- 投稿日:2025/02/01
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は、外山滋比古著『思考の整理学』(1986年発行)をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:外山 滋比古(とやま·しげひこ)引用元:愛知県西尾市 西尾の偉人
1923年生まれ。東京文理科大学英文科卒業。お茶の水女子大学名誉教授。専攻の英文学に始まり、テクスト、レトリック、読書、読書論、エディターシップ、思考、さらに日本語論の分野で、独創的な仕事を続けていた。平明で論理的な日本語を開拓したエッセイストとしても定評がある。
2020年に永眠。
昭和58年(1983年)の著書『思考の整理学』 は累計発行部数263万部以上。
2000年代時点で、東大生や京大生に一番読まれた本として話題となったロングセラー。
文庫版は126刷以上にもなる。
2024年には電子書籍版も登場した。
もはや、文句のつけようがないほどに名著である。
✅ 学校教育の限界を理解するべきだ。
✅ 思考力を磨くには時間が必要だ。
✅ 自力で考える人間になるための方法を知る。
今までに、「独学」に関する本をいくつか紹介した。
齋藤孝著『頭のいい人の独学術』
こちらは独学の習慣化や効率化のコツを書いている。
読書猿著『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』
788ページの超分厚い本。ギリシャ時代の古典から最新の論文まで、先人たちが残したあらゆる独学に使える「知」をまとめた百科事典。
それぞれ、「独学」に対して…。
齋藤孝著『頭のいい人の独学術』は初心者向けの考え方。
読書猿著『独学大全』は上級者向けの考え方をしている。
今回の『思考の整理学』は初心者向けである。
いくつかの小話で構成されているので、本を読むのが苦手な人でも読みやすい。
学校は教える人と本を用意して待っている。
そこへ行くのが正統的だ、となるのである。
たしかに、学校教育を受けた人たちは社会で求める知識をある程度身につけている。
世の中に知識を必要とする職業が多くなるにつれて、学校が重視されるようになるのは当然であろう。
外山滋比古著『思考の整理学』
これもロングセラーの要因だろう。
私自身、中学生時代の朝読書習慣で読んだ本である。
わかりやすい言葉、読みやすいテンポや単語も教えてくれる。
ライティングスキル向上にも役立てることができるだろう。
別のノウハウ記事:新年からの習慣に!「10分間」の朝読書はいかが?
『思考の整理学』
グライダー人間と飛行機人間の違い
学校教育は「グライダー人間」を育てる場である。
学校の生徒は、先生と教科書にひっぱられて勉強する。
自学自習ということばこそあるけれども、独力で知識を得るのではない。
いわばグライダーのようなものだ。
自力では飛び上がることはできない。
グライダーと飛行機は遠くからみると、似ている。
外山滋比古著『思考の整理学』
⇒ 自力で翔ぶ力を養うには、学校教育を超えた思考が必要。
悲しいかな、学校では日常生活に役立つ金融教育は教えてくれない。
税金も、社会の仕組みも。引っ張ってくれない部分がある。
しかし、何かを始める際、学校や講義は必要になる。
「ノウハウ」や「目算」がないからだ。
学校がグライダー訓練所のようになってしまうのも、考えてみれば、やむを得ないことかもしれない。
小学校へ入るこどもは、まだ、勉強がよくわかっていない。
ものを知りたい気持はあるけれども、どうしたら知識が得られるか、見当もつかない。
とにかく、先生に言われるように勉強しなさい、となる。
ひっぱるものがあるから、動き出す。
外山滋比古著『思考の整理学』
グライダー人間は他者に引っ張られて動く。
一方、飛行機人間は自らの力で考え、行動(飛行)する。
学校は基本的知識を得る場所だが、創造的思考は教えてくれない。
もちろん、適切に引っ張られることも大事。
だが、引っ張られるだけでは、「他責思考」にもつながってしまう。
藤本シゲユキ著「幸福のための人間のレベル論」
「固定観念」に縛られ、できない理由を主観で考えすぎれば、「他責思考」につながる。
思考を「寝させる」という重要性
考えごとを熟成させるには時間が必要である。
どんなにいい素材といかにすぐれた酵素とが揃っていても、いっしょにしたらすぐアルコールになるということはあり得ない。
頭の中の醸造所で、時間をかける。あまり騒ぎ立ててはいけない。
しばらく忘れるのである。
外山滋比古著『思考の整理学』
外国に、”見つめる鍋は煮えない”ということわざがある。
早く煮えないか、早く煮えないか、とたえずナベのフタをとっていては、いつまでたっても煮えない。
あまり注意しすぎては、かえって、結果がよろしくない。しばらくは放っておく時間が必要だということを教えたものである。
外山滋比古著『思考の整理学』
見つめるナベは煮えない。
この単語は今でも鮮明に、私の頭の中に残っている。
やるだけやったら、一度忘れて別のことをする。
今までの情熱は何だったのかというぐらい、無視する。
この効果は非常に高いと感じる。
ジェームス・W・ヤング 著『アイデアのつくり方』(1988発行)では…。
事物の関連性を見つけて新しい組み合わせを生むには、5段階のプロセスが必要と言われている。
【第1段階】情報収集
【第2段階】収集資料の咀嚼(そしゃく)
【第3段階】何もしない
【第4段階】アイデアが訪れる
【第5段階】アイデアを形にする
アイデアの種をすばらしいアイデアにするには、忍耐強く育て上げる必要があるのだ。
⇒ 自分の中で発酵させ、深い洞察を。
都合よく解釈するのであれば、ある程度頑張ったら、休まないといけない。
嬉しいことに、自分の無意識はちゃんと仕事してくれる。
だから執着しすぎてはいけないと、自分に戒めの言葉としている。
頭のアルコール作りは、ひとによって、また、同じ人間でも、場合によって、醱酵までに要する時間が違っている。
しかし、もうよろしい、醱酵が始まったとなれば、それを見すごすことは、まずないから安心してよい。
自然に、頭の中で動き出す。おりにふれて思い出される。
それを考えていると胸がわくわくしてきて、心楽しくなる。
外山滋比古著『思考の整理学』
何かをすぐに解決するのではなく、時間をかけて熟成させることが、深い思考力を育む鍵となる。
何かを練習して上手くなる流れも似ている。
「もうダメ。疲れた😓」と思ったらあえて休んでみるのも練習となるのだ。
他にも、「考えるということ」に関してワクワクするような小話がいくつもある。
まばらに読んでも問題ない。
つまみ食いしてもOK。
是非、「本を読むのが苦手」という人にこそ読んでほしい本である。
学生や中高生の皆さんにもオススメできる。
カバンの中に1冊。忍ばせてはいかがだろうか?
まとめ
✅ 学校教育の限界を理解するべきだ。
✅ 思考力を磨くには時間が必要だ。
✅ 自力で考える人間になるための方法を知ろう。
⇒ 「自分の頭で考える」力を鍛えることが人生を変える。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆