• 投稿日:2025/10/21
ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』:「好き」と「仕事」をつなぐ覚悟

ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』:「好き」と「仕事」をつなぐ覚悟

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シロマサル@ノウハウ図書館×本の要約🍀

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要約
『仕事にしばられない生き方』(ヤマザキマリ著)は、働くことやお金への縛られ方を見直し、好きなこととどう向き合うかを問いかける一冊。母からの厳しくも愛ある教えや、多国籍の経験を通じて培われた視点から、「仕事に命を差し出さない」「不安や孤独と共に生きる」覚悟を語る。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』2018年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。

著者:ヤマザキマリ

1967年東京都生まれ。北海道育ち。84年渡伊し、フィレンツェの美術学校に入学。97年漫画家としてデビュー。その後、イタリア人の比較文化研究者との結婚を機に、シリア、ポルトガル、アメリカで生活。現在は日本とイタリアで暮らす。2010年漫画『テルマエ・ロマエ』で手塚治虫文化賞短編賞受賞。16年芸術選奨文部科学大臣新人賞(メディア芸術部門)受賞。17年イタリア共和国より功労文化勲章コンメンダトーレを授与される。

00000.png✅ 好きなことと仕事をつなぐには覚悟が要る

✅ お金に縛られすぎない視点を持つべき

✅ 自分のやり方で精一杯生きることが尊い

働くって、なんでしょうね。自分の職業を問われて「漫画家です」と特定することに、いまだにちょっとためらってしまうのは、さまざまな国で暮らして、いろんな職業を経験してきたせいかもしれません。振り返れば、とても順風満帆とは言えない、試行錯誤の連続でした。壁にぶつかっては次に行く、その繰り返し。「今日一日しのげれば、明日はきっとなんとかなる」と不安をねじふせ、自分を奮い立たせたことも一度や二度ではありません。

ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』


「好きなことを仕事にして本当に大丈夫だろうか」

「お金や社会の評価に縛られていないか」。

そんな迷いを抱える人は多いはず。

本書は、仕事と生き方の距離感を問い直し、自由に自分の道を切り拓くヒントを与えてくれる。

『テルマエ・ロマエ』の原作者が自身の人生を振り返りながら、アルバイトから、最近の活動まで、どのようにして仕事やお金と向き合ってきたのかを語る新書。

この本や多くの書籍を含めて思うことは、いろいろとやってみて、自分の内側からやってくる感情を整理し、世間の常識から吹っ切れたものは、自由になれるということだ。

つまり、「自分を生きている。」

だが、自分を生きることは、他人のせいにできないので、明確な意志の強さが求められる。

他人の人生を生きることは、それはそれで幸せなことなのかもしれない。


『仕事にしばられない生き方』

Image_fx (1).jpg私たちはどこに向かうのか?別にそこまで深くは考えていない。

日本人は、真面目で勤勉だとよく言われますが、勤勉さというのは、へんにスイッチが入ると、自分で自分を追い込んでしまう、両刃の剣でもあると思います。

ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』

母から学んだ覚悟と「好き」の代償

Image_fx (5).jpg好きで、得意なことで、誰かに求められる仕事なら、それは仕事じゃない。

仕事とは何か。
最初にそれを私に教えてくれたのは、間違いなく、母でした。

ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』

0.png⇒ 好きなことを仕事にするには、現実を受け入れる覚悟が必要。


幼い著者が「絵描きになりたい」と伝えたとき、母は『フランダースの犬』を差し出し、「絵描きになるとは、貧しさや不幸な結末を受け入れることかもしれない」と諭した。

自分だって音楽という仕事をしているくせに、あなたがそれを言う?
いや、音楽をやってきたからこそ、小学生の私に、いきなりシビアな現実を突きつけてきたのでしょう。

ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』

夢を持つことを頭ごなしに否定するのではなく、そこに潜む厳しい現実を突きつけたのだ。

好きなことに挑むとは、輝きと同時に代償を背負うこと。

誰にも理解されず、経済的に報われない未来をも含めて受け入れられるか。

それを自分に問う覚悟こそが、真に自分の道を歩む出発点になる。

好きなことと、お金になること、この二つとどう向きあうかを、私は人生を通じて考え続けることになります。

ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』


0000000.png360.png荒俣宏 著『すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる』

何でも試してみて、「好み」や「好奇心」を知り、誰よりも続けられることをとにかく続けること。

「愉しさ」の中にあるストレスや厳しさの価値を忘れてはいけない。

困難はかならず、あとで自分の宝となるし、自分の「物語」の一部となって記憶される。 人生なんて、結局は自分の物語を一生かけてつくっていくようなものだ。

荒俣宏 著『すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる』


好きなこととお金の距離感

Image_fx (6).jpg時間とお金のどちらに価値を見出すのか?いや、どちらも重要だ。

闇雲な実利主義を振りかざして、知識や教養まで、お金を稼ぐことに役に立つかどうかで、有益か、そうでないかを決めようなんて、浅はかで、ナンセンスな話です。

ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』

0.png⇒ 「好きだから安くてもいい」は誤解。

⇒ 正当な報酬を求めることは誇りである。


好きなことを仕事にすると「やりたいことをしているのだから安価で構わない」と見なされがちだ。

中には「タダでやってほしい」と求められることすらある。

しかし、それでは仕事は成立しない。

好きなことを職業にするというのは、情熱に胡坐をかくことではなく、むしろ対価を堂々と求める覚悟を持つことだ。

お金にうるさいと思われることを恐れてはならない。

仕事は社会との交換であり、その価値を自ら主張しなければ誰も守ってはくれないからだ。

やりたいことをやろうとすると「好きなことをやっているのだから、報酬は安くても構わないだろう」と言われることがあります。ひどい場合は、足もとを見られて、タダでやってほしいと言われることもあるかもしれない。本気でそれを続けていきたいなら、ひるまずにNOと言いましょう。仕事である以上、正当な対価を相手も支払うべきなのです。

ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』


0000000.png267.pngハーマン・サイモン著『価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白』

サイモンは税金アドバイザーに相談した体験を紹介している。

30分のアドバイスに1500ドル(約15万円)の請求が来たことに驚いた。😱

サイモンが高額だと感じたが…。

アドバイザーは「他の人なら解決に3日かかってもおかしくない😉」と説明し、迅速に解決策を提示したことに納得した。🤔

相手が「この価格で」と言うようでは…ダメ。

自分で価格を決められることが大切なのだ。

価格は利益を生み出す最も効果的なものだ。

ハーマン・サイモン著『価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白』


不安・孤独・資本主義の圧力との向き合い方

Image_fx (7).jpgたしかにこの世は辛いかもしれない。そんな時はお風呂につかろう。

いる場所が八方ふさがりに感じられるなら、ドロップアウトしてみるのも、ひとつの方法でしょう。
生きている以上、不安や孤独はついて回るものだから、怖いと思っちゃったらおしまい。
お金の毒性に支配されないためには、不安や孤独とどうしたら仲良くしていけるかを考えた方がいい。

ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』

0.png⇒ 不安や孤独を抱えながらも、自分の時間を取り戻しそう。

⇒ 生産性だけに縛られない生き方を選ぶのも手。


人生に不安や孤独はつきものだ。

それを避けるのではなく受け入れることで、人は前に進むことができる。

資本主義社会は成果や効率を過剰に求め、しばしば「生産性のない人間には価値がない」という錯覚を植え付ける。

しかし人間の価値は数字だけでは測れないし、お金=仕事とは言い切れない。

だからこそ、SNSや仕事から距離を置く時間を意識的に設け、電源をオフにして自身の思考を広げることが重要である。

事を大きく俯瞰して見つめ直すためには、周りに左右されず、自分でプロデュースできる時間が必要なのだと思います。
その時間があれば、仕事やお金とのつきあい方もきっと変わってくるはずです。

ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』

外界の喧騒から切り離された時間こそ、自分の生き方とお金の関係を見直し、本当に大切なものを再発見できる瞬間なのである。


0000000.png236.png藤本シゲユキ著「幸福のための人間のレベル論」

人間の幸福度を階層化した「幸福のための人間のレベル論」では、幸福のレベルを4つのステージに分けられる。

■「人でなしステージ」:やべーやつ。相手にしちゃだめ。

■「気づいていないステージ」:文句や愚痴が多い。大半の人。

■「気づいているステージ」:人生が楽しい。

■「悟りステージ」:一は全、全は一。

…の順で、ステージが上がるほど、幸福度も高まる。

お金持ちの人でも人間性が欠けていると幸福度は低いですし、逆に貧しい人であっても、他者に愛を分け与えることで幸福度が高くなる場合もあります。 良し悪しではなく、あくまでも「幸福度」のレベル分けなんですね。

幸福のための人間のレベル論:著者YouTubeの動画

⇒ 「固定観念」、「他責思考」を捨てよ。

⇒ 「客観的な視点」を持つこと。

⇒ 現実を知ることは「自分にないもの」を知ること。


311.pngえらいてんちょう 著『しょぼい起業で生きていく』

同じく2018年発行の書籍。

著者は慶応義塾大学経済学部を卒業している。

うまくいった土壌やタイミングもある。

芽が出るまで3年以上かけているし、起業してその後、コンサルティングとビジネスを変化させている。

「自分なりに」頑張ってきて見つけた「結論」である。

他所の成功体験を自分流にアレンジしないで行ったメソッドは破綻する。

この点を踏まえて、自分はどうするかを考えよう。

事業は、アイデアから入るというより、人とのつながりや置かれている環境などの条件から、自分ができそうなことを発見して事業化していくものなのだと思います。

えらいてんちょう 著『しょぼい起業で生きていく』

ちなみに、しょぼい起業とは「いつもやっていることをお金に換えること」


403.pngマルクス・アウレリウス著『自省録』

『テルマエ・ロマエ』は五賢帝時代のローマ帝国を舞台にしており、特に皇帝ハドリアヌス帝(117年〜138年)の時代である。

そこから2代進んだマルクス=アウレリウス=アントニヌス帝:(161年〜180年)の書籍。

同書は皇帝となってからも人間としての生き方を忘れず、人間の生の栄華や栄耀がいかに空しいものであるかを自覚せよと、たえず自省(みずからをかえりみること)を続けた彼の思索を読み取ることができる。

周囲の事情のために強いられて、いわばまったく度を失ってしまったときには、大急ぎで自分の内にたちもどり、必要以上節度から離れないようにせよ。 たえず調和にもどることによって君は一層これを支配することができるようになるであろう。

マルクス・アウレリウス著『自省録』

まったく無関係のように見えても、過去と現在、時間と場所は異なっていても、誰かは誰かの影響を受けるものである。


まとめ

note_見出し用.png✅ 好きなことと仕事をつなぐには覚悟が要る

✅ お金に縛られすぎない視点を持つべき

✅ 自分のやり方で精一杯生きることが尊い

私達は、何と何を置き換えて、等価交換しようとしているのか。
あらためて見つめ直してみたらいいんじゃないでしょうか。

ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』


⇒ 好きなことに挑むには覚悟が要る。


古代ローマ人達は、もうひとつ、大切なことを、私達に教えてくれました。
こんな時だからこそ、私達には風呂がある。
疲れたら、ひとっ風呂浴びて、ゆっくり休んで、それからまた、それぞれの持ち場で、頑張りましょう。

ヤマザキマリ著『仕事にしばられない生き方』


古代ギリシアの学者アルキメデス(紀元前287年?- 紀元前212年)の有名なエピソード。

アイデアに詰まった彼は、気分転換に風呂につかっているときに、浴槽からこぼれ落ちる湯を見て突如アイデアをひらめき「Eureka!(われ発見せり!)」と叫んだ。


悩んだ時こそ、温かいご飯を食べて、風呂に入ろう。

それが「生きる」ということだ。


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

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