- 投稿日:2025/03/08
- 更新日:2025/10/01
![アル・ライズ、ジャック・トラウト著『ポジショニング戦略[新版]』の真髄!『顧客の心を掴む方法』](https://storage.googleapis.com/library-production-b8884/uploads/library_article/thumb_url/54614/thumb_%E3%83%AA%E3%83%99%E3%82%B7%E3%83%86%E3%82%A3%E7%94%A8%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%83%8D__29_.png)
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はアル・ライズ、ジャック・トラウト著『ポジショニング戦略[新版]』2008年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:アル・ライズ出典:Wikipedia
現在、ライズ&ライズを経営。娘との共著に『ブランディング22の法則』、『インターネット・ブランディング11の法則』(ともに東急エージェンシー出版部)、『ブランドは広告でつくれない』(翔泳社)など。
著者:ジャック・トラウト
現在、トラウト&パートナーズ社社長。著書に『大失敗!』(ダイヤモンド社)『大魔神が教えるマーケティングの極意』『無敵のマーケティング』(ともに阪急コミュニケーションズ)など。
✅ ポジショニングは「顧客の脳内に特別な場所を確保」することである。
✅ 一番乗りの価値は絶大であり、成功にはシンプルな戦略が必要。
✅ 差別化とターゲット市場の明確化が、競争優位性を生む。
ポジショニングは、「広告の本質を変えるコンセプト」である。
アル・ライズ、ジャック・トラウト著『ポジショニング戦略[新版]』
ポジショニングという概念は、1969年に本書の2人の著者が発表した。
その邦訳版である。
欧米のマーケティング関係者にとって必読書と称される。
広告という最も難易度の高い世界を中心を扱っているからだ。
ポジショニング:「消費者の脳内にある特別な場所に商品を位置づけること」と定義している。
戦略を始める前に6つの自問を説いている。
1.自社の現在のポジションは?
2.どんなポジションを築きたいのか?
3.ライバルは誰か?
4.資金は十分か?
5.同じことを続けられるか?
6.自社にふさわしい広告をつくっているか?
当初の時代にはなかったGoogle広告などのより洗練された現代でも、十分活用できる内容である。
『ポジショニング戦略』
ポジショニングの基本:顧客の脳内を理解せよ
ポジショニングの問題を解決したいなら、『商品』ではなく、『消費者の頭の中』を見つめよ。
アル・ライズ、ジャック・トラウト著『ポジショニング戦略[新版]』
顧客の脳内に自社商品の特別な場所を確保すること。
スターバックスは消費者の脳内に「自宅でも職場でもない第三の場所」を築いた。
スコット・ベドベリ著『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』
「スターバックスを肉体と魂を満たすエネルギー企業と考える。」
スターバックスは由緒ある伝統的なコーヒーハウスを目指した。
補足 コーヒーハウス(Coffeehouse)
17世紀半ばから18世紀。イギリスで流行した喫茶店。
多くの人が集まる情報交換の場、社交場の機能も兼ねていた。
⇒ ブランドの定義が企画を決める。
⇒ 成功するには顧客の視点に立つ必要がある。
「顧客志向」はいくつもの本で共通している。
まず、顧客の脳内を理解しなければならない。
話は変わってしまうが、私たちは膨大な量の広告を見ている。
しかし、そのほとんどを自然と無視している。
人は自分が興味をもち、理解できるモノしか受けつけない。
相手の脳内にポジションを確保するにはどうすればいいか?🤔
一番乗りの価値:リーダーになるための鍵
相手の脳内に最も刺さる情報を選び抜く。
消費者の脳内で「最初」にポジションを確保することが重要である。
突然だが、クイズを出そう。
【問】日本で最も高い山と2番目に高い山は?
1番目が富士山はすぐに出やすいだろう。
では、2番目は?
⇒ これを1番手の法則(いちばんてのほうそく)と呼ぶ。
⇒ 早い者勝ちが市場のリーダーを決める。
つまり、相手の脳内に一番乗りすれば、ポジションは確保できる。
要は「早い者勝ち」である。
一番乗りになれば脳内にポジションを刻むことになり、ライバルは切り崩せない。
名前とは、消費者の頭の中にある商品のはしごにブランドの看板をひっかけるフックである。
アル・ライズ、ジャック・トラウト著『ポジショニング戦略[新版]』
コーラといえば?
宅配便といえば?
パソコンといえば?
お掃除ロボットといえば?
一般名称ががそのまま商品名や会社名になると強い。
これもまた、「ブランド」と言える。
ちなみにイニシャルで最もよく使われるのはS,C,P,A,Tだったとのこと。
めったに使われないのはX,Z,Y,Q,Kである。
デービッド・A・アーカー著『ブランド優位の戦略―顧客を創造するBIの開発と実践』
顧客は製品を通じてブランドを実体験する。
1番手の法則は勝負が決していない市場の立ち上がり段階、どこも優位に立っていないタイミングが求められる。
この時に一番乗りでリーダーになれば、メリットは大きい。
逆に市場が確立した後、出て行くのは注意しなければならない。
ちなみに、日本で2番目に高い山は、山梨県の北岳。
標高は3,193mだ。
では、二番手以降になってしまった場合はどうすればよいのか?🤔
二番手の戦略:既存市場での差別化せよ
既存リーダーと同じことをするのではなく、空白市場を見つけよ。
◆ケース①
商品:ブックスタンド
1万台売れたら大ヒットと言われるブックスタンド業界で累計12万台を売る。
変更点は1冊だけでも倒れないストッパー付きブックスタンドに変更した。
2022年の発売からわずか2年で売上げ1億円超えを達成した。
◆ケース②
サービス:ガソリンスタンド → 完全予約制の洗車専門店に変更。
ガソリンの場合は税金がかかり、価格競争も激しい。
人口減少や若者の自動車離れ、さらには石油需要の減少が問題だった。
そこで大都市を中心に、客の悩みに注目すると「洗車」だった。
・「洗車」を必要とする客の悩み
❶ 集合住宅では、自動車を洗うスペースがない。
❷ 洗車場は、雨降った次の日、連休の最終日と時間帯が被る。
❸「カーコーティング」もしたい。
完全予約制の洗車専門店は人数が少なくても売上げを上げられる。
結果、利益率はガソリンスタンドよりも、大幅に増加した。
参考外部サイト:がっちりマンデー‼ 公式note記事
儲かる地味チェンジ!身近なあの商品が地味〜に変わっただけでバカ売れ⁉
⇒ 後進は、消費者の頭の中にポッカリ空いた穴(需要)を埋めよ。
消費者が認識しやすい差別化が、ポジショニング成功の鍵となる。
飯田祐基著「バズる動画・ライブ配信 確実に拡散するしくみ インフルエンサーマーケティングの基本がわかる本」
後発の新規参入が行うべき、戦略を2点あげている。
・新しい「流行」にいち早く乗る。
・1つのトピックに集中する。
大手や一般はもはや、手を出す気にもならない部分ある。
「強い需要」を見つけ出せ。
トレードオフが成功の秘訣
トレードオフ:一方を追求するともう一方を犠牲にしなければならないこと
ポジショニングでは、シンプルなコンセプトをシンプルな言葉で表現することがヒットにつながる。
何かを捨てなければ、独自ポジションは築けない。
万人ウケを狙い、大市場を競合他社と分けずに、ターゲット市場を絞って独占するほうが、強力なポジションを維持できる。
⇒ 製品視点ではなく、顧客視点で戦略を立てるべきだ。
ポジションを確立したら徹底的に継続し、守り抜く選択を。
これが、「ポジショニング戦略」である。
まとめ
✅ ポジショニングは「顧客の脳内に特別な場所を確保」することである。
✅ 一番乗りの価値は絶大であり、成功にはシンプルな戦略が必要。
✅ 差別化とターゲット市場の明確化が、競争優位性を生む。
⇒ 「マーケティングは顧客の心を掴む技術である」
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれる。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆
余談:自分自身を売り込むポジショニング
本書の面白いところは、商品の販売促進だけではなく、自分自身を売り込むのにも使えることを紹介している。
❶自分のウリを売り込む
万人受けを狙うな。
複数のコンセプトを結びつけることなど不可能だからだ。
何が何でもひとつに絞り切らねばならない。
❷失敗を恐れるな
やってみる価値のあることは失敗する価値もある。
完璧にできるようになるまで待っていたり、ぐずぐずしていると実行の機会を永遠に失ってしまう。
何度も挑戦して、幾度か成功する方が世間の評価は高まるものだ。
❸良い名前を使え
覚えてもらいやすい名前はその時点で使える。
マクドナルドに改名してハンバーガーショップを開かなければ、改名は法律で認められている。
❹勝ち馬に乗れ
多くの人が前より必死で働く。
長時間、重労働をこなして挽回しようとする。
そうではない。
成功の秘訣は前よりも「賢く」働くことだ。
自分のためになる「勝ち馬」を探すことである。
勝ち馬の例として、「会社」「上司」「友人」「アイデア」と語る。
実に生々しい。
2008年自体から本質は、そんなに変わっていないかもしれない。