- 投稿日:2025/11/01
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は安宅和人著『イシューからはじめよ』2010年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
筆者:安宅和人
1968年富山県生まれ。東大大学院修士→マッキンゼー→イェール大学Ph.D.→ヤフーCSOなどを経て慶應義塾大学教授。
脳科学と戦略思考を融合し、幅広い分野で成果を生み出す思考法を提唱。
✅ 成果は「問いの質」で決まる
✅ 間違った努力は即捨てる
✅ 「悩む」ではなく「考える」に時間を使う
何よりも大切なのは、「一般常識を捨てる」ということだ。
安宅和人著『イシューからはじめよ』
「忙しいのに成果が出ない」
「頑張っても手応えがない」
そんな悩みを抱えていないだろうか。
その原因は、あなたの努力の“方向”が間違っているからかもしれない。
本記事では、安宅和人氏が提唱する「本当に解くべき問題=イシュー」の見極め方を解説し、最小の労力で最大の成果を得る方法を紹介。
本書内の小話で印象に残っているものがある。
いわゆる天才とは次のような一連の素質を持った人間だという。
・仲間の圧力に左右されない。
・問題の本質をいつも見失わず、希望的観測に頼らない。
・ものごとを表すのに多くのやり方を持つ。
・1つの方法がうまくいかなければ、サッと他の方法に切り替える。
どんな問題が持ち上がっても「悩まずに、考える」秘訣である。
『イシューからはじめよ』
大本の方向性が違うと、より問題が大きくなる。
努力の方向性と捉えることもできる。
世の中にある「問題かもしれない」と言われていることのほとんどは、実はビジネス・研究上で本当に取り組む必要のある問題ではない。
安宅和人著『イシューからはじめよ』
イシューとは何か

世の中で「問題かもしれない」と言われていることの総数を100とすれば、今、この局面で本当に白黒をはっきりさせるべき問題はせいぜい2つか3つくらいだ。
安宅和人著『イシューからはじめよ』
「イシュー(issue)」は、単なる問題ではなく、以下の二つの条件を満たすものと定義されている。
「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり、
「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の
両方の条件を満たす"問題"である。
❶この新商品は、既存市場を奪うのか、新市場を生み出すのか?
→ 戦略の方向性が根本から変わる。
❷我が社の売上停滞の最大原因は市場縮小なのか、競合シェア奪取なのか?
→ 施策の優先度が決定的に変わる。
❸都市集中と地方衰退は不可避なのか、それとも政策で逆転可能なのか?
→ インフラ投資の配分や都市計画が大きく変わる。
❹再生可能エネルギーは日本の基幹電源になり得るのか?
→ エネルギー政策の根幹が決まる。
❺今の会社で成長できないのは環境のせいか、自分の努力不足か?
→ 転職か自己研鑽か、行動が変わる。
❻将来の幸福度を決める最大の要因は収入か、人間関係か?
→ 人生戦略の重点が変わる。
❼地球温暖化の進行速度は予測より早いのか、遅いのか?
→ 国際的な緊急対応の規模が変わる。
❽AIは意識を持つことが可能なのか?
→ 倫理・法律・技術開発の方向が激変する。
これは副業でも同じ。せどりなら…。
「解決すれば、仕入れ方・売り方・資金配分が根本的に変わる問い」
① 仕入れ戦略に関わるもの
利益が最大化するのは「高単価・低回転」か「低単価・高回転」か?
② 商品選定に関わるもの
利益を生みやすい条件は「メーカー」か「年代」か「状態」か?
③ 作業効率・時間配分に関わるもの
1日の利益を最大化するには「リサーチ時間」を増やすべきか、「出品作業」を増やすべきか?
④ 市場予測に関わるもの
円安が続く場合、海外バイヤーへの販売は国内販売より有利になるのか?
YouTube収益化なら・・・。
「解決すればチャンネル運営の方向性が根本から変わる問い」
① チャンネル戦略に関わるもの
登録者を増やすより視聴時間を伸ばす方が収益性は高いのか?
② コンテンツ制作に関わるもの
伸びるのは「トレンド企画」か「長期検索されるストック型動画」か?
③ 集客・アルゴリズム対策に関わるもの
外部流入(SNS・ブログ等)を絡めた方が収益化まで早いのか?
④ 収益安定化に関わるもの
YouTube収益だけに依存せず、グッズ・メンバーシップ・外部講座を絡めた方が良いのか?
つまり、イシューとは「決着がついていない」かつ「根本に関わる」問題である。
これを外せば、いくら努力しても意味はない。
真に価値のある仕事、すなわち「世の中に変化を興したい」と考えるならば、この「イシュー」を見極めることが最も重要なステップとなる。
⇒ 解くべき価値ある問いを特定せよ。

荒木博行著『努力の地図』
私たちは、「努力」と「報酬」をつなぐプロセスを自分の経験則から無意識に採用している。
よく、努力には量と質が大事といわれるが、本当は更に2つある。
❶量の努力:回数を重ねてやり切る
❷質の努力:行動を改善していく
❸設計の努力:目標に立ち返る思考力
❹選択の努力:そもそもの目標を選ぶ行為
(方向性の努力といっても良い)
後半の2つは間接的なため、物事に集中しているときほど見えてこない。
正しい努力は4階(選択の努力)から考えなければならない。
多くの行為を組み合わせた努力が必要と言っても、私たちはレイヤーの異なる多種多様な頑張りをマルっとひとまとめにして努力として片付けている。 それは、私たちが努力に関する共通言語を持っていないからだ。
荒木博行著『努力の地図』
こちらの書籍は努力すべき方向性を特定せよと語る。
問いの質が成果を左右する
地図無くして、方針は決まらない。問い無くして、答えは決まらない。
僕自身の体験を踏まえ、一緒に仕事をする若い人によくするアドバイスがもうひとつある。それは「根性に逃げるな」ということだ。
安宅和人著『イシューからはじめよ』
経営における最も重大なあやまちは、間違った答えをだすことではなく、間違った問いに答えることだ
ピーター・ドラッカー
⇒ 答えが出る前提で思考せよ。
⇒ 成果=イシューの質×答えの質。
⇒ 問いを間違えるな。
「間違った問いに答えることこそ最大の過ち」という警句は、努力の方向性の重要性を示す。
的確なイシューなら50点の答えでも前進するが、間違った問いなら100点の答えでも無駄。
「生産性」は同じ労力・時間でどれだけ多くのアウトプットを出せるかであって、労働時間よりも、価値のある成果ができたかで判断しなければならない。
大まかな流れ
❶本当に答えを出すべき問題(イシュー)を見極める。
❷イシューを解けるところまで小さく砕く
❸ストーリー(成果を出すまでの流れ)を整理する
❹ストーリーを実施し、検証と分析して次につなげる。
❺「❶~❹」を素早く回し、何回転もさせる。
「悩む」というのは「答えが出ない」という前提に立っており、いくらやっても徒労感しか残らない行為だ。
安宅和人著『イシューからはじめよ』
悩む=出口のない思考。
考える=解決への思考。
脳のリソースは「考える」に使うべきである。
「悩んでいると気づいたら、すぐに休め。悩んでいる自分を察知できるようになろう」
安宅和人著『イシューからはじめよ』
ただ、「答えが出る・出ないということよりも、向かい続けることに価値や意味があるもの」を否定したいわけではない。
その部分こそが成果やお金ではないといった部分であり、それが人間である。

P·F·ドラッカー「経営者の条件」
ドラッカーは「65年間でコンサルタントとして出会ったCEOのほとんどが、いわゆるリーダータイプの人ではなかった」という。
性格・姿勢・価値観・強み・弱みは千差万別だった。
共通していたのは8つの習慣だった。
1:なされるべきことを考える
2:組織のことを考える
3:アクションプランを作る
4:意思決定を行う
5:コミュニケーションを行う
6:機会に焦点をあてる
7:会議の生産性をあげる
8:「私は」ではなく「われわれは」を考える
一応の成果をあげるためでさえ、理解力があり、懸命に働き、知識があるだけでは十分でない。成果をあげることはこれらとは違う何かである。
P・F・ドラッカー 著『経営者の条件』
人生は経営であり、誰もが人生の経営者である。
無駄な努力を減らす実践法
イシューと仮説は紙やデータで「言葉」にしなければならない。
なぜなら、私たちは「意味がある」と思うことしか認識できない。
その判断は、意味をもつ場面にどのくらい遭遇してきたかで決まる。
いわゆる、「特定の情報処理回路」である。
仮説がないまま分析をはじめると、出てきた結果が十分なのかそうでないのかの解釈ができない。
安宅和人著『イシューからはじめよ』
仮説を立てて、仕事が与えられることで、仕事を振られてた人も自分が何をどこまで調べるべきなのか明確になる。
立てたイシューに仮説が必要な理由
❶イシューに答えを出すため。
❷必要な情報・分析すべきことがわかる。
❸分析結果の解釈が明確になる。
イシュー
「利益を最大化できるのは高単価・低回転か、低単価・高回転か?」
仮説
「高単価・低回転の方が、在庫管理コストを抑えつつ利益率を高く保てるはずだ。」
イシュー
「登録者を増やすより視聴時間を伸ばす方が収益性は高いのか?」
仮説
「視聴時間を伸ばす方が広告単価や再生数が安定し、収益化が早まる。」
イシュー
「自社の売上停滞の最大原因は市場縮小なのか、競合シェア奪取なのか?」
仮説
「競合シェア奪取が原因であり、新規顧客獲得施策が最も有効だ。」
イシュー
「今の会社で成長できないのは環境のせいか、自分の努力不足か?」
仮説
「環境よりも、自分の考え方が成長を阻害している。」
イシューは「問い」なので疑問形。
仮説は「答えの予想」なので断定形。
先にイシューを正しく見極めないと、仮説検証が無駄になる。
どうすれば良いかわからないなら、「取り組みたいこと」に対して、イシューと仮説をいくつか出してください。とAIに聞いてみるのも良いだろう。
ただし、仮説を立てるためには「1次情報に触れる」ことを忘れてはいけない。
「1次情報」とは、誰のフィルターも通っていない情報のことで、ものづくりの世界では「現場」と呼ばれる。
実際の作業、顧客の声、研究の第1人者や実績のある人物の話。
加工されていない「生」のデータを手に入れよう。
ゴール(=目的)が分からないと、取るべき手段も質問もできない。
良い質問をする8つのポイント
❶質問は短く簡潔にする
❷相手の時間をもらっている認識を持つ
❸GoogleやYouTubeで調べる
❹その人だからこそ答えて欲しい質問をする
❺質問の範囲を限定する
❻ゴールを明確にする
❼自分でできたところや理解したところまでは伝える
❽回答したくなる工夫をする
だが、その前に自分なりのイシューを決めよう!
⇒ 仮説を立てて、イシューを見極めよう。
⇒ やはり、イシューからはじめよ。
⇒ 解決策は「現場」と積み重ねた「情報処理」にある。
仮説とは、「まだ証明されていないが、最も答えに近いと思われる答え」
「答え」を出すのが早い人は自分なりの「仮説」を立てている。
あらゆる情報を網羅的に調べてから答えを出していくには、時間的にも資源的にも無理があるということである。
内田和成著「仮説思考―BCG流問題発見・解決の発想法」
まとめ
✅ 成果は「問いの質」で決まる
✅ 間違った努力は即捨てる
✅ 「悩む」ではなく「考える」に時間を使う
情報収集の効率は必ずどこかで頭打ちになり、情報がありすぎると知恵が出なくなるものだ。
安宅和人著『イシューからはじめよ』
情報収集をしすぎると、必ず仮説を肯定する情報と否定する情報の板挟みになるからだ(笑)
⇒ 問いを極めれば、答えは自ずと導かれる。
問題の目的は要するにXが一体なんであるかをつきとめることにあり、その答をどのやり方で出したかなどどうでもいいんだということを悟ることができたのは、実に幸運だったと思う。
リチャード・ファインマン
着手前に「この問題は本当に解く価値があるか?」を確認し、不要なら即切り捨てる。
本書には「イシュー」へのいくつかのアプローチを提供している。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆


