• 投稿日:2025/11/26
  • 更新日:2025/11/26
モーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』:人生は「幸福>健康>富」である。

モーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』:人生は「幸福>健康>富」である。

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シロマサル@ノウハウ図書館×本の要約🍀

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要約
他人と自分を比較するゲームをまず早く降りること。 誰かになるというより、より自分らしくなるために、お金を使い、貯めること。 やりたくない仕事より好きなことを、好きな人と、好きなだけ過ごせる毎日の方が遥かに価値が高い。 「忍耐力のある」富を築く習慣を身につけること。 これが全てだ。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!


「お金は貯めれば良いのか?」

「経験に使うべきか、それとも将来のために残すべきか?」

そんな悩みを抱える20代の独身男女や、忙しく働く40代ビジネスマンにこそ、本書のエッセンスは刺さる。


今回はモーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』2025年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。

著者:モーガン・ハウセル

img_24dcedf2b4206b1c973b8cf0b3853a9295045.png引用画像元:https://gentosha-go.com/ud/authors/67872e59b57622aa3c000000

ベンチャーキャピタル「コラボレーティブ・ファンド社」のパートナー。投資アドバイスメディア「モトリーフール」、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の元コラムニスト。米国ビジネス編集者・ライター協会Best in Business賞を2度受賞、ニューヨーク・タイムズ紙Sidney賞受賞。妻、2人の子どもとシアトルに在住。著書に、世界的ベストセラー『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』(ダイヤモンド社)、『SAME AS EVER この不確実な世界で成功する人生戦略の立て方』(三笠書房)がある。

00000.png✅ 最高のリターンを生む支出は「時間の主権」を買うこと。

✅ 幸福を増やす支出は“経験と自律性”に集中させるべし。

✅ 未来の自由を守る貯蓄は「選択肢を買う投資」である。

本書『アート·オブ·スペンディングマネー』は、『サイコロジー·オブ·マネー』の必然的な続編だと言える。 『サイコロジー·オブ·マネー』ではお金の増やし方に注目したが、『アート·オブ·スペンディングマネー』ではお金の使い方に焦点を当てている。どちらの本も、お金との関わり方についての「正解」を読者に教えるものではない。なぜなら、それは人それぞれ違うからだ。

モーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』


本記事では、モーガン・ハウセルが提唱する“支出パラダイム”――つまり「お金の使い方で幸福を最大化する方法」についてわかりやすく解説する。

世界累計800万部『サイコロジー・オブ・マネー』の著者が解き明かす、“幸せ”と“自由”の買い方。

「お金の使い方」が劇的に変わる。

つまり、「将来の後悔を最小限に抑える」考え方だ。

「今お金を使ってハッピーになる」と「未来のために倹約する」のジレンマに対する答えのヒントになるだろう。


『アート・オブ・スペンディングマネー』

Image_fx (3).png私たちはお金のおかげで、必ず路頭に迷う。だが、手放せない。

画像3.pngつまり、未来への過剰な備え(アリ)と現在の刹那的な快楽(キリギリス)のバランスが重要である。

お金は、適切な使い方を知っていれば、人生をより良いものにする優れた道具になる。しかし、お金の使い方を知ることは、お金を得る方法を知るのとはまったく違う。

モーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』


時間の主権を買うという最強の支出哲学

Image_fx (1).png時は金なりだが、金は時ではない。不可逆な概念なのだ。

重要なのは、どれだけお金を持っているかではない。お金と幸せの関係を私たちが思っている以上に複雑にしている人間心理や行動を理解し、コントロールできるかどうかなのだ。

モーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』

0.png⇒ 時間を買う支出こそ、幸福を最大化する投資である。


時間は、人生で唯一“再生できない資源”である。

にもかかわらず、私たちの多くはお金にはシビアでも、時間には驚くほど無頓着だ。

モーガン・ハウセルが強調するのは、「時間を買う支出は贅沢ではなく投資」だという事実である。

たとえば通勤時間を短縮するための引っ越し、家事の外注、自動化サービスの導入など、一見すると“余計な出費”に思えるものは、実は人生の主導権を取り戻す非常にリターンの高い行為である。

なぜなら、時間が自由になると、判断力・創造性・精神的余裕といった“幸福の根源”が回復するからだ。

逆に時間を奪われ続ける「時間貧困」の状態は、慢性的なストレスを生み、生産性も幸福度も大幅に奪っていく。

どれほど収入が高くても、時間に追われる生活は人生の満足度を大きく下げる。

つまり、お金を使って時間を買うことは「未来の自分を救う行為」なのだ。

時間を増やす支出は、見た目の節約を超え、人生の自由度を最大化する“最強の投資”である。


「人間を幸福にする基本的な要素は何か?」

1.心身ともに健康であること

2.結婚、家族、友人関係など、個人的で親密な人間関係が良好であること

3.芸術や自然の美しさを感じられること

4.妥当な生活水準で暮らし、満足のいく仕事をしていること

5.人生の浮き沈みにうまく対処できる哲学的·宗教的な視点があること

決して、お金(特に、たくさんのお金)を持っていることが幸せの要素ではない。

ただ、5つの基本的な要素に最低限のお金が必要なだけである。


幸福を最大化する“経験と自律性”の支出基準

Image_fx (2).png良い買い物と浪費の違いは、明確に説明できない芸術である。

私は、どんな人でもお金を賢く使うことでより良い人生を築けると考えている。価値のある物を買うことで、喜びが得られると考えている。私はお金によって育まれる向上心や勤勉さ、そして何よりも自立が大好きだ。 だが、20年間、お金をテーマに文章を書いてきて驚かされるのは、自分がお金を通じて何を求めているのかをよくわかっておらず、お金をステータスや成功の尺度以外で使う方法を知らない人があまりにも多いことだ。

モーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』

0.png⇒ 経験と自律性にお金を使うと、幸福は増殖し続ける。


ハウセルは、「お金が幸福に与える影響は線形ではない」と断言する。

必要な生活水準と、ある程度の自律性を確保した後は、収入が増えても幸福度は大きく伸びない。

むしろ誤った使い方をすると幸福が減ることすらある。

その典型が“見栄消費”だ。

1つは、「より良い生活を送るための道具」としての側面、もう1つは「他人との比較で自分のステータスを測るための物差し」としての側面だ。本当は前者を望んでいるのに、後者を追い求めることに人生を費やしている人は多い。

モーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』

ブランド品、高級レストラン、高級車など、「他人からどう見られるか」を軸にした支出は満足度が低いだけでなく、継続しようとすると経済的不安のタネにすらなる。

⇒ 必要な支出だけに集中する。

⇒ 自分へのご褒美を過度に与えることは避ける。

⇒ 現金一括で買えないものには手を出さない。

⇒ 月額を年単位で置き換える。

シンプルに支出と浪費を最適化しなければ、出ていくお金は減らない。

小さな出費がどれだけ早く蓄積され、利益の莫大な損失につながるかを理解すれば、世界の見方は変わる。長期的に資産を築くには、大きくて素晴らしい決断よりも、小さいが着実な決断の積み重ねのほうが重要だと気づくはずだ。

モーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』


逆に、最も幸福度のリターンが高い支出は“経験と自律性”に関わるものだ。

経験とは旅行、学び、趣味、家族や友人と過ごす時間など、人間関係や人生のストーリーを豊かにするもの。

経験は記憶として蓄積され、時間が経つほど価値が増す。

モノと違い、経験は劣化しないどころか、思い出として“増殖”する資産なのである。

私個人の考えとして、どん底にいる人間は本を読めない。

本という選択肢は真っ先に抜け落ちると考えている。🤔

知識はいくら手に入れて増やしても、税金もかからないし、誰かに取られることはない。

名著「夜と霧」でいう「体験価値」なのだ。

「思い出」が人間を最終的に救う力を持つ

予算の許す範囲でできる限り多くの種類のお金の使い方を試し、自分に合わないと思ったものは素早く、躊躇なくやめることだ。
食事、旅行、服、スポーツイベント、体験など、何でもいいので、新しいことにお金を使ってみよう。ただし、もしそれによって喜びを感じられないのなら、すぐにやめること。面白くないと思った本を、途中で読むのをやめるのと同じだ。 これを十分に繰り返していくと、消去法で、自分がお金を使うにふさわしい何かが見つかる。

モーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』

「何を買わないか」を決めることが、心を軽くするのだ。


また、自律性の確保も幸福には欠かせない。

自分で選べる、好きなように動ける、無理のない生活を送れる――これらは全て「心の自由度」を上げる支出だ。

どれほど高価でも、自律性を奪う支出は幸福を損なう。

結局、幸福を最大化するのは「誰のために使うのか」と「使った結果、自由度が増すのか」という2点に尽きる。


非合理な自分とうまく付き合う支出のルール

Image_fx (4).png自分と家族を完全に説得するのは、生きていくうえで最も難行だ。

人生をかけて必死にお金を追いかけていたが、お金を使って幸せになる方法はよく知らなかった。 一方で、低所得者がわずかなお金から大きな価値を引き出し、それをテコにして、多くの幸せを手に入れる姿も見てきた。

モーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』

0.png⇒ ルールと価値観を持って支出を整えると、人生の自由度が最大化される。


人間は合理的ではない。

仲間からの尊敬や称賛を得られると思って、身分不相応な車を買う金欠の若者。

生涯をかけて貯蓄に励んだ結果、節約家のマインドがいつまでも抜けず、老後を迎えてもお金をうまく使えない高齢者。

2LDKの家を買うためにコツコツと頭金を貯めてきたが、3LDKの家を買った友人夫婦を見て、急に広い家が欲しくなる若い夫婦。

どれだけ稼いでも十分だと感じたことがない金持ちの起業家。

いつも満ち足りた気分で過ごしている低賃金の労働者。


人とお金の関わり方は、表計算シートや数字を見ているだけではわからない。

単なる数字よりもはるかに複雑だ。

感情に引っ張られ、焦り、羨望、恐怖といった“感情の波”によって支出判断は大きく歪む。


著者が学生時代、ロサンゼルスの五つ星ホテルでボーイのアルバイトをしていたとき、地域の富裕層向けに高級家具の展示会が開かれた。

ある日、招待客の男性が車を受け取るためにサービスカウンターに向かいながら、友人に「2万1000ドルのアームチェアを買った」と話した。

Image_fx.pngその言葉を聞いた著者を含めたボーイたちは驚きを隠せなかった。

椅子一脚にそれほどの大金を払うことは、到底理解できなかったからである。

男性は著者の困惑した表情に気づき、「君たちが何を思っているかはわかるよ。たしかに私はイカれてる。でも、お金を持った人間というのは、こういう買い物をすることになっているんだ」と語った。

本当にその椅子を気に入ったのか、それとも世間の価値観や「こうすべき」という規範に従っているだけなのかと著者は考えたのである。

「自分も将来、彼のように行動すべきなのか。大学で必死に勉強し、何十年も働くのは、友人に高額な椅子を自慢できるためなのか。本当に幸せになれるのか」と。

その考えが巡るうちに、驚きはおかしみに変わり、やがてその男性を気の毒にすら思うようになったという。


だからこそ、感情を排除するための仕組みやルールが必要だと説く。

「買う前に一晩置く」

「価格ではなく価値観で判断する」

「支出の上限をカテゴリーごとに決める」など…。

小さなルールが大きなミスを防ぐ。

見栄を張りたいという気持ちがなくなると、 欲望は減る。

欲望が減れば、すでに持っているものへの満足感が高まる。

実にシンプルだ。


投資と本質は変わらない。

自分で決めたルールをどんな時でも守り抜く。

とにかく「航路を守れ」


また、お金の計画は“余白があること”が重要だ。

長期の人生は必ず予測不能な出来事で揺れる。

厳しすぎる予算は破綻しやすく、逆に精神的負荷を増やす。

計画には安全マージンを組み込み、ゆとりある支出こそが継続性を生む。

さらに、価値観によるフィルタリングは強力だ。

「これは自分の人生に本当に必要か?」

「自分の軸に合っているか?」という問いを習慣づけるだけで、後悔する支出は驚くほど減る。


最後に、貯蓄の本質を“未来の自由を買う行為”として捉えることだ。

仮に目的がなくても貯める意味はある。

①会社の給与だけに頼って働く状態。

②会社員であるが、会社の給与と資産運用で生活費をまかなえる状態。

③資産運用+自分でコントロールできる仕事で生活できる状態。

この3段階の間には大きな差が存在する。


選択肢(経済的自立度)を持っているという事実そのものが、心理的余裕という形で幸福度を底上げする。

見栄のための支出を削り、自律性・経験・未来の自由を育てる支出に集中する――これが、非合理な感情と共存しながら豊かな人生をつくる方法だ。

学校では、ファイナンスは美しい公式や論理的な結論がある「サイエンス」として教えられている。しかし現実の世界ではそうではない。お金の使い方とは、「アート」なのだ。

モーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』

IMG_7247.jpeg引用出典:「こちら葛飾区亀有公園前派出所 」秋本治(集英社)


0000000.png220.pngビル・パーキンス著『DIE WITH ZERO』

✅ 喜びを先送りにしてはいけない。

✅ 思い出こそが人生の財産。

✅ 「本当にやりたいこと」の敷居が、インフレする前にやるべし。

思い出とお金の使い方を考えると、「よい思い出をつくる」ことにはお金をかけたほうが良い

本書とかなり結論が近い書籍である。(使い切らないだけで…。)

キリギリスはもう少し節約すべきだし、アリはもう少し今を楽しむべきなのだ。

ビル・パーキンス著『DIE WITH ZERO』


291.pngモーガン・ハウセル 著『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』

お金がもたらす最大の価値は、「自由」を手にすることにある。

高級車とかブランド品のような欲しいものが買える、タワーマンションに住めることでもない。

誰にとっても共通の幸せの要素がある。

お金とうまく付き合うには「頭の良さ」より「行動」が大切である。

あなたがこれまでに経験してきたことは、世界で起こった出来事の0.00000001%にしか相当しない。 しかし、それはあなたの考えの8割を構成している

モーガン・ハウセル 著『サイコロジー・オブ・マネー』


303.pngアーノルド・ベネット 著『自分の時間』

最初に発表されたのは、1908年に発行されたともいわれているし、1912年、あるいは1920年と記述されることもある。

およそ100年以上前の時間活用術の名著として知られている。

時間があれば金は稼げるが、金があっても時間は買えない

アーノルド・ベネット 著『自分の時間』


まとめ

note_見出し用 (1).png✅ 最高のリターンを生む支出は「時間の主権」を買うこと。

✅ 幸福を増やす支出は“経験と自律性”に集中させるべし。

✅ 未来の自由を守る貯蓄は「選択肢を買う投資」である。

お金は、幸せそのものを買うというよりも、自立したり、人生の目的を見つけたりするために役立つ道具になる。

モーガン・ハウセル著『アート・オブ・スペンディングマネー』


⇒ 答えは「アート」だ。
「心の自由は、最も価値の高い富である」


現物のりんごよりも、アートのりんごは人によって値段は違うし、圧倒的に高値になる。

まさに「お金の使い方」を表している。

人生の中で支払った値段以上の買い物ができたかどうかである。

ジェフ・ベゾフの「後悔最小化フレームワーク」は賢くお金を使う上でめっちゃ役立つだろう。

「自分自身が80歳になったときを想像して、そこから振り返った時にやらないと後悔するかどうか」だ。

今考えている挑戦にトライして失敗したとしても、後悔はしない。後悔するかもしれないと唯一感じたのが、今自分が大きな可能性があると感じているインターネットというものにトライしなかったら?と想像した場合だったんだよ。そうやって考えてみたら、どういう決断をすべきかは簡単なことだった

ジェフベゾス(Jeff Bezos)

画像2.png日々の買い物、選択、人生の優先順位。

すべてを見直すきっかけをくれる一冊である。


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

note_見出し用.pngBGO.png

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