- 投稿日:2025/10/04

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はナシーム・ニコラス・タレブ 著『ブラック・スワン』2009年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ナシーム・ニコラス・タレブ
出典:Amazonのプロフィールより
文芸評論家、実証主義者にして、非情のデリバティブ・トレーダー。レバノンでギリシャ正教の一家に生まれる。ウォートン・スクールMBA修了。博士号はパリ大学で取得。トレーディングを行うかたわら、ニューヨーク大学クーラン数理科学研究所で7年にわたり確率論のリスク管理への応用を(客員教授の立場で)教えた。現在はマサチューセッツ大学アマースト校で学長選任教授として不確実性科学を研究している。前著『まぐれ』は世界30ヵ国語に翻訳されたベストセラーである。主にニューヨーク在住。
ブラック・スワン(黒い白鳥)
かつて「白鳥は白い」は常識だったが、オーストラリアで黒い白鳥が発見された。
このことから転じて、金融市場や社会において、事前にほとんど予測できず、発生した時の衝撃が大きい出来事を指す。
ちなみについ最近(2025年6月)
ブラック・スワン(黒鳥)は北海道で確認された。
日本名は「コクチョウ」で全身真っ黒でくちばしは鮮やかな赤と白。
可愛くもかっこいい姿をしている。
参考外部サイト
https://www.fnn.jp/articles/-/893849?display=full
https://www.youtube.com/watch?v=0R-j2KcDl68
ブラック·スワン(黒い白鳥)とは、まずありえない事象のことであり、次の三つの特徴を持つ。 予測できないこと、非常に強い衝撃を与えること、そして、いったん起こってしまうと、いかにもそれらしい説明がでっち上げられ、実際よりも偶然には見えなくなったり、あらかじめわかっていたように思えたりすることだ。
グーグルの驚くべき成功も9·11も黒い白鳥である。
ナシーム・ニコラス・タレブ 著『ブラック・スワン』
✅ 結論は「予測不能」を前提に生きろ。
✅ 過去から未来は読めない。
✅ 壊れにくい人生構造を持とう。
「人生って、だいたい予想外で決まる?」
安定した仕事、計画的な貯蓄、未来予測に頼った戦略……。
でも、コロナ禍やSNSの爆発的台頭、AIの進化、株価暴落や政権の交代など、世の中は“想定外”の連続である。
まさに…。
漫画:『鋼の錬金術師』
🄫2001荒川弘 / スクウェア・エニックス
この「予測不能」をどう乗り越えるか?
そこで今回は、私たちの常識をひっくり返す1冊。
『ブラック・スワン』を通じて、“想定外の衝撃”にどう備えるべきかを考えよう。
想定外が「すべてを変える」
白鳥を何百万羽見つけても「黒い白鳥はいない」という証明にはならない。
外れ値を予測できないということは、歴史の変わる道を予測できないということだ。外れ値がさまざまな事件に占める割合を考えると、そういうことになる。
ナシーム・ニコラス・タレブ 著『ブラック・スワン』
「幸せな七面鳥」が教える罠
毎日エサをもらっていた七面鳥は「人間は親切!何もしなくてもご飯をくれる!」と信じるが、感謝祭になると突然お肉にされてしまう。
極端な話、私たちが小金持ち山に到達できても、自分の家に巨大隕石が落ちるレベルの大災害が起きれば、それどころではない。
⇒ 昨日までの平穏が明日も続くとは限らない。
⇒ 巨大で予測不能な出来事が歴史を動かす。
⇒ 過去から導いた結論は幻想に過ぎない。
黒い白鳥が発見されたことで「すべての白鳥は白い」という常識が崩れたように、予想外の出来事(ブラック・スワン)は時に社会を根底から変えてしまう。
悲観することは不要だが、私たちは過去の経験だけで未来を安心してはいけない。
過去のデータを分析して未来を予測する方法(帰納)は万能ではない。
過去の財務データを調べるだけでこの先どうなるのか分かるなら、フォーブスの長者番付には図書館司書の名前がずらりと並ぶことでしょう。
むしろ、重大な局面では裏切られるリスクの方が高い。
私たちは「知らない」を知らない
黒い白鳥の論理では、わかっていることよりわからないことのほうがずっと大事だ。黒い白鳥は、予期されていないからこそ起こるし、だからこそ大変なのだ。
ナシーム・ニコラス・タレブ 著『ブラック・スワン』
バイアスで「黒い白鳥」が見えなくなる
1977年の心理学実験があった。
女性を集めて12足のナイロンストッキングから好きなモノを選ばせ、選んだ理由を尋ねる実験があった。
被験者の多くは、「質感」「色」「編み方」などの違いを理由に挙げたが、実はすべて同一商品である。
学術的な出典
⇒ 私たちは後から理屈をつけて安心しているだけ。
⇒ 不確実性を恐れず、敬意を払え。
私たちは出来事に「理由」を求めるが、それは後づけのストーリーにすぎない。
成功とはほとんどの場合“まぐれ”みたいなものなので、そこから何かを学ぶのは不可能に近い。
失敗を繰り返し、その経験から学んでこそ、成功に近づける。
無理に納得しようとせず、“わからなさ”を受け入れる思考が必要である。
因果関係があるように思えても、実際には因果関係が存在しないことも多い。
100人でじゃんけんすれば、必ず最後まで連続して勝つ人が出てくるが、その人にジャンケンの才能があるわけではない。
しいて言うなら、「ずっと勝負した」ということだけだ。
だからこそ、「わからないことが多い」という前提に立てば、無駄な予測や誤った自信に振り回されずに済む。
謙虚さは、最高のリスクヘッジである。
成功には努力が必要なのではなく、成功するまで努力するということだ。
プラトン著『ソクラテスの弁明』
本当の知は「自分は知らない」という自覚から始まる。
彼らは長年にわたって私を攻撃してきましたが、その中のほとんどは私の前に姿を現すことさえしませんでした。私は彼らの名前すら知りません。ただ、ある喜劇作家が私を風刺したことは知っています。しかし、他の者たちは誰一人、私と正面から議論することなく、私を悪者として仕立て上げたのです。
プラトン著『ソクラテスの弁明』
天地の自然に身をゆだね、私利私欲を捨て去って、周りの状況に抗わず、必要に迫られてやむを得ず行動するのが最も好ましい姿であると説く。
自然が淀むことなく変化していく時に、完全に我を無くしてその変化に身を任せきる。仏教の言葉で言えば、世界は諸行無常に移り変わるから、こちらも無常になって変わっていく。
NHK100分de名著ブックス 玄侑宗久 著『荘子』
では、不確実な世界で私たちはどう生きればよいのか?
ブラック・スワンとともに生きる術
良い意思決定の鍵は知識ではない。
それは理解だ。
私たちは前者にはあふれているが、後者には絶望的に欠けている。
ナシーム・ニコラス・タレブ 著『ブラック・スワン』
未来を正確に予測するのではなく、「壊れにくくする」ことに集中せよ。
⇒ 柔軟で壊れにくい仕組みを作ろう。
⇒ ブラック・スワンはチャンスにもなる。
⇒ 損しても失うものが少なく、成功すると利益が大きい新事業に手を出してみよう。
まずは悪いブラック・スワンと良いブラック・スワンを区別する。
悪い:予期せぬことで大打撃を受け、大損害が出る可能性がある既存事業。
良い:勝率は少ないが大化けする可能性がある新事業。
つまり、確率が低く、損失が大きいものである。
リベ大ブログより引用
低確率・損失小 → 貯金で備える 高確率・損失小 → 貯金で備える 低確率・大損失 → 保険で備える 高確率・大損失 → 近寄らない
正確な未来を描くことより、「想定外に耐える体制」を整えるほうが賢明である。
収入の分散、柔軟な判断力、小さな実験がそれを支える。
悪いブラック・スワンに備えたら、不確実性の細かいことは一切気にしない。
(考えても予測できないから。)
予測不能は、ピンチでありチャンス。
株価が暴落しなければ、お得に株を買うことはできない。
思いがけない出会いや偶然の成果もブラック・スワンの一種。
だからこそ、開かれた姿勢も大切である。
副業や小さな事業を持つことは”良い”ブラック・スワンを迎えるための手段なのだ。
著者はトレーダー時代から実践してきたバーベル戦略を推奨している。
バーベル戦略は超保守的投資と超積極的投資を組み合わせた戦略のこと。
両端に重りがついたバーベルに似ていることから来ている。
❶お金の85〜90%を超安全資産(米国短期国債など)に投資する。
❷残り10〜15%は超投機的な賭け(オプション取引など)に投じる。
※あくまで例であり、決して売買の推奨を目的としたものではないのでご注意を!
チャールズ・A・オライリー/マイケル・L・タッシュマン著『両利きの経営』
投資上限を決め、リスクは回避せずにむしろ歓迎し、偶然に出会えるチャンスを徹底的に高める。
「探索」と「深化」を同時に行うべき。
既存の強みを活かしながら変化に備えよ。
既存事業の強化(手)と新規事業の推進(手)。
これが両利きの経営である。
まとめ
✅ 結論は「予測不能」を前提に生きろ。
✅ 過去から未来は読めない。
✅ 壊れにくい人生構造を持とう。
私たちは方針と行動を結ぶ因果の鎖をわかっていないから、無知を積極的に振り回して簡単に黒い白鳥を起こしてしまう。
化学実験セットをもらった子どもみたいなものだ。
ナシーム・ニコラス・タレブ 著『ブラック・スワン』
⇒ 過去に頼りすぎると、未来に足をすくわれる。
⇒ 私たちは賢くない。
不確実性を受け入れ、柔軟に構え、どんな事態にも耐えうる思考を鍛えること。
〝悪い〟影響を最小限化し、〝良い〟ブラック・スワンの出会いを増やせ。
それこそが、これからを生き抜く知性の条件である。
黒い白鳥は微笑む相手を選ばないのだから。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆