- 投稿日:2026/01/17
- 更新日:2026/01/18
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
「なぜあの会社だけ、異常なほど稼げるのか」
多くのビジネスパーソンが、一度はキーエンスの数字に違和感を覚える。
営業利益率55%。平均年収2000万円超。
今回は西岡杏著『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』2022年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:西岡杏
1991年、山形県酒田市生まれ。2013年に慶応義塾大学経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社。大阪経済部を経て企業報道部へ。電機や機械、素材などの製造業のほか、医療やエネルギー、不動産・ホテルなどの分野を担当してきた。21年4月から日経ビジネス記者。電機・IT・通信を中心に取材する。
✅ キーエンスは人ではなく仕組みで勝っている。
✅ 人間の弱さを前提に設計された組織が最も強い。
✅ 学ぶべきは精神論ではなく、徹底度である。
あるキーエンスOBに話を聞いてみた。
「あそこは仕組みと、それをやり切る風土がすごいんです。後輩の指導もしっかりする。人が育たないわけがない」
西岡杏著『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』

キーエンス:ファクトリー・オートメーション(FA)分野の総合メーカーで、センサーや測定器、画像処理装置などを開発・販売し、世界中の製造現場の自動化と生産性向上を支えている。
ちなみに、ファクトリーオートメーション(Factory Automation、略称:FA)とは、工場における生産工程(材料加工、組み立て、検査、運搬、管理など)を、ロボット、センサー、情報システムなどを活用して自動化するシステムや取り組みの総称。
雑に言うと製造業や工場において無くてはならないもの。
本記事では、キーエンスを特別な天才集団として片づけない。
よく言われることが、「20代で1000万円超え、30代で家が建ち、40代で墓が建つ」という逸話。
キーエンスの平均年収はなんと約2,000万円台だ。
初任給自体は大学卒で約28万円(年収約336万円)からのスタートなのだが、高額な業績連動賞与が年2回(計4回)支給されることで年収が大幅にアップする可能性を秘めており、1年目で700万~800万円程度に達するケースもある。
いきなりこの金額を数年で得ることが出来れば、1000万単位の貯蓄も30代になる前で達成することは難しくないだろう。
誰もが再現できないほど徹底された「仕組み」に注目し、最強企業の正体を解き明かす。
「当たり前のことを当たり前にやる」その基準が非常に抜きんでている。
特殊なカラクリがあるわけではなく、基礎力がずば抜けている企業は投資対象にもなりやすい。
もちろんごまかしがなければだが、そこも抜かりない。
噓の情報が含まれたデータをどれだけ丁寧に分析しても、実態とは合わなくなってしまう。
西岡杏著『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』
『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』
製品の調子が悪くなると、彼らは提案の機会を見逃さない。
キーエンスの文化なのだ。目的をはっきりさせる。相手のロジ(兵站[へいたん])を把握する。目的に向かって最善を尽くす…。
西岡杏著『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』
日本はもう成長できないのかといった諦観(あきらめ)を真っ向から否定していると言えるのがキーエンスである。
キーエンスの恐ろしいところは、商品の粗利が約8割だという点。
つまり、原価2000円の商品を1万円で売っている計算になる。
その中でキーエンスが手掛ける商品は約1万種類と言われ、新商品の約7割が「世界初」や「業界初」と豪語している。
営業利益率は製造業全体の平均で5%程度だが、キーエンスは55%である。
(2022年度のとき)
営業利益率は(営業利益 ÷ 売上高) × 100で企業の「本業の収益力」や「経営効率」を測る重要な指標。
ピンと来ないかも知れないが、営業利益率は3割も取れればかなり凄い👍
ITといった、初期投資やコストが製造業に比べて少ない業種や無形資産を扱う企業なら可能かも知れない。
キーエンスは自社工場を持たず、協力会社に製造をアウトソーシングするメーカーだが、それでも製造業で営業利益率5割以上は意味がわからないレベルである。
ええ!どうなってるの?
キーエンスの営業は「科学」で動いている
引用画像:西岡杏著『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』
「キーエンスは営業担当者の商品知識もずばぬけている。現場での競合の商品の使い方すら懇切丁寧に教えてくれるので、ついつい相談してしまう」と話す。顧客に「依存心」すら抱かせてしまうキーエンスは、じわりじわりと勢力を拡大している。
西岡杏著『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』
⇒ 行動を数値化すれば、成果は再現できる。
キーエンスの営業が突出している理由は、個々人の話術やセンスに頼っていない点にある。
営業を「才能の世界」から引きずり下ろし、再現可能な技術として扱っている。
外出報告書は、その象徴だ。
商談後5分以内に、訪問先、話した内容、相手の反応、次の打ち手を事実ベースで記録する。
感想や手応えは排除され、残るのは誰が読んでも同じ意味に取れる情報だけである。
この蓄積によって、営業活動は個人の経験ではなく、会社全体の知的資産になる。
ロールプレイングも同様だ。
短時間だが回数は多く、想定される質問や反論への対応を体に染み込ませる。
その結果、担当者が誰であっても、一定水準以上の提案が可能になる。
営業とは、属人的な勝負ではなく、訓練と設計の積み重ねであることを、この会社は徹底して証明している。
行動例として、自分の仕事を「感想」と「事実」に分けて書き出してみる。
曖昧な言葉を減らすだけで、改善点は自然と浮かび上がる。
「出ていくお金をすごく意識して切り詰めようとする会社はたくさんある。もちろんそれも大事だが、まさに今過ごしているこの時間も大事な資本だ」
西岡杏著『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』
商品開発は「潜在ニーズ」だけを狙う
現場での情報収集にこそ”本音”が見える。
「ニーズカード」だ。営業担当者が顧客の意見を基に潜在的なニーズを書き込むもので、月に1件以上提出することになっている。(中略)今では電子化が進んでいるが、高杉氏(キーエンスOB)が在籍していた頃は、集めた紙を回覧用にまとめた冊子をめくり、何か新しいヒントがないか必死に探していたという。
西岡杏著『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』
⇒ 価値は原価ではなく、効果で決まる。
「顧客すら気づいていないニーズを見抜くのは難しい」
キーエンスの社員でも同じだ。
そこでキーエンスの商品は、顧客アンケートや要望リストから生まれない。
現場に足を運び、作業の流れを観察し、不便や無駄、違和感を拾い上げる。
それらは「ニーズカード」として蓄積され、月に数千件単位で集まる。
重要なのは、そのすべてを形にしない点だ。
多くの業界に共通し、構造的な問題を解決できるものだけが選別される。
だから新商品の多くが、世界初や業界初になる。
価格設定も同じ思想で貫かれている。
製造原価や競合価格を基準にしない。
顧客がどれだけ時間を短縮できるか、どれだけミスや人件費を減らせるか。
その「効果」から価格を逆算する。
結果として、価格は高く見えても、使う側にとっては合理的な投資になる。
「人は形にして見せてもらうまで自分は何が欲しいか分からない」
西岡杏著『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』
行動例として、自分の商品やサービスが「相手のどの手間を消しているか」を書き出してみる。
その視点を持つだけで、提供価値の輪郭は一段くっきりする。
人間は弱い、だから仕組みで守る
調子が悪い時でも動ける仕組みを。
「キーエンスは全ての行動データを基に個人の施策や事業部の施策、全社の施策を決める。もし虚偽の報告があれば誤った経営判断をしてしまうことになるため、ありのままの報告をすることが重要だった」
西岡杏著『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』
⇒ 正直者が報われる設計が組織を強くする。
キーエンスの組織思想の根底には、「人は弱い存在である」という前提がある。
楽をしたくなり、都合の悪いことを隠し、流れに身を任せる。
それを道徳や根性で矯正しようとしない。
代わりに、正直に行動した方が得になる仕組みを用意する。
内部監査や360度評価(上司・部下・同僚など、評価対象者と関わる様々な立場の人々が多角的に評価を行う人材育成手法)は、誰かを疑うための装置ではない。
事実と行動が正しく評価される環境を維持するためのインフラである。
成果だけでなく、そこに至るプロセスも評価対象になる。
短期的な数字をごまかすより、正確な報告をした方が長期的に報われる構造だ。
利益は社員に還元され、結果として全員が当事者意識を持つ。
組織を強くしているのは、優秀な人材ではなく、合理的な前提と設計である。
行動例として、自分のチームで「正直に話すと損をする場面」がないか振り返ってみる。
もし思い当たるなら、仕組みを見直す余地がある。

平井一夫著『ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」』
どんなに立派な言葉を並べても、行動が伴わなければ部下は動かない。
彼は会議よりも現場を重視し、現場の成功を自分の手柄にせず、全員の成果として称えた。
その誠実さが、ソニーに再び誇りを取り戻させた。
結果として、ソニーは官僚的な企業文化を脱し、再び「人が動き、創造が生まれる会社」へと変わっていった。
なにも聖人君子であれというわけではない。 私も欠点だらけの人間だ。 ただ、仕事に取り組むリーダーとしては「EQが高くあれ」と心がけているつもりだ。
平井一夫著『ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」』
正垣泰彦著『おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』
サイゼリヤの経営は、単なる逆説ではなく、経営における「自己責任」と「顧客中心主義」を徹底している。
私は経営に関わる本をむさぼるように読んでいた。 創業以来の苦楽を共にした仲間たちに十分な給料を払ってやれていなかったし、これから雇うであろう社員たちにも今のままでは、十分な給料を払えない。ご存じの通り、飲食業で働く人たちの賃金は他産業より低い。だから、40代、50代までなかなか働けない。どうにか給与水準を自動車産業など他産業並みにしたい。社員たちに定年退職まで十分な給料を支払いたい。それが私の最優先の課題だった。 だから、どうすれば十分な利益を確保できるのか懸命に考えた。
正垣泰彦 著『おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』
佐藤将之著『amazonのすごい会議』
ニーズカードとは異なるが、Amazonの会議文化を象徴するのが「6ページャー」である。
引用:https://forbesjapan.com/articles/detail/38137
これは単なる資料ではなく、提案者が目的、課題、背景、データ、KPIまでを“物語形式で論理的に書き切る”ための構造化ツールである。
文章で整えられた提案は、曖昧さや思い込みが排除され、論理の穴がそのまま露呈する。これが思考を鍛える装置となっている。
そのアイデアの概要をプレゼンするときには「1ページャー」でOKです。しかし、ゴーサインが出て、実行プランを具体的に詰めていくときには、「1ページャー」では足りません。
佐藤将之著『amazonのすごい会議』
顧客にどのようなニーズがあるかを端的にまとめるのにも使用できる。
まとめ
✅ キーエンスは人ではなく仕組みで勝っている。
✅ 人間の弱さを前提に設計された組織が最も強い。
✅ 学ぶべきは精神論ではなく、徹底度である。
「社内の仕組みは『性弱説』に基づいている」と話していた。(中略)人は弱いものだという前提に立った仕組みになっているとの指摘だ。
西岡杏著『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』
⇒ 最強とは、正しいことを狂気の密度で続ける力である。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆
