- 投稿日:2025/06/07
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はジェレミー・リフキン著『限界費用ゼロ社会』2015年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ジェレミー・リフキン
出典:Amazonのプロフィールから
文明評論家。経済動向財団代表。欧州委員会、メルケル独首相をはじめ、世界各国の首脳・政府高官のアドバイザーを務めるほか、TIRコンサルティング・グループ代表として協働型コモンズのためのIoTインフラ造りに寄与する。ペンシルヴェニア大学ウォートンスクールの経営幹部教育プログラムの上級講師。
「なぜYouTubeやGoogleは無料なのに儲かるのか?」
「デジタル社会でのビジネス成功の鍵はどこにあるのか?」
従来の経済学やビジネス常識では理解できない時代に突入している。
今回は、『限界費用ゼロ社会』という概念を通して、未来の経済の姿と個人がどう生きるべきかを考えていく。
✅ これからの社会では限界費用ゼロが主流となる。
✅ 指数関数的な進化に備えるべきだ。
✅ 未来は「共有型経済」とともにやってくる。
限界費用ゼロ社会
書籍の製造と流通の限界費用がほぼゼロまで急落したらどうだろう? じつは、これはすでに起こりつつある。
しだいに多くの作家が、出版社や編集者、印刷業者、卸売業者、運送・倉庫業者、小売業者を迂回して、作品をインターネットにアップし、非常に廉価で、あるいは無料で、入手可能にしている。 一冊一冊の販売と流通のコストはゼロに近い。
コストは、作品を生み出すのにかかった手間と、コンピューターを使用してインターネットに接続する料金に限られる。 電子書籍は限界費用がほぼゼロでの製作・流通が可能なのだ。
ジェレミー・リフキン著『限界費用ゼロ社会』
GAFAMのビジネスはなぜ無料なのに成立するのか?
ちなみにGAFAM (ガーファム) とは、米国の主要IT企業であるGoogle、Apple、Facebook (現Meta)、Amazon、Microsoftの5社の頭文字を合わせた略称。
⇒ 限界費用がゼロに近いからである。
GoogleやAmazonは数十億人にサービスを提供しているが、ユーザーが増えても追加のコストはごくわずか。
これが「限界費用ゼロ」の世界だ。
そもそも限界費用とは?
⇒ 生産を1つ増やしたときの追加コスト。
要は使い倒せば、使い倒すほどコストが低くなるものである。
パン屋で言えば、パン1個あたりの材料費などが該当する。
従来のものづくりでは、設計後、最初に「金型」をつくる。
「金型」はタイ焼きをつくる型と同じ。
この金型をつくるには意外とお金がかかる。
金型製作費が100万円で樹脂代が1個5円なら、1個目の費用は100万と5円だが、100万個つくると「金型」は総額600万円で済む。
クリス・アンダーソン著「MAKERS 21世紀の産業革命が始まる」から編集
余談だが、私たちの家庭にあるコンセント1つの値段がいくらか知っているだろうか?
実は1000円もしない。
写真でパッと見てもそれなりに材料や構造は複雑に見える。
パナソニック製は現在1個300~400円ぐらいだ。
コンセントへの配線も簡単で、工事時間も短縮でき、非常に高品質。
製造単価の低い国の製品に価格でも負けていない世界シェア2位という偉業を成し遂げている。
(ちなみに世界1位はフランスのルグラン社)
それでもこの値段で提供できるのは限界費用が限りなく低いからである。
パナソニック エコソリューションズ社の「津工場(三重県津市)」は24時間体制で年に8,500万個もの配線器具を生産している。
製品設計、部品づくり、組立まで一貫して高品質を確保し、環境に配慮したものづくりを徹底し、工場内物流の自動化(フルオートメーション化)も実現している。
フルオートメーション化:機械や機器がさまざまな作業を自動的に制御すること
自動化の24時間稼働による大量生産によって、1個300~400円ぐらいでも利益が出るのだ。
限界費用がゼロに近いことは、社会インフラに大きく貢献している。
「企業人が目指すべきは、あらゆる製品を水のように無尽蔵に安く生産することだ。これが実現されれば、地上から貧困は撲滅される。」
松下幸之助
参考外部サイト:
①"電気のある便利"をお届けして100年~パナソニックの「配線器具」
②配線器具業界の世界市場シェアの分析
これを実現するまでにどれだけの時間と費用を投入したのだろうか…。
達成できれば、莫大な稼ぐ力となる。
しかし、個人では銀行や株式の力を借りても参入が難しい世界である。
逆に、デジタル商品の場合は、この費用が限りなくゼロに近づく。
ユーザー数が増えてもコストは増えない
⇒ ITは一度作れば、追加提供に費用がかからない。
個人や少ない資本でも参入できる理由がここにある。
ウェブサイトやアプリは1人でも100万人でも配信コストはほぼ同じ。
kindle出版や動画コンテンツ、ブログ、ChatGPT、AIを利用した創作物など…。
シェアリングエコノミーも1つの商品(自動車、部屋、スキルマーケット)をみんなで使い倒すことで限界費用を下げている。
シェアリングエコノミー:インターネット上で個人が所有する資産(モノや場所、スキルなど)を他の個人や企業と共有する経済モデル。
メルカリや民泊、レンタカーもこれに該当する。
限界費用がゼロに近づくほど、個人が参入する敷居は間違いなく下がっている。
パソコン1つで出来ることは明らかに増えている。
結果的にパソコンの価値が上がっているのだ。
もちろん、もらえる報酬や単価の増加は別の話である…。
Youtubeは、2005年にピザ販売店と日本食レストランの2階にある小さなオフィスで創業した。
当時の非力なコンピュータや通信回線では動画を扱うのは大きな負荷だったし、動画配信を支えるサーバーや回線コストは金食い虫。
収益化のメドも立っていなかった。
しかし、爆発的な進化を見越して翌年2006年にグーグルは約2000億円でユーチューブを買収した。
参考外部サイト:米グーグル,YouTubeを買収
その後、サーバーや回線の性能が飛躍的に向上し、動画は当たり前に使えるようになった。
いまやユーチューブはグーグルの大きな収益源である。
⇒ 成功する企業は時代の転換点を読んで動いている。
コロナ禍で世界のデジタル化が進んだことも大きい。
世の中の流れを読み、今どの場所にいるのが最も有利なのかを適切に察知する能力が必要です。
田所雅之著「起業の科学」
なぜその判断が可能になったのか?
⇒ ムーアの法則による指数関数的な技術進化。
ムーアの法則:インテルの共同創業者であるゴードン・ムーア氏が1965年に提唱した、半導体集積回路の集積率が約1年半~2年で2倍になるという経験則のこと。
雑にいえば、脳みその処理速度が毎年2倍になっていく。
コンピュータの性能は2年ごとに2倍で、コストは半減してきた。
スマホ1台がかつてのスーパーコンピュータより高性能な時代だ。
対戦相手の筋肉量が毎年毎年2倍になっていく。
なんと恐ろしい状況だろうか…。
身近な話をするなら、任天堂スイッチ2だ。
本体保存メモリーは256GBで、Switchの32GBに比べると8倍もアップした。
これもまた、同じ大きさの半導体集積回路で出来ることが大きく増えたからである。
私たちの常識は未来を見誤る
未来は指数関数的なカーブ上にある
指数関数:変数xを指数として持つ関数、つまりy = a^x (a > 0, a ≠ 1) の形で表される関数のこと
指数関数的な変化は、最初はごく小さい。
しかし時間が経つとものすごく大きな違いになる。
ということだけわかればOK!
⇒ 未来を直線で予測してしまうのは危険。
⇒ グラフの目盛りが10倍ずつ上がる世界に備えるべき。
新しい技術が登場した際、「高すぎる」と否定するのは早計である。
価格性能比は爆発的に改善された場合、その技術は一般化する。
成長が「ちょっとずつ」ではなく、ある時点から爆発する。
だからこそ今の判断基準では未来を読めない。
少子化も、ある時から急激に人口が減る可能性もあるのだ。
鈴木博毅 著「超入門「失敗の本質」」
達人も創造的破壊には勝てない。
創造的破壊の要素 1.ヒト(偉人、優秀な人材) 2.技術(最新のツール開発) 3.運用(技術の使い方) これらの組み合わせであるという。
⇒ ゲームのルールを変えた者だけが勝つ
鈴木博毅 著「超入門「失敗の本質」」の記事から抜粋
個人はどう行動すべきか?
「無料」というのは有料の購入に向けた顧客基盤構築のための、マーケティング上の工夫なのだ。
ジェレミー・リフキン著『限界費用ゼロ社会』
今日のミュージシャンは、しばしば自らの音楽を何百万もの人が無料でシェアできるようにオンラインで提供し、熱心なファンを獲得して有料のライブコンサートに来てもらおうとする。
ジェレミー・リフキン著『限界費用ゼロ社会』
⇒ 今の稼ぎ方や常識に固執しないこと。
⇒ 成功の鍵は「未来の爆発点」を信じること
知識・サービス・教育・エンタメなど、限界費用ゼロで提供できる領域は広がっている。
自分のスキルも共有経済に乗せるチャンスがある。
オンラインで多くの人たちにセミナーや研修、打ち合わせもできる。
シェアリングエコノミーも同じで、自動車、住宅は私有財産の象徴だが、若者は自動車よりもネットのアクセスを選ぶ。
何もデジタルの話だけではない。
再生可能エネルギー。
太陽電池の価格は1977年に1ワット当たり76ドルだった。
2015年は30セント。200分の1になった。
風力発電の風力タービンの生産性も過去25年間で100倍に増え、性能は10倍以上に伸び、コストは大幅に下がった。
太陽光発電もペロブスカイト太陽電池が生まれた。
当然ながら、あらゆる進化にはデメリットが伴う。
耐久性が落ちるものや、複雑になればなるほど故障率が上がる。
人類が狩猟採取中心から農耕にシフトした際、世界の人口は瞬く間に増加した。
富や貯蓄の概念が生まれ、地位や職業が生まれ、国家という大きな道具が生まれた。
その結果、貧富の格差を助長させることもある。
人類全体の生活を向上させたが、個人の生活や幸福感の向上とは別問題。
「現在」は「過去や今までやってきたこと」の蓄積である。
限界費用ゼロ社会に関わらないものは誰一人としていない。
結局のところ、「世間」や「これから」に対してどのような態度や行動、位置をとるかが、私たちにできる大きな「進化」なのだ。
未来は開かれている。
「人生を楽しむ能力を持つ者が、幸せになれる」
より自由でしなやかな人生を目指すのだ。
まとめ
✅ これからの社会では限界費用ゼロが主流となる。
✅ 指数関数的な進化に備えるべきだ。
✅ 未来は「共有型経済」とともにやってくる。
⇒ 視野を未来のカーブに合わせよ
経済活動においては、自然界の資源を経済的価値に変える過程で、エネルギーの正味の増加はけっしてなく、有効エネルギーの損失あるのみだ。
唯一の疑問は、いつそのつけが回ってくるか、だ。
ジェレミー・リフキン著『限界費用ゼロ社会』
参考資料
クリス・アンダーソン著『フリー 無料からお金を生みだす新戦略』
✅ 私たちの周りには無料のモノやサービスが多い。
✅ ブログやSNS運用する人はビジネスモデルを理解しよう。
✅ 無料ビジネスが増えてきた3つの理由。
✅ 無料ビジネス4つの手法を知ろう。
クリス・アンダーソン 著「MAKERS 21世紀の産業革命が始まる」
✅ ものづくりの敷居が下がっている。
✅ オープンソースで開発が加速している。
✅ クラウドファンディングで市場も変わりつつある。
ジョナサン・ハスケルとスティアン・ウェストレイク著「無形資産が経済を支配する」
無形資産は目に見えないが経済を支える資源である。
⇒ 「無形資産」への理解と対応こそが成否を分ける。
ジョン・P・コッター 著『幸之助論』
✅ 学び続ける姿勢がリーダーを育てる。
✅ 逆境は成長のチャンスである。
✅ 謙虚さと素直さが成長の鍵。
スペンサー・ジョンソン著『チーズはどこへ消えた?』
✅ 変化を恐れずに行動することが成功の鍵である。
✅ 1度手に入れたものに執着すると前に進めなくなる。
✅ 人が恐れていることは、自分が想像するほど悪くはない。
✅ 自分が心の中につくっている「恐怖」こそ、恐ろしいものだ。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆