- 投稿日:2025/10/09

(※地域や制度によって運用が異なる場合があります)
こんにちは、🌸桜🌸です。
重度発達障害のある子を育てていると、いつか必ず向き合うことになるのが「親亡き後どうする?」という問題です。
昨今の日本経済はインフレに突入しました。
GHの利用料や食費などが値上がっていっています。
障害年金だけでは足りない。
そんなときは、世帯分離や生活保護などというのはよく耳にします。
でも生活保護って、どんな制度なの?どうすれば使えるの?
「世帯分離」ってよく聞くけど、どういう意味?
今回は、難しい法律の話をかみ砕いて、
“生きるための仕組み”としての生活保護を、やさしく解説します。
🏛️ 1. 「生活保護」は“最後の手段”ではなく、“生きるための制度”
生活保護と聞くと、「恥ずかしい」「特別な人が使う制度」と思ってしまう方も多いかもしれません。
でも本来はそうではありません。
生活保護は、戦後の混乱期に「どんな人でも、生きていける社会をつくるため」に生まれた制度です。
日本国憲法の第25条には、こう書かれています。
この言葉をもとに1950年にできたのが「生活保護法」。
つまり、“生きる権利”を守るための仕組みなのです。
💡 2. どんな人が対象になるの?
生活保護は、国と自治体が行っている制度です。
ルールはこうです。
この「最低限の生活費」は、厚生労働大臣が定めた基準に基づき、都道府県知事が金額を決めています。
対象は基本的に日本国籍の方ですが、永住者や定住者など、特定の在留資格を持つ外国人も行政の判断で同じ保護を受けられる場合があります。
🕰️ 3. 歴史をひとことで言うと?
昔の日本では、貧しい人を助ける仕組みはありました。
でもそれは「かわいそうだから助ける」という慈善の考え方でした。
戦後の憲法と生活保護法で変わったのは、
それ以来、母子家庭、高齢者、障害のある人など、時代に合わせて対象が広がってきました。
💰 4. 障害年金と生活保護のちがい
障害のある人が受け取るお金には、大きく2種類あります。
つまり、障害年金は「保険」。
生活保護は「社会全体で支える仕組み」です。
🔍 どう使い分けるの?
順番で言えば──
1️⃣ まず、障害年金を受け取る
2️⃣ 家族や手当など、他の支援も使う
3️⃣ それでも生活できないときに「生活保護」で足りない分を補う
これを「補足性の原理」といいます。
つまり、生活保護は“他で足りない分を補う”制度なんです。
🏠 5. 「世帯分離」ってなに?
たとえば、親と障害のある子が同じ家に住んでいる場合。
住民票では同じ「世帯」になります。
生活保護は“世帯全体の収入”で判断されるため、
親に年金や貯金があると、子どもだけでは申請できないことがあります。
そのときに出てくるのが「世帯分離」という方法。
これは、同じ家に住んでいても、住民票の上で親と子を別世帯にする手続きです。
https://library.libecity.com/articles/01K656JG9PX759P9SY3VZ8W1P7
✅ 世帯分離のメリット
障害福祉サービスなどの所得判定が本人だけで行われる場合がある
将来、本人が生活保護を申請しやすくなる
同居しながら“制度上は独立”した扱いになる
ただし、自治体によって判断が違うことがあります。
分離を考えるときは、必ず福祉課などで相談しておくのが安心です。
https://library.libecity.com/articles/01K73T4HBE71NWYQKGMGZ3477B
⚠️ こんな点に注意
書類の上で分けても、実際にお金や食事を完全に一緒にしていると、
「実態が同じ世帯」と見なされることがあります。
生活保護は“実際に生活が独立しているかどうか”で判断されるので、
形式だけの分離では意味がないこともあります。
⚖️ 6. どんなときに生活保護を申請するの?
重度発達障害のある人が生活保護を申請するのは、
次のようなときが多いです。
🧓 親が高齢や病気で、支援が難しくなったとき
💸 障害年金だけでは家賃や医療費が足りないとき
🏥 医療費や入院費がかさんで生活が成り立たないとき
🌙 親亡き後、単身で暮らすことになったとき
こうした場合、生活保護で足りない分が補われ、
医療費や家賃も支援されます。
📋 7. 申請から決定までの流れ
1️⃣ 市区町村の福祉事務所(生活支援課)で相談
2️⃣ 収入証明・障害年金の書類などを提出
3️⃣ ケースワーカーが家庭を訪問し、生活状況を確認
4️⃣ 親族に「仕送りできるか」の確認(扶養照会)
5️⃣ 審査結果の通知(原則14日以内、最長30日以内)
生活保護の金額は、
「最低生活費(都道府県知事が決める)」から「収入(年金など)」を引いた差額。
支給が始まるのは、申請の翌月になることもあります。
💬 8. 「生活保護=恥ずかしい」ではなく、「権利」です
生活保護法には、こんな一文があります。
つまり、「お願いする制度」ではなく、
「誰でも使える権利」なんです。
さらに第1条には、
と書かれています。
生活保護は、「働けないから助ける」制度ではなく、
「生きる力を取り戻すための制度」でもあるんです。
🌸 9. まとめ──“生きる権利”を知ることが、親の安心につながる
そして、この2つの制度の間をつなぐのが「世帯分離」。
親が元気なうちに制度を理解しておくことで、子どもが将来自立した形で暮らせる道がひらけます。
🪶 結びに
生活保護は、
「社会の最後の安全網」であり、
人が生きるための尊厳を守る制度です。
「助けを求めてもいい」
「支援を使うことは悪いことではない」
それを知っているだけで、心の重荷が少し軽くなるはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。