- 投稿日:2025/11/01
- 更新日:2025/11/01
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は池田晶子 著『14歳からの哲学 考えるための教科書』2003年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:池田晶子
引用画像元:池田晶子 | (池田晶子記念)わたくし、つまり Nobody賞
1960年生まれ。慶応大学文学部哲学科卒業。専門用語による「哲学」についての論ではなく、哲学するとはどういうことかを日常の言葉を用いて示し、多くの読者を得る。
✅ 「考える」とは必ずしも答えを出すことではない
✅ 孤独は豊かさの源である
✅ 精神の自由が本当の自由をつくる
「自分が、思う」ということは、いったいどういうことなんだろう。
池田晶子 著『14歳からの哲学 考えるための教科書』
「情報は多いのに、なぜか自分の考えが持てない」
「孤独が怖くてSNSに依存してしまう」
そんな不安を感じることはないだろうか。
そこで今回は『14歳からの哲学』を通して、正解のない問いにどう向き合うかのキッカケを考えていく。
本書の目次は以下の構成である。
Ⅰ 14歳からの哲学[A] 1 考える[1] 2 考える[2] 3 考える[3] 4 言葉[1] 5 言葉[2] 6 自分とは誰か 7 死をどう考えるか 8 体の見方 9 心はどこにある 10 他人とは何か Ⅱ 14歳からの哲学[B] 11 家族 12 社会 13 規則 14 理想と現実 15 友情と愛情 16 恋愛と性 17 仕事と生活 18 品格と名誉 19 本物と偽物 20 メディアと書物 Ⅲ 17歳からの哲学 21 宇宙と科学 22 歴史と人類 23 善悪[1] 24 善悪[2] 25 自由 26 宗教 27 人生の意味[1] 28 人生の意味[2] 29 存在の謎[1] 30 存在の謎[2]
ちなみに本書のタイトルに含まれる「14歳」という年齢設定は、単なる読者層を限定しているわけではないので注意。
この本は、私が中学生の時に朝読書習慣でなんとなく読んだ。
200ページほどなので、区切りやすい読みやすさもある。
私自身、14歳の頃には読みこなす頭も心の余裕もなかった。
今でも思考停止に陥る私に、改めて突きつけるメッセージも多い。
哲学(Philosophy)は「知を愛する」という語源を持つ学問領域のことである。
形而上学、存在論、認識論、一元論、二元論、実存主義、コギト、二律背反、功利主義、ニヒリズム、永劫回帰、構造主義、ストア派、中庸、ロゴス、イデア…と。
人類が人類と認識するまえからずっと行われてきた娯楽であった。
つまり、長い時間のつながりがある。ゆえに多くの言葉で表現される。
本書でこのような哲学用語が使われることはほとんどない。
なのにもかかわらず…おそらく、1度読んだだけでは理解することは難しい。
年齢を重ね、肉体と精神が進化(または劣化)したとき、受け止め方が変わる書籍である。
まぁ、面白い本ということだ。
『14歳からの哲学 考えるための教科書』

つまらないことをつまらないと思っているのは、やっぱりどこまでも君だよね。
池田晶子 著『14歳からの哲学 考えるための教科書』
考えるとは「問いそのものになる」こと

君は、誰にとっても正しいことを、自分ひとりで考えてゆけばいいんだ。
なぜって、それが、君が本当に生きるということだからだ。
池田晶子 著『14歳からの哲学 考えるための教科書』
⇒ 答えよりも問いに生きる姿勢が大切。
⇒ 情報は外から入るが、知識は自分で消化するもの。
本書の中心的な主題は、私たちが日常的に使う「考える」という言葉を、より厳密に再定義することである。
考えることは正解を探す行為ではなく、自らが問いを体現することだと本書は説く。
単に情報を収集したり、既存の知識を暗記したりする行為とは少し違う。
(これもまた必要なことではあるが…。)
ただの情報を血肉の知識に変えるには、自分で考えるプロセスが不可欠である。
思考の本質は「答えを求めること」ではなく、「問いそのものと化す」ことにあると主張する。
この考え方は「仕事や成果」よりも「楽しみや人生への問いかけ」に近い。
なんと贅沢なことか。

プラトン著『ソクラテスの弁明』
ソクラテスは、あらゆる「知の追求」の出発点と言える。
経済・哲学・歴史・科学は神学から派生したといっても過言ではないように、これらの前には「知の追求」がある。
ちなみに、ソクラテス自身は一切の著述を行わなかった。
理由は、対話に夢中で書く余裕がなかったといわれている。
安宅和人著『イシューからはじめよ』
こちらは仕事などで本当に解くべき問題=イシュー」の見極め方を解説し、最小の労力で最大の成果を得る方法を述べた本。
「悩む」というのは「答えが出ない」という前提に立っており、いくらやっても徒労感しか残らない行為だ。
安宅和人著『イシューからはじめよ』
ただ、「答えが出る・出ないということよりも、向かい続けることに価値や意味があるもの」への否定ではない。
さまざまな分野のさまざまな考え方を学び、それらを日常的に活用すべきである。
一部だけ使うのではなく、すべてを使って。
孤独は豊かさの源泉

多くの人は、目に見える体のことを自分だと思っているのに、一方では、目に見えない心こそが本当の自分なんだとも思っている。
池田晶子 著『14歳からの哲学 考えるための教科書』
⇒ 孤独を恐れると、考える力を失う。
⇒ 依存でつながる関係は友情か?
⇒ 社会的制約はあっても精神は奪われない。
一般に、孤独は「空虚で無駄な時間」と捉えられがち。
多くの人々はその空虚感を埋めるために、本質的ではない浅い人間関係や「つまらない友達」を求める傾向にある。
これを依存的な生き方であると指摘し、孤独はむしろ、自分と深く対話し、考え方を熟成させるための「とても豊かなもの」であると捉え直す。
孤独を耐えられる者同士だけが、本当の友情を築ける可能性がある。
「多くの居場所」があるのはとても良いことだ。
「たった一つでも居場所」があるのはもっと良いことだ。
精神の自由があれば人は自由になれる。
あなたの精神は無限に広がっていて、他者から見ればそこら辺にいる誰かと同じであり、あなたから見れば同じではない。
自己の美しさを甘く見るな。
孤独は無駄ではなく、自己と深く向き合い精神を成熟させるための豊かな時間となる。
精神さえ自由ならば、人間は完全に自由である。
「自由」ということは、「自分がしたいことをする」ということでいいのだろうか。
池田晶子 著『14歳からの哲学 考えるための教科書』
この内省的な営みを通じて「自分の大切な精神」を築き上げることが、人生を豊かにする唯一の意味である。
人は、苦しみを納得するために、人生に意味を求める。
しかし、なぜ存在するのかわからない宇宙が存在すること以上に納得のできないことはない。
存在することは意味も理由もない、それ自体が奇跡である。
苦しみもまた、奇跡なのかもしれない。

ヴィクトール・エミール・フランクル著「夜と霧」
彼らは、人間から一切を取り得るかもしれないが、しかしたった一つのもの、すなわち与えられた事態にある態度を取る人間の最後の自由、をとることはできないということの証明力をもっているのである。
『夜と霧』みすず書房
「あなたがどれほど人生に絶望しても、人生のほうがあなたに絶望することはない。」
「人間が人生を問うに先立って、人生から人間は問われている。」
これを態度価値(運命に直面した時の精神性)という。
まとめ
✅ 「考える」とは必ずしも答えを出すことではない
✅ 孤独は豊かさの源である
✅ 精神の自由が本当の自由をつくる
言葉を大事にするということが、自分を大事にするということなんだ。
池田晶子 著『14歳からの哲学 考えるための教科書』
⇒ 精神の自由を取り戻すことこそが、本当の生き方である。
そして、自由とは軽さと重さの両方を持つ。
目的地に簡単に着く、稼げる方法があるならとても幸運でありがたいことだ。

出典:漫画『ドラゴンボール』
目的達成のための手段に固執せず、過程を楽しむことができるのも、幸運で贅沢なことである。
これからの人生が100年時代というなら、なおさらだ。
「14歳からの哲学」というタイトルは、人生の岐路に立つ多感な時期にこそ、自らの頭で考え始め、独自の価値観を育むことの重要性を訴えるとともに、その機会を逸した大人たちに、再び立ち止まり、問いと向き合う「側面」を持っている。
私は、そう思う。
ゆえに、私である。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆

