- 投稿日:2025/12/10
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はロバート・ラッシュ著『サービス・ドミナント・ロジックの発想と応用』2016年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ロバート・ラッシュ
現在、アリゾナ大学のエレル・マネジメント・カレッジのマーケティング担当の教授。同大学のジェームズ・アンド・パメラ・ムジィー・チェア・イン・エントラプレナーシップ(the James and Pamela Muzzy Chair in Entrepreneurship)でもある。学外では、これまで、Journal of Marketing誌のエディターや、アメリカ・マーケティング協会(American Marketing Association)の理事も務めてきた。
✅ ビジネスはすべてサービスの交換である。
✅ 価値は顧客との共創によって決まる。
✅ SDロジックで行動すれば自然に顧客志向になる。
自国やグローバルな世界で、他者と共にサービス交換に従事することを可能とする方法を開発するマインドセットです。国家の形成を約束してくれるマインドセットがサービス·ドミナント·ロジック(S-Dロジック)であり、このS-Dロジックが新しい国富のための道筋を提供してくれます。
ロバート・ラッシュ著『サービス・ドミナント・ロジックの発想と応用』
今までの考え方(グッズ・ドミナント・ロジック:G-Dロジック)では通用しないよという話から始まり…。
「モノを作れば売れる時代は終わったのか?」
「顧客志向とは具体的にどういうことか?」
こうした疑問に答えるのがサービス・ドミナント・ロジック(S-Dロジック)である。
サービス・ドミナント・ロジック:企業と顧客が共に「価値」を創り出すという考え方。
グッズ・ドミナント・ロジック:企業が商品(モノ)の価値と価格を決定し、それを顧客に販売するという「交換価値」中心の考え方。
既製品の財布を買うのと、財布をつくるワークショップの価値は異なる。
本書は、モノ中心の考え方を超え、顧客との共創を通じて新しい価値を生み出す視点を提供してくれる。
『サービス・ドミナント・ロジックの発想と応用』
なぜそのコーヒーにお金を支払うのか?
サービス·ドミナント(S-D)ロジックは、急速に我々の現代世界、歴史、来るべき将来について考察する上で不可欠な新しい方法になっている。
ロバート・ラッシュ著『サービス・ドミナント・ロジックの発想と応用』
モノに価値はない
資源は存在しているのではなく、資源になるのである。
ロバート・ラッシュ著『サービス・ドミナント・ロジックの発想と応用』
つまり、天然資源のようにあらかじめ「存在する」ものではなく、人間の思考や行動によって価値を見出され、利用されて初めて資源として「機能するようになる」という視点を提示している。
⇒ モノ自体には価値はなく、状況次第で変わる。
⇒ サービスは知識やスキルを活かす行為である。
モノ自体には本質的な価値は存在しない。
価値は常に状況に依存している。
たとえば、どれほど名店のラーメンが絶品であっても、満腹の状態では食べたいという欲求は湧かず、結果としてそのラーメンの価値は限りなくゼロに近づく。
整理すると…。
絶品ラーメンが価値をもつのは、❶食べるのがラーメン好きな人で、❷空腹なときに限られる。
同じ商品であっても、空腹時には高い価値を感じ、満腹時には無価値に感じる。
つまり、2杯目の天丼は上手く食えぬ。
S-Dロジックは「サービスとは、他者や自分のために自分の知識やスキルを使うことである」と考え、モノは間接的なサービスの一形態と捉える。
このことは、価値がモノに宿っているのではなく、顧客の状況や体験によって決まることを如実に示している。
企業の本質とは顧客の創造である
ピーター・ドラッカー
そして、サービスとは、知識やスキルを用いて相手の問題を解決し、便益を提供する行為である。
ラーメンや鮨といった料理は単なる「モノ」ではなく、料理人が持つ技術や経験を具体化したサービスの一形態である。
料理そのものはサービスを届ける「媒介物」に過ぎない。
たとえば、自動車は移動というサービスを実現するための道具であり、スマートフォンは情報アクセスというサービスを媒介する装置である。
つまり、どんなモノも突き詰めればサービスの提供を支える手段にすぎない。

ジョン・ムーア 著『スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?』
最高の広告は、顧客体験そのものである。
スターバックスは、業界最大手になることを目的としていない。
「最高のコーヒー体験を提供する」ことにフォーカスした結果、 世界的なブランドへと成長した。
スタバにはマーケティング・プログラム実施の際に、6つの暗黙のルールがある。
【ルール❶】誠実で信頼できる
お客様に誠実であり続ければ、施策も誠実なものになる
【ルール❷】気分を喚起する
言葉は場所、心地よさ、訴える内容をイメージさせることだ
【ルール❸】他社について一切触れない
競合を引き合いに出すと、他社に関心を集めるだけだ
【ルール❹】従業員のコミットメントを高める
店舗従業員がお客様にメッセージを伝えている
【ルール❺】約束したことは必ず守る
約束を守ることが、誠実なマーケティングになる
【ルール❻】消費者のインテリジェンスを尊重する
スタバは「グランデ→L、トール→M」と表示しない。
何もかもがコーヒーを味わうときに体験することを考えてのことであり、決してブランドを意識してのことではなかった。 ところが、ビジネスそのものに忠実に、正面から向き合って取り組み続けたおかげで、スターバックスは強力なブランドという副産物を生むビジネスを築くことになったのである。
ジョン・ムーア 著『スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?』
貨幣はサービスの権利
笑顔は1ドルの元手もいらないが、100万ドルの価値を生み出す。
デール・カーネギー
⇒ お金は将来のサービスを受ける権利である。
貨幣の本質もモノではなくサービスの権利である。
ラーメン代として支払う千円は、その瞬間に価値を失うわけではなく、別の場所で別のサービスを享受する可能性を保証する「権利」として流通している。
貨幣はサービス交換の媒介物であり、社会全体がサービス同士をやり取りする仕組みを円滑にするために存在している。
したがって、貨幣を単なる「モノ」として扱うのではなく、未来のサービスを得る権利と捉えることで、その役割が明確になる。
価値は顧客と共創する
雪だるまを一緒に作ることも、雪だるまというモノ以上に価値がある。
結局、価値の共創がサービスとサービス交換およびS-Dロジックの核心である。
ロバート・ラッシュ著『サービス・ドミナント・ロジックの発想と応用』
⇒ 価値の判断者は常に顧客である。
価値の最終的な判断者は常に顧客である。
たとえば、店主が「自慢の一杯」として提供するラーメンであっても、顧客が味に満足しなければ価値は認められない。
逆に、特別な思い出や状況によって顧客が高い満足感を得れば、同じ料理でもその価値は格段に高まる。
つまり、企業や提供者が一方的に「価値がある」と主張しても無意味であり、顧客との関わりや体験の中で初めて価値は成立するのである。

岩尾俊兵 著『世界は経営でできている』
本来の経営は『価値創造(=他者と自分を同時に幸せにすること)』という究極の目的に向かい、中間目標と手段の本質・意義・有効性を問い直し、究極の目的の実現を妨げる対立を解消して、豊かな共同体を創り上げること。
本来の経営は失われ、その代わりに、他者を出し抜き、騙し、利用し、搾取する、刹那的で、利己主義の、俗悪な何かが世に蔓延っている。 本来の経営の地位を奪ったそれは恐るべき感染力で世間に広まった。 (中略) 「本来の経営」の欠如はすべての人の人生に不幸をもたらす。
岩尾俊兵 著『世界は経営でできている』
価値創造の事例
クックパッドではレシピを投稿するだけでなく、「つくれぽ」という機能を通じて利用者が実際に作った体験を共有し、新しい価値が生まれている。
Amazonのレビューも同様で、単なる商品の説明以上に、顧客同士の体験共有が購買の判断材料となり、新たな付加価値を創出している。
無印良品は商品を「シンプルで余白のあるデザイン」として提供し、顧客が自分のライフスタイルに合わせて価値を作り出せる余地を残している。
Appleはプラットフォームを提供し、顧客や開発者と共にエコシステムを作り上げることで価値を共創している。
これらは、顧客が主体的に参加することで企業と一緒に価値を創り上げる。
サービス・ドミナント・ロジックの視点に立てば、ビジネスは「モノを売ること」ではなく「顧客との共創・創造」であると理解できる。
⇒ 顧客の参加が新しい価値をつくる。

セス・ゴーディン著『パーミッション・マーケティング』
⇒ パーミッションは、瞬間ではなくプロセスの積み重ねである。
相手から近づいてきてもらうことが鍵となる。
マーケティングの大半はスパムだ。テレビCMも、知らない人に送りつけるDMも、パーミッションを得ずに送るという点で顧客の時間を盗んでいる
セス・ゴーディン著『パーミッション・マーケティング』
まとめ
✅ ビジネスはすべてサービスの交換である。
✅ 価値は顧客との共創によって決まる。
✅ SDロジックで行動すれば自然に顧客志向になる。
あなたがS-Dロジックについて考え、研究を進めていく中で、マネジメントの世界で問題とされている「カイゼン」の問題に対して本格的に取り込むことになります。実際「カイゼン」とS-Dロジックの統合はうまく調和されるものであり、シナジー効果が生まれるはずです。
ロバート・ラッシュ著『サービス・ドミナント・ロジックの発想と応用』
⇒ ビジネスはモノではなくサービスで動く。
ビジネスはモノを売り買いする行為ではなく、サービスを交換し、顧客と共に価値を創造する営みである。
モノはサービスの媒介に過ぎず、貨幣はサービスを享受する権利であり、最終的な価値は顧客の体験によって決まる。
そして交換手段の媒介が「お金」である。
「お金」はモノやサービスがなければ、何の意味もないことがわかる。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆
