- 投稿日:2025/11/16
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
「うちの会社にYouTubeなんて無理」
そう思っていないだろうか。
しかし、かつて「チャンネル登録って何?」と言っていた老舗書店が、いまや企業YouTubeの成功モデルになっている。
今回は有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』2023年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
筆者:有隣堂YouTubeチーム
引用画像:有隣堂公式サイト
創業1909年の老舗書店・有隣堂が立ち上げた企業YouTubeチーム。
社員の素人集団から始まり、チャンネル登録20万人超を達成。
低予算・内製・キャラクター戦略を駆使し、企業ブランドを再生させた事例として多くの企業から注目を集める。
✅ 制約は武器になる。
✅ 熱意がチームを動かす。
✅ “人間味”がブランドを再生する。
これからはオウンドメディア(自社メディア)が必要だ、という前提のなか「そのなかでもすぐに着手できるのはYouTubeなのではないか」という考えからきたものでした。
有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
オウンドメディア:主に自社ブログやウェブサイトが該当する。
広告以外の方法でブランド認知度や好意度を高め、見込み客の獲得や育成、ブランディングを目的として活用される。
本書は、有隣堂が「制約」を武器に変え、社員の手でブランドを再構築した“デジタル再生の記録”である。
YouTubeを単なる宣伝ではなく、人と人のつながりを生む“文化装置”にしたその戦略を見ていこう。
軌道に乗り始めたのがコロナウィルスの影響も、もちろんあるがどのような事業でも「タイミング」を無視して成功できるものではない。
「運」「才能」「継続」なくして成功は難しい。
『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
「他にない」をいつまでも続けられるのは本当に難しいことだ。
「YouTubeをやるぞ!」青天の霹靂とはまさにこのこと。忘れもしない2019年12月、当時は副社長だった現・社長の松信健太郎が、企画開発部メンバーを集めてそう宣言しました。
有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
有隣堂が企業チャンネルとして成長していったロードマップを表にまとめるとこうだ。
即効性はないかもしれないが、YouTubeで成長させる王道の企業戦略と言えるだろう。
ただ、危機意識から必要性や始める意義を感じ、「宣伝を目的としない」エンタメ色の強いYouTubeを立ち上げることになった。
制約を力に──ゼロから始めた老舗の挑戦が組織を変えた
設計とは、試行錯誤の芸術である。創造価値は高次元の欲求である。
「座して死を待つな。やらないのがいちばんよくない」
有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
⇒ 足りないからこそ、創造と成長が生まれる。
有隣堂のYouTubeプロジェクトは、誰もが「不可能だ」と思う条件から始まった。
社員の誰ひとりとしてYouTubeの知識を持たず、映像編集ソフトも高価な機材もなかった。
事前調査(複数のYouTubeのノウハウ本や有名な動画)ではっきりわかっていたのは、自分たちの力だけでは到底始めることができないことだった。
『書店員つんどくの本棚』として、いざ始めても8分程度の原稿を2週間間隔で書くのにも想像以上に大変で、紹介する本によっては「ネタバレができない」制約もある。
3ヵ月に6本の動画をアップしても全くウケない。
立ち上げて3ヵ月が経ち、登録者数も200人程度で作っている本人たちも面白さを感じていなかった。
撤退するかどうか、失敗要因を整理することに。
❶コンテンツが少なすぎる
❷コストがかかりすぎ(外注費)
❸全く企業のPRになっていない
❹内容が面白くない。
だがチームは、一向に答えが出ずに悩んでいたが、社長の古くからの知り合いであった現在の有隣堂YouTubeチャンネルプロデューサーのハヤシユタカが現れて、答えに近づいていく。
きっかけになったのはプロデューサー側からアイデアを出すのと同時に、「どのようにしたいか」を常に問いかけてきた点。
質問するということは、同じことをやるにしても外から出なく内側にするために必要な点である。
(マーシャル・ゴールドスミス著「コーチングの神様が教える『できる人』の法則」)
(エリック・シュミットほか著『1兆ドルコーチ』)
作り手の内発的動機付けはとても重要で、自分で「選択したこと」でないとやる気が出ないことはよくわかっている。
(エドワード・L・デシ 著『人を伸ばす力』)
そして、「有隣堂でしかできない制約は、言い訳ではなく武器になる」と。
試行錯誤の結果、チャンネルの方向性を決めた。
・外注は最小限に、企画・撮影・編集すべてを内製化する。
・3つの方針をとる。
❶自覚なき「商品愛」という「強み」を活かす。
❷チャンネル名に「有隣堂」を入れる。
❸キャラクターをつくり、掛け合いの構図をつくる。
・4つのタブー以外は何でもやってみる。
❶人権侵害しない
❷反社会的なことはしない
❸誰かを傷つけることはしない
❹著しく品性を欠くことをしない
(また、本音、本気、程よいユーモアの3Hも大切に!)
スマートフォンと無料ソフトを駆使し、社員たちは“現場で学びながら作る”方式で進めた。
動画の企画になるのは30本のうち1本あればよいほどに出しまくった。
YouTubeでは活字以上に「画」が重要。
PCDAはアナリティクスでクリック数や視聴回数の数字をもとに原因を分析。
特に最初の動画は素人感がにじみ出ていたが、それこそが「人間味」として評価され始める。
視聴者からの「手作り感が良い」「本当に好きでやってる感じがする」というコメントが、チームを前へ押した。
こうして彼らは、完璧ではなく「リアルさ」こそ価値になるという発見を得た。
社内では「自分たちの手で作った」誇りが芽生え、試行錯誤の過程が社内学習の循環を生み出した。
有隣堂という会社は、自分たちにできることはなるべく自分たちの力でおこなう、という傾向が強いと感じています。それはあまり多くの予算をかけられない社内事情によるものでもあるし、社内に多彩な人材がいるからできることでもあると思っています。
有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
結果的に、デジタルに不慣れな老舗企業が、自らデジタル企業へと変わっていったのだ。
有隣堂の挑戦が持続した理由は、短期的KPI(再生数・売上)ではなく、長期的ブランディングを目的にしたことにある。
YouTubeを「売るための道具」ではなく「信頼を積み上げる装置」と位置づけた。
この“目的の再定義”が、社内の理解を生み、「主体性」を強めて社員を動かし続ける原動力になった。
キャラクターが語る企業の心──ブッコローが作った“人間味”の物語
偶像や記号は、多くの人に恩恵がある。なぜなら、人は消費するからだ。
ミミズク、つまり現在のブッコローのデザインは、わが社の「できることは自分たちで」という精神が存分に発揮され、かつ成功した例だと思っています。
有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
⇒ 人が語れない言葉を、キャラクターが語る。
老舗企業がYouTubeで成功するには、“真面目さ”だけでは不十分だ。
伝統を重んじる一方で、現代の視聴者が求めるのは「ユーモア」と「本音」である。
そのギャップを埋める存在として生まれたのが、マスコットキャラクター「R.B.ブッコロー」だ。
子どもと相談しながらデザインを作り上げていったことで、老若男女に愛されるビジュアルになったのだと思います。(中略)子供の感じる”かわいい”は、大人が想像する以上に、リアルだったりもします。
有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
ブッコローは、書店員たちの裏の声や日常の“あるある”を代弁する存在だった。
「中の人」はプロデューサーが引っ張ってきた。
彼が「毒舌」を吐くことで、社員は本音を語れ、視聴者は笑いながら“共感”する。
このチャンネルのコンセプトとして、有隣堂として売り出したいものではなく、スタッフが本当に好きなものを紹介した方がいい、というのがハヤシさんの考えでした。
有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
老舗企業が直接発信すれば角が立つ話題も、ブッコローが言えば愛嬌になる。
この“キャラクターによる代理表現”が、老舗ブランドに新しい風を吹き込んだ。
書店員の素朴な愚痴やユーモアを通じて、視聴者は「企業の中に人がいる」と感じ始めた。
そこから生まれたのは、単なるファンではなく“人として有隣堂を好きになる”関係である。
さらに重要なのは、有隣堂があくまで「売らない姿勢」を貫いたことだ。
宣伝要素を2割以下に抑え、8割を“エンタメと共感”に割く。
「この本を買ってください」ではなく、「この人たち、楽しそうだな」と感じさせる。
このアプローチが結果的に、“最も売れる宣伝”となった。
ブッコローは単なるマスコットではなく、企業が人間らしさを取り戻すためのメディア装置だったのだ。
有隣堂の成功は、ロジックやSEOではなく、「血の通った温度感」が生んだ結果である。
人が育ち、文化が育つ──“熱意”が企業を動かすエンジンになる
「失敗」は”今”判断できるが、「成功」は”未来”にしかない。
社内にどんな優秀な人材がいても、知らなければ活かしようがありません。
人材発掘の仕組み化は、YouTubeに限らず会社にとって重要なことだと痛感しました。
有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
⇒ 成功を動かすのはスキルではなく、情熱と信頼の連鎖だ。
有隣堂のYouTubeチームが生んだ最大の成果は、登録者数でも再生回数でもない。
それは、「挑戦を通じて人が育ち、文化が変わった」ことだ。
チームの採用基準はただひとつ。
「やってみたい」という気持ち。
最初は撮影も編集も分からない社員たちが、互いに教え合いながら成長していった。
失敗しても責めず、分析して次に活かす。失敗を「学習資産」として扱う文化が根づいた。
この“実験する文化”こそが、老舗企業に新陳代謝をもたらした。
年齢も部署も関係なく、全員が「新しいことを面白がる仲間」として結びついたのだ。
さらに、コメント欄は社員と視聴者の“対話の場”として機能した。
形式的な返信ではなく、社員が個性を出して会話を楽しむ。
そこから「中の人」が“友達”のような存在となり、ファンとの信頼が生まれた。
この双方向のやりとりが、YouTubeを単なる広報ツールではなく“人間関係のプラットフォーム”へと進化させた。
◆チャンネル登録者数が10万人を突破した方法
❶出演者の幅を広げる
❷シリーズ企画の継続
❸メンバーのレギュラー化
❹他社の提案も貴重なネタとして取り入れる
❺一度決めたことでも、失敗を認め、必要であれば修正する
❻SNSの活用や宣伝(X、TikTok)
❼ヒーローコンテンツの登場
(動画:職業作家の1日ルーティンの世界)
動画の内容や方向性は”宣伝”ではなくても、面白い動画を作って再生数が伸びれば、結果的には商品のプロモーションになるということも、この回で証明できました。
有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
いまや有隣堂チャンネルは、採用にも大きな影響を与えている。
応募者の中には「ブッコローの動画を見て入社を決めた」という若者も少なくない。
YouTubeが、ブランドだけでなく“人材”を惹きつける入口になったのだ。
老舗企業の変革は、トップダウンの号令ではなく、社員ひとりひとりの“熱意の連鎖”から始まる。
有隣堂が築いたのは、動画ではなく、「人と人の信頼」という資産だった。
YouTubeチームでも、言いたくても言えない人にも気を配りながら、みんなができるだけ気持ちよく働ける環境づくりを整えていきたいと常に思っています。(中略)
ここまで多くの人に見てもらえるチャンネルに育ったいちばんの要因は、有隣堂という会社に、「素直な動画」を作ることのできる環境があったからです。(中略)
もうひとつが、「何かあったときは社長が責任を取ってくれる」という安心感です。
有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
良い組織には心理的安全性も必要である。

荒木博行著『努力の地図』
努力を戦略的に設計するための本。
私たちは、「努力」と「報酬」をつなぐプロセスを自分の経験則から無意識に採用している。
方向性や仕組みを間違えることで「継続」できなくて成功しない。
「成功」とはいつまでも続けられることをいうのだ。
努力を構成する単語として、注目すべき言葉がある。 それは「目標」だ。努力を語るうえで、目標は欠かすことのできないピースである。目標なくして、努力はない。
荒木博行著『努力の地図』
大原昌人著『会社の売上を爆上げするYouTube集客の教科書』
多くの企業がYouTubeを始めるとき、最初に注目するのは再生回数や登録者数だ。
だが、大原はその数字を「錯覚」と呼ぶ。
再生数は一見成果に見えるが、実際に本業の売上へつながっていなければ意味がない。
再生数が伸びても顧客が動かないのは「関心」を「行動」に変換できていない証拠である。
正しく使うのであれば、あなたのビジネスの売上が爆上げするだけではなく、世の中に認められ注目される、そんな爆発的な威力を発揮します。 そう、そのツールとは「YouTube」です。
大原昌人著『会社の売上を爆上げするYouTube集客の教科書』
大原昌人著『これからの集客はYouTubeが9割』
「YouTubeで稼ぐ時代は終わった」と聞いたことがあるだろう。
だが、それは“広告収益”の話であり、集客ツールとしてのYouTubeは今が最盛期である。
こちらは、動画を「売るための装置」として再定義した一冊である。
Youtubeが得意なのは、「認知・興味・関心」だ。
いきなり、「購入や申込」にはつながらないことだけは注意しよう。
マーケティングの世界では「ザイオンス効果」という名前がついています。 「人は接触頻度が多くなればなるほど、その対象に対して親近感を持つ」という効果のことです。
大原昌人著『これからの集客はYouTubeが9割』
学識サロンまぁ〜著『“顔出しナシ”でYouTubeで稼ぐ本』
外注がうまくいかない最大の原因は、“人のスキル不足”ではない。
本当の問題は、運営者が「指示を出せる仕組み」を持っていないことにある。
どこまでを他者にお願いするかはジャンルやテーマ、目的によっても異なる。
YouTube制作はそのほとんどを外注することが実は可能です。 先行投資することになりますが、チャンネルのコンセプトや企画だけを考えて、他の動画制作作業のすべてを人に任せて稼いでいる人はたくさんいます。
学識サロンまぁ〜著『“顔出しナシ”でYouTubeで稼ぐ本』
ほとんどを外注することは可能だが、結局はあなたがやる理由が明確でなければ、外注しても成功が長続きすることはない。
オマケ
【本当は教えたくない】書籍と人に会って見えた!YouTubeで収益化するための7つの法則!
企業YouTubeでも『収益化の共通法則』は変わらない。
人に会い、大量の書籍を読んだシロマサル独自調査による黄金即7選を紹介中!
5万円するような情報商材を買うぐらいなら、ノウハウ図書館で書いたから一度見てってや~。
まとめ
✅ 制約は武器になる。
✅ 熱意がチームを動かす。
✅ “人間味”がブランドを再生する。
「人気が出たと調子に乗らないこと」そして「動画を上げるたびに常に初心に戻ること」。
有隣堂YouTubeチーム著『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』
⇒ 「制約こそ、創造の母である。」
⇒ 「人が動けば、企業が変わる。」
組織の目的は、「凡人をして非凡なことを行わせることにある」。
ピーター・ドラッカー
組織は天才に頼ることはできない。
天才は稀である。
当てにはできない。
凡人から強みを引き出し、それを他の者の助けとすることができるか否かが、組織の良否を決める。
同時に、組織の役割は、人の弱みを無意味にすることである。
要するに、組織の良否は、そこに成果中心の精神があるか否かによって決まる。
50年以上の前の組織論と比べても同じことをしているのだ。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆

