- 投稿日:2025/06/07
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はW・チャン・キム/レネ・モボルニュ著『ブルー・オーシャン・シフト』2018年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
筆者:W・チャン・キム&レネ・モボルニュ
(左)W・チャン・キム (右)レネ・モボルニュ
出典:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
INSEADの教授であり、同校ブルー・オーシャン戦略研究所の共同ディレクターを兼ねる。2人の共著『ブルー・オーシャン戦略』は世界的なベストセラーとなり、史上最も影響力の大きい戦略書の代表格と見なされている。5大陸でベストセラーとなり、44カ国語に翻訳されるという記録を打ち立てた。キムとモボルニュはThinkers50が選ぶ世界のマネジメントの大家トップ3に名前を連ね、世界中の多数の賞に輝いてきた。世界経済フォーラムのフェローを務めるほか、ブルー・オーシャン・グローバル・ネットワークの設立者でもある。
✅ 非顧客をターゲットにすることで新市場を生み出せる。
✅ 実体験を重視し、社員が納得できるプロセスを設計せよ。
✅ 顧客の苦痛を観察し、解決策を導き出すことが鍵。
本書では、普通の会社がブルーオーシャン市場を開拓する方法を述べている。
研究では、競合がひしめく既存市場、すなわちレッドオーシャンを抜け出して最高の自信、市場、成長を手にした、大小の営利・非営利組織、政府機関について調べた。
W・チャン・キム/レネ・モボルニュ著『ブルー・オーシャン・シフト』
レッドオーシャンとは、競争が激しい既存市場を指す言葉。
戦いで海が赤い血に染まるといった意図からきている。
競合する企業が多く、価格競争や機能面での競争が激化している状態を指す。
ブルーオーシャンはその逆である。
ブルー・オーシャン・シフトは既存市場が衰退しているときこそ、必要になる考えである。
デビッド・J・ティース著『ダイナミック・ケイパビリティ戦略』で紹介したように、必要なことは、常に「新しい強み」をつくり続けることが求められている。
どんな形であれ「基本に戻る」という動きは、ビジネス以外も応用できる考え方だ。
ブルー・オーシャン・シフト
非顧客を狙う戦略
⇒ 既存市場の競争から抜け出せる。
市場競争に巻き込まれると、利益率が低下しがちだ。
対策としての品揃えや店舗数拡大は他社と同じレベルの競争になってしまう。
レッドオーシャンから抜け出すには、「非顧客第一主義」が求められる。
しかし、非顧客層に目を向けることで、新たな需要を掘り起こし、競争を避けた市場展開が可能になる。
非顧客には段階があると語る。
❶潜在的非顧客層 → 仕方なく使っている。そのうちやめるかも。
❷断固たる非顧客層 → あえて「使わない」と決めている。
❸未開拓の非顧客層 → 使うなんて考えたこともない。
非顧客層が誰でどんな苦痛を抱えているかを知ることはブルーオーシャンのヒントになる。
ジェフリー·ムーア著『キャズム Ver.2』
新商品普及の最大の壁は「キャズム」
顧客心理を理解し、市場を絞り込むべし。
「ホールプロダクト」の提供が成功への鍵。
顧客の「痛み」を基準にターゲットを絞るのも手段である。
しかし、「顧客目線の大切さはよく分かっているが、うまくいかない」と悩む人は多い。
結局、どこを重視すればよいのか?
実体験を重視する
現場に赴く際には、可能な限り自ら顧客の立場になるか、既存顧客の家庭や職場での様子を観察するかして、顧客経験のサイクル全体を通してどのような苦痛や困難が生じるかを注意深く記録するよう強く勧める。
W・チャン・キム/レネ・モボルニュ著『ブルー・オーシャン・シフト』
⇒ 現場での納得感が戦略の成功を左右する。
戦略を机上の空論で終わらせないためには、社員が実際に体験し、納得できる環境を作ることが重要だ。
経験を通して必要性を理解することで、本気の行動につながる。
購入者と同じ経験をする。
この段階で試験が不足しているなら、現場に飛び込んで自ら見聞や経験を積むしかない。
本書では、ライバルの追い上げにあった米国のドラッグストアチェーンの事例を紹介している。
「まずは顧客を理解しよう」と考え、役員の一人にインフルエンザの患者役として実際にドラッグストアで処方薬をもらうことにした。
朝から医師の診察を受け、処方箋を薬局で受け取れたのは午後14時。
同行した全役員の感想は、「薬を貰うまでに時間がかかりすぎ、自宅にいたほうがラク」だった。
直接、薬局で薬を処方できれば、問題は解決できる。
しかし、薬局に医師常駐はお金がかかる。
ならば、上級看護師なら薬の処方ができ、コストは3分の1で提供できる。
「これでお客様も喜ぶし、売上も伸びる。ブルーオーシャンを開拓できるのではないか?」と考えるようになった。
処方薬の受け取りの不便さを解消することでブルーオーシャン市場を開拓した。
ジョン・スポールストラ 著『エスキモーに氷を売る』
私が知っている唯一の方法は、顧客がいるところへ行くことだった。 彼らの話に耳を傾け、その場の雰囲気を「感じる」ことだった。
ジョン・スポールストラ 著『エスキモーに氷を売る』
⇒ 顧客にあえて近づく
⇒ デスクワークだけでは得られない生の情報がある。
⇒ 顧客の不満は改善の糸口になる。
顧客の苦痛を知る
本書では、邦訳化に伴い日本企業のケースを挙げている。
ニューズピックス、JINS、ソラコム、パーク24を紹介している。
⇒ 顧客の悩みを解決することで市場が生まれる。
顧客が抱える不満や不便を深く理解し、その解決策を提供することで新たな市場が開ける。
出典:JINS公式サイト
JINS(株式会社ジンズ)は世界でも珍しいメガネのSPA(製造小売業)というビジネスモデルを構築して成長してきた企業。
「眼鏡市場」を展開しているメガネトップは、国内に1021店舗を展開。
2位のジンズHDは「ジンズ」ブランドを展開。国内では481店舗を展開している。
JINSの人気の1つに、低価格・高品質・高機能のフレーム・レンズがある。
特に最近注目されたのが、スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトカットメガネ『PCメガネ』。
先駆者であるジンズHDの『JINS PC』(JINS SCREEN)は、累計800万本を突破する大ヒットを記録、他社もこの流れに追随しPCメガネ競争が起こった。
UVカットやスポーツ用眼鏡など、新たな機能性メガネ。
老眼鏡を必要とする年齢層や目の健康を意識する消費者。
また、メガネは視力矯正器具としてだけでなく、カジュアルなファッションアイテムとして扱うこともできるようになった。
これは低価格化によって、1人で複数持つ消費者が増えたからである。
「競合が取り込むことを諦めていた顧客層」をつかむ。
まさにブルーオーシャンの視点である。
参考外部サイト
日本国内メガネショップ店舗数ランキング(2024年5月23日時点)
https://kenseisha.com/megane-shoprank/
メガネ業界の動向や現状
https://gyokai-search.com/3-megane.html#google_vignette
公正と信頼のプロセス
市場創造の唯一の方法が既存市場を攪乱することだと考えていたなら、非攪乱的創造の機会を容易に見過ごしてしまう。
W・チャン・キム/レネ・モボルニュ著『ブルー・オーシャン・シフト』
⇒ 透明性のある決定が組織の推進力を高める。
ブルーオーシャンは顧客だけに存在しているわけではない。
意思決定が密室で行われると、社員のモチベーションは低下する。
だが、自分の意見が採用されると、組織の一体感が生まれ、戦略の実行がスムーズに進む。
特にサービス業では仕事にやりがいを持つ満足度が高いスタッフが、高い顧客満足を生み出すことはフレデリック・F・ライクヘルド 著「顧客ロイヤルティのマネジメント」でも紹介されている。
『EQ こころの知能指数』のように些細な表情やしぐさを見逃さないのは「共感力の高さ」から来ている。
結果として顧客だけでなく、社員の満足度向上もブルーオーシャン開拓につながる。
現実には会社員(役員)であっても、自社商品(従業員)を経験したことがない人は意外と多い。
最後に、ブルーオーシャンシフトを成功させるそれぞれ3つの鍵と基本手法を紹介する。
◆成功させる3つの鍵
❶ブルーオーシャンの視点
人々の視野を広げ、正しい方向へと導く。
(例:商品の再定義)
❷市場創造ツールと活用指針
創造性を培い、新たな価値・コストフロンティアを開拓するためのツールとその使い方。
(例:商品開発、ECサイト、顧客と社員が扱いやすいシステム、料金体系)
❸人間らしいプロセス
効果的な実行に向けて、みんなが一人称でプロセスに取り組み、推進していけるよう自信を培い強めていく。
(例:ビジョン、小さな試行錯誤の重視)
◆実行するときの3つの基本手法
❶業界の長年の懸案を打開する解決策を示す。
❷業界の長年の懸案を再定義した上で解決する。
❸真新しい問題を見つけて解決するか、真新しい事業機会をつかみ取る。
いずれにせよ、「青い海」と見つけるのは「幸せの青い鳥」のように、現実を直視せず理想ばかり追い求めると、なかなか見つけることはできない。
つまり、近道は存在しない。
求めていなければ、授からない。 だから、いつまでも求めていなければならない。 自分にだけ授かるものが、どこかにある。 それを授かるのはいつなのか。 ついに授からないかもしれないが、求めていなければ授からないのだ。
- 華道家・勅使河原蒼風 -
まとめ
✅ 非顧客をターゲットにすることで新市場を生み出せる。
✅ 実体験を重視し、社員が納得できるプロセスを設計せよ。
✅ 顧客の苦痛を観察し、解決策を導き出すことが鍵。
ブルー・オーシャンの特徴
❶ブルー・オーシャンは技術革新の産物ではない
❷ブルー・オーシャンは既存コア事業から生まれやすい
❸企業や業界を単位で分析すると見えてこない
❹ブルー・オーシャンはブランドにつながる
努力し、探求し、発掘すること。 そして屈服しないこと。―アルフレッド・テニスン卿
W・チャン・キム/レネ・モボルニュ著『ブルー・オーシャン・シフト』
⇒ 競争を避ける道は、非顧客の苦痛を解決することにある!
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆