- 投稿日:2026/02/06
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
物語を考えても、なぜか印象に残らない。
キャラクターを作っても、物語が動かない。
その原因は、主人公ではなく「悪役」にあるかもしれない。
今回は荒木飛呂彦著『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』2024年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:荒木飛呂彦 (あらき・ひろひこ)
1960年6月7日生まれ、宮城県仙台市出身。東北学院榴ヶ岡高等学校を卒業後、仙台デザイン専門学校卒業。80年に『武装ポーカー』で「少年ジャンプ」デビュー。代表作は『ジョジョの奇妙な冒険』。他作品に『魔少年ビューティー』『バオー来訪者』『スティール・ボール・ラン』『荒木飛呂彦短編集 ゴージャス☆アイリン』『死刑執行中脱獄進行中』、『変人偏屈列伝』(鬼窪浩久との共著)など多数。
✅ 物語の完成度は、悪役の強度で決まる。
✅ 悪役は作者の哲学を映す存在である。
✅ 構造を理解すれば、創作は再現可能になる。
誤解する人がいるかもしれないので最初に言っておくと、『漫画術』はヒット作を生み出すためのマニュアルではありません。そもそも、漫画というものは描く人の心から湧き上がる情熱が描かせるものです。
荒木飛呂彦著『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』
今回は、荒木飛呂彦が10年の節目に明かした最新の創作論から、なぜ悪役が物語の核心なのか、そして忘れられないキャラクターをどう作るのかを解説する。
『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』
君の影は分散していないか?強い光には強い影ができる。
むしろ描きたいものをさらに強化していくべきです。そうやって貫き通すことが、結果的にその漫画を名作にするのだと、僕は思います。
荒木飛呂彦著『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』
私たちは物語に強く引かれやすい。
なぜなら、脈々と受け継いできた人類の繁栄は物語と創造、想像力によって未来を描き、改善や協力そして、我慢できたからである。
特に「描きたい」「伝えたい」という部分はあなたという存在たらしめるものである。
売れるかどうかは置いておけないものだが、他者の期待と自分のやりたいことが出来るだけ重なるものでないといけない。
悪役は物語を前に進める原動力である
ばいきんまんがいるからアンパンマンに深みが出る。
主人公は作品のテーマが目指すものをかなえようと行動し、悪役はテーマの真逆を体現します。
荒木飛呂彦著『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』
⇒ 悪役が定まれば、物語は自然に動き出す。
荒木飛呂彦は、物語が面白くならない最大の原因は悪役にあると語る。
悪役は単なる敵キャラではなく、主人公に行動を強制する存在である。
主人公が動かざるを得ない状況を作り出し、選択を迫り、成長か敗北かを突きつける。
悪役が弱ければ、主人公は苦しまない。
苦しまなければ、成長も勝利も軽くなる。
読者が主人公を応援したくなるかどうかは、悪役がどれほど「越えがたい壁」として立ちはだかっているかで決まる。
ちなみに、僕にとっての永遠のテーマは「ゴジラとウルトラマンが戦ったら、どっちが強いのか」ということです。
荒木飛呂彦著『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』
主人公と悪役の「どっちが強いのか」という命題は、現実でも同じである。
ストレスのない生活を私たちは望むが、本当に小さなストレスもない生活は改善の必要も工夫もない。
実に「つまらない」のだ。
行動例として、物語が停滞していると感じたら、主人公ではなく悪役を見直す。
この悪役がいなければ、主人公は本当に困るのか。
別の敵でも成立してしまうなら、エンジンは弱い。
悪役を入れ替える覚悟を持つことで、物語全体が動き始める。
悪役は四大構造を束ねる存在である
その世界では、何が「悪」なのかをハッキリしなければ、応援できない。
①「キャラクター」、②「ストーリー」、③「世界観」、④「テーマ」の四つの要素が互いに深く影響を及ぼしあっています。
荒木飛呂彦著『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』
⇒ 悪役が世界観とテーマを現実の行動に変える。
キャラクター、ストーリー、世界観、テーマ。
この四大構造は、単体では機能しない。
どれかが浮いていると、読者は無意識に違和感を覚える。
その結節点に置かれるのが悪役である。
悪役の思想や価値観が、そのまま世界観のルールを語り、テーマを行動として示す。
だからこそ、悪役の行動には一貫性が求められる。
荒木飛呂彦が重視する身上調査書は、その一貫性を支えるための装置である。
参考:『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』より
性格や過去だけでなく、恐れているもの、日常の癖、家族との関係まで設定する。
設定量が増えるほど、キャラクターは作者の都合で動けなくなる。
間抜けなキャラは作品を弱くしますし、作り手の都合でキャラクターを動かしているということがバレバレで、一気に観客はシラけてしまいます。
荒木飛呂彦著『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』
悪役が間抜けな行動で主人公が勝つのは作品のテーマによっては、しらけさせる展開になってしまう。
相手の思考力をできるだけ削いで、虚を突いた作戦勝ちなのか。
ただの運で勝ったのか。
運そのものを操る能力で勝ったのかで展開や納得感は大きく異なっていくものだ。
行動例として、悪役に「なぜそれを選ぶのか」を10回連続で問い続けてみる。
途中で答えが破綻するなら、設定はまだ浅い。
その掘り下げが、物語全体の説得力を底上げする。
前向きな悪役と創作者の覚悟
悪役やサブキャラの方が人気になる場合もある。
『ジョジョ』の悪役たちは皆、自分の「悪」を肯定し、悩むことなく、ひたすら自分の道を進んでいきます。互いにそうやって成長していくキャラクターが激突する、だからバトルがおもしろくなるのです。
荒木飛呂彦著『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』
⇒ 悪役を描くとは、自分の哲学を差し出すことである。
荒木作品の悪役は、迷いが少ない。
自分の欲望や野望を肯定し、その実現のために努力を惜しまない。
主人公との戦いすら、自分を高める機会として受け入れる。
その姿は恐ろしくもあり、同時にどこか清々しい。
参考画像 漫画 ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン
画像の人物は第23代アメリカ合衆国大統領:ファニー・ヴァレンタイン。
私が好きな人物である。ちなみに作中最大の敵。
悪役が生き生きしているからこそ、読者は目を離せなくなる。
そしてこの姿勢は、創作者自身の在り方とも重なる。
流行や評価に振り回され、自分の軸を手放した瞬間、表現は弱くなる。
悪役を本気で描くという行為は、人間の生々しさと向き合う覚悟そのものだ。
社会には理不尽なことがいろいろあるということにも気づき、そこから漫画のアイディアが生まれたりもします。
荒木飛呂彦著『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』
行動例として、自分が「怖い」「嫌だ」と感じる価値観を一つ書き出す。
それを肯定した人物像を、悪役として立ち上げてみる。
そこからしか、本当に強い物語は生まれない。

田中泰延著『読みたいことを、書けばいい。』
「ライター」=「著述する人」
「文書」とは書くのも読むのも「給料をもらうためである。」
「事象×心象=随筆→文章」が人を惹きつける。
「事象」寄りの職業:ジャーナリスト、研究者。
「心象」寄りの職業:小説家、詩人、演出家である。
わけもわからないまま誰かが使った単語を流用しない。
そうでなければ他人に意味を伝達することは不可能である。
これは「悪役」や「主人公」も同じである。
ジェームス・W・ヤング 著『アイデアのつくり方』
よく「必読の書」との絶賛が多い一方、「内容が薄い」「たいしたことない」という評価も散見される。
なにせ、言いたいことはこれだけである。
【第1段階】情報収集
【第2段階】収集資料の咀嚼(そしゃく)
【第3段階】何もしない
【第4段階】アイデアが訪れる
【第5段階】アイデアを形にする
知っておくべき一番大切なことは、ある特定のアイデアをどこから探し出してくるかということでなく、すべてのアイデアが作り出される方法に心を訓練する仕方であり、すべてのアイデアの源泉にある原理を把握する方法なのである。
ジェームス・W・ヤング 著『アイデアのつくり方』
やなせたかし著『新装版 わたしが正義について語るなら』
やなせたかしにとって「正義」は、強くて派手なヒーローではなかった。
彼が戦争の中で経験したのは、食べ物がなく飢えに苦しむ現実。
人はどんなに理想を語っても、「空腹の苦しみ」には耐えられない。
だからこそ、アンパンマンは“顔をちぎって人に食べさせる”という究極の利他を体現した。
「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではない」。
そのためには、時に自分が犠牲にならなければならない。
他者を救うために自分が痛みを負う。
それこそ、“生きる勇気”そのものだった。
ヒーローとは、勝つ者ではなく「傷ついても立ち上がる者」である。
正義って何か?それは一言では分かりません。 答えは簡単ではないと思います。 でもぼくはずっと、自分の思う正義をアンパンマンの世界に込めて描いてきました。
やなせたかし著『新装版 わたしが正義について語るなら』
悪役もまた、社会的には決して許されないことだとしても、「立ち上がる者」である。
まとめ
✅ 物語の完成度は、悪役の強度で決まる。
✅ 悪役は作者の哲学を映す存在である。
✅ 構造を理解すれば、創作は再現可能になる。
漫画には直接関係ないことでも、ニュースなどに日々触れて、時代や社会を知ろうとする姿勢を持つことが大切です。というのは、キャラクターの動機や行動の背景には世の中の仕組みのようなものが意外と深く関わっていて、そういうことを何も知らないまま描いていると「こいつの行動は何かしっくりしないな」となってしまうことがよくあるのです。
荒木飛呂彦著『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』
⇒ 悪役とは、人間を肯定するための鏡である。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆
