- 投稿日:2025/11/16
- 更新日:2025/11/16
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
Amazonの影響で本が売れない時代。
「リアル書店に、まだ価値はあるのか?」
この問いに、2000日間かけて出した答えがある。
それは、“キャラクター”を経営に取り入れるという異端の戦略だった。
今回は、ハヤシユタカ著『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』2025年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ハヤシユタカ
フリーランスの動画クリエイター。都内の映像制作会社に入社後、在京キー局の報道・情報・ドキュメンタリー番組でディレクターとしての経験を積む。2020年に独立し、現在は老舗書店「有隣堂」の公式YouTubeチャンネル『有隣堂しか知らない世界』にて、プロデューサー兼ディレクターを務める。
✅ キャラクターは「理念」を現場に浸透させる経営ツールである。
✅ 感情を経営資源と捉えることで、組織と顧客の関係が変わる。
✅ EC時代に生き残る鍵は、「非効率」な人間らしさの中にある。
僕は有隣堂の社員ではなく、フリーランスの動画クリエイターとして、『有隣堂しか知らない世界』の立ち上げ当初から携わらせてもらっている。
ハヤシユタカ著『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』

引用画像:有隣堂公式サイト
企業チャンネル:「有隣堂しか知らない世界」は企業っぽさをなくした「本音トーク」と「素」の面白さにある。
具体的には、有隣堂の社員やバイヤーが商品への愛を語る一方で、MCのキャラクター「R.B. ブッコロー」が辛口で鋭いツッコミを入れ、宣伝臭のない自然な魅力を引き出している。
このアプローチにより、視聴者の知的好奇心を満たし、信頼感と中毒性を生み出し、結果として高い販促力につながっている。
価格でも在庫でもない、「愛される力」で勝負する書店の舞台裏を、5年半の実践から読み解く。
有料で読まれる記事は、どうしても「知りたい」「見たい」と思わせるものである。
多くのYouTube収益化の戦略で毎日投稿は推奨されているが、『1週間に1度』の動画投稿にしている。
新参者の、しかも法人格を有する株式会社が、とにかく更新することを目的にした質の低い、見るだけで苦痛な動画をYouTubeに公開したらどうなるか。
全く再生されない地獄が待っているし、運よく再生されたらされたで会社の価値が毀損されていくという地獄が待っている。
ハヤシユタカ著『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』
『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』
愛されるには理由がある。まずはこちらから愛さないといけない。
結論、今の成果の90%は先人の成功例の模倣と幸運による恩恵であり、計算された戦略は10%くらいだったと思う。だから僕の頭の中を言語化しても、いわゆる「ビジネス書」のようなノウハウをふんだんに盛り込んだ内容には到底ならない。
ハヤシユタカ著『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』
2000日間の挑戦──理念を「キャラクター」に変える
キャラクターを作ることは王道であり、それだけではいけない。
核となる考え方として「キャラクターは3人の偉大な成功者を組み合わせる」ということを記した。
ハヤシユタカ著『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』
⇒ 理念を語るより、“キャラ”で見せろ。
書店業界がEC(Eコマース:ネットショッピング)によって席巻され、価格・在庫・効率で勝負できない時代。
ハヤシユタカ氏は「どうすれば人はリアル店舗に再び足を運ぶのか」という問いに、2000日間(約5年半)を費やして挑んだ。
その答えが、理念を「キャラクター」という形で具現化するという、常識外れの経営手法だった。
キャラクターは、ただのマスコットではない。
それは“理念を行動に変える仕組み”であり、社員が共感できる心のガイドである。
抽象的な企業理念は往々にして現場で形骸化する。
だが、キャラクターという人格を媒介にすることで、理念は感情を伴って浸透し、日々の意思決定の軸として機能し始めた。
社員は「このキャラならどう行動するか」を自問し、上司の指示ではなく、共感の基準で動くようになった。
成功するコンテンツに必要なのは「先人の成功例」に「独自の要素」をかけ算していくということだ。
ハヤシユタカ著『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』
理念を“語る”時代から、“感じる”時代へ──。
特に良い企画には新しいアイデアと古いアイデアが入っていると語られる。
テレビの企画で考えると、「鬼ごっこ」と「お金とハンター」の掛け合わせによって20年にわたって放送されている作品もある。
「擬人化した馬の美少女」と「競走馬の育成ゲームやストーリー」によってリリースから7カ月で1000万ダウンロードを突破したアプリもある。
新しいアイデアだけでは、理解やセンスが求められて一部の人にしか伝わらない。
多くの人に認められている古いアイデアだけでは、見飽きた二番煎じになってしまう。
ハヤシ氏が生み出した「キャラクター戦略」は、言葉の経営から体験の経営への転換であり、「鉄板で王道なネタ」だった。
「マツコ・デラックス」(広告の強さと素直さ)
「白井ヴィンセント」(キャラクターと人形やパペット)
「超人気YouTubeチェンネル」(テレビではない編集方法と技術)
「王道×独自性」戦略の組み合わせこそ、リアル店舗が再び生きるための“人間的な回路”を取り戻す試みでもあった。
誰や何の企業のドキュメンタリーなのかわからないコンテンツはたった1分の時間すら使ってくれない。
すでに人気のコンテンツがある中で無名の企業や個人が「見てください!」といって見られるには戦略が必要。
それが動画プラットフォームの世界である。
キャラクターが変えた組織──共感が生む「自走する文化」
素直な情報こそ我々が求めている娯楽や快楽だ。
一般的に企業チャンネルの動画は、自分たちを称賛する内容が多く、寒い。貴重なスキマ時間にそんな動画を見るわけがない。
ハヤシユタカ著『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』
⇒ 命令ではなく、共感で組織を動かせ。
ハヤシ氏の真の改革は、売上アップよりも“文化の再設計”にあった。
キャラクターを中心にした文化は、視聴者の心理的安全性を高める。
また、社員の人事異動があったとしても、「顔」がいなくなることはない。
特に、企業が発信する情報はとにかく嘘くさく建前だらけになりやすい。
そんな中で老舗書店が、自社の社長のことを「売れずに大きくなったたけし軍団の人」と表現する。
2年ぶりに新店舗の開業を聞いて「大丈夫?本が売れないと言われている世の中で?」と発言する。
「素直な情報」を発信する「ギャップ」は共感されやすい。
企業の建前にはもうみんな飽き飽きしている。だからこそ企業が発する「ギャップ」は、視聴者もメディアも大好物なのだ。
ハヤシユタカ著『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』
特に徹底しているのが、協力企業や演者に対して、公開する前のYouTube動画の事前確認をお断りしている。
キャラクターの素直や発言やリアクションを修正した動画は、視聴者にすぐ見抜かれてしまう。
目的は「老舗書店のファンを作ること」であり、「出演していただいた企業や商品の宣伝」ではない点を徹底している。
「ギャップ」は良くも悪くも、小説が原作の「映画化」や「ドラマ化」と同じように扱いが難しい。
「愛される書店」の本質──ECだけではできない“居場所”をつくる
あのキャラクターやあの人が働いている書店だ!
「本(文字媒体)」と「動画」の相性は抜群に悪いというものがある。
その理由のひとつが、「情報量の差」だ。
ハヤシユタカ著『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』
⇒ 競争の舞台を「効率」から「愛着」へ移せ。
ECが支配する時代に、リアル書店が生き残るためには、
「便利」でも「安い」でもなく、「心に残る体験」が必要だった。
本は読者のペースで情報を消化できるが、動画は製作者の決めたスピードで情報が流れる。
そのため、深い内容を伝えるのが難しい。
そこで書店やチャンネルを「本を買う場所」ではなく、「人と文化が出会う場所」と再定義した。
メディアを自分たちで持てば、「自社の伝えたいこと」をいつでも自由に発信することができるし、たくさんの人が見てくれる媒体になれば発言に影響力を持つことだってできる。新商品や新サービスを紹介してもいいし、世の中に提言していくこともできる。
ハヤシユタカ著『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』
そこでは、偶然の出会い──セレンディピティが尊ばれる。
スタッフの何気ない会話や、キャラクターが演出する小さな物語が、顧客にとっての“心のイベント”になる。
24時間公開生配信も1つの企画である。
実際の現地に行けば、同じようなファンやLIVE動画内に映ることもできる。
キャラクターやゲストの声も直接聞くことができる。
客は商品を買いに来るのではなく、“自分の居場所”を確かめに来る。
この「帰属意識」こそ、ECには決して再現できないリアルの力だ。
人と人が手を介して交流する時間、棚を回遊して偶然に出会う瞬間、その一つひとつが“愛着”という無形資産を育てる。
営利や目的があって集まるだけ、オンライン上のチャットのやりとりだけでは、よく言われる人間関係のつながりは難しい。
“非効率”という体験は変かもしないが「重要な資源」である。
キャラクターはその中心で、顧客と店舗、店舗と地域をつなぐ“象徴”となった。
「有隣堂にはその書店にしかいないR.B. ブッコローのぬいぐるみが売られている。」
それはもはや商品価値を超えた「感情のブランド」であり、ECの価格競争を超越する“非代替の価値”であった。
「愛される書店」とは、経済合理性を超えて、人と人、心と心を結ぶ“文化のプラットフォーム”である。
ハヤシ氏の2000日間は、その理念を現実の経営として証明した軌跡なのだ。
楽しめば楽しんだだけキャラクターとして引き出しも増えるし、やっぱ楽しんでない人の話ってつまんないんでね。しかもゲストで来る人って文房具だろうが何だろうがそれが好きで好きで、楽しんでいる人が来るわけなので、それに答えられるキャラクターじゃないと。
R.B. ブッコロー(中の人)
「中の人」なんていない!としないバランス感覚も参考になるだろう。

有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
有隣堂の挑戦が持続した理由は、短期的KPI(再生数・売上)ではなく、長期的ブランディングを目的にしたことにある。
YouTubeを「売るための道具」ではなく「信頼を積み上げる装置」と位置づけた。
「YouTubeをやるぞ!」青天の霹靂とはまさにこのこと。忘れもしない2019年12月、当時は副社長だった現・社長の松信健太郎が、企画開発部メンバーを集めてそう宣言しました。
有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
クレイトン・クリステンセン著「イノベーションのジレンマ 増補改訂版: 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」
企業の生存戦略は4つ
❶プロジェクトを小さな組織にまるごと任せる。
❷失敗するなら、早めに失敗させて小さな犠牲に留める。
❸既存の価値観や仕組みは、失敗要因になるので使わない。
❹まったく新しい市場を見つけるか、開拓させる。
⇒ 実は「副業」の狙いどころと同じ。
副業を通じてリスクを抑えながら事業を拡大する考え方に近い。
本書でとりあげるのは、業界をリードしていた企業が、ある種の市場や技術の変化に直面したとき、図らずもその地位を守ることに失敗する話である。 どこにでもある企業ではなく、優良企業の話である。
クレイトン・クリステンセン著「イノベーションのジレンマ 増補改訂版: 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」
別の言い方をするなら、『両利きの経営』である。
デビッド・J・ティース著『ダイナミック・ケイパビリティ戦略』
ダイナミックケイパビリティ:企業が環境の変化に柔軟に対応して自らを改革する能力
❶「感知する」
❷「捕捉する」
❸「変革する」
この3つの能力から成り立っている。
時代とともに、ビジネスパーソンに求められる強みは変わっている。
これは企業も変わらない。
必要なことは、常に「新しい強み」をつくり続けることが求められている。
1990年代以降の日本経済の弱体化は、ダイナミック・ケイパビリティの弱さに起因する。
デビッド・J・ティース著『ダイナミック・ケイパビリティ戦略』
オマケ
【本当は教えたくない】書籍と人に会って見えた!YouTubeで収益化するための7つの法則!
企業YouTubeでも『収益化の共通法則』は変わらない。
人に会い、大量の書籍を読んだシロマサル独自調査による黄金即7選を紹介中!
5万円するような情報商材を買うぐらいなら、ノウハウ図書館で書いたから一度見てってや~。
まとめ
✅ キャラクターは「理念」を現場に浸透させる経営ツールである。
✅ 感情を経営資源と捉えることで、組織と顧客の関係が変わる。
✅ EC時代に生き残る鍵は、「非効率」な人間らしさの中にある。
「当たる企画とは人の快楽を刺激するものでなければならない」
ハヤシユタカ著『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』
⇒ 「愛される」とは、効率よりも共感を優先すること。
人間の脳みそと心と性器をつかむことだ。脳みそは知識欲、知りたいという欲望。心は感動したい、泣きたい、あるいは怒りたい、喜びたいという欲望。性器は要するに性欲だ。そのどれかを刺激すれば、人はクリックする。つまり数字を上げ、稼ぐことができる。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆

