- 投稿日:2025/06/07
- 更新日:2025/10/03

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はジェームス・W・ヤング 著『アイデアのつくり方』1988年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ジェームス・W・ヤング
1886年-1973年。アメリカ最大の広告代理店・トムプソン社の常任最高顧問、アメリカ広告代理業協会の会長などを歴任。広告審議会(AC)の設立者で元チェアマン。
「自分にはアイデアなんて浮かばない」
「企画が通らない」
「新しい提案ができない」
そんな悩みを持つ人は多いのではないだろうか。
今回は、創造性が求められるすべてのビジネスパーソンに向けて、『アイデアのつくり方』から“誰でもアイデアを生み出せる技術”をお届けする。
知っておくべき一番大切なことは、ある特定のアイデアをどこから探し出してくるかということでなく、すべてのアイデアが作り出される方法に心を訓練する仕方であり、すべてのアイデアの源泉にある原理を把握する方法なのである。
ジェームス・W・ヤング 著『アイデアのつくり方』
ちなみに本書の初版は1940年。
当時から米国の広告クリエイターの間で「バイブル」と呼ばれ、いまも読まれている超ロングセラー。
約100ページで小さくコンパクトにまとまっているが、実に有用な本。
本文は60ページほどなので、あっさり読める。
頭の体操にオススメである。
よく「必読の書」との絶賛が多い一方、「内容が薄い」「たいしたことない」という評価も散見される。
なにせ、言いたいことはこれだけである。
【第1段階】情報収集
【第2段階】収集資料の咀嚼(そしゃく)
【第3段階】何もしない
【第4段階】アイデアが訪れる
【第5段階】アイデアを形にする
そのため、いくつかの”使い古された手法”も書くことにした。
説明は至極単純だが、実際にこれを実行するとなると最も困難な種類の知的労働が必要なので、この公式を手に入れたといっても、誰もがこれを使いこなすというわけにはいかないということである。
参考になれば幸いである。
✅ アイデアは既存の組み合わせである。
✅ 才能よりもプロセスが大切。
✅ 創造には「何もしない時間」も必要。
アイデアのつくり方
さて、私たちには生来アイデアを作りだす才能があるとする。ここで私たちはつぎに、それではこの才能を伸ばすにはどんな方法があるだろうか、という実際的な疑問にぶつかる。
ジェームス・W・ヤング 著『アイデアのつくり方』
アイデアとは新しい組み合わせである
言葉はアイデアのシンボルなので、言葉を集めることによってアイデアを集めることもできるのである。
ジェームス・W・ヤング 著『アイデアのつくり方』
一見無関係のモノ同士のつながりが見えれば、すばらしいアイデアが生まれる。
❶Uber Eats(ウーバーイーツ)
売り手:レストラン・飲食店
買い手:消費者(料理を注文する人)
仲介者(補助者):配達パートナー(運転手・ライダー)
❷Airbnb(エアビーアンドビー)
売り手:ホスト(空き部屋や物件の提供者)
買い手:旅行者・宿泊者
仲介機能:レビュー、支払い、カスタマーサポート
❸メルカリ
売り手:個人(不要品を出品)
買い手:個人(商品を購入)
仲介機能:メルカリ(決済、配送、補償サービス)
❹note
売り手:クリエイター(文章・音声・動画などのコンテンツ作成者)
買い手:読者・ファン・一般ユーザー(コンテンツを読む・購入する)
仲介者:note株式会社(プラットフォーム提供・決済・著作権管理など)
❺リベシティスキルマーケット
売り手:スキル提供者(デザイン、占い、相談など)
買い手:個人・企業
仲介機能:カテゴリ検索、チャット、支払い
⇒ 発想はゼロからではなく、組み合わせで生まれる。
⇒ 新しく産まれてきたサービスは新しい組み合わせ。
AI×BGM×Youtubeも「副業のアイデア」である。
アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせに過ぎない。
必要なのは、「新しい組み合わせを見つける力」である。
J・A・シュンペーター著『企業家とは何か』
たとえ小さなことでも、それまでにない新しいことを行っているのならば、それは企業家である
J・A・シュンペーター著『企業家とは何か』
⇒ 「イノベーションは既存知と既存知の新たな結合から生まれる」
第1段階:情報収集
情報は2種類ある。
テーマに特化した「特殊資料」と、一般的な知識である「一般資料」がある。
❶特殊資料:そのテーマに特化したもの
(ノウハウ図書館の記事、製品や顧客に関する情報)
❷一般資料:教養に属する一般的な内容
(日ごろからあらゆる方面の様々な知識)
両方を揃えることが発想の種となる。
真にすぐれた広告マンは、ほかの国の慣習や文化からアートまであらゆることに興味をもち、かつ、どんな知識にも貪欲である。
出典:漫画『逃げ上手の若君』
⇒ まずは資料を集める。
すぐれたアイデアは、そのテーマに特化した特殊知識と、世の中のさまざまな一般知識の新しい組み合わせから生まれてくる。
浅く広くと深く狭くが”未知の組み合わせ”を作る。
これを別の言い方で三多と言う。
①看多(多くの本を読むこと)
②做多(多く文を作ること)
③商量多(多く工夫し、推敲すること)
Apple社を創業したスティーブ・ジョブズも「カリグラフィー(西洋の書道)」という興味ある授業を“もぐり”で受けて「文字にデザインを施す」ことに関心をもち、「明朝体」や「ゴシック体」といった「フォント」をパソコンに搭載した。
あらゆる方面のどんな知識でもむさぼり食う。
牛と同じで食べなければミルクは出ない。
そもそも、探したい情報が無いという人は、「好きなこと」や「興味があること」と「稼ぐことにつながること」から探してみると良い。
ただし、1万程度なら良いが、高額のお金を払って情報を買う必要はない。
様々な”図書館”を利用するのだ。
第2段階:資料を咀嚼する
断片的なひとつひとつの着想は、いわば、第一次的情報である。そのままでは、それほど大きな意味をもたない。これをほかの思考と関連させ、まとめて、第二次的情報にする。
外山滋比古著『思考の整理学』
1.思考やアイデア(一次情報)を手帳にランダムに書いていく
2.良さそうな思考やアイデアを別のページでまとめなおす
3.さらに発展させたいテーマをさらに別のページにまとめる。
(3段階目まで来たテーマは長期にわたって関心事になる)
⇒ 頭の中でパズルのように組み替える。
⇒ 二次、三次情報へ変容させる。
集めた情報をあらゆる角度から検討する。
ここで断片的なアイデアが浮かんだら必ずメモを取ろう。
何か少しでも思いついたら、不完全でもいいから書き留めておく。
そして、やってくる苦しい時間に耐えなければならない。
いわゆる”煮詰まった”状態である。
実はこれは芽生えの証だ。
喜ばなければならない。
これで次の段階に移行できると。
第3段階:何もしない
出典:漫画『パリピ公明』
⇒ 無意識に委ねる時間を設ける。
一度情報を手放し、リラックスする。
映画を見る、散歩するなど、意識を別の場所に向けることで潜在意識が働き始める。
オススメなのは、意識しないために、何かに夢中になることである。
意識を外すための三中がある。
①無我夢中(もちろん他のこと)
②散歩中(旅行も悪くない)
③入浴中(おそらく一番頻度が多いのでチャンス)
是非、お試しあれ。
第4段階:アイデアの誕生
諸君が実際にこれら三つの段階で諸君のすべきことをやりとげたら、第四の段階を経験することはまず確実である。
ジェームス・W・ヤング 著『アイデアのつくり方』
古代ギリシアの学者アルキメデス(紀元前287年?- 紀元前212年)の有名なエピソード。
アイデアに詰まった彼は、気分転換に風呂につかっているときに、浴槽からこぼれ落ちる湯を見て突如アイデアをひらめき「Eureka!(われ発見せり!)」と叫んだ。
⇒ 突然、ひらめきが訪れる。
意識を外した状態から、ある日突然、アイデアが降りてくる。
この瞬間を逃さないよう、記録できる準備を整えておこう。
すぐれた考えがよく浮ぶ3つの場所(三上)がある。
三上とは、馬上、枕上(ちんじょう)、厠上(しじょう)のこと。
11世紀中国の政治家・文学者である欧陽脩(おうようしゅう)が『帰田録』に書いた言葉で、文章を考えるのに最も都合がよいという3つの場面を指している。
馬上(うまのぼう):移動中の電車やバスなど、特定の場所に拘束されずに思考できる場所。
枕上(まくらじょう):寝る前や朝、目が覚めた直後のリラックスした状態。
厠上(かわやじょう):トイレで、他のことに意識が向いていない時に思考が深まる場所。
素早く記録できるように、メモ帳と筆記具を常にポケットに入れておくのだ。
第5段階:現実とのすり合わせ
しかし、こうして生まれたすぐれたアイデアの種の多くは、日の目を見ずに失われることも多い。
ここを乗り越えるものは少ない。
本当の関門と言える。
⇒ アイデアを実用的な形に修正する。
⇒ そして、仲間と共有せよ。
そのままでは通用しない場合もある。
現実の枠に沿うように調整し、企画・提案へと具体化させていく必要がある。
そのためには自分一人で抱え込まず、理解ある人々の批判を仰ぐこと。
ただし、批判されてがっかりしてはいけない。
よいアイデアは人々を刺激し、自ら成長していく。
事実と事実の間の関連性を探ろうとする心の修正がアイデア作成には最も大切なものとなるのである。
ジェームス・W・ヤング 著『アイデアのつくり方』
現代では、AIに収集から組み合わせまで、お願いしようとすればできてしまう。
せめて、情報が本当に正しいかは、自分なりに考えたいものだ。
その他、具体的な手法は以下の本を参考にするといいだろう。
外山滋比古著『思考の整理学』
第一次的思考を、その次元にとどめておいたのでは、いつまでたっても、たんなる思い付きでしかないことになる。
外山滋比古著『思考の整理学』
読書猿 著「アイデア大全 創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール」
本書は理解の書であると同時に実戦の書でもある。
読書猿 著「アイデア大全 創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール」
平井孝志著『武器としての図で考える習慣』
「図で考える」というアプローチは、「深く考える」の答えの1つ、しかも、誰でも使える、効果的な武器であると、私は確信しています。
平井孝志著『武器としての図で考える習慣』
トム・ケリー著『発想する会社!』
現状維持はイノベーションが生まれる勢いを失速させることを忘れないでほしい。
トム・ケリー著『発想する会社!』
⇒ 見つめるナベは煮えない。
⇒ アイデアを出すのにも、アイデアがいる。
⇒ 図でシンプルに考えてみる。
⇒ よいアイデアを手に入れる最良の方法は、多くのアイデアを手に入れる。
⇒ カモになるか、操る側になるか。
ヤングは、アイデアを作れる人を「思索する人」と呼ぶ。
詐欺師なども悪い意味でアイデアマンである。
想像力に乏しく保守的な人を「カモられる人」と表現している。
「思索する人」に操られてはいけない。
情報を結びつける練習を重ねれば、誰でもこのタイプになれる。
やるだけやったら、一度忘れて別のことをする。
今までの情熱は何だったのかというぐらい、無視する。
この効果は非常に高い。
嬉しいことに、あなたの無意識はちゃんと仕事してくれる。
昔からアイデアのひらめきは”天啓”ともいわれ、天から与えられるものとして考えられてきたが、ひらめきは”技術”なのだ。
まとめ
✅ アイデアは既存の組み合わせである。
✅ 才能よりもプロセスが大切。
✅ 創造には「何もしない時間」も必要。
⇒ 創造とは習慣である
即ち、アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもないということである。
ジェームス・W・ヤング 著『アイデアのつくり方』
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆