最終的な勝者になる。

今回はバートン・マルキール著『ウォール街のランダム・ウォーカー』
どれほど過去のチャートを分析しても、未来の株価はサイコロの目と変わらない。
それが「ランダム・ウォーク理論」だ。
著者マルキールは、市場の値動きは“ランダムウォーク”であると主張する。
本書を読めば、アメリカの株式市場では新しい投資情報は速やかに株価に織り込まれる、言い換えればかなり効率的だということを示唆する多くの証拠があることが分かるだろう。加えて、私が提唱し続けてきたインデックス·ファンドの優位性を支持する証拠も、年とともに着実に積み上げてきた。
バートン・マルキール著『ウォール街のランダム・ウォーカー』
まとめ
✅ 長期投資で規律を守ることが成功の鍵。
✅ 低コスト運用が投資家を守る。
✅ 市場に翻弄されず、自分の航路を信じよ。
私たち一人ひとりが、人生を進みながら最善を尽くし、他の人たち(特に、恵まれていない人々)を助けなくてはならない。
何かを見つけたら、見つけた時よりもよい状態で戻さなくてはならない。
ジョン・C・ボーグル著『航路を守れ』
⇒ 航路を守る者こそ、最終的な勝者になる。
焦らず、欲に流されず、規律を保ち続ける。
それが、インデックス投資の本質であり、ボーグルが私たちに残した最大の教訓である。
ボーグルは投資家の利益と国益の双方に資する政策を目標とすべきであるとしている。
「企業人が目指すべきは、あらゆる製品を水のように無尽蔵に安く生産することだ。これが実現されれば、地上から貧困は撲滅される。」
松下幸之助
ただ、あまりにも世界中の多くの資金が同じ指数=特定銘柄群に集中することは、個別企業や国への依存度が高まり、市場構造の偏りや価格形成の「ゆがみ」が発生するおそれがある。
例えば、投資家が一斉に同じような大企業株を買うことで株価が過度に上昇し、実態以上に割高になるリスクだってある。
ジョン・C・ボーグル氏がすでに亡くなられている以上、バンガード社の方針変更やトラブルが起きないとも限らない。
金融へのテロリズムやサイバー攻撃に対応するために、大金を守るコストが膨れ上がる可能性もある。
何事も、行き過ぎはいけない。
「足る(enough)を知る」べきだ。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆

