- 投稿日:2025/01/06
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はシーナ・アイエンガー著『選択の科学』2010年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:シーナ·アイエンガー出典:あしなが育英会
コロンビア大学ビジネススクール教授。1969年、カナダ生まれ。両親はインドからの移民でシーク教徒。20年以上にわたり「選択」に関する広範な実験·調査·研究を行っている。
シーク教 (シク教):ヒンドゥー教とイスラム教から派生しており、ヒンドゥー教と同様に輪廻転生を肯定しているが、カースト制度を否定している。
シーク教には忠実に守るべき厳しい戒律や教義がある。
なんと、髪の毛を切ることが禁じられており、食べ物や衣服すら選べない。
著者は3歳の時、眼の疾患を診断され、高校にあがる頃には目が見えなくなる。
そんな彼女は米国の公立学校で学び、「自分のことを自分で決めるのは、当然の権利」と教えられる。
生い立ちから「自分で選択したほうが明るい人生が拓ける」と考えるようになり、「選択」を研究対象として追いかけている。
彼女の20年間の研究成果をまとめたのが本書である。
✅ 選択が人生の質を決める。
✅ 大切なのは「自分には選択肢がある」と信じること
✅ 選択の積み重ねが、あなたをつくる。
✅だが、選択は必ず幸せになるとは限らない。
自由とは何か? 自由とは選択する権利、つまり自分のための選択肢を作り出す権利のことだ。
選択の自由を持たない人間は、人間とは言えず、ただの手足、道具、ものにすぎない。
–アーチボールド·マクリーシュアメリカのピューリッツァー賞受賞詩人
シーナ・アイエンガー著『選択の科学』
『選択の科学』
選択が幸福と健康を左右する
自己決定感が人生を豊かにする鍵であることが明らかにされた。
選択肢を持つことで得られる自由と責任感が、幸福度や健康状態を向上させる。
動物園の動物は、一見、野生動物と比べて実に手厚く保護されている。
外敵はいない。
十分なエサが与えられ、医療スタッフもいる。
しかし動物園の動物は、野生よりも短命なのだ。
野生のアフリカ象の平均寿命は56歳だが、動物園だと17歳。💡
野生の環境では動物は動物らしく生きられる。
同じ動物である「人間」も同じ。
「自分の仕事の采配度」が低い社員はストレスは高い。
低職位でも「自分は仕事の自由度を持っている」と考える人は健康だった。
高齢者施設での実験では、入居者に植物の世話をさせることで健康が改善。
鉢植えを選ばせるほうが入居者の満足度や健康状態は良く、死亡率も低かった。
自分の行動が結果に結びつくという意識が満足感と健康を向上させると実証された。
「NO RULES 世界一『自由』な会社、NETFLIX」
リード・ヘイスティングス、エリン・メイヤー共著
責任ある自由の実現例
ネットフリックスは「ネットフリックスの利益を最優先する」というガイドラインを決め、社員が自分の判断でお金を自由に使えるようにしている。😉
もちろん、内部監査機能がある。
酒井穣著『ビジネスケアラー 働きながら親の介護をする人たち』
介護とは「自立支援」である。自立とは依存の分散と説いている。
要介護者も、残存能力を活用することで自己決定の自由を確保し、自らの幸福を追求できる。
⇒ 小さな選択でも効果を持つ。
アプラハム·H·マズローの『完全なる経営』
アメリカ心理学者の経営本。
本書の「自己実現」は「自分ができる最大限のことをすることで、自分自身らしくなっている状態」を指す。
この自己実現を社員が自ら目指せる環境を提供する。
これが「よい会社」とされる。
集団と個人の選択観の違い
選択のスタイルは文化に根ざしている。
「個人主義社会では自己選択」が重要視されるが、「集団主義社会では共同体の利益」が優先される。
⇒ どちらが優れているかではない。
選択の価値は環境や背景に影響される。
シーク教では、結婚相手も決められている。
シーク教徒にとって「取り決め婚」は当たり前。
しかし、アイエンガーが調査した結果、シーク教のような原理主義の宗教はうつ病の割合が低かった。
逆境にも楽観的に立ち向かい、多くの決まりごとも「そのおかげで力が与えられている」と考え、意外なことに「自分が自分の人生を決めている」と考えていた。
逆に無神論者は、悲観主義と落ち込みの度合いが最も高かった。
制約は「自分が決めている」という自己決定感を損なっていない。
シーク教で他人が結婚相手を選ぶのは、彼らが集団主義社会であり「結婚は家族全体のもの」と考え、「本人でなく他人にも結婚相手を選ぶ能力がある」と考えているのだ。
まさに、「宗教」は「道徳」や「理由」である。参考:中村圭志さんの『教養として学んでおきたい5大宗教』
選択肢の数は多ければ良いのか?
選択肢が多いほど迷いやすくなる現象がある。
割と有名かもしれないが、ジャムの試食実験では、種類が少ない方が購買率が高かった。
❶24種類のジャム試食コーナーと❷6種類のジャム試食コーナーを用意。
❶24種類コーナーには60%の客が立ち寄ったが、10分ほど迷った末、多くの人が手ぶらで帰った。
購入したのは立ち寄った試食客の3%だけ。
❷6種類のコーナーには40%の客が立ち寄り、1分で商品を選んだ。
購入したのは試食客の30%。少ない品揃えのほうが、なんと6倍も売り上げた。
人は7個以上の選択肢があると違いを認識できず、選べなくなる。
⇒ 必要なのは量ではなく質。
選択肢が多すぎると、決定を先延ばしにし、結果的に選ばない可能性が高くなる。
選択肢が多すぎて選べなくなるのは、買い手が違いを認識できないとき。
自分にとって意味のある選択肢を絞ることが重要。
つまり、私のコンテンツも...。
選択とその代償
「選択」には必ず結果が伴う。
漫画「HUNTER×HUNTER」第1巻に登場する
「ドキドキ2択クイズ」はまさにこれ。
万人共通の答えなどないクイズである。
⇒ 自己決定が必ずしも、良い結果にはならない。
出典:漫画「HUNTER×HUNTER」第1巻
どれを選んでも苦痛がある場合、あえて選択肢を手放すことも検討すべきだと、アイエンガーは言う。
漫画の場合、「選ばないこと」がこの時は答えだった。
誰もが、「選択」できるわけではない。
それでも、選ばないと「もっとひどいこと」になる場合もある。
この話は関係ないと思うだろうか?
ではもっと、無関係でなくなる話をしよう。
日本の少子高齢化社会が進むと、私たちも親族や両親について同じ判断を迫られる可能性がある。
「仕事」と「介護」、「介護費用」と「自分の資産」等…。
必ずしも2択ではないが、「選択肢」は否応なしに提示される。
難しい判断に限れば、自分ですべて判断せず、専門家の判断を頼るのも1つの方法である。
参考:酒井穣著『ビジネスケアラー 働きながら親の介護をする人たち』
参考:河合雅司著「未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること」
人生を計るものさしは、人によって違う。年月、重要なできごと、業績など。
だが人生は、わたしたちの行う選択によって計ることもできる。さまざまな選択が積もり積もって、わたしたちを今いるところに導き、今ある姿にしているのだ。
シーナ・アイエンガー著『選択の科学』
選択の重みは環境や価値観によって異なり、それが幸福感や後悔に影響を与える。
「自己実現とは程度の問題であり、小さな積み重ねの1つ1つである」
- アプラハム·H·マズロー -
まとめ
⇒ 選択が人生の質を決める。
⇒ 大切なのは「自分には選択肢がある」と信じること
⇒ 選択の積み重ねが、あなたをつくる。
⇒ 「選択は必ず幸せになる」とは限らない。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆