- 投稿日:2025/11/18
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はマーク・ダグラス著『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』2002年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:マーク・ダグラス
出典:トレーダーズ書店
シカゴのトレーダー育成機関であるトレーディング・ビヘイビアー・ダイナミクス社の元社長であり、日米でロングセラーになっている『ゾーン』と『規律とトレーダー』の著者。自らの苦いトレード経験と多くのトレーダーの話や経験から、トレードで成功できない原因とその克服策を提案している相場心理学のパイオニア。ダグラスの著書は投資業界の古典として、またウォートン・ビジネス・スクールはじめアメリカの多くの大学院で使われている。2015年に多くのトレード関係者に惜しまれながら、亡くなった(享年67歳)
✅ 相場で勝つには感情を排し確率を受け入れること
✅ リスクを完全に受け入れ、プロセスに集中すること
✅ 成功の鍵は「ゾーン」に入る心理状態にある
「Zone」をあえて訳してみると「明鏡止水の境地」となる。
邪念のない落ち着いた静かな心境だ。
マーク・ダグラス著『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』:訳者まえがきより
「なぜ勝てる時と勝てない時があるのか?」
「分析は間違っていないはずなのに、結果が安定しない…」
投資家やトレーダーなら誰もが感じる悩みだ。
本記事では、マーク・ダグラスの名著『ゾーン』を通じて、感情に振り回されず一貫した成果を出すための心理的アプローチを紹介。
言い換えるなら、「トレードの心理学(サイコロジー・オブ・トレード)」だ。
念のため、伝えるが、私はこの本を推奨しているわけではない。
多くの選択肢を持つために紹介しているだけに過ぎない。
投資や投機で「勝つ」というよりも、「欲」を少なからず持つ人間とは、どのような心理状態に陥りやすいのかを知ることの方が重要である。
『汝、「己」と「足る」を知れ』。
『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』
無我の境地でサイコロを振ることは、きっとつまらない。だが、必要だ。
トレーダーならばだれしもが恒常的収益を目標としている。
ところが、実際に一貫して利益を上げているトレーダーはほとんどいない。
そのカギとなる根本的問題は何か。
私に言わせれば、それは心理的要因にある。
マーク・ダグラス著『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』
ゾーンに入るためには、感情を手放し、確率とリスクを受け入れる勇気が必要だ。
マーケットはあなたを傷つけようとしていない。
ただ、確率通りに動いているだけだ。
「次の1回」に執着するのをやめ、長期的なゲームに徹することが、勝ち続けるための道と語る。
一貫性あるトレーダーが持つ思考法
自分の姿勢と「精神状態」がはっきり結果となって表れることを納得させる。
マーク・ダグラス著『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』
・毎回のトレードを「1回のくじ引き」と割り切る
・確率的優位性がある手法を決め、淡々と繰り返す
⇒ 市場は確率で成り立つと理解する。
市場は不確実で、何が起きてもおかしくない。
勝敗はランダムだと受け入れることで、感情に左右されない判断が可能になる。
市場で安定して利益を上げるトレーダーは、「すべては確率で成り立っている」という事実を深く理解している。
多くの人はチャート分析といった投資手法に絶対的な答えを求めるが、マーケットに「100%当たるサイン」は存在しない。
プロは、勝率が60%であっても、それを繰り返すことで利益が積み上がると理解している。
コインを10回投げたら、理論上は5回ずつ出る。
しかし、短期的には偏ることもある。
しかし100回、1000回と続ければ、結果は確率に収束する。
トレードも同じで、「たった1回の勝ち負け」に意味を求めないことが重要である。
繰り返すためには、相応の体力(手持ち資金)が必要である。

ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
リスクを取っても報われない。 そういう現実を前にして初めて、人は「リスクとは何か」を思い知るのだ。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
「ゾーン」とは何か?
出典:漫画『バトルスタディーズ』(BATTLE STUDIES)
まったく同じプロセスが原因となって、私たちはマーケットから何が予期されるか、はっきりと「知っている」と信じてしまう。
マーク・ダグラス著『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』
⇒ 感情を排し、客観的に相場を見る心の状態。
ゾーンとは、トレーダーが恐怖や欲望を完全に排し、冷静にマーケットを中立的に見ている状態を指す。
勝ちたい、負けたくないと感情に支配されると、計画を無視した無謀なエントリーや損切りの遅れを招く。
一方、ゾーンに入っているとき、トレーダーは「勝っても負けてもOK」という心境で、ただルール通りに行動する。
カジノの比喩が示す真実
インサイダー(内部事情に詳しい人)でなければ、中央銀行の方針を誰が正確に把握できるだろう?
トレードが単純な確率(数字)のゲームにすぎず、スロットマシーンのハンドルを引く作業と何も変わらないことを確信してほしい。
マーク・ダグラス著『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』
⇒ 結果ではなく、確率に従う。
勝者は単発の結果を気にしない。
カジノが長期的な優位性で利益を積み上げるように、確率を受け入れ、プロセスを信じるのだ。
マーク・ダグラスは、相場を「カジノ」にたとえる。
カジノは、プレイヤーが勝つことを恐れない。
なぜなら、カジノには統計的な優位性があるからだ。
ブラックジャックでは、カジノ側の勝率は約51%。
1回のゲームで負けても、長期的に続ければ必ず儲かる。
トレーダーも同じで、「この1回で勝たなければ…」と思う時点で、カジノの客と同じ心理になってしまう。
勝者は、「自分はディーラー側だ」と考え、1回1回の結果を気にしない。
取るべき行動ポイント
・自分の手法に確率的優位性があることを確認すること
・単発の結果に左右されないために、100回単位で検証する
少なくとも、1回の勝負で負けた時に、全てが崩壊するような勝負は現実ではなく、ゲームの世界だけにとどめておくべきである。

チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
機関投資家の大多数が市場より良い成果をあげられるという基本的な前提は正しくない。なぜなら、機関投資家そのものが市場だからである。機関投資家全体としては、自分自身に勝つことはできないのである。
チャールズ・エリス 著『敗者のゲーム』
トレーダーを破滅に導く心理的罠
出典:漫画『出禁のモグラ』
ミスは心の自然な動き(機能)から生じてしまう。
それは以下の状態に達するまで続くであろう。
①すべての信念が自分の願望と完全に調和している。
②すべての信念が、環境の観点からもたらされるものと完全に同調するように構造化されている
マーク・ダグラス著『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』
⇒ 恐怖と損失回避が判断を狂わせる。
損失を恐れる心が損切りを遅らせ、結果的に大きな損失を招く。
感情に支配される限り、一貫した成果は望めない。
マーケットで多くの人が負けるのは、分析力が足りないからではなく、心理的な罠に陥るからだ。
代表的なものは次の3つである。
❶損失回避バイアス
「損切りしたくない」という思いが、損失を膨らませる。
❷リベンジトレード
負けを取り返そうとして、冷静さを失う。
❸過信バイアス
一度の勝ちで「自分は天才だ」と錯覚し、リスクを大きくする。
ある投資家が100万円で取引を始め、1回の負けを取り返そうとロットを増やした結果、5回目で資金が半分に…。
これは典型的な「恐怖と欲望」に支配されたパターンである。
回避策としてあげるなら…
・1回の損失を全体資金の1%以内に抑える
・「次のトレードで取り返す」という発想を捨てる
トレードにはリスクがあることをちゃんと理解し、必ず勝てるという幻想を抱いてはいけない。
時間さえあれば、取り戻せるというナイーブな考えは捨てなければならない。

マックス・ギュンター著『マネーの公理』
投機とは「確率」にお金を投じること(短期間の視点)
投資とは「価値」にお金を投じること(中長期的な視点)
スイスの銀行家たちが築いた「リスクとのつき合い方」を体系化した書である。
人生において、富であれ、個人の名声であれ、利益として定義できるものを増やすためには、自分の所有物や精神的な満足感をリスクにさらさねばならない。
マックス・ギュンター著『マネーの公理』
成功するための7つの信念
出典:漫画『HUNTER×HUNTER』(ハンター×ハンター)
「私は一貫した勝者である」という信念の確立が最終的目標である。
マーク・ダグラス著『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』
⇒ 規律とリスク受容が鍵。
マーク・ダグラスは、成功するトレーダーに必要な信念を7つ挙げている。
❶自分の優位性を客観的に確認している。
借金していない、機関投資家ではないなど、自分には勝算があることを理解している。
❷すべてのトレードでリスクを前もって決めている。
損失は20%でそれ以上はちゃんと諦める、一度確認する期間を決めている。
❸リスクを完全に受け入れる。
「負けてもいい」と本気で思えたら、トレードは楽になる。
❹疑念も躊躇もなく自分の優位性に従う。
他人の芝生が青く見えているうちは、自我を持ったトレードではない。
❺マーケットが可能にしてくれた勝ちトレードから利益をつかみ取る。
基準に達したら、すぐに売る。さらなる値上がりを期待しない。
❻ミスを犯すことへの自分の対応を継続的に監視している。
カゴに持ったタマゴはちゃんと監視して見逃さない。
❼決めたルールを破らない。
どんなに小さなことでも、どんなに気が緩む場面でも、自分で決めた規律だけは破らない 。
これにYESなら、あなたはプロの思考に近づいているかもしれない。

モーガン・ハウセル 著『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』
あなたがこれまでに経験してきたことは、世界で起こった出来事の0.00000001%にしか相当しない。 しかし、それはあなたの考えの8割を構成している
モーガン・ハウセル 著『サイコロジー・オブ・マネー』
まとめ
✅ 相場で勝つには感情を排し確率を受け入れること
✅ リスクを完全に受け入れ、プロセスに集中すること
✅ 成功の鍵は「ゾーン」に入る心理状態にある
一貫して勝つ人間には、他人とは違った思考力があるのだ。
マーク・ダグラス著『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』
⇒ 感情に振り回されず、確率に従え。
「労働」があって「商売」があり、その補佐として「金融」がある。
投機や短期トレードはあくまで誰かからお金を奪っているにすぎない。
時機を見て攻め込み、短い時機を見て市場に売りつけることが生業である。
個人的に、投機はサイヤ人やフリーザ軍のビジネスモデルと似ていると思う。
全く必要ないとまでは言わない。
だが、「労働」や「商売」を食い物にする行為であり、他の「星」や「買い手」がいて初めて成り立つ行為である以上…。
足るを知るべきである。
出典:漫画『ドラゴンボール』(BATTLE STUDIES)
より正確にいうならば、正しい努力の方向性を定めたら、様々な情報に踊らされることなく、「航路を守り」、たまに見直して、正しく1歩ずつ丁寧に進む。
結局、時間をかけた「王道」に勝るものはない。
もちろん、天下の大変動が起こらないとは限らないから難しい。
つまり、私はえらそうなことを何一つ言えないということだ(笑)
ただ、「必ず勝てる」という人間よりは、信用してもらっても毒にはならないと信じたい。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆

