• 投稿日:2024/12/06
  • 更新日:2025/10/01
アプラハム·H·マズロー著『完全なる経営』:よい企業とは、どうあるべきか?

アプラハム·H·マズロー著『完全なる経営』:よい企業とは、どうあるべきか?

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シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

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要約
心理学者マズローの『完全なる経営』は、欲求段階説だけではない深い洞察を示します。よい企業がよい人材を育て、その循環がさらによい企業を作る。この関係性に注目し、自己実現と経営の理想形について掘り下げます。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はアプラハム·H·マズロー著『完全なる経営』(2019年発行)をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。

著者:アプラハム·H·マズローpeople02_main.jpg出典:Wikipedia

米国の心理学者。1908年生まれ。34年ウィスコンシン大学にて博士号(心理学)を取得し、ブルックリン大学教授、ブランダイス大学心理学科長となる。67~68年米国心理学会会長。70年没。人間の心の問題を深くとらえた人間主義的な心理学アプローチをとり、「自己実現」「至高体験」「欲求段階説」などの概念を生み出した。おもな著書に「創造的人間」「人間性の心理学』などがある。

アドラー、フロムらと並ぶ心理学の巨人。


マズローは心理学者

本書は経営の本。

「働く人の無くならない不満を嘆くのではなく、その不満の質みたいなものが向上しているかに着目すべき」

どんな仕事にも不満や欲求はあるのだから、それを高次元の不満にしていこうという考え方はとても素晴らしい。


マズローというと有名なのが「マズローの欲求5段階説」だろう。


補足リベシティ用サムネ (9).png著書『人間性の心理学』で提唱した心理学理論。

人間の欲求を「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5つの階層に分け、ピラミッド構造で表している。


『人間性の心理学』は読まれずに誤解されている古典的名著。

というか、私も誤解したままでいる。だがそれでよい。

学者ではないのだから。


本書『完全なる経営』は「よい企業とは、どうあるべきか」を説く

5段階目の「自己実現」を目指す人たちで「よい企業」をつくり、「よい企業」が「自己実現を目指す人たち」を生み出す。

この循環をいかにつくるかが本書のテーマ。


経営学者だったドラッカーも「本書は私にインパクトを与え続けてくれる知恵の泉」と言ったとか。🤔


1. 欲求段階説

欠乏欲求と存在欲求

欠乏欲求:D欲求(Deficiency)は「足りないものを満たす」ための欲求。

存在欲求:B欲求(Being)は「人間そのもの」に関わる欲求を指す。


⇒ 欠乏を超えた成長が鍵。


なお、自己実現とは「自分がやりたいことをやっている状態」ではない。

⇒ 「自分ができる最大限のことをすることで、自分自身らしくなっている状態」

自己実現を達成した人物としてリンカーンやアインシュタインなどの偉人を挙げている。🧐

つまり、自己実現はそのレベル。

個人ではなく、結果的に社会、世界全体へ貢献する「段階」である。

picture_pc_fd7dd11f54b1d2ad218e32a4352a310e.png漫画:『スティール・ボール・ラン』(STEEL BALL RUN) 集英社

とはいえ、飢えなきゃ勝てないし、追い込まなければ本質が見えないときもある。

始まりは欠乏欲求で何でも良い。何より強い原動力になる。

しかし、「気高さ」は持つのだ。


2. 自己実現と経営の好循環

よい企業とよい人の関係

よい企業は自己実現を目指す人を育て、そうした人々が良い企業を作る。

人は誰でも「より高い価値を発揮したい」という欲求を潜在的にもっている。


このような「自己実現を目指す人」を「よい人」としている。

「企業が目指す使命」と「個人が目指すこと」が一体化すれば、企業の業績は自然と上がる。


企業と個人が目的を共有できれば、それ以外のあらゆる問題は「目的にふさわしい手段を選ぶ」という技術上の問題にすぎなくなる。


「よい会社」は、この環境を提供することである。


⇒ 個人と組織の共鳴が成果を生む。


3. マネジャーが陥りがちな罠

権威主義が招く結果


人は支配される。

決定権を奪われる。

誤魔化される。

搾取される。

言いなりになることは避けたいものである。

…そうだよね?🤔


しかし、みんなが勝手にやると、チームはメチャメチャになる。

多くのマネジャーは人事権を握り、権威主義で部下の行動を管理する。

「怠けるから監視する」と考える文化は未熟である。

マネジャーが権威主義に頼ると、指示待ち社員が生まれる。


⇒ 支配より自律を促進する組織づくりを。


人は「自分で決定し評価される」環境で力を発揮する。


とはいえ、その線引きは難しい。

理論だけでなく意識。

そして「仕組み」にしなければならない。


目指すべきは社会シナジー(相乗効果)としている。

「利己的な行為」であると同時に「利他的な行為」を目指す。

:親が子に美味しい食事を多めにあげるのは喜びを感じたいから。


つまり、他人の喜びが自分の喜びの状態。

これが「シナジーがある状態」である。

利己的行為と利他的行為は対立しない。

参考:【シナジーって何?


組織も「対立する考え方」から「シナジーを生む考え方」に進化すれば、個人と組織間の対立は消え、チームの利益が自分の利益になる。


マズロー曰く。「私の考え方は選ばれた人に有効だ。万人には必ずしも有効ではない」とも言っている。

下記の書籍はヒントになるかもしれない🤔


参考になる書籍

「失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織」
マシュー・サイド 著 1997年発行

『恐れのない組織』
エイミー·C·エドモンドソン著 2016年発行

「学習する組織 ― システム思考で未来を創造する」
ピーター・M・センゲ 著 2017年発行

『Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR』
ジョン・ドーア著 2017年発行

「OODAループの戦略」
チェット・リチャーズ著 2019年発行

「日本の『安心』はなぜ、消えたのか」
山岸俊男 著 2019年発行

「NO RULES 世界一『自由』な会社、NETFLIX」
リード・ヘイスティングス、エリン・メイヤー共著 2020年発行

「サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術」
堀埜一成 著 2024年発行

こういう時、続けてると便利やな…。


まとめ


⇒ 個人と企業の成長は共鳴し合うべし。


「自己実現とは程度の問題であり、小さな積み重ねの1つ1つである」
- アプラハム·H·マズロー -


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆マサル.png

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