- 投稿日:2025/06/28
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はレイチェル・ボッツマン著『TRUST(トラスト)世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』2018年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:レイチェル・ボッツマン
作家、ソーシャルイノベーター。前作『シェア』で提唱した「共有消費」は、タイムズ誌による「世界を変える10のアイデア」に選ばれた。
2013年には世界経済フォーラムにより「ヤング・グローバル・リーダー」にも選出。ニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、WIREDなどで寄稿編集者を務めるほか、インターネットとテクノロジーを通したシェアリングエコノミーの可能性やビジネス・社会における変化についてコンサルタントや講演などを行っている。またオックスフォード大学サイード・ビジネススクールで「協働型経済」コースを教えている。
✅ 「信頼」は制度から個人・プラットフォームへと移動した。
✅ テクノロジーが新たな信頼の土台を作っている。
✅ 信頼の再構築は、社会そのものを変える革命である。
信頼とは 未知のものとの確たる関係
レイチェル・ボッツマン著『TRUST(トラスト)世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』
信頼は得難く失いやすい、というのは万国で常に共通の認識である。
信頼の獲得には大きく3つが影響すると紹介される。
①身近なものとの紐付け
(カリフォルニアロールの原則)
②相手へのメリットの提示
(メリットの原則)
③第三者評価の拡散
(信頼のインフルエンサーの原則)
話を理解してほしい時、相手の趣味の内容や一般的な事柄を使って例えるように、相手の先入観を逆手に取ることが有効な手段になる。
他人の考えを変えるのは、自分の考えを変えるよりも多くの労力が必要だからだ。
自分が交渉する際は少しの侠気(きょうき)は必要である。
生きている以上、誰もが得したいと考えてる。
「損して得取れ。されど犠牲になるな。」
さらに、他人からの特に信じている人物の推薦があれば、最高である。
今ほど信頼という言葉が重視される時代はない。
信頼がいま、どのような状況にあるのか?
本書を読むことで、理解が進むだろう。
有名企業の事例紹介、ウーバーやアリババ、エアビーアンドビーなど、急成長を遂げる企業がいかに信頼を獲得したのか、そしてそれらの企業はどんな問題点を抱えているのか?ロボットやブロックチェーンにも触れている。
この10年間、信頼の姿がテクノロジーによって劇的に変わる様子を、わたしは調査してきた。2008年には、いわゆる「共有消費」または「シェアリングエコノミー」についてはじめての本を書いた。それが『シェア』だ。
レイチェル・ボッツマン著『TRUST(トラスト)世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』
シェアリングエコノミー:インターネット上で個人が所有する資産(モノや場所、スキルなど)を他の個人や企業と共有する経済モデル。
図:【シェアリングエコノミーの5分類】
出典:デジタル庁・一般社団法人シェアリングエコノミー協会「シェアリングエコノミー 活用ハンドブック [2022年3月版] 」p.9
触れたことのある人も多いのではないだろうか?
銀行、政府、マスコミといった「制度」への信頼は不安定になりやすい。
これは日本だけの話ではない。
今や人々は個人の直感、評価、批評を頼りに生きている。
ある意味…原始的な時代に戻ったかもしれない。
ちなみに、信用失墜しないためのノウハウは載っていない。
なぜなら、今まさに起こっている”問題”だからだ。
「制度」を信用できないということは、社会の信頼そのものが失われてしまうということだ。制度がわたしたちを裏切ったなら、何を信じたらいいのだろう? 誰に、あるいは何に頼ればいいのだろう? ほかにどんな悪いことが起きるのだろう? 制度のなかにわたしたちの知らないどんな欠陥があるのだろう?
レイチェル・ボッツマン著『TRUST(トラスト)世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』
テクノロジーで変化する「信頼」
フェイクニュースの蔓延
AI社会において、こんな画像は1分もかからない。
…が、よく見なくても文字や配置がおかしい部分が目に入る。
だが数年もたたないうちに、より緻密で真実味のある映像や記事も、技術と熱意、そして高パフォーマンスなパソコンがあれば半日もかからないだろう。
⇒ 情報過多が信頼の分断を生んだ。
エコーチェンバー現象により、自分と異なる意見に触れず、偏見が強化され、不信が加速する構造ができた。
エコーチェンバー現象
自分と同じ意見の人が集まる閉じられた環境にいることで、自分の意見や偏見が増幅される現象。
意見をSNSで発信すると自分と似た意見が返ってくるという状況を、閉じた小部屋で音が反響する物理現象にたとえたもの。
つまり、自分を除いた2人以上が同じ意見なら”みんなが言っている”のだ。
カイフー・リー/チェン・チウファン著『AI 2041』
ディープフェイクの作成とその検出のいたちごっこは軍拡競争と同じだ。 コンピューターの計算力をより多く使える方が勝つ。
カイフー・リー/チェン・チウファン著『AI 2041』
分散される信頼のカタチ
なぜ銀行も政治家も信頼できないと言いながら、まったくの他人を信用して車に乗り込むことができるのだろう?
レイチェル・ボッツマン著『TRUST(トラスト)世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』
プラットフォームに託す信用
人が新しいビジネスを信頼するには…。
❶アイデアを信頼し、次に❷プラットフォームと企業を信頼し、❸最後に個人を信頼するという順番に進むという。
人間が信頼に対して要求することには段階がある。
❶アイデンティティ:本人である身分証明
❷セキュリティ:情報漏洩しない保障や約束
❸安全性:危険性がない、危険が最小限に抑えられている仕組みがある
❹親和性:彼、彼女とは相性がいい
❺所属:同じ目的のためにチームを組んでいる
人がその人を信用するためにもいくつかの段階があるのだ。
テクノロジーを通して人が人を信頼するということだ。
レイチェル・ボッツマン著『TRUST(トラスト)世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』
BlaBlaCar(ブラブラカー)
2006年にフランスで設立されたスタートアップで、車の座席をシェアするプラットフォームを運営している。
運転者が旅行先までの車の空席を売り出し、買い手が座席を購入して同乗するというサービスである。
運転者は同乗者にガソリン代と有料道路の代金を請求することができる。
ウーバーとは異なり、平均走行距離が約320キロと長いのが特徴で長距離バスよりも安いのがメリットだった。
しかし、ユーザー同士がマッチングしても、予約のドタキャンが相次いでいた。
結果、同乗者もドライバーも複数の予約を入れる保険をかけているほどだった。
せどりでいうなら、メルカリ、ヤフオク等…複数のサイトで1つの商品を出品するようなものだ。
この問題を解決するために導入されたのが、オンライン決済による前払い。
予約時に同乗者が支払いをすませることで、予約を保証した。
おかげでキャンセル率は10分の1に減少し、ブラブラカーのサービスは2017年4月時点で、高速鉄道や英国航空よりも多くの乗客を運んでいたという。
つまり、お手軽な勘合貿易(かんごうぼうえき)が求められた。
⇒ 信頼はテクノロジー(システム)を介して作られ始めた。
⇒ 評価は信用の通貨となった。
共有経済の爆発的な拡大は、まさにこの「分散された信頼」の生きた事例だ。
レイチェル・ボッツマン著『TRUST(トラスト)世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』
現在のいいねやフォローもテクノロジーを介した「他者からの信頼」である。
コミュニティの規模はグローバルになり、巨大なインターネット企業が見えざる手でそのコミュニティを支配している。
誰が得をし、誰が損をし、どんな影響があるのかを知っておくことが、かつてなく大切になっている。
個人間の信頼は、不特定多数の信頼によって支えられる文化が生まれている。
ローレンス・レッシグ著「CODE インターネットの合法・違法・プライバシー」
2001年の書籍ながら、先見の明がある書籍。
特に、インターネットが民衆に開かれたばかりの時期は匿名性ゆえに無法地帯にもなりうるが、自由な活動も保障する空間であると考えていた。
システムによる意識的な規制がネットの自由をつくり上げると提唱した。
⇒ 「自由を守るには、自由を設計せよ」
山岸俊男著「日本の『安心』はなぜ、消えたのか」
集団主義社会だった江戸時代の農村は、個人同士で信頼がなくても動く「安心社会」。
一方で都会は、個人同士の信頼が必要になる「信頼社会」である。
「SNS」や「オンラインコミュニティ」といった「信頼社会」に私たちは自然と出てしまう時代になっている。
具体例:リベシティでは「信頼口座」が「分散された信頼」
日頃から発信することや、誰かの質問に答えるなど信頼が蓄積されることで、 ・自分自身が困ったときに助けてもらいやすくなる ・稼ぐ力をアップさせやすくなる ・一緒に趣味や余暇活動を楽しむ仲間を見つけやすくなる といったメリットがあります。 積極的に行動し信頼を貯めて、5つの力を鍛えていきましょう!
リベシティ参考ページ リベシティは個人に信頼が貯まる仕組み
リベシティ内で確認できる機能
1. 応援会員区分の履歴
2. プロフィールやスキル、ポートフォリオの内容
3. 過去の発言一覧
4. 発言に対するリアクションの数
5. フォロワー数
6. リベシティ関連サービスの実績
これこそ、「信頼を可視化する」仕組みである。
そして、信用失墜しないためのノウハウはこの5つだ。
信頼口座の貯め方5選
①約束を守る
②自分が先に相手を信頼する
③素早く対応する
④手間ひまをかける
⑤悪口やネガティブ発言をしない
リベ大動画:【軽視しがち】「信頼口座」の残高を増やすアクション5選【人生論】:(アニメ動画)第157回
中国から見る“信頼の社会設計”
わたしがはじめて仕事で上海を訪れたのは25歳のときだった。
有名ブランドのアジア進出を助けるコンサルティングプロジェクトの一員としてだった。
最初の週は毎日のように中国のクライアントたちと食べ歩いた。
昼も夜も円卓を囲んでおいしい食べものに舌鼓をうち、ビールのグラスを交わして乾杯を重ねた。
そんな集まりは温かくて楽しかったものの、3日もそれが続くと、いつ「本当の」仕事に取りかかれるのだろうとあせりはじめた。
中国のビジネスでは、付き合いのはじめにたっぷりと社交に時間をかけて相手をよく知るのがどれほど重要かを、わたしは知らなかった。
レイチェル・ボッツマン著『TRUST(トラスト)世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』
アリババの戦略「トラストパス」
アリババ(Alibaba)は、中国の電子商取引(EC)大手企業であるアリババグループ(阿里巴巴集団)が運営する通販サイトである。
インターネットのマーケットプレイスは、買い手と売り手、双方の信頼がなければ成り立たない。
何が凄いのかというと、それを中国で実現したということだと語られる。
とりわけ、中国の人たちは、最初に長い時間をかけて信頼に値する人間であることを証明した人だけを信頼する。
レイチェル・ボッツマン著『TRUST(トラスト)世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』
中国社会では「コネ」が重要視されるうえ、家族や友人、同じ村の人といった親密な人間関係でなければ信頼が成り立たない文化と紹介される。
アリババの創業者ジャック・マーは、「トラストパス」を用意した。
これは売り手の認証制度で、第三者から身元と銀行口座を裏付けられた売り手だけが受けることができる。
「トラストパス」を持つ企業の問い合わせ数は未認証の6倍に跳ね上がり、ビジネス成功の基盤となった。
⇒ 認証制度で「見知らぬ人」を信頼させた。
アリババは認証を通じて信頼を可視化。
やがて、トラストパス認証に手数料を課すようになると、未認証の売り手への信頼はより低くなった。
優良企業であるならば、少しの手数料を支払ってでもそれを証明しない理由がないという理由だ。
無料アカウントにしがみつくことは、信頼するに足りないことの証にまでなってしまった。
参考外部サイト:日経ビジネスの記事
まとめ
✅ 「信頼」は制度から個人・プラットフォームへと移動した。
✅ テクノロジーが新たな信頼の土台を作っている。
✅ 信頼の再構築は、社会そのものを変える革命である。
⇒ 「信頼とは、社会と経済の見えざる潤滑油である」
そして、「信頼は社会生活の必需品である。」
信頼の喪失を悲しんだほうがいいだろうか? 答えはイエスでありノーだ。
レイチェル・ボッツマン著『TRUST(トラスト)世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆