- 投稿日:2025/09/06
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はマルコム・グラッドウェル著『急に売れ始めるにはワケがある』2007年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
「なぜ、急にあの商品が流行りだしたのか?」
「自分の商品もあんなふうに売れてほしい」
そんな疑問を抱いたことはきっとあるだろう。
今回紹介するのは、流行を“感染症”と捉え、そのメカニズムを解き明かしたマーケティングの名著。
流行のきっかけは、偶然ではなく、仕組みで生み出すことができるという。
2007年の文庫本版である。
2000年出版の原題は「The Tipping Point」(ティッピング・ポイント)とは次のような意味である。
あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間のこと。
ある時点を境に、物事が爆発的に拡がる“ティッピング・ポイント”が存在する。
ここを見極め、うまく利用できれば、あなたの商品やメッセージもブームになる可能性がある。
今風にいうなら、”バズる”といったところか?
私の記事もバズってほしいものだ(笑)
まぁ、そんなことを言っているからバズらないのだろう。
ちなみに、「バズ」とは、英語の「buzz」が語源で、「人々がざわめく様子」を意味する。
本書はある発想をめぐる伝記であり、その発想はじつに単純なものである。
たとえば、それまで知られていなかった本が一躍ベストセラーになる現象や十代の喫煙率の上昇、あるいは口コミによる伝播、あるいは日常生活上の不可思議な変化理解するには、それを伝染病のようなものとして考えるのが一番だということである。
アイディア、製品、メッセージ、行動などはウィルスのように広がっていくのである。
マルコム・グラッドウェル著『急に売れ始めるにはワケがある』
話を戻すと、モノが一気に流行る現象を人の行動原理から解明する1冊となっている。
タピオカ、インディーズ映画『カメラを止めるな!』など、経緯や意図はわからないが、世の中には気がつくとなぜか流行っているモノがある。
このようなブームは感染症と共通のパターンがあるという。
✅ 流行はウイルスのように拡がる構造を持つ
✅ 少数の人が爆発的な広がりをつくり出す
✅ 伝え方・環境で人は動くようになる
『急に売れ始めるにはワケがある』
3つの要素が組み合わさって、あなたの商品は急に広まる。
「少数者の法則」:少数の人間がブームを生み出す
「少数者の法則」ともいわれ、影響は驚くほど少数の人間から広がっていく。
流行をつくるのはごく少数の特殊な人物で3種類いる。
❶社交性で人をつなげる「コネクター」
コネクターは「弱いつながり」を実に多くもつ。
クチコミがどこかでコネクターの口を経ると一気に拡がる。
しかし、コネクターは情報を知らない。
❷知識を拡げる「メイヴン」
ちなみに、メイヴン〈Maven〉とはイディッシュ語で「知識を蓄えている人」という意味。
メイヴンは他人の問題を解決することに生きがいを感じる。
新しいITガジェットやいい製品が発売されたら真っ先に購入してしまうタイプ。
利害を離れた専門的な意見をもつので説得力が強い。
口コミは誰が言っても影響されるわけではなく、小さな専門家に言われた方が説得力がある。
しかしコネクターとメイヴンだけでは、人はなかなか動かない。
❸説得力で背中を押す「セールスマン」
カリスマ性があり、催眠術師のように強力な説得力をもち、相手をその気にさせる。
「これはいいよ」という感情は感染しやすいが、セールスマンは会話の流れを支配し、自分の感情を聞き手に感染させる。
今風にいうと、インフルエンサーとも呼ばれる。
⇒ 影響力を持つ“3タイプ”が鍵。
⇒ 3人ではなく、3タイプが揃うことが重要。
飯田祐基著「バズる動画・ライブ配信 確実に拡散するしくみ インフルエンサーマーケティングの基本がわかる本」
拡散は、視聴者が口コミで広げる「告広」が基本。
「告広」は告げた結果、広がること。
つまり、個人の口コミで情報が広がること。
起こそうとする場合、有名なインフルエンサーに商品を紹介してもらう「案件」となる。
補足:YouTubeの案件とは、企業がYouTuberに自社の商品やサービスを宣伝してもらうマーケティング手法。
企業からプロモーション費用や自社商品などの報酬を受け取り、その対価として動画で商品やサービスを宣伝する。
インフルエンサーは特定のターゲットを狙うのに重要。
これを「インフルエンサーマーケティング」という。
野沢慎司著『リーディングス ネットワーク論―家族・コミュニティ・社会関係資本』
人とのつながりに関する基本論文集。
有名なのが、人は平均5人の仲介でつながる。(スモール・ワールド現象)
つまり、世間は狭い。
さらに、流行するためにはメッセージ内容も重要な役割を果たす。
「粘りの要素」:記憶に残る情報が人を動かす
広がる確率を増やすには、役に立つこと、面白いことを何度も行う必要がある。
本書では、粘りの要素として、モノが流行るにはメッセージが人の記憶に粘りつく必要があると語る。
「白熊のことを絶対考えるな」と強く語りかけるようなものだ。
アル・ライズ、ジャック・トラウト著『ポジショニング戦略[新版]』でいう、「顧客の脳内に特別な場所を確保」することである。
まず、顧客の脳内の理解しなければならない。
マーケティングでは「覚えてもらうには最低、広告を6回繰り返せ」と言われるが、膨大なお金がかかる。
SNSのショート動画で複数繰り返すにも限度がある。
いくつかのバージョンを変えたりしても良いが、適切な頻度でなければ、スパムと変わらない。
メッセージを粘り強くする安上がりな方法としては、実践的なアドバイスを加えることである。
「役に立った」、「ためになった」、「誰かとこの情報を共有したい」
つまり、「顧客志向」の宣伝が望まれる。
為になるライフハックや面白いものの方が拡散されやすいのはなんとなく理解できるだろう。
⇒ メッセージは“粘り強く”伝えよう。
⇒ ただ恐怖を煽るだけでは人は動かない。
具体的な行動に結びつくよう情報を工夫すると、驚くほど反応は変わる。
情報の“見せ方”が行動を生むカギである。
「知らないと損する」
「知らないとヤバイ!?」
といった煽り文句はまさに不安をあおっている。
しかし、”デマ”や”言い過ぎ”であれば、すぐさま排除される対象になる。
そして、最後の一押しが”背景”である。
「背景の力」:背景を整えると行動が変わる
「何をしても良い」と思われる環境では、人を犯罪へ向かわせる。
本書では、背景の力を活かしているとも語られる。
流行るかどうかは、時期と場所の条件や状態で大きく変わるというのが背景の力。
犯罪の抑制にも環境や背景の力が働く。
1980年代後半のニューヨークは物騒な犯罪都市だった。
特に地下鉄は荒れ放題・落書きだらけ・犯罪多発ゾーン。
「地下鉄は危険だ。絶対に乗るな」と注意喚起するほどだった。
ニューヨークの犯罪を減らそうときっかけになったのが「割れた窓理論」である。
補足
割れ窓理論(ブロークンウィンドウ理論)とは、軽微な問題や秩序の乱れを放置すると、それがエスカレートしてより深刻な問題や犯罪を引き起こすという社会学の理論。
至るところで窓ガラスが割れている無法地帯の雰囲気は「ここでは何をしてもいい」と思わせて犯罪を誘発すると考え、地下鉄の落書きや軽犯罪を徹底的に取り締まった。
落書きされても毎日その上から何度も塗り潰す。
「落書きは絶対許さない」という強いメッセージを伝え、無賃乗車も厳しく罰した。
この戦略を活用して、ニューヨーク市全体で展開して犯罪は激減した。
⇒ 環境を変えるだけで人は動く。
⇒ 背景の整備が人々の行動に劇的な変化をもたらす。
⇒ 小さな変化が大きな変化を生む。
つまり、本当の問題は実は些細なことにある。
うまくいかないと思ったときは小さな変化を試してみること。
もちろん、もっと見られなくなることもあるのが難しいところである。
まとめ
✅ 流行はウイルスのように拡がる構造を持つ
✅ 少数の人が爆発的な広がりをつくり出す
✅ 伝え方・環境で人は動くようになる
⇒「流行には仕掛けがある」
⇒ 急激な変化には“敷居”がある。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆