• 投稿日:2025/05/19
  • 更新日:2025/10/04
愛するための4つの力~自分を満たす力~

愛するための4つの力~自分を満たす力~

  • 1
  • -
チャコ@ダイエット中

チャコ@ダイエット中

この記事は約13分で読めます
要約
この記事は「愛するための4つの力~他者貢献による感謝と勇気の循環~」のつづきで、自分を満たすとはどいうことかについてまとめています。これを読んだ方に何か気づきを与えられたら幸いです。

※ この記事は「愛するための4つの力~他者貢献による感謝と勇気の循環~」のつづきです。未読の方は、先にこちらをお読みください。その方が理解が深まります。

https://library.libecity.com/articles/01JVKV09V87XS96BFT5TYPBTA4

自分を満たす

満ち足りた状態

「自分を満たす力」を発揮するためには、満ち足りた状態を知る必要がある。「満ち足りた状態」が大事なのは分かるけれど、どういった感覚で、その感覚にどうやってなればよいのかは理解が難しいと思う。


まず、満ち足りた状態を理解するために、次のことをイメージしてもらいたい。あなたはお猿さんで、一日3本バナナが必ず支給される。一回の食事でバナナを1本食べてお腹一杯となり、2本目は食べられない。そして、一日三回食事をする。この時、お腹を空かせた他のお猿さんが来た際、バナナを一本分け与えると、自分は今まで一日3本食べていたバナナが2本に減ってしまう。満腹とならず、常に少し空腹の状態となってしまう。これが一回だけ、短期間だけであれば我慢できるが、これが続くと多分耐えきれなくなるだろう。最終的に「あげた分、利子をつけて返せ!」となるのではないだろうか?


次に、同じ条件だけれど、一日10本バナナが必ず支給される場合はどうだろうか?一日3本食べれば満足できるので、7本余っている。そして、食べきれないバナナはいずれ腐ってしまう。この時、他のお猿さんが来てバナナを分け与えたとしても、心理的なダメージは極端に少ないのではないだろうか?むしろ腐る前にもらってほしいと思うのではないだろうか?この時の感覚がおそらく満ち足りた状態の感覚だと考える。


これは人間の心の場合は、愛情と勇気に置き換えられる。愛情と勇気が満タンかそれ以上存在している場合、他者へ愛情や勇気を分け与えたとしても、見返りなんて必要にならない。


結論、満ち足りた状態とは、「①自分が幸せであると感じられる状態」であり、「②勇気が湧いている状態」である。満ち足りた状態になれば、求める心が減り、与える喜びを知る。「愛する」上でも一番必要な力である。


幸せとは?

「①自分が幸せであると感じられる状態」になるためには、まず、幸せとは何かを知る必要がある。科学的には人が幸福を感じているときには、脳内で特定のホルモンが分泌されていることが分かっている。価値観によって人の幸福の定義は変わってしまうが、最終的に分泌される脳内ホルモンの種類は同じです。それは次の3つである。

・セロトニン :心と体の健康から感じる幸福感(個人)

・オキシトシン :他者との交流やつながりから感じる幸福感(友達・家族)

・ドーパミン :成功や達成した際の高揚感を感じる幸福感(仕事・スポーツ)

まずは、幸せのベースとなるのが個人の感覚から分泌されるセロトニンである。これは、体調が良くて気分がよい、夜風が気持ちよい、お風呂が気持ちよいなど、個人の感覚からくる幸福感である。先に述べた「①自分が幸せであると感じられている状態」は、このセロトニンが十分に分泌されている状態である。

01.png図:セロトニン的幸福


続いて、他者との触れ合いを通して分泌されるオキシトシンである。友人との楽しい時間、夫婦関係や親子関係等のスキンシップ、ペットとの触れ合いなどで感じられる幸福感である。先に述べた「②勇気が湧いている状態」は、このオキシトシンが十分に分泌されている状態である。

02.png図‎:オキシトシン的幸福

最後に、何かを得たり、達成した喜びを感じた際に分泌されるドーパミンである。目標の達成、物欲、金銭欲、名誉欲、食欲、性欲、娯楽、SNSでのフォローやいいね、賞賛などで感じられる幸福感である。情熱や野心が湧いている状態は、このドーパミンが沢山分泌されている状態である。

03.png図:ドーパミン的幸福

幸福感を最大化する際には、三つのホルモンの優先順位に気を付けてほしい。ベースとなるのはセロトニンである。まず個人として幸福感を高める。これは「①自分を満たす力」につながる。続いて、オキシトシンである。これは他者との関係性構築の観点から、「②他者を受け入れる力」「③他者へ貢献する力」につながる。そして最後が、ドーパミンである。ドーパミンは依存性が高いため、取扱いには注意が必要である。

04.png図‎:幸福感の正体

一方で、やる気を出したり挑戦する際には、ドーパミンは非常に有効であるため、上手く調整するようにしたい。また、この上手く調整するためにもセロトニンとオキシトシンが重要である。これら二つのホルモンは、ドーパミンのコントロールを手助けしてくれる役割があると言われている。そのため、この優先順位が非常に重要である。注意のポイントについては、‎3.4.3幸福ホルモンの注意点にて詳しく説明する。


幸せの感度を上げる

現代人は皆、贅沢病にかかっているように思える。SNSなどで他者と簡単に比較できるようになってしまったため、よりよい生活を羨ましく思うようになっている。しかしよく考えてみると、毎日おいしいご飯が食べられる。健康な体がある。仕事がある。仲間がいる。家族がいる。ペットがいる。特に毎日が特別な経験をしなくても、それだけでもありがたいことである。空から爆弾が降ってくるわけでもなく、夜道を歩いても誘拐されるリスクも少ない。安全な水道水もあり、夜中でも営業しているコンビニもある。スマホを開けば永遠に時間をつぶせる。Netflixなどを契約すれば、一生動画コンテンツに困ることはないだろう。しかも格安である。にもかかわらず、その今ある幸せを見ずに、SNSの他人のキラキラした体験を見て羨ましくなっている。それは自分の内面からくる欲望ではなく、相手に思わされているまがい物の欲望であることにいい加減に気づいた方が良い。本書を読んでいる人の中で、他人が羨ましいという感情を持っている人は、今ある幸せをかみしめることを強くお勧めする。自分を満たす力が高ければ相手を羨ましいと感じることは極端に少なくなる。


今ある幸せをかみしめる(幸せの感度を上げる)には、セロトニン、オキシトシンを分泌する環境を整えることが有効である。また、日ごろから受け取っている物事に目を向け意識的に感謝することも有効である。ただし、ドーパミンだけは危険であるため注意が必要である。限界効用の逓減により、もっともっと欲しくなる。ギャンブル等の中毒はこれが原因である。限界効用の逓減については、別途‎3.4.3幸福ホルモンの注意点説明する。


幸せの感度を上げる方法

セロトニン的幸福

セロトニン的幸福は、次の方法で増やすことができる。

・朝日を浴びる

・リズム運動

・小さな幸せに気づく、感謝する

朝散歩や幸せの日記を書くことがお勧め。

05.pngオキシトシン的幸福

オキシトシン的幸福は次の方法で増やすことができる。

・他人に親切にする

・猫(動物)を愛でる

・他者に貢献できていると感じる

・スキンシップ

仲間との時間、家族との時間を増やすことがお勧め。

06.png

幸福ホルモンの注意点

セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福は、今ある幸せに気づくことがとても重要である。また、気づいてもそれを維持して失わない努力が必要である。セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福は、時間がたつにつれて当たり前となってしまうため、非常に注意が必要である。そのためにも、今あるものに対して日ごろから常に感謝をし続けることが有効である。


セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福は、脳内ホルモンを調整したりコントロールする働きがあるとされる。逆に、この二つが少ない状態でドーパミン的幸福を得ると、コントロールしづらくなり、「もっともっと」と欲しい気持ちを抑えきれなくなってしまうので注意が必要である。


幸福には短期的な幸福と長期的な幸福がある。短期的な幸福は、ドーパミン的幸福であり、幸福感は大きいが持続性が低い。また、限界効用の逓減が存在し、同じ量の資源を使っても、得られる利益がどんどん減っていく。逆に、最初と同じ利益を得るためには、膨大な量の資源が必要となる。

一方で、長期的な幸福感はセロトニン・オキシトシン的幸福で、幸福感の大きさは小さめだが、限界効用の逓減が発生しにくい性質がある。そのため、依存度も低い傾向にある。積み重ねることで長期的に高い幸福感を維持することができる。目先のドーパミン的幸福よりも、長期的な目線で、セロトニン・オキシトシン的幸福を高めていくことが幸せに近づく秘訣である。 07.png図‎:限界効用の逓減


相手を承認する行為に対しても、方法によってドーパミン的承認とオキシトシン的承認に分かれる。例えば、結果にフォーカスして褒める行為はドーパミン的承認であるが、プロセスにフォーカスして相手を勇気づける行為はオキシトシン的承認となる。08.png図‎:承認の種類

娯楽に関しても、受動的な娯楽と能動的に娯楽に分けられる。受動的な娯楽はドーパミンを発生させて依存度が高いため、避けることを推奨する。能動的な娯楽は幸福感も上がり、ストレス軽減効果もあるため、率先して行うとよい。二つの違いについて、次の図で表す。

09.png図: 娯楽の種類

より幸福度を上げたいのであれば、長期的な幸福を意識して、承認する際にはオキシトシン的小児を行い、娯楽は能動的な娯楽を意識して生活するとよい。

自己肯定感と勇気の関係性

自己肯定感には関連ワードがいくつかあるのでイメージをまとめておこうと思う。自己肯定感を分解すると次の④つに分解できると考える。

自尊感情 :自分には価値があるという感覚

自己効力感:自分でできる気がする感覚

自己有用感:自分が役に立っている感覚

自己受容 :自分を受け入れいれる状態主に自己肯定感と呼ばれるのは①②③で、自己理解を深めて①②③をどんどん高めていくと④の自己受容に至る。


また、自己肯定感が高い状態は、勇気が湧いている状態と理解して問題ないです。集団において、自分には価値があると思えているとき勇気が湧いてきます。つまりその状態とは①②③が高い状態と言えます。あくまでも「感」である点がポイントで、実際役に立っているかは関係がない点が面白いところです。

10.png図: 自己受容

勇気を湧かせる方法(勇気づけ)

「②勇気が湧いている状態」になるためには、勇気とは何か?どうやったら勇気が湧くか?何をしたら勇気をくじいてしまうのか?を知る必要がある。この勇気付けを意識するだけで、人間関係は劇的に良くなる。ぜひ理解して勇気付けを日常生活に取り入れてほしい。

結論として、勇気が湧く接し方は以下のとおりである。

・横の関係を構築し、上下関係を生じさせない接し方

・成長をアシストするような接し方

・気持ちを落とさない、心を汚さない接し方

・貢献、協力、感謝する接し方

・尊敬、ありのままを受け入れる接し方

これらの接し方を実践することで、集団においてあなたは価値がある人間だと相手に感じさせることができる。それによってオキシトシン的幸福が高まり、優位が湧いた状態となる。続いては、これらの接し方のポイントについてもう少し詳しく説明する。


勇気が湧く流れは次のとおりである。

①集団において自分が役に立っていると感じる。

(少なくともピラミッドの低い位置にはいないと感じる)

②自分には価値があると感じる。

③勇気が湧く


続いて、勇気づけと勇気くじきの違いについて「図‎3.6勇気づけと勇気くじき」に示す。

同じ意味を伝える際にも、この表を基に、勇気くじきにならないように注意したい。

11.png図‎: 勇気づけと勇気くじき

勇気づけのベースは「あなたのことが大切ですと伝える」こと。あなたには価値があるので、私は集団においてあなたを大切にしていますよと伝わる言動をすることで、相手は勇気が湧く。この時、伝え方には注意したい。

「図: 伝え方」を見てほしい。この表にある通り、伝わる伝え方で相手と接したい。NGの伝え方としては、要求を伝えず、相手を傷つけない我慢の伝え方。これは、自分がいつか不満が爆発する。そして、自分の勇気がくじかれる。要求を伝えず、相手を傷つける嫌味な伝え方。要求を伝えて、相手を傷つける責める伝え方。相手を傷つける時点でどうかしているとしか思えない伝え方である。そうではなく、要求を伝え、相手を傷つけな伝わる伝え方を日常的に使うようにしたい。この伝え方をすれば、相手の勇気をくじくことはない。

12.png図: 伝え方

更に、コミュニケーションにおいて重要なのが、お互いの「見えない欠落」を理解することである。一般的には普通にできるけど、自分にはどうしてもできない特性。相手に勇気くじきになりうる特性は予め伝える必要がある。また、相手も同じように特性を持っている前提で話をすることが大切である。

「見えない欠落」は見えないため、まず自覚するために自己理解がとても重要となる。もう一つが、先ほどの自分の要求を伝えつつ、相手を傷つけないように言語化して伝えることである。見えない欠落は理解を得にくいため根気強く誠実な態度で接し続ける必要がある。


最後に、褒めると勇気づけの違いは以下の図の通りである。使い方が違うため、用との応じて使い分けるとよい。

13.png図:褒めると勇気づけの違い


人はなぜ利他で幸福を感じるのか?

利他をすると基本的には他者に感謝される。感謝は「私はあなたに助けていただきました」という意思表示であり、意思表示を受け取った人間は、助けることができる人を集団の中で「価値がある存在」と認識する。その結果、自己肯定感が上がり、勇気が湧いてくる。

勇気があると人はリスクを取って主体的に行動できるようになる。これは裏切られるかもしれない、見返りがないかもしれない、という不安を克服しやすくなるためである。主体的に利他ができるようになれば、勇気のスパイラルが無限に繰り返され、どんどん勇気が大きくなっていく。


先ほど、勇気はオキシトシン的幸福が高い状態と同一とお話した通り、勇気と感謝の無限ループに入れば、どんどん幸福ホルモンで満ちることで幸福を感じやすくなる。

14.png図: 勇気と感謝の無限ループ

関連記事

愛するための4つの力については、別途記事を書いていく予定です。

 ① 自分を満たす力

https://library.libecity.com/articles/01JVKX307MPDYB9XD1T5ETJJ7B

 ② 他者を受け入れる力

https://library.libecity.com/articles/01JVM10MBHJCJQ58R8HCGX9RSZ

 ③ 他者に貢献する力

https://library.libecity.com/articles/01JVM1NTMVECTFXN4P0WNMCB6W

 ④ 心をクリーンに保つ力

https://library.libecity.com/articles/01JVKYRRSEJMA2567TFCQ979X5

ブックマークに追加した記事は、ブックマーク一覧ページで確認することができます。
あとから読み返したい時に便利です。

チャコ@ダイエット中

投稿者情報

チャコ@ダイエット中

トラ会員

この記事に、いいねを送ろう! 参考になった記事に、
気軽にいいねを送れるようになりました!
この記事のレビュー(0

まだレビューはありません