• 投稿日:2025/09/27
  • 更新日:2025/10/01
『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』:IT世界の支配力とは?

『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』:IT世界の支配力とは?

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シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

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要約
GAFAは私たちの生活を便利にする一方で、富の偏在や独占をもたらす巨大な力を持つ。 本記事ではスコット・ギャロウェイ著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』を要約し、GAFAの強さの秘密、人間の本能に訴えるビジネスモデル、そして社会への影響を解説する。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はスコット・ギャロウェイ著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』2018年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。

筆者:スコット・ギャロウェイ
ニューヨーク大学スターン経営大学院教授。MBAコースでブランド戦略とデジタルマーケティングを教える。
連続起業家(シリアル・アントレプレナー)としてL2、Red Envelope、Prophetなど9つの会社を起業。
ニューヨーク・タイムズ、ゲートウェイ・コンピュータなどの役員も歴任。
2012年、クレイトン・クリステンセン(『イノベーションのジレンマ』著者)、リンダ・グラットン(『ライフ・シフト』著者)らとともに
「世界最高のビジネススクール教授50人」に選出。
Youtubeで毎週公開している動画「Winners & Losers」は数百万回再生を誇るほか、
TED「How Amazon, Apple, Facebook and Google manipulate our (アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルはいかに人間の感情を操るのか)」は200万回以上閲覧された。

YouTube動画:How Amazon, Apple, Facebook and Google manipulate our emotions | Scott Galloway

00000.png✅ GAFAは人間の本能を利用して覇権を握った。

✅ 便利さの裏に富の偏在と独占がある。

✅ 個人はつながりに幸福の本質を見出すべきである。

鉱山のある土地を所有するのはたしかに分がいいが、鉱山労働者につるはしを売るのも儲かるビジネスである。
カリフォルニアのゴールドラッシュが、170年前にそれを証明した。

スコット・ギャロウェイ著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』


GoogleやAmazon、Facebook、Appleはなぜここまで世界を席巻したのか?

彼らは単なる企業ではなく「人間の本能」を利用し、社会全体の仕組みを変えた存在である。

この記事ではGAFAの正体と、その覇権の裏にある危うさを読み解く。

しかし、この記事がネット上に公開できるのも、インターネット技術ができたおかげである。

家から一歩も出ずに、支配階級でもない人間の記事や個人の感想を世界中にばら撒くことができる。

粘土板、筆記、活版印刷、製本の時代からは考えられないことである。

技術革新によって人々に働きかけるツールが進化してきた。

その結果、他人の関心をできるだけ奪い合う争いになったのも事実だ。

精神的な「支配」「戦争」「飢饉」「死」を明確にしたと語るのが本書である。


『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』

Image_fx (1).jpgその巨大な馬の背に乗れる者は誰か?

あなたが「いいね」(好き、高く評価、気に入った)をつけたものが150件わかれば、そのモデルはあなたのことを配偶者より理解できる。
これが300件になると、あなた自身よりあなたのことを理解できる。

スコット・ギャロウェイ著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』

四騎士の正体と覇権の仕組み

1024px-Apocalypse_vasnetsov.jpg『黙示録の騎士』。ヴィクトル・ヴァスネツォフ作(1887年)。
出典:Wikipedia

四騎士はビジネスや社会、地球にきわめて大きな影響を与えている。
もはや政府や法律でさえ、これら四騎士の快進撃を止めるには無力なように見える。

スコット・ギャロウェイ著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』

0.png⇒ GAFAは現代における「黙示録の四騎士」である。

00.pngヨハネの黙示録の四騎士」:聖書ヨハネの黙示録に登場する終末の使者で、それぞれ「白、赤、黒、青(または緑)」の馬にまたがる4人の騎士。

各騎士は「支配」「戦争」「飢饉」「死」象徴を持ち、世界に災厄をもたらすと解釈されている。

GAFAは単なるテクノロジー企業ではなく、現代社会を構造的に変革した「支配者」である。

技術革命で爆発的に増えた価値は、新しい機能や能力によってもたらされた。
しかしもっと大きな助けになったのは、日常生活から面倒な手続きと時間のかかる作業を取り除いたことだ。

スコット・ギャロウェイ著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』

著者スコット・ギャロウェイは彼らを「四騎士」と呼び、世界の産業・経済・文化に及ぼす影響力を宗教や国家に匹敵する規模と位置づけている。

Googleは人類の知を独占し、Amazonは物流と購買の生態系を掌握し、Facebookは人間関係の再定義を行い、Appleは美意識とブランドで人々の欲望を刺激する。

もはやこれらは企業の枠を超えた「新しいインフラ」であり、私たちは知らず知らずのうちにその支配下で生きているのである。

0000000.png216.pngジョナサン・ハスケルとスティアン・ウェストレイク著「無形資産が経済を支配する」

「無形資産」目に見えないモノの価値は大きく上がっていく。

❶コンピュータ化情報:ソフトウェアやデータベースなど

❷イノベーション財産:研究開発や娯楽作品

❸経済能力:人材への研修や企業変革への投資

目に見えない「情報や人材」がビジネスを一変させたと語るのがこの本書。

やがてこうした資産や投資の性質は変わった。

ジョナサン・ハスケルとスティアン・ウェストレイク著「無形資産が経済を支配する」

無形資産は銀行の担保となりずらいため、企業は株式で資金調達を行う。

その結果、時価総額があっという間に爆発した点もある。

保有する資産の特性から、進む戦略も変化する。


覇権の8遺伝子

Image_fx (6).jpg私たちは邪魔されず、幸せに散財したいし、認められたいし、支配したい。

歴史は繰り返さないが韻をふむ

スコット・ギャロウェイ著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』

0.png⇒ GAFAの強さは共通の設計図にある。


GAFAが無敵である理由は偶然ではなく、戦略的に共通する「遺伝子」を備えているからである。

差別化:模倣されにくい独自性を築く。
AppleのデザインやAmazonの物流網がその典型。

ビジョン投資:短期利益よりも未来を見据えた投資を行う。
GoogleのAI研究やAmazonのAWSは赤字覚悟の戦略から生まれた。

世界展開:一国にとどまらず瞬時にグローバルへ拡大。
言語や国境を超えて支配力を広げる。

好感度:消費者からの信頼や愛着を戦略的に高める。
批判を受けにくい立場を築く。

垂直統合:製造から流通、販売まで一気通貫で管理。
利益と顧客体験を最大化する。

AI活用:膨大なデータを解析。
消費者行動を予測して的確なサービスを提供する。

人材吸引力:優秀な人材が集まり続けるブランド力と報酬体系を持つ。

地の利:拠点をシリコンバレーに置き。
資本・技術・文化のハブにアクセスしている。

これら8つの要素が揃うことは稀であり、GAFAこそが現代資本主義の「完全体」と形容した。

0000000.png375.pngブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』

「どうしてアマゾンはここまで巨大になれたのか?」

「ベゾスは何を信じ、どう行動してきたのか?」

その疑問に答えてくれるのが本書『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』である。

上記の「8つの遺伝子」を意識しながら読んでみると面白いだろう。

「これほど雑多でこれほど小さい本屋は世界中探してもここだけだ」

ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』


各社(四騎士)が操る人間の本能

Image_fx (5).jpg君は3日間絶対にスマホを見ないで過ごすことができるか?

できるだけ長い時間その人の注目を引いておくにはどうすればいい? 人間の心理の弱いところを突けばいいんだ。 ちょっとばかりドーパミンを注射してあげるんだよ。

ショーン・パーカー(ファイスブック社元CEO)

0.png⇒ GAFAは根源的欲求に訴える。

⇒ 人間とは何か?を制した企業である。


GAFAの強みは、単に技術的な優位性ではなく、人間の根源的な欲求に直結している点にある。

Google=知識:私たちは分からないことをすぐ検索する。
「知の独占」はかつて宗教が担っていた役割に近い。

Amazon=消費:より安く、早く、便利に手に入れたいという欲望を満たす。買い物のインフラ化により他を寄せつけない。

Facebook=社会的つながり:人は誰かとつながりたい、承認されたいという本能を持つ。SNSはその欲求を巧みに収益化した。

Apple=情報端末や見栄:美しいデザインとステータス性は「魅力的に見られたい」という本能に直結する。iPhoneを持つことは単なる機能以上の意味を持つ。

GAFAは人間の脳に組み込まれた本能を利用し、それをビジネスモデルに転換したのである。

人間が生きていくうえで、できる限り多くの時間を使いたいものの根っこ部分をつかんだと私は思う。


0000000.png410.pngアンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』

スマホは単なる情報端末ではない。

それは「脳をハックする装置」である。

なぜなら、スマホを操作するたびに脳内でドーパミンが分泌されるからだ。

ドーパミンは良くも悪くも、人間に行動する動機を与えてくれる。

新しいことを学ぶと脳はドーパミンを放出する。 それだけではない。 ドーパミンのおかげで人間はもっと詳しく学びたいと思うのだ。

アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』


社会への影響

Image_fx (7).jpg金持ちの立ち位置を簡単に見えるようになった。だが、とても遠い。

いまほど億万長者になるのは簡単だが、百万長者になるのが難しい時代はかつてなかった。

スコット・ギャロウェイ著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』

0.png⇒ 富の偏在と独占が進む。

GAFAの圧倒的な力は便利さをもたらす一方で、社会に深刻な歪みを生んでいる。

❶富の偏在
世界の利益を独占し、わずかな株主と経営者に巨額の富を集中させる。

❷独占的構造
検索と広告市場、Eコマース、SNSの高いシェアは消費者に「選択肢があるようでない」状況を生み出している。

❸政治的影響力
国家予算に近いグローバル企業は政府さえコントロールし得る力を持ちつつある。これは民主主義の基盤を揺るがしかねない危険をはらんでいる。


0000000.png380.pngエリック・シュミット著『第五の権力 Googleには見えている未来』

10年以上前に書かれた、元Google会長が描く未来予測の本。

「第五の権力」とはインターネットのことを示している。

立法・司法・行政・報道に続く新たな権力として、インターネットは個人に情報と影響力を与える一方、国家や企業の力も強化する。

2025年、世界人口80億人のほとんどが、オンラインでつながる。 誰もがインターネットへアクセスでき、誰もが世界中とつながり、自由に発言をし、革命を起こすパワーさえも手にできる。

エリック・シュミット著『第五の権力 Googleには見えている未来』


未来への提言

Image_fx (8).jpg未来を生きる我々に求められるのは進化か?適応か?無視か?

いまのデジタル時代の先行きを予測し、あなたとあなたの家族のための経済的安定を築くための、より大きな力となる。

スコット・ギャロウェイ著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』

0.png⇒ 第五の騎士と分割論が鍵になる。


著者ギャロウェイは、GAFAの支配を無制限に許すべきではないと警鐘を鳴らす。

その一つの方向性が分割論である。

かつて石油や鉄道業界が独占禁止法によって分割されたように、GAFAもまた規制によって小さく分けるべきだという。

組織や集団は大きくなればなるほど、分裂、分割されるのは繰り返されてきた歴史がある。

人間という存在が「集合意識体」に進化しない限りは必ず分裂する。


また、新たな「第五の騎士」の登場も指摘されている。

当時はテスラ、アリババ、マイクロソフト、あるいはまだ名もないベンチャー企業が挙げられている。

そして、マイクロソフト(Microsoft)が入り、GAFAM(ガーファム)または、ビッグ・ファイブ(Big Five)と呼ばれるようになった。

マイクロソフトはもう、PC時代を完全に支配していた猛獣ではない。
しかしウィンドウズはいまだデスクトップ・コンピュータの90パーセントで使われている。

スコット・ギャロウェイ著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』

一部では、MATANA(Microsoft、Amazon、Tesla、Alphabet、NVIDIA、Apple)としたテック企業群やMT SAAS(マウントサース)といったクラウド型のBtoBサービスが次に来るとされている。

アメリカを代表するテック企業7社(GAFAM+エヌビディアとテスラ)で「マグニフィセント・セブン」なんて呼び方も。

近年では、OpenAIといったAIサービスの台頭も見逃せない。

OpenAIは直近ではマイクロソフトが20%の大株主で、未上場ながら時価総額は5000億ドルに達している。

現在、上場していないが、株式公開されれば、「マグニフィセントエイト」と呼ばれる日もそう遠くないかもしれない。

巨大テック企業は「支配」「戦争」「飢饉」「死」をつかさどり、いよいよ「人間」を創造しようとしている。

未来を生きる我々に求められるのは、テック企業群の利便性を享受しつつも、その裏に潜むリスクを見抜く冷静な視点である。

技術は使うモノであって、使われるようになってはいけない。


0000000.png413.png藤代宏一著『株高不況―株価は高いのに生活が厳しい本当の理由』

日本の株高不況には「デジタル赤字」も関係する。

YouTubeやSNSは一般ユーザーから見れば、無料(一部プレミアムあり)だが、その裏では日本企業の広告費が支払われている。

その結果、海外への対外収支が悪化し、外国為替市場での円売り・ドル買い=円安に圧力を生じさせている一因となる。

DX(デジタルトランスフォーメーション)を駆使した生産性改善に取り組むほどデジタル赤字が増える、という皮肉な構図ではあるものの、人手不足を乗り越え持続的な経済成長を遂げるために、背に腹は変えられない現実がそこにあります。

藤代宏一著『株高不況―株価は高いのに生活が厳しい本当の理由』


まとめ

note_見出し用 (1).png✅ GAFAは人間の本能を利用して覇権を握った。

✅ 便利さの裏に富の偏在と独占がある。

✅ 個人はつながりに幸福の本質を見出すべきである。

4つの巨大企業は、どのように生まれたのか?
それを知ることが、デジタル時代のビジネスと価値の想像を理解するカギとなる。

スコット・ギャロウェイ著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』


⇒ 巨大企業の力を理解することは未来を生き抜く武器になる。


GAFAは人間の本能を突き、社会を変革することで巨大な支配力を手に入れた。

しかし、その力は同時に不平等や独占をもたらし、世界の未来に影を落としている。

私たち個人ができることは小さいが、知識を持つこと自体が防御の第一歩になる。

しかしその「知識」にも四騎士がいる。

便利さに流されるのではなく、その仕組みを理解し、自分の選択を意識的に行うことが求められている。


「昔の方が良かった」と言えるのは、「過去」を知り、「今」を見ているからである。

「今」がなければ、懐かしむこともできないだろう。


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

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