- 投稿日:2025/10/04

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は正垣泰彦 著『おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』2011年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:正垣泰彦
サイゼリヤ創業者。1946年兵庫県生まれ。67年東京理科大学在学中にレストラン「サイゼリヤ」開業。68年の大学卒業後、イタリア料理店として再オープン。その後、低価格メニュー提供で飛躍的に店舗数を拡大。2000年東証一部上場。2009年4月、社長を退任して会長就任。
他のサイゼリヤに関する書籍
◆堀埜一成 著「サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術」
(外様2代目社長の書籍)
◆村山太一 著『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?』
(ミシュランで一ツ星を取る職人の書籍)
サムネイルは2016年の文庫本版で、タイトルの頭にサイゼリヤが追加された。
サイゼリヤの創業理念は、私が40年前に欧州を視察し、そこで見たイタリアの人たちが楽しんでいた食の豊かさに原点がある。食べていると幸せになれる本場のおいしい料理を、お値打ちな価格で提供し、日本に広めたいということだ。
そして、その理念に基づいて、あらゆることを考えてきた。
すると、自然にその考えに沿った意思決定ができるから不思議なものだ。
正垣泰彦 著『おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』
サイゼリヤらしく、よりお手元に届きやすくなってきた。
✅ 美味しさは主観ではなく客数で判断すべし。
✅ 非効率は潔く撤退し、リソースを再配分すべし。
✅ 合理的な経営効率と価格戦略で勝負すべし。
「自社の商品がおいしい(良い)と思い込んでいないか?」
消費者の声を数値で捉え、自社に厳しく改善する。
その根底には“顧客視点の合理性”がある。
本記事では、サイゼリヤ流の経営戦略とその実践から、現代ビジネスへのヒントを探る。
決して、飲食店だけの話にはとどまらない。
おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ
私は経営に関わる本をむさぼるように読んでいた。
創業以来の苦楽を共にした仲間たちに十分な給料を払ってやれていなかったし、これから雇うであろう社員たちにも今のままでは、十分な給料を払えない。ご存じの通り、飲食業で働く人たちの賃金は他産業より低い。だから、40代、50代までなかなか働けない。どうにか給与水準を自動車産業など他産業並みにしたい。社員たちに定年退職まで十分な給料を支払いたい。それが私の最優先の課題だった。
だから、どうすれば十分な利益を確保できるのか懸命に考えた。
正垣泰彦 著『おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』
サイゼリヤの経営は、単なる逆説ではなく、経営における「自己責任」と「顧客中心主義」を徹底している。
美味しさを客数で可視化
個人の目ではなく、違った視点を持って事実をとらえる。
「人のために」とは、お客様に喜んでいただけたかを計るバロメーターを客数と捉えて、客数を増やすことを最優先で考えよう、という意味。
正垣泰彦 著『おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』
飲食業界において「味」は極めて主観的な要素であり、その評価は個人の感覚に大きく依存する。
そこで正垣氏は、この感覚的な「おいしさ」を「客数」という客観的な数値で定義した。
常連客が増えれば、売り上げも自然とついてくる。
一部の常連客の意見に囚われることなく、より広範な市場の評価をする手法で、個人の主観や経験則に依存する「職人経営」から、データに基づいた「科学的経営」を目指している。
村山太一 著『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?』ではシェフの目線で「科学的経営」の凄さをとらえている。
客数が減ればおいしくない証拠。改善の余地があることを認識する。
数値化することでPDCAが回り、現場と経営が協働できる。
⇒ 傲慢な自信は成長を阻む、自分の味に酔うな。
⇒ おいしさ=客数という指標 感覚ではなく数字を信じよ。
まずは試す。
その後にどうするか?
稼ぐことを考える際、非常に大切な視点だ。
また、他店を観察した後に「この店のやり方は大手だからできることで、うちにはまねできない」と諦めたり、視察した店のあら探しばかりする人は経営者に向いていないという。
ハロルド・ジェニーン著「プロフェッショナルマネジャー」
事実を適切にとらえることは成功していく要因である。
体温計の目盛りが37度以上を示しているとき、水を張った浴槽に病人を押し込めば、目盛りは下がるだろう。しかし、病気は治らない。
ハロルド・ジェニーン著「プロフェッショナルマネジャー」
「安売り」と「お値打ち」は違う。
一般的に、「おいしすぎる」料理を追求すると、特定の高級食材の使用や複雑な調理工程が必要となり、結果的にコストが高騰し、提供価格が上がる。
値付けの参考になるのは、その国で最も売れている消耗品の価格だ。
使い捨てする商品に払っても惜しくはない金額なら食べてしまえばなくなる料理にも抵抗感なく払える。
正垣泰彦 著『おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』
「お値打ち」の価値戦略
付け加えると、その品質が「この値段なら、この程度の価値が必要」という水準を上回っている状態である。
それが「当たり前品質」だ。
■当たり前品質:あって当たり前と受け取られるが、ないと不満に感じる。
多店舗展開しているチェーン店では、「当たり前のことを当たり前にできる」ように、ベースラインをそろえることのほうが、はるかに重要です。
堀埜一成 著「サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術」
必要な食材の品質を担保するために、原価率が40%あっても構わないという。
⇒まずは 「無駄を断つこと」が改善の始まり。
⇒ 値下げは価値とのバランスで成立する、価格だけでは安く見えない。
⇒ 正しいことは利益ではなく、お客様に喜んでもらうことである。
品質にコストをかけるために、その他を徹底的に合理化する。
何かを改善するときに、一番効果的なのは『何かをやめること』であり、不採算な部分は潔く止め、その資源(時間やお金)を核心だけに再投資させていく。
一般的な「改善」が「より良くする」意味合いで使われるが、根本的な「撤退」や「停止」の発想こそ、不況下では売上確保につながる。
家計でも同じで無駄なサブスクリプションや見栄や承認欲求のために不要な商品を購入しないのと同じ。
1万円を稼ぐことよりも、1万円消費する方が簡単である。
無駄を排除するために、皿洗い作業の導線変更と設備、生産システムの効率化、使用する食材の種類をとにかく徹底して合理化する。
利益は顧客満足の追求(お値打ち)の結果であり、顧客への奉仕が経営の根本目的と語る。
特に品質とコストを自ら管理し、サイゼリヤは「お値打ち」の一貫品質を実現した。
低価格、高品質のメニューで消費者に支持され、純利益(すべての費用と税金を差し引いた後の最終的な利益)を高めている。
外部サイト:日本経済新聞
サイゼリヤの株価続伸 低価格戦略が好調、9〜5月期純利益50%増
経営者は日ごろから、売り上げが減っても利益が増える店を目指すべきで、売り上げが減って利益が出ないから困るというのは、今まで無駄なことをたくさんしていたというのに等しい。
正垣泰彦 著『おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』
大野耐一著『トヨタ生産方式』
作りすぎ・在庫過剰・工程の非効率化など、企業をむしばむ“沈黙の赤字”を排除することが第一歩だ。
その目的は、企業のなかからあらゆる種類のムダを徹底的に排除することによって生産効率を上げようというもので、豊田佐吉翁から豊田喜一郎氏を経て現在に至るトヨタの歴史の所産でもあります。
大野耐一著『トヨタ生産方式』
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
⇒ 「常に低価格で提供する」ことを目指す。
⇒ それは、「地球上で最も顧客中心の企業」とするためである。
顧客にとって意味のないお金は使わないようにする。 倹約からは、臨機応変、自立、工夫が生まれる。 人員や予算規模、固定費が高く評価されることはない。
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
ハーマン・サイモン著『価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白』
大幅値引きは、未来の顧客から売上を立てているに過ぎない。
当たり前だが、低価格だと数をこなさなければならない。
低価格戦略ができる企業は維持できればとても強い。
それだけでムダなマーケティングや広告をしなくて済む。
ただ、値下げほど難しい戦略はなく、信頼構築といった期間の決まった目的がなければ、個人で目指すべき戦略ではない。
高価格戦略で成功している企業のほうが、低価格で成功している企業よりも多い。 ほとんどの市場で、低価格戦略で成功できるのは1社か2社しかない
ハーマン・サイモン著『価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白』
正しく企業努力である。
勘違いしてはいけないのは、効率が悪かったとしても、問題は「人」にあるのではない。「作業」にあるのだ。
私に言わせれば、仕事とは「作業」の集まり。
その作業の中で、時間のかかるものを短くできないか、無くせないかと考えることが一番の効率化だ。
正垣泰彦 著『おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』
まとめ
✅ 美味しさは主観ではなく客数で判断すべし。
✅ 非効率は潔く撤退し、リソースを再配分すべし。
✅ 合理的な経営効率と価格戦略で勝負すべし。
自分の無知を知り、事実の前に謙虚でなければいけないのは科学者も飲食経営者も同じである。
正垣泰彦 著『おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ』
⇒ 売れていることこそが、美味しさである。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆