- 投稿日:2025/05/10
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はエリック・リース 著『リーン・スタートアップ』2012年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:エリック・リース
アントレプレナーとして「スタートアップの教訓(Startup Lessons Learned)」というブログを執筆。
本書のテーマであるリーン・スタートアップという手法は、ニューヨーク・タイムズ紙、ウォルストリートジャーナル、ハーバード・ビジネス・レビュー、ハフィントン・ポスト紙、さまざまなブログなど多方面で取り上げられている。サンフランシスコ在住。
✅ スタートアップ成功のカギは学びと改善にある。
✅ MVP(最小限の製品)を素早く作り、顧客の反応を検証すべし。
✅ 戦略の方向転換(ピボット)を恐れず、柔軟に適応する。
スタートアップはなぜ失敗するのか右を見ても左を見ても、スタートアップが大失敗ばかりなのはなぜなのだろうか。 まず最初に、優れた計画やしっかりした戦略、市場調査の活用に目を奪われることが問題として挙げられる。 昔は、このような指標で成功の可能性を測ることができた。 そのためスタートアップでも同じように考えたくなるのだが、不確実性が大きいスタートアップにこの方法は使えない。 どういう人が顧客になるのかやどういう製品を作るべきかさえもまだわからないのがスタートアップなのだ。 しかも世界は不確実な方向へ進んでおり、未来はどんどん予測しづらくなっている。 旧来のマネジメント手法ではそのような状況に対処できない。 比較的安定した環境で長期にわたる安定操業の歴史があってはじめて、精度の高い計画や予測が可能になるからだ。 スタートアップではどちらの条件も成立しない。
エリック・リース 著『リーン・スタートアップ』
本書はスタートアップ(世の中にない新しいビジネスを立ち上げる企業)を成功させる方法を、分かりやすく紹介している。
『リーン・スタートアップ』はトヨタ生産方式から生まれた本である。
参考:ジェームズ·P·ウォマックほか著『リーン生産方式が、世界の自動車産業をこう変える。』
本書のタイトル「リーン」は、トヨタ生産方式を米国の学者が解明した「リーン生産方式」が基である。
「リーン生産方式」は現場の学びを重視し、ムダを徹底的に省く手法。現場主義である。
スタートアップとは製品ではなく組織である。だから、先行きの不透明性という状況に即した新たな経営方法が必要になる。「アントレプレナー」とは、イノベーションで成長していこうと考える近代企業に必須の職種だと私は考えている。
エリック・リース 著『リーン・スタートアップ』
スティーブン・G・ブランク 著『アントレプレナーの教科書』
アントレプレナー(entrepreneur)は「起業家」のこと
ゼロから事業を創り出す起業家や事業家を指す。
「商品が必要な顧客を早く発見しろ」と語る。
『リーン・スタートアップ』はこれをさらに一歩進めた話になる。
『リーン・スタートアップ』
ビジネスは学びと改善の繰り返し
「リーン・スタートアップ」は「顧客にメリットを提供しない活動は、すべてムダ」と考え、顧客からの学びを重視し、ムダを徹底的に省いて、新規事業を立ち上げる。
エリック・リースは「顧客が必要とする『実用上最小限の機能を持った製品』を早くつくり、検証しろ」と語る。
この「実用上最小限の機能を持った製品」のことを「MVP」(Minimum Viable Product)と名付けている。
⇒ 顧客の声をもとに、事業を素早く進化させる。
⇒ MVPを目指せ!
製品開発に時間をかけすぎることはムダである。
早く市場に出し、データをもとに改善を繰り返すことで成功確率が高まる。
マシュー・サイド著「失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織」
「真の無知とは、知識の欠如ではない。学習の拒絶である。」
「失敗はより賢くやり直すためのチャンスにすぎない。」
⇒ 失敗からの愚直な学びの積み重ねこそが「最強の武器」
MVP(最小限の製品)を作る
「商品やサービスが、そう簡単につくれるわけがない」と私たちは思いがちだ。
Zappos.com(ザッポス・ドットコム)は、アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガスに本拠を構える靴を中心としたアパレル関連の通販小売店である。
ちなみに、大成功して2009年7月からアマゾン・ドット・コム傘下に入っている。
ザッポスの起業は1999年。
当時はネットでモノを買う人自体が少ない時代。
試し履きが必要な靴が売れるかなんて、いくら調べても分かるわけがない。そこでザッポスは簡単なMVPをつくり、本当に靴が売れるかを検証した。
靴のネット販売を成功させた「ザッポス」は、最初に店舗の靴を撮影し、簡易サイトを作ることで市場の反応を確かめた。
まず近所の靴屋で許可をもらい、商品の靴の写真を撮った。
店には「ネットで売ります。注文が来たら売値で買います」と伝え、数日で簡単なウェブサイトをつくり、靴の写真を掲載して注文できるようにした。
⇒ まずは簡単な形で顧客のニーズを検証する。
リーン・スタートアップはこうして「学び」の積み重ねを重視する。
❶「アイデア」を基に製品(=MVP)を「構築」
❷顧客の反応などのデータを「計測」
❸結果から「学び」を重ねる。
学びのフィードバックループを何回も何回も繰り返す。
徹底的に顧客視点に立った改善活動を目指せ。
クリス・アンダーソン「MAKERS 21世紀の産業革命が始まる」
資金調達と市場テストが同時にできる、クラウドファンディングも似ている。
「こんな商品をほしい人は〇〇円出してほしい。目標金額になったら開発する」と顧客を募る。
完璧主義は最大のムダ
ここで陥りがちな罠がある。
完璧にやろうとして、学びのループを1周回すのに時間がかかりすぎることである。
スタートアップの存在意義は、モノを作る、お金を儲ける、顧客にサービスするなどだけではない。どうすれば持続可能な事業が構築できるのか、それを学ぶこともその意義である。
エリック・リース 著『リーン・スタートアップ』
『リーン・スタートアップ』では「学ぶ」回数自体も重視される。
時間がかかりすぎることは大きなムダである。
兵は拙速を尊ぶ(へいはせっそくをたっとぶ)作戦を練るよりも素早く行動して勝利を得ることが大切である
中国の兵法書「孫子」
先ほどのザッポスが「顧客が見るサイトだから、ちゃんと美しくつくろう」と考えて、サイトを1カ月間かけてつくっても、その1カ月間の顧客からの学びはゼロ。つまり、その1カ月間はムダになってしまう。
⇒ 完璧を目指すのではなく、早く学ぶことが重要。
ループを数多く回し続けて、顧客からの学びをより多く蓄積することが大切である。
こうして、新規事業立ち上げのムダを最小限にできる。
MVPを素早く作り、実際の市場データを得ることで、ムダなく成長できる。
「ピボット」で方向転換
私たちは、新規事業や起業では、凄いアイデアとか戦略が重要と思いがち。
しかし、それらは全体の5%に過ぎない。
95%は、製品に優先順位を付け、顧客を選び、顧客に検証し、データを取り、学びを積み重ね、方向修正する、といった地道な作業の積み重ねである。
政治参加プラットフォームを提供したボティズン社は、複数回の方向転換を経て、収益を上げる仕組みを確立した。
❶ 米国ボティズン社の創業者は、「市民が政治に参加できる仕組みをつくりたい」と考え、有権者がネットでつながる機能を3カ月間かけてつくったが、登録者数も使う人も少なかった。
❷ 8カ月間かけて細かく使い勝手を改良し利用者や登録率は増えたが、当初の目標には、まだまだ遠い。
❸ 機能を大胆に見直して有権者同士がつながる機能は廃止。
代わりに政治家にネットで直接意見を伝えられるシステムにしたところ、登録数も使い続ける人も急増したが、「お金を払ってもいい」という人は1%以下。
❹ 再度方向転換し、ロビー活動をする企業からお金をもらう仕組みに変えたが、今度はどの企業も渋って契約してくれない。
❺ ここでさらに方向転換し、ユーザーが実現したい政治運動に賛同する仲間を1メッセージ20セント(20円)払って集められるサイトにつくりかえた。すると登録率も使い続ける人も増え、ユーザーの11%がお金を支払ってくれるようになった。
本書ではこのような戦略の方向転換のことを「ピボット」と名付けている。
⇒ 市場の反応に応じて柔軟に事業を調整する。
⇒ 日本が生み出した改善活動を、顧客視点で見直す。
シリコンバレーの起業家たちは、「凄いアイデアは全体の5%で、95%は地道なカイゼン作業の積み重ねだ」ということをよく理解している。
まとめ
✅ スタートアップ成功のカギは学びと改善にある。
✅ MVP(最小限の製品)を素早く作り、顧客の反応を検証すべし。
✅ 戦略の方向転換(ピボット)を恐れず、柔軟に適応する。
⇒ 早く学び、素早く改善し続けることが成功のカギ。
やりたいことや夢に向かうスタートアップとは…。
アフリカの諺(ことわざ)を使うならこうなる。
出典:『パリピ孔明』
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆