• 投稿日:2025/11/11
やなせたかし著『わたしが正義について語るなら』正義は勝ったと言って いばってるやつは噓くさいんです。

やなせたかし著『わたしが正義について語るなら』正義は勝ったと言って いばってるやつは噓くさいんです。

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シロマサル@ノウハウ図書館×本の要約🍀

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要約
やなせたかしが描く「正義」とは、戦う強さではなく、他者を思いやる優しさである。 戦争体験から導き出された“本当のヒーロー像”を通じて、愛と献身の意味を語る。 アンパンマンの笑顔の裏にある哲学を、現代社会に生きる私たちへのメッセージとして紹介する。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!


「正義」とは何か?

悪を倒すことか、誰かを助けることか。

やなせたかしは「正義とは、かっこよさではなく傷つく覚悟だ」と語る。

戦争の中で飢えを体験した彼が、アンパンマンを通して伝えた“本当の正義”とは、他者のために自らを差し出す勇気である。


今回は、やなせたかし著『新装版 わたしが正義について語るなら』2024年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。

著者:やなせたかし

siritai250402.png引用画像元:https://www.newsgawakaru.com/news/250402

1919年高知県生まれ。東京高等工芸学校工芸図案科(現千葉大学)卒業。1973年雑誌「詩とメルヘン」をサンリオより創刊。

1988年アニメ『それいけ! アンパンマン』が放映され爆発的な人気となる。作詞家としての代表作には「手のひらを太陽に」、アンパンマンの主題歌など。

絵本には『チリンのすず』『やさしいライオン』など数多くの名作がある。2013年没。

00000.png✅ 正義とは、愛と献身である。

✅ 本当のヒーローは「誰かのために傷つける人」。

✅ 「正義」を掲げる前に、目の前の人を思いやれ。

正義って何か?それは一言では分かりません。
答えは簡単ではないと思います。
でもぼくはずっと、自分の思う正義をアンパンマンの世界に込めて描いてきました。

やなせたかし著『新装版 わたしが正義について語るなら』


そうだ うれしいんだ

生きる よろこび

たとえ 胸の傷がいたんでも

なんのために 生まれて

なにをして 生きるのか

こたえられないなんてそんなのは いやだ!


『わたしが正義について語るなら』

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正義のための戦いなんてどこにもないのです。

やなせたかし著『新装版 わたしが正義について語るなら』

本当の正義とは、傷つく覚悟のこと

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飢えがどのくらい辛いかなんて、十日くらい食べないでいればすぐに分かります。食べ物がないのは耐えられないぼくが飢えを実感したのは兵隊として戦争に行った時でした。(中略)たいていのことは我慢できるのだけれど、ひもじいということには耐えられません。

やなせたかし著『新装版 わたしが正義について語るなら』

0.png正義とは、他者の痛みに寄り添い、自らも傷つく覚悟をもつこと。


やなせたかしにとって「正義」は、強くて派手なヒーローではなかった。

彼が戦争の中で経験したのは、食べ物がなく飢えに苦しむ現実。

人はどんなに理想を語っても、「空腹の苦しみ」には耐えられない。

だからこそ、アンパンマンは“顔をちぎって人に食べさせる”という究極の利他を体現した。

「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではない」。

そのためには、時に自分が犠牲にならなければならない。

他者を救うために自分が痛みを負う。

それこそ、“生きる勇気”そのものだった。

ヒーローとは、勝つ者ではなく「傷ついても立ち上がる者」である。


戦争が教えた“逆転する正義”と「愛と献身」

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正義が何かというのは難しい。後になってから気がつくことはあるけれど、その時には何が正しいのか分かりません。昨日まで正しいと思っていたことが、明日には悪に変わるかもしれない。

やなせたかし著『新装版 わたしが正義について語るなら』

0.png正義は立場で変わるが、愛と献身だけは裏切らない。


やなせが若き日に信じた「正義」は、天皇のために戦うことだった。

当時の教育では、それが“聖戦”と教えられていた。

しかし敗戦後、その価値観は一夜にして崩れ去る。

昨日までの正義が、今日は悪に変わる――彼はその“逆転”を、命がけで体感した。

その経験が、「アンパンマン」という物語の根源となる。

スーパーマンが悪を倒す「戦う正義」ではなく、飢えた子どもにパンを与える「生かす正義」。

「正義とは献身であり、愛である」と悟った。

どんな時代にも変わらないのは、人を思いやる心だ。

正義の名のもとに戦う者は多いが、他者を救うために笑って傷つく者は少ない。

正義は勝ったと言って
いばってるやつは噓くさいんです。

やなせたかし著『新装版 わたしが正義について語るなら』

どんなものにも致死量はあるものだ。それは言葉にもある。

アンパンマンの微笑みは、まさにその「愛と勇気」の象徴である。


悪と笑いが支える、やなせ流“生きる哲学”

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自分が努力したり、友達に恵まれたり先生に恵まれたり、いろんなことで続けていく。友達になんとなく啓発される場合もあるし、それはそれぞれですが、とにかく続けていなくちゃそういうことは分からないんです。

やなせたかし著『新装版 わたしが正義について語るなら』

0.png悪は必要であり、笑いこそが正義を生かす。


アンパンマンの世界では、悪役のばいきんまんがいなければ物語が成り立たない。

「悪にも正義がある」と語り、ばいきんまんを“愛すべき存在”として描いた。

悪は社会の鏡であり、正義を際立たせるための存在なのだ。

完全な悪などいない――その視点は、絵本『チリンのすず』にも通じる。

復讐を果たした子羊チリンが「胸が晴れない」と嘆く姿は、人間の心の矛盾を映している。

正義を声高に主張するより「笑いで人を救いたい」と語る。

この世の惨苦、終わらない戦争、血まみれの惨劇、噓つきの政治家、金権体質、すべてをぼくは憎悪するけれども、怒るよりも笑いたい。ひとときすべてを忘れていたい。人生なんて夢だけど、夢の中にも夢はある。

やなせたかし著『新装版 わたしが正義について語るなら』


怒りや断罪よりも、笑いこそが人を癒やす。

彼にとって芸術とは、人を喜ばせる「優しい抵抗」だった。

だからこそ、『アンパンマンのマーチ』には、こう書かれている。

「愛と勇気だけがともだちさ」

それは、戦争でも、貧しさでも奪えない“人間の本質”。

悪を否定せず、笑いと優しさで包み込む。

やなせたかしが遺したメッセージは、現代を生きる私たちにこそ響く「生きる指針」なのだ。

この世界は〝虚仮の一念〟と言って、そのことばっかりやっていればなんとかはなるものです。俳優でもそう。下手くそな人が、お前はダメだと言われても一生懸命やっていると、中年を過ぎてから花が咲くこともある。若いうちに最初からどーんと出てくる人もいるし、虚仮の一念で出てくる人もいるし。分からないものです。でも、器用で最初からできる人は後からダメになる人が多いですね。自分に才能がなくても、虚仮の一念でやっていればいつかは花が咲く。

やなせたかし著『新装版 わたしが正義について語るなら』


著者が語る成功するための秘訣も書かれている。

一つは運、一つは才能、一つは努力であるという。

つまり、一つの運に恵まれないとダメ。

運をつかむためには、本人が努力してなくちゃいけない。

努力は確かに辛いところもあるけれど、辛いというのは意外と面白いところもある。

結局は本人が好きだったら、それに耐えていける。

そこで何か一つ武器を持たなくちゃいけない。

武器になる才能は「自分の好きなことで続けていけるもの」だという。

どのようなノウハウ、書籍、口頭でも、「運、才能、努力」は求められる。

まさに不変の原理原則である。


0000000.png370.pngデイビッド・ヒューム著『貧しい人を助ける理由』

私たちは、誰でも貧すれば鈍するし、鈍すれば貧する。

国家間~1つの家庭といったどの視点(マクロ、ミクロ)から見ても、ピリピリしてていいことはないのだ。

全てはつながっており、正しく因果応報である。

だが、自業自得ではない難しさがある。

だからこそ、共通利益としての支援が必要である。

貧困とは「生きていくのに必要なものに事欠く状態」である。

デイビッド・ヒューム著『貧しい人を助ける理由』


360.png荒俣宏著『すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる』

荒俣氏の勉強法は、一日12時間、風呂やトイレといった場所でも書物を貪り読み続けるという、常識を逸脱した「狂気」ともいえる収集癖に裏打ちされている。

著者の圧倒的な蔵書量と、場所を選ばずに没頭する姿勢が、彼の知識の深さと広がりを生み出している。

もちろん、リッチになりたければ「効率」や「費用対効果」が重要なのは間違いない。

ただ、「無理」「無茶」「無駄」が人生を面白くする。

「好き」とは一線を超えることだ、という事実だった。 恋愛でもそうだが、一線を超えると、平穏で退屈な毎日が一気にさま変わりし、喜びも悩みも格段に大きくなる。 つまり、平穏な日常が消滅する。 たとえばゲームを好きになったら、昼も夜もなくなるし、場合によると日々の食事や休息もおろそかになるように。

荒俣宏 著『すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる』


247.pngヴィクトール・エミール・フランクル著「夜と霧」

「極限状態で人間は何に絶望し、何に希望を見出すのか?」を体験談と共に書きだされた書籍。

「あなたがどれほど人生に絶望しても、人生のほうがあなたに絶望することはない。」

「人間が人生を問うに先立って、人生から人間は問われている。」

人間は愛する眼差しの中に、彼が自分の中に持っている愛する人間の精神的な像を想像して、自らを充たすことができるのである。

ヴィクトール・エミール・フランクル著「夜と霧」


「それでも人生にイエスと言うのだ。」


まとめ

note_見出し用 (1).png✅ 正義とは、愛と献身である。

✅ 本当のヒーローは「誰かのために傷つける人」。

✅ 「正義」を掲げる前に、目の前の人を思いやれ。

人生の楽しみの中で最大最高のものは、やはり人を喜ばせることでしょう。すべての芸術、すべての文化は人を喜ばせたいということが原点で、喜ばせごっこをしながら原則的には愛別離苦、さよならだけの寂しげな人生をごまかしながら生きているんですね。

やなせたかし著『新装版 わたしが正義について語るなら』


⇒ 正義とは、他者を思いやる勇気である。


今を生きる ことで

熱い こころ 燃える

だから 君は いくんだ

ほほえんで

そうだ うれしいんだ

生きる よろこび

たとえ 胸の傷がいたんでも

ああ アンパンマンやさしい 君はいけ! 

みんなの夢 まもるため


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

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