- 投稿日:2025/09/27
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』2014年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ブラッド・ストーン
ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌のシニアライター。ニューズウィーク誌、ニューヨーク・タイムズ紙などで15年にわたり、アマゾンやシリコンバレー企業について報道してきた。カリフォルニア州サンフランシスコ在住。
✅ 顧客への執着こそ最大の差別化要因。
✅ 長期志向が持続可能なビジネスを生む。
✅ 組織文化がイノベーションを生む。
「どうしてアマゾンはここまで巨大になれたのか?」
「ベゾスは何を信じ、どう行動してきたのか?」
その疑問に答えてくれるのが本書『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』である。
ビジネスの原則が次々と変わる今だからこそ、彼の原則を知る価値がある。
世の中には、まだ発明されていないものがたくさんある。 今後、新しく起きることもたくさんある。 インターネットがいかに大きな影響をもたらすか、まだ全然わかっておらず、だからすべては始まったばかりなのだ。
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
AmazonのWebサイトを作る方向性として、
『我々はモノを売って儲けるのではなく、買い物について、お客が判断するとき、その判断を助けることで儲けている。』と語る。
1990年代に台頭し、ドットコム・バブル崩壊時の危機を乗り越え、Kindle、Amazon Web Services(AWS)といった革新的なサービスを通じて復活を遂げるまでの軌跡を詳細に記録している。
ベゾスがAmazonについて語ることは驚くほど少ないため、約500ページあるこの書籍は彼の考えや目的を知るのに良いだろう。
まさに顧客第一主義Amazonの歴史を記した書籍といえる。
『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
愛想が良くて頼りになるだけでは、あるいは、顧客を中心に考えるだけでは不十分だ。重要なのは、創意工夫をするところだとみられること、征服者ではなく探検者としてみられること。
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
ちなみに原題は『The Everything Store』(世界に向けてあらゆる商品を販売する)今では、エブリシング・カンパニーになろうとしている。
顧客第一主義は理念ではなく戦略だった
顧客にとって意味のないお金は使わないようにする。
倹約からは、臨機応変、自立、工夫が生まれる。
人員や予算規模、固定費が高く評価されることはない。
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
アマゾン・ドット・コムは当初、書籍のオンライン販売からスタートした。
ベゾスは単なる書店で満足することなく、「無限の品揃えと魅力的な利便性を破壊的な低価格で提供するエブリシング・ストア」になるという壮大なビジョンを抱いていた。
本・書籍は標準化された商品であり、既存のカタログデータが豊富で、物理的な書店では到底扱いきれない300万以上のタイトルが存在する。
良い本は時代を超えて100年単位で受け継がれるし、一部の人間だけでなく多くの客層がある。
まさに、Eコマース(電子商取引)製品として理想的な出発点であった。
消費者は賢いので、デジタル書籍は物理的な本はより安くなるはず、そうなって欲しいと考えるはずだと思ったのです。
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
⇒ 「常に低価格で提供する」ことを目指す。
⇒ それは、「地球上で最も顧客中心の企業」とするためである。
ウォルマートやコストコといった成功企業のビジネスモデルを研究し、より安い価格で製品を提供することに注力。
低価格自体が強力なマーケティング戦略となり、競合他社ではなく顧客を直接引き付けた。
クリス・アンダーソン 著「ロングテール『売れない商品』を宝の山に変える新戦略」
ロングテールのメリット
❶インターネット上に掲載するコストは限りなく少ない。
❷数多くの商品で少しずつ売上を積み上げるため、リスクが分散されて売上が安定する。
商品の選択肢を莫大に増やすことによって、潜在していた需要が解き放たれるようになったのだ。
クリス・アンダーソン 著「ロングテール『売れない商品』を宝の山に変える新戦略」
フライホイール効果で自己強化する成長エンジン
「フライホイール効果」は、複数の要素が互いに補強し合い、継続的な拡大と市場支配につながるビジネス成長モデル。
低価格が顧客を呼び、販売者が集まり、品揃えが増え、コストが下がる。
成功体験は次の成功体験を生む。
この循環がアマゾンを止まらないエンジンに変えた。
その後、書籍以外の音楽、ビデオ、電子機器に事業を拡大していった。
本の大部分が電子書籍になる時代がいつか来ると固く信じています。ですが、そうなるのはまだまだ先で、10年をはるかに超える未来のことだろうとも思っています。
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
⇒ 短期的な損失を恐れず、長期志向が全てを支配した。
⇒ 顧客・販売者・品揃えが連動し、成長が加速する。
初期のインターネット環境では、データ通信料も高く、コストがかかりすぎていた。
しかし、ベゾスは「価格競争力があれば、アマゾンは無限の品揃えと顧客の利便性で勝てる」と確信していた。
将来の目標達成のために「短期的な損失を出すことを厭わない」姿勢。
インフラ、特にフルフィルメントセンターや技術基盤に多額の投資を行ったことからもうかがえる。
どんな達人も創造的破壊には勝てない。
◆創造的破壊の要素
1.ヒト(偉人、優秀な人材)
2.技術(最新のツール開発)
3.運用(技術の使い方)
これらの組み合わせであるという。
また、ムーアの法則による指数関数的な技術進化も後押しした。
ムーアの法則:インテルの共同創業者であるゴードン・ムーア氏が1965年に提唱した、半導体集積回路の集積率が約1年半~2年で2倍になるという経験則のこと。
雑にいえば、脳みその処理速度が毎年2倍になっていく。
コンピュータの性能は2年ごとに2倍で、コストは半減してきた。
コストは、作品を出品する手間と、コンピューターを使用してインターネットに接続する料金に限られ、電子書籍の限界費用がほぼゼロでの製作・流通が可能になったのだ。
同様に、フルフィルメントセンターやAWSへの巨額投資も、すべては5〜7年後の成果を見据えた戦略だった。
成長が「ちょっとずつ」ではなく、ある時点から爆発する。
ジェレミー・リフキン著『限界費用ゼロ社会』
書籍の製造と流通の限界費用がほぼゼロまで急落したらどうだろう? じつは、これはすでに起こりつつある。 しだいに多くの作家が、出版社や編集者、印刷業者、卸売業者、運送・倉庫業者、小売業者を迂回して、作品をインターネットにアップし、非常に廉価で、あるいは無料で、入手可能にしている。 一冊一冊の販売と流通のコストはゼロに近い。
ジェレミー・リフキン著『限界費用ゼロ社会』
ベゾスの精密主義が企業文化に宿る
「社内でアイデアが育まれるプロセスというのは意外にぐちゃぐちゃなもので、頭に電球がともる瞬間などありません」
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
会議でプレゼンは禁止。
人間は図解や感情、わかりやすいストーリーを好むものである。
プレゼンテーション形式では、情報の断片化や感情的な訴求に偏りがちで、メモ形式なら提案の背景、論理的根拠、データによる裏付け、潜在的な影響などを記述しなければならない。
つまり、会議を単なる形式ではなく、思考の質を高めるためのツールとして機能させるために6ページメモのルールを設けた。
引用:https://forbesjapan.com/articles/detail/38137
アイデアを批判的に熟考するために、最長30分間黙読する。
組織全体の「思考の質」と「意思決定の厳密性」を向上させる強い意志を感じる。
⇒ 数字と論理で意思決定、6ページメモで考え抜く。
⇒ プレゼン資料ではなく、長文の論理的議論を重視。
1つの成功要因として、数字と根拠に基づいた意思決定がイノベーションの質を支えている。
ただ、この書籍から10年経過している。
アイデアの出し方は変化していると考えるべきだ。
トム・ケリー著『発想する会社!』
アイデアは、制約の少ない環境でこそ生まれやすい。
オープンなコミュニケーションや、試行錯誤を許容する文化を育てることが重要である。
よいアイデアを手に入れる最良の方法は、多くのアイデアを手に入れることだ。
トム・ケリー著『発想する会社!』
Day1思考で巨大企業でもスタートアップの精神を保つ
我々に大きな強みはない。
だから、小さな強みを編んでロープにしなければならない。
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
アマゾンの成長の根本には、ベゾスがモットーとする「Day1(デイ・ワン)」の精神がある。
巨大な規模であっても、常にスタートアップ企業のような緊急性と顧客への集中力を持って運営すべきだという考えである。
⇒ 慢心がDay2を招き、組織は衰退する。
Day2とは、企業が結果よりもプロセスに焦点を当て始め、停滞と無関係性、最終的には「痛みを伴う衰退」につながる地点だとしている。
「今日が人生で一番若い日」の全集中版といえるだろう。
常に顧客を見つめ、変化に備え、再発明を繰り返す。
巨大企業であっても、常にスタートアップの緊張感を保ち、再発明を続ける。
セス・ゴーディン著『パーミッション・マーケティング』
Amazonの初回注文時はメールアドレス・住所・名前といったの情報のみ。
使うたびに行動データが蓄積されていく。
購入商品の履歴。他の購入候補の閲覧履歴。
これらの情報で消費者一人ひとりの好みを把握し、心地よくサービスを使える環境を整えていく。
愚直に20年間以上継続した結果、アマゾンは巨人になった。
インターネットの最大の秘密は、それが本質的にダイレクトマーケティング媒体であるということだ。 実際、インターネットは史上最高のダイレクトマーケティング媒体である。
セス・ゴーディン著『パーミッション・マーケティング』
オマケ:Amazon幹部が読んでいる愛読書の一部
サム・ウォルトン著『私のウォルマート商法 すべて小さく考えよ』
エリヤフ・ゴールドラット著「ザ・ゴール」
ジム・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則」
ジム・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の原則」
クレイトン・クリステンセン著「イノベーションのジレンマ 増補改訂版: 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」
興味があれば…。
まとめ
✅ 顧客への執着こそ最大の差別化要因。
✅ 長期志向が持続可能なビジネスを生む。
✅ 組織文化がイノベーションを生む。
「これほど雑多でこれほど小さい本屋は世界中探してもここだけだ」
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
⇒ 革新は、徹底的な顧客視点と長期思考から生まれる。
「顧客への執着」「長期志向」「発明への情熱」がAmazonの強さである。
ただし、忘れてはいけない点もある。
ペゾスは「誰よりも懸命に働き、無慈悲なレベルでの効率性の追求」をした。
季節的な労働需要を満たすために、一時的な低賃金労働者を繰り返し雇用・解雇していることも報告され、労働力をコストとして最適化する姿勢も浮き彫りにした。
結果、物流センターの従業員との対立もあったし、社員にとっては仕事は多く、給料は少ない点があったことは忘れてはいけない。
「長く働く、懸命に働く、賢く働く、しかしアマゾンでは3つのうち2つを選ぶことはできない」
周囲に勝つための徹底した顧客第一主義は、実にバランスが難しい。
友人たちからは「途方もなく競争心が強く」、一度何かを決めると「誰よりも懸命に働く」人物であったと証言されている。
「だいたいいつもベゾスから隠れてすごそうとしていました。楽しい話し相手ではあるのですが、彼のお気に入りプロジェクトになるのは避けたいのです。いやというほどあいされてしまいますからね」
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
突出した存在は、友人としては素晴らしい。
ただ、仕事仲間となるとこちらも相応の能力を持っていなければ…。
まぁ、難しいものである🍀
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆