• 投稿日:2025/05/19
  • 更新日:2025/10/04
愛するための4つの力~心をクリーンに保つ力~

愛するための4つの力~心をクリーンに保つ力~

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チャコ@ダイエット中

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要約
この記事は「愛するための4つの力~他者貢献による感謝と勇気の循環~」のつづきで、心を平穏に保つための考え方をまとめています。これを読んだ方に何か気づきを与えられたら幸いです。

※ この記事は「愛するための4つの力~他者貢献による感謝と勇気の循環~」のつづきです。未読の方は、先にこちらをお読みください。その方が理解が深まります。

https://library.libecity.com/articles/01JVKV09V87XS96BFT5TYPBTA4

心をクリーンに保つ

「愛する」価値観へ成長するためには「①自分を満たす力」「②他者を受け入れる力」「③他者に貢献する力」のサイクルを回していく必要がある。しかし、その際に大きな壁となるのが、「生き延びたい」「死を避けたい」という機能からの「他者と比べて優れた点を追求すること」「自分が劣っていることが明確になることを避けること」という人間の本能である。この本能のおかげで心にはモヤモヤが発生する。このモヤモヤを取り除くためには、心の仕組みを知り、モヤモヤの正体を突き止め、心をコントロールする必要がある。モヤモヤをなくすことで意欲(モチベーション)を上げることにもつながる。さらに、自分の感情と正直に向き合う必要があるため、判断しない価値観を育てる助けにもなる。ここではそんな「④心をクリーンに保つ力」を高めるための考え方を紹介する。


心の反応

心の反応を「図‎:心の反応」に示す。人は他者や環境からの情報を体のセンサー(五感:視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚)を通じて体内に取り込む。その体内に取り込んだ情報を元に「心」が自動的に反応し、感覚、感情、思考、意欲へ意識を振り分けて使っている。

21.png図‎:心の反応

この反応は、人それぞれの心の癖によって結果が異なる。同じものを見たり体験したとしても、全員が同じ感情や思考を抱くことはない。また、良し悪しの判断も人それぞれで違いが生じる。この心の癖は、価値観とも呼ばれる。


この心の癖は、感情の蓄積によって作られ、毎日変化し続ける。良い感情を多く使えば、その感情が出やすくなり、逆に、良くない感情を多く使うと、その感情が出やすくなる。長年ネガティブな発言や感情を続けていくと、この心の癖が深くなる。年を取るほど性格に偏りが生じるのはこのためである。

そのため、良くない感情をできるだけ発生させないようにすることで、心をクリーンに保つことができる。

良くない感情(怒りと妄想)

心の反応を通して発生する感情の中には、良くない感情が二つある。一つは怒り、もう一つは妄想である。また、欲求を含めて掛け合わされることで、さまざまな良くない感情を生み出す。ここでは、良くない感情について理解を深める。


まず、怒りについて紹介する。怒りは攻撃的な感情であり、他者に怒りをぶつけることで、ぶつけた側は快感を得る。これは、怒りをぶつけることで強制的に縦の関係(上下関係)を作り出し、相手を従わせることで、誰かの上に立てば、排除されるリスクが減ると感じるため、心地よさを感じてしまう。これは、「生き延びたい」「死を避けたい」という機能からの「他者と比べて優れた点を追求すること」「自分が劣っていることが明確になることを避けること」が関係している。


怒りは縦の関係を作り出し、心地よさを感じてしまう点から心の癖になり易い。また、同じ理由から、愛することができない人が使用する一番チープなコミュニケーション方法と言える。相手を受け入れる力がなく、自分も満たされない状態で相手を説得する最悪なコミュニケーションである。良い人間関係を作りたいのであれば怒りは不要である。


怒りはとても扱いが難しい感情で、一度爆発した怒りを抑えることは無理だと思った方がよい。そのため、対策としては、そもそも発生させないことが重要である。心の癖が深くついてしまうと反射的に怒り易くなってしまうので、日ごろから心の癖を整えることが非常に重要である。


怒りの特徴として二次的な感情であることがあげられる。二次的というのは、この怒りの前に感じている一次的な感情があることを指す。怒りは、自分を蔑ろにされた悲しみや、寂しい気持ち、自分が劣っていることが明確になることの恐怖などから発生する。つまり、怒りを発生させないためには、その前に発生した感情を対処する必要がある。また、怒りを使ったコミュニケーションをされた際は、一時感情を解決してあげると解決しやすい。


次に、妄想について紹介する。まず妄想とは、自分の頭の中で考えていることすべてのこと。特に、自分でコントロールできないモノに対してあれやこれや考えることに要注意。例えば、未来について考えて不安になること、現在について考えてイライラすること、過去のことを考えて後悔することなどが挙げられる。


妄想は主に逃避的な感情であり、自己否定や不安から逃れたい気持ちである。また、○○であるべき、きっと○○だろうなど、マインドブロックによる判断も自分の頭の中で考えていることなので、この妄想に分類される。妄想も元をたどれば「生き延びたい」「死を避けたい」という機能からくる逃避的な感情であり、「他者と比べて優れた点を追求すること」「自分が劣っていることが明確になることを避けること」からくる自分勝手な「判断」が原因である。価値観も大きく影響するため、少しずつ価値観を整えることで、妄想は抑えることができる。


怒りと妄想、欲求は組み合わさることで、次のような良くない感情を生み出す。

・妄想(未来)+欲求      =貪欲

・妄想(過去)+欲求      =未練

・怒り    +欲求(承認欲求)=傲慢

・怒り    +妄想(過去)  =後悔

欲求は人が生きていく中で出てく感情であるため、止めることは難しい。そのため、怒りと妄想を抑えることで、これらの良くない感情も抑えていくことができる。


愛するための4つの力を育てていく際、必ず大量の怒りや妄想と戦うこととなる。○○してあげたのに、相手はやってくれないという「怒り」、自分はこれだけあなたのことを思っているのに、相手は自分の事を思ってくれていないという「妄想」など。これら怒りと妄想を心の反応から少なくして、心の癖を取り除き、心を常にクリーンな心を保つことが必要となる。


心をクリーンに保つ方法

心は常に外部や内部からの情報を得て反応し続けている。つまり、止まることなく心の癖がつき続けるということになる。先ほど述べた怒りや妄想が多い状態だと、常に心がそれらに支配されて、心の癖がどんどん深くなってしまう。心の癖が重症化すると、執着や業といった取り返しがつかない状況にまで発展する。

執着は、何かに強く反応しやすくなっている状態で、すぐに強い反応が発生する。これが繰り返されると業となり、ちょっとしたことでも怒りのような感情が湧く状態になる。

これらを回避することこそ、クリーンな心を保つことである。心の癖の整え方については、別の記事で「価値観の育て方」として説明する。


怒りや妄想の原因は、心の癖による善悪の「判断」である。ある事象に対して自動的に快不快、善悪をジャッジすることで、怒りや妄想が湧く。不快や悪と感じなければ、そもそもこうした感情は湧かなくなる。この状態を心がクリーンな状態という。心をクリーンに保つ方法を三つ紹介する。


そもそも怒りや妄想を発生させない(判断しない)

心の仕組みや判断しないための考え方を学び、日常的に使えるようにすることで、判断しない性格を作り上げる。長い時間が必要となるが、これができるようになると世界が劇的に明るく見える。判断しない考え方についてくは「‎5.1判断しない思考」で詳しくお伝えする。


意識のエネルギーを分散させる

人の意識は、感覚、感情、思考、意欲へ使われている。意識の分配率は状況や考え方、心の癖によって変わってくる。怒りを感じるときは、感情にほとんどの意識を持っていかれるし、悩みがあると思考にすべて持っていかれる。意欲も低下し、他のことを考える余裕がなくなるのはそのためである。この状態から抜け出すためには、一旦感覚へ意識をすべて集中させることが効果的です。この感覚への意識の集中をマインドフルネスと呼ぶことが多い。感情や思考に強制的に使われている意識のエネルギーを強制的にすべて感覚へもっていくことで、暴走している感情や思考を一時的に抑える方法です。一時的に抑えることで、モヤモヤした感情や反芻する思考を制御しやすくなります。意識を自分でコントロールして分配できるようになれば、感情や思考に囚われずに、良い判断ができるようになる。

この意識の集中化(マインドフルネス)は感覚でなくても思考でも成立する。感情の前に思考を挟むことで自分を制御することも可能。特に、内省が得意な方は、こちらの方がやり易いかもしれない。


不要な感情を頭の外へ出す

不安なことで頭がいっぱいになったときにはマインドフルネス以外にジャーナリングがお勧めである。これは、頭の中にある言葉をすべて紙に書き出すというもの。きれいに書く必要はなく、出てきた言葉をすべて書き出すことが重要となる。これを行うことで、頭の片隅にずっとモヤモヤしていた感情や思考が目に見える形になる。

理屈は先ほどの説明と重複するが、書き出すことで、常に頭の中で保存しておく必要がなくなるため、また、考え続ける必要がなくなる。これにより、意識のエネルギーの節約になり、考えるべき思考に意識のエネルギーを使うことができ、客観的に情報を理解することができる。



感覚、感情、思考、意欲、意識の関係性

感覚、感情、思考、意欲には優先順位がある。体が痛い状態だとポジティブな感情は生まれにくい。ネガティブな感情がいっぱいの状態では、ポジティブな思考は生まれにくい。悩みで思考が反芻し続けている状態では、意欲は湧かない。このように、感覚→感情→思考→意欲の順番が存在する。(図‎:意識の優先順位 参照)

心地の良い状態、体調が良い状態を維持することでポジティブな感情は出やすくなる。感情がポジティブだと思考もポジティブになり易い。常にポジティブな思考でいれば、自然と意欲が湧いてくる。常に意欲まで意識のエネルギーを到達させることを意識することで、毎日ご機嫌に過ごすことができる。また、様々な自己啓発本でポジティブ思考が取り上げられているが、根本の原理はこれである。また、マインドフルネスで瞑想が使われるのは感覚の優先順位が高いためである。

思考に意識を使えないと人は物事を深く考えることができなくなるため、目先の利益を取りに行く傾向がある。典型的な例が、スマホに意識を取られてゲームをしたり、ずっと動画見たりSNSを見てしまうこと。誰しも経験はあるのではないだろうか?この時の自分の状態を分析してみると、おそらく体が疲れている(感覚がネガティブ)もしくは、モヤモヤがある(感情・思考がネガティブ)状態ではないだろうか?先ほどお伝えした、心をクリーンに保つ方法を実践することで、こうした状態を回避し、心の癖がつきにくい状態を作っていきたい。

22.png図‎:意識の優先順位


ネガティブ感情

ここでは、ネガティブ感情の理解を深めることで、コントロールする術を学んでもらう。

不安

不安は「生き延びたい」「死を避けたい」という機能から発生する心の正常な働きである。未来を想像して危険から回避するためのとても重要な感情で、不安を理解するために重要なポイントが2つある。

不安を抱くことは人として正常である点。知識や智慧があるほど不安は大きくなる。なぜなら、未来の不確定要素をたくさん想像できるからである。

不安は必ず未来のことを妄想して発生する点。不確定なことに対してより強さが増す傾向にある。


対策は簡単で、不確定を確定させてやればよい。つまり、迷っているならやっちゃう。この時必要なのはちょっとした「勇気」だけです。そのため、「①自分を満たす力」が重要となってきます。(満ちた状態=幸福感と勇気であふれている状態であるため。)


とある研究では、癌かもしれない状態の患者の不安の大きさは、癌と診断された患者よりも大きいとされる。そして、癌かもしれない患者が癌だと診断が確定したとき、不安が小さくなった。これは、かもしれないという不確定な事実に対して不安を大きく感じることを示している。不安は正常なので、不安を感じたら未確定事項を洗い出して確定させると不安はなくなる。


ストレス

ストレスも「生き延びたい」「死を避けたい」という機能から発生する心の正常な働きである。今起きている事象を回避するためのとても重要な感情。ポイントとしては、未来や過去ではなく、現在という点である。


ストレスは自分がやりたくてもできない状態のときに発生する。業務が多いからストレスを感じるわけではなく、本当に自分がやりたいことがやれないことに対してイライラを感じる。例えば、自分に決定権がない、部下がゆうことを聞かない、上司が分かってくれないなど。逆に、自分に決定権があり、部下が言うことを聞いてくれて、物分かりが良い上司の元で働ければストレスなく、楽しく働けることだろう。


自分がやりたくてもできない状態というのは、「生殺与奪の権利を相手に与えている」とも考えらえれる。例えば、本当はやりたいことがあるけれど、仕事を辞めると収入がなくなる、家のローンが返せない、家族を養えなくなると感じるなど。


自分がやりたくてもできない状態に関連して、時間が関係するとよりストレスを感じやすくなる。例えば、自分は簡単にできちゃうけど、時間をかけて非効率に仕事をしている人をイライラしたり、時間がない時に子供がもたもたしているときにイライラを感じてしまう。ストレスもこうあるべきとか、時間が勿体ないなどの妄想がはたらいています。


③トラウマ・後悔

厳しいようですが、トラウマは存在しない。なぜなら、過去の記憶は自分が改ざんした勝手な妄想だから。本当にそれが事実だったのかは、もうだれにもわからない。そのトラウマによって、あなたは何かを回避できているはず。回避することを目的に作られた妄想がトラウマの正体である。この回避も「生き延びたい」「死を避けたい」という機能から発生する。


また、後悔は、失敗もそれがなければ今の自分はないと、自分の過去の意味づけを変えてやることで解決することができる。同様の内容を別の表現で伝えている話を二つ紹介する。


一つ目は、スティーブ・ジョブズのコネクティング・ザ・ドッツである。ジョブズは、未来を見据えて点と点をつなぐことはできないが、過去を振り返ることで点と点をつなぐことができると述べた。彼は大学を中退した後、カリグラフィー(書道)の授業に興味を持ち、その授業が後にMacのフォントデザインに大きな影響を与えたことを例に挙げた。

ジョブズのメッセージは、現在の経験が将来どのように役立つかはわからないが、直感や好奇心を信じて行動することが重要であるということである。彼は、点と点が将来どこかでつながると信じることが、自分の心に従って行動する自信を与えると述べた。


二つ目は、「人間万事塞翁が馬」ということわざである。

ある村に賢い老人(塞翁)が住んでいた。ある日、彼の馬が逃げてしまい、村人たちは不幸だと嘆いた。しかし、塞翁は「このことが幸運か不運かは分からない」と言った。

しばらくして、その逃げた馬が数頭の野生の馬を連れて戻ってきた。村人たちは喜んだが、塞翁は「このことが幸運か不運かは分からない」と言った。

その後、塞翁の息子がその馬に乗っているときに落馬し、足を折ってしまった。村人たちは再び嘆いたが、塞翁は「このことが幸運か不運かは分からない」と言った。

さらにしばらくして、戦争が起こり、多くの若者が徴兵されたが、足を骨折していた塞翁の息子だけが徴兵を免れた。


過去の出来事がいい事なのか、悪い事なのかが分かるのは死の直前で振り返ったときにしか答え合わせできない。そう考えると、すべては「コネクティング・ザ・ドッツ」「人間万事塞翁が馬」と思って取り組んだ方が物事は楽しくなるだろう。

関連記事

愛するための4つの力については、別途記事を書いていく予定です。

 ① 自分を満たす力

https://library.libecity.com/articles/01JVKX307MPDYB9XD1T5ETJJ7B

 ② 他者を受け入れる力

https://library.libecity.com/articles/01JVM10MBHJCJQ58R8HCGX9RSZ

 ③ 他者に貢献する力

https://library.libecity.com/articles/01JVM1NTMVECTFXN4P0WNMCB6W

 ④ 心をクリーンに保つ力

https://library.libecity.com/articles/01JVKYRRSEJMA2567TFCQ979X5

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