- 投稿日:2025/10/12
- 更新日:2025/10/12
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は片田珠美著『職場を腐らせる人たち』2024年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:片田珠美(かただ たまみ)
精神科医。広島県生まれ。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。2003年度~2016年度、京都大学非常勤講師。臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。著書に27万部ベストセラー『他人を攻撃せずにはいられない人』(PHP新書)など多数。
✅ 職場を腐らせる人は自己保身と不安で動いている。
✅ 変えることは難しいが、正体を知ることが防御になる。
✅ まず気づき、身を守る行動をとるべきである。
私は精神科医なので、自信をなくして不安になったり、イライラして眠れなくなったりした方を診察する機会が多い。その背後には、たいてい人間関係をめぐる悩みが潜んでいる。 これまで七〇〇〇人以上を診察してきたが、最も多い悩みは職場の人間関係に関するもので、だいたい職場を腐らせる人がらみだ。
片田珠美著『職場を腐らせる人たち』
「なぜ職場には、周囲を不安にさせる人が必ずいるのか?」
「どうして同じような嫌がらせが繰り返されるのか?」
本書は、職場を腐敗させる人々の心理構造を明らかにし、自分を守るための視点を与えてくれる。
『職場を腐らせる人たち』
行こう。ここもじき腐海に沈む。
パワハラや嫌がらせの連鎖を目にするたびに、「自分がされて嫌だったのなら、同じことを他人にしなければいいのに」と私は思う。だが、残念ながら、そういう理屈は通用しないようだ。 むしろ、「自分は理不尽な目に遭い、つらい思いをした」という被害者意識が強いほど、自分と同じような体験を他の誰かに味わわせようとする。
片田珠美著『職場を腐らせる人たち』
著者によると主な理由は2つ。
❶「自分もやられたのだから、やってもいい」と正当化する。
❷自分がつらい思いをした体験を他の誰かに味わわせることによってしか、その体験を乗り越えられない。
紀元前より前に言われたこの言葉を知らないのである。
「己の欲せざる所は人施すこと勿かれ」
(自分が人からされたくないことは、他人にしてはならない)
職場を腐らせる人の連鎖と自己保身の構造
世界の中心が自分になった者の末路を私たちは何度見てきたことか。
まず肝に銘じておかなければならないのは、職場を腐らせる人を変えるのは至難の業ということである。ほとんど不可能に近いといっても過言ではない。その理由として次の四つが挙げられる。
①たいてい自己保身がからんでいる
②根底に喪失不安が潜んでいる
③合理的思考ではなく感情に突き動かされている
④自分が悪いとは思わない
片田珠美著『職場を腐らせる人たち』
⇒ 被害者が加害者に変わり、自己保身で他人を犠牲にする。
職場を腐らせる人の典型的な特徴は「負の連鎖」である。
上司からパワハラを受けた人が昇進し、今度は自分が部下を追い込む立場になる。
この構図は一度形成されると断ち切るのが難しく、組織全体に毒を広げてしまう。
つまり「腐敗の文化」が職場の空気として固定化していくのだ。
その背景には「自己保身」という強力な心理がある。
責任を部下に押しつける、無理なノルマを課す、失敗を隠す――これらはすべて自分の地位や評価を守るための行動である。
本来なら組織の成果を優先すべき立場にある人間が、自己防衛を最優先することで、職場は不信と緊張に満ちていく。
こうした行為は個人の問題にとどまらず、組織の健全性そのものを蝕んでいく。
台風や大雨は三日三晩も、続くことは考えにくい。
時が過ぎれば勝手にどこかに行く。
だが、同じ職場にずっといる人間は三日三晩どころではない。
人災は天災よりも、厄介である。

アダム・グラント著『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』
人間関係は3つのタイプである
❶テイカー:自分が多めに取る。「全部オレのモノ」
❷マッチャー:平等に二等分する。冷静に損得を公平に考える。
❸ギバー:相手に多めに与える。常に他人に与え続けるお人好し。
職場を腐らせる人は基本、テイカーの可能性が高い。
しかし人間の構造は単純ではなく、職場や家庭によってはテイカーがギバーになることもある。
自分がその仕事をせずにはおれないという「意義」がポイントだ。 「自分にとって意義のあることをする」 「自分が楽しめることをする」 この条件が満たされれば、ギバーは他人だけでなく、自分にも「与える」ことができる。
アダム・グラント著『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』
エイミー·C·エドモンドソン 著『恐れのない組織』
心理的安全性はチームの生産性を向上させる。
信頼は個人の間で生まれる。
心理的安全性は集団の大多数が共有する雰囲気から生まれる。
つまり、「ここではなんでも言える。心おきなくリスクがとれる」と感じる雰囲気のこと。
彼らが目立つことも、間違うことも、上司の気分を害することもしたがらないからだ。 知識労働が真価を発揮するためには、人々が「知識を共有したい」と思えるのが必要なのに、である。
エイミー·C·エドモンドソン 著『恐れのない組織』
喪失不安と感情の暴走
不安は積み重なれば、当人の危険性は増大する。
「失うのではないか」「失ったらどうしよう」という不安の対象になるのは、本人が管理職であろうがパートタイマーであろうが、現在の地位や収入である。それが本人にとって大切であるほど、喪失不安が強まり、「自分にとって大切なものを失ったら困るから、それを守るためには何をやってもいい」という自己正当化の心理が働く。これが怖い。
片田珠美著『職場を腐らせる人たち』
⇒ 「失う恐怖」が人を攻撃に走らせ、感情が理性を奪う。
職場を腐らせる人の攻撃性の根底には「喪失不安」が潜んでいる。
地位、収入、信頼――それらを失うのではないかという恐怖が、人を攻撃的にする。
結果として、同僚を蹴落としたり、部下を過剰に叱責したりする行為を正当化してしまう。
本人は無意識のうちに「自分を守るためだから仕方がない」と考え、攻撃を抑えられなくなるのだ。
さらに厄介なのは、この不安が感情を暴走させる点である。
論理や合理的判断ではなく、「怒り」「嫉妬」「恐怖」といった感情が優先されるため、冷静に物事を判断できなくなる。職場のルールや組織の利益すら二の次となり、「守るためなら何をしてもよい」という危険な心理に陥るのである。
この思考停止状態こそが、職場の荒廃を加速させる大きな要因である。
これは個人だけではない。
多くの戦争が、領土や住民、資源や財産などを守るために、「やむを得ない」という口実(大義名分)で今でも行われている。
急に怒り出す人は、情動に忠実に行動している。 情動は扁桃核で起こる。 無意識の領域だから、逆上する人は自分の情動に気づかない。つまり自分が見えていないのだ。
ダニエル・ゴールマン著『EQ こころの知能指数』
情動(じょうどう)とは、恐怖や怒り、喜び、悲しみなどの感情。
扁桃核(へんとうかく)は、大脳辺縁系を構成する主要な部位のひとつ。
急に怒り出す人は、無意識の領域で起きた反応の為、自身で気がつくこともできないのだ。
かわいそうだな。と思うくらいで良い。

近藤弥生子著『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』
オードリー・タンもIQよりもEQ(こころの知能指数)を大切にしている。
EQ(Emotional Intelligence Quotient)とは、人の感情を思いやり、自分の感情をコントロールして動機づける力のこと。
大部分の人は、コメント欄があると、別の人の意見の気に入らないところを見つけて攻撃を始めます。 賛成派は仲間を集めて、いいねを押します。 反対派も同じことをします。 それが分断ですね。 でもそれは日本人だからではありません。 台湾でも同じです。
近藤弥生子著『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』
日本人特有の話ではなく、「人間」であるからこそ、「不安」に過剰な反応を示した構造からくる存在だ。
気づきと防御の重要性
私たちは食べ物が腐っていたらすぐに気がついて食べるのをやめる。
職場を腐らせる人に対処するうえで何よりも大切なのは、まず気づくことである。上司や同僚に職場を腐らせる人がいることに気づけないと、その一連の言動によってあなた自身が心身に不調をきたすかもしれない。よくお目にかかるのは、心身ともにボロボロになってから初めてストレスの原因は一体何だったのだろうかと考えるようになり、「あの人が側にいるときに限って、調子が悪かった。あの人が職場を腐らせ、私をむしばんでいたのだ」とやっと気づいたという患者さんだ。
片田珠美著『職場を腐らせる人たち』
⇒ 変えることはできない、だからこそ早く気づき身を守る。
残念ながら、職場を腐らせる人を「変える」ことはほぼ不可能に近い。
彼らの行動は深層心理に根差しており、説得や教育で改善できるものではない。むしろ期待すればするほど、こちらが消耗してしまうだろう。
重要なのは「気づくこと」である。
あなたの身や周りでこのような状態になったら怪しいかもしれない。
①重苦しい雰囲気
②不和やもめごと
③心身の不調の増加
④沈滞ムード
⑤疲弊
自分が置かれている状況を一度見つめ直し、彼らの特徴を理解し、いち早く認識することで、自分を守る準備ができる。
距離を取る、関わりを最小限にする、記録を残す――こうした行動が唯一の防御となる。
職場を腐らせる人に対抗する力は、正面からぶつかることではなく、まず「知る」ことで被害を最小化することにある。
知識や見聞は、他との違いを知ることである。
世界は国家だけでなく、時代だけでなく、価値観だけでなく、多くの違いと差が存在する。
あなたを苦しめるのは星々や地球上の生物の数に比べたら、数えられる程度にすぎない。

岸見一郎・古賀史健 著『嫌われる勇気』
そもそも、他人を完全に操作しようとするのは人の域を超えた傲慢である。
「これは誰の課題なのか?」という視点から自分の課題と明確に分けなければならない。
自分を変えることができるのは自分しかいない。
あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと――あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること――によって引き起こされます。
岸見一郎・古賀史健 著『嫌われる勇気』
自由には「嫌われる可能性」を受け入れる覚悟が必要だ。
まとめ
✅ 職場を腐らせる人は自己保身と不安で動いている。
✅ 変えることは難しいが、正体を知ることが防御になる。
✅ まず気づき、身を守る行動をとるべきである。
職場を腐らせる人の存在に気づいたら、その動機を見きわめなければならない。「なぜ、こんなことを言うのか」「なぜ、そんなことをするのか」と常に問い続けながら、じっくり観察すべきだ。
片田珠美著『職場を腐らせる人たち』
⇒ 「気づきこそ最大の防御」
良いキャリアを築くためのルールが3つある。 (1)自分自身が買おうと思わないものを売らないこと (2)尊敬しない人のために働かないこと (3)一緒に仕事をして楽しい人々とだけ働くこと
デビッド・クラーク著『マンガーの投資術』
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆
