- 投稿日:2025/06/14
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は森岡 毅・今西 聖貴著「確率思考の戦略論」2016年発行をつまみ食いします。
まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
森岡 毅
1972年生まれ、兵庫県出身。神戸大学経営学部卒業。96年、P&G入社。日本ヴィダルサスーンのブランドマネージャー、P&G世界本社(米国シンシナティ)で北米パンテーンのブランドマネージャー、ウエラジャパン副代表などを歴任。2010年にユー・エス・ジェイ入社。革新的なアイデアを次々投入し、窮地にあったユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させる。12年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、マーケティング本部長
今西 聖貴
1953年生まれ、大阪府出身。米国シンシナティ大学大学院理数部数学科修士課程卒業。水産会社を経て、83年、P&G入社。日本の市場調査部で頭角を現し、92年、P&G世界本社へ転籍。世界各国にまたがって、有効な需要予測モデルの開発、世界中の市場分析・売上予測をリードし、量的調査における屈指のスペシャリストとして長年にわたり世界の第一線で活躍。2012年、盟友・森岡毅の招聘によりユー・エス・ジェイ入社。
✅ 戦略は感覚でなく、確率で決める。
✅ 数字で成功確率を操作できる。
✅ プレファレンスを高めて市場を勝ち抜け。
USJの業績をV字回復に導いた、森岡毅氏と今西聖貴氏のマーケティング戦略本である。
本書のテーマは「確率思考」です。
本書に一貫するメッセージは、「ビジネス戦略の成否は『確率』で決まっている。
そしてその確率はある程度まで操作することができる」ということです。
私はその考え方を、「数学マーケティング」とも、「数学的フレームワーク」とも呼んでいます。
森岡 毅・今西 聖貴著「確率思考の戦略論」
USJでも実証された数学マーケティングの力
戦略は「探す」もの
私の中での戦略づくりは「つくる」というよりむしろ「さがす」という感覚です。 戦略は必ずそこにあるものだからです。
森岡 毅・今西 聖貴著「確率思考の戦略論」
⇒ 感覚でなく、存在する最適解を見つける。
戦略とは「つくる」ものではなく「さがす」もの。
感情に頼らず、論理と数字で選ぶことが成功への第一歩である。
戦略の成否は確率で決まる
今西さんが予測した数字と、自分達で導き出した数字が符合したことで、私はUSJでのハリー·ポッターの成功に数学的な確信を持てたのです。 その確信こそが、当時の USJ には分不相応な総投資額450億円という壮大な冒険に踏み切る最大のエネルギー源でした。 数学的確信があったからこそ、私は腹をくくって周囲を説得できたのです。
森岡 毅・今西 聖貴著「確率思考の戦略論」
⇒ 確率は予測し、操作できる。
「ビジネスの成否は確率で決まる。その確率はある程度は操作できる。」
ビジネスの成功は運ではない。
数字で未来をシミュレーションし、確率が高い選択肢を選ぶことで勝率を上げられる。
ただし、共著者の今西聖貴氏はP&Gで森岡氏の同僚として20年以上需要予測モデルや予測分析を担当、その後は森岡氏の紹介でUSJに迎えられ、USJ復活を支えた調査のスペシャリストであることには注意しなければならない。
本書では細かな数式が載せてあるので、興味があれば。
読み飛ばしてもわかるように書いてある。
戦略の確率を事前に知ることで、コントロールしやすい領域とコントロールできない領域を見分け、経営資源をコントロールできる領域へと集中させる。
成功確率を劇的に高めることができる。
ある意味で「選択と集中」である。
ジャック・ウェルチ 著『ジャック・ウェルチ わが経営 上下』
選択と集中
企業が自社の得意とする事業分野に経営資源を集中させる経営戦略。シンプルゆえに、あらゆるものに応用できる。
消費者の心をつかむ「プレファレンス」
戦略、つまり経営資源の配分先は、結局のところPreference(好意度)、Awareness(認知)、Distribution(配荷)の3つに集約されるのです。 その中でも無限の可能性を持っているのはプレファレンスのみですから、戦略の究極的な焦点は消費者プレファレンスを高めることです。
森岡 毅・今西 聖貴著「確率思考の戦略論」
⇒ プレファレンスが市場シェアを決める。
市場構造の本質はプレファランス(好意度)と語る。
同じ便益を与える商品やサービスの集まりをカテゴリーという。
「靴」「ゲーム」「スマホ」「本のサービス」「ビール」などいくつかカテゴリーがある。
人の「好き」は市場の力。
消費者の脳内には「靴なら〇〇か××」というようにカテゴリー別に好感度がある。
この組み合わせ(エボークト・セット)を過去の購買経験によって消費者の脳内に無意識のうちにつくられて、消費者はこの中から買う商品をランダムに選ぶとしている。
この消費者がビールを10回買うと平均して〇〇が5回選ばれる。
脳内の“ガチャ”で選ばれる確率=シェア。
戦略は、この無意識の選好をどう高めるかに尽きる。
残りのAwareness(認知)、Distribution(配荷)は何か?
❷認知(awareness)
何%の消費者が商品を知っているか?
商品名「ダイソン」しか知らない人よりも「吸引力が変わらないただ一つの掃除機」と知っている人のほうが商品を買う。
❸配荷(distribution)
消費者の何%が商品を買おうと思えば買えるかが「配荷」
具体的には店頭で買える状態にすることが該当する。
【年間購入者の全世帯に対する割合】 =認知率×配荷率×過去の購入率×エボークト・セットに入れる率×1年間の購入率
【年間売上】 =総世帯数×購入者割合×平均購入回数×平均購入額
このような式を逆算で使う。
年間売上などの目標達成に必要な認知率や配荷率を逆算し、どの要素に経営資源を投資するか決めるのが「確率思考」である。
お客さんが「どこで買うか」ではなく「誰から買うか」を重視する時代だと語る。
日本だけで考えるなら、単純に買ってくれる人数が減っている。
そんな時代を、これまでと同じ価格帯で乗り切れるわけがない。
自分の商品を高く買ってもらうためにはどうすればいいか?を考えなければならない。
バイロン・シャープ 著『ブランディングの科学 新市場開拓篇』
強いブランドは、明確なポジショニングではなく「思い出される頻度」で決まる。
これをメンタル・アベイラビリティとしている。
(購入する際にブランドが思い出されやすいこと)
プレファレンスを構成する3要素
❶ブランド・エクイティー
(ブランドがもつ見えない資産)
❷製品パフォーマンス
(消費者は失敗したくないので、一度信頼したブランドは他ブランドにスイッチしない。)
❸価格
価格を上げると短期的にプレファランスは下がる。
⇒ プレファレンスはブランド、性能、価格のバランスで決まる。
ブランド力は最重要。
性能は製品カテゴリー次第で重視され、価格は短期的に不利でも中長期には投資資源になる。
井堀利宏著『超速経済学の授業』
ネットフリックスを例にディマンドプルインフレ(需要によるインフレーション)を挙げている。
値上げの流れ
企業にとってのインセンティブは「得られる利益」
↓
値上げのきっかけは会員数の増加。(需要)
↓
視聴者が「見たい」と思う魅力的なコンテンツ量(供給)を増やす。
↓
コンテンツの数を増やしてサービスの質を高めるためには資金が必要。
↓
ネットフリックスは値上げを実行した。
値上げは必ずしもマイナスではない。
まとめ
✅ 戦略は感覚でなく、確率で決める。
✅ 数字で成功確率を操作できる。
✅ プレファレンスを高めて市場を勝ち抜け。
⇒ 感情ではなく、確率で戦え。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆