• 投稿日:2025/03/01
  • 更新日:2025/10/01
J・A・シュンペーター『企業家とは何か』あなたも企業家かもしれない。100年前の経済学者から学ぶ。

J・A・シュンペーター『企業家とは何か』あなたも企業家かもしれない。100年前の経済学者から学ぶ。

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シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

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要約
シュンペーターが提唱する「創造的破壊」を軸に、イノベーションを通じた経済発展を解説した一冊。企業家の役割を既存知の新たな組み合わせで新商品や生産方法を生み出すことと定義し、経済成長の鍵と位置づけている。起業論やイノベーション論の源流として現代にも多くの示唆を与える内容である。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はJ・A・シュンペーター著『企業家とは何か』1998年発行をつまみ食いします。

まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。


著者:J・A・シュンペーター200px-Joseph_Schumpeter_ekonomialaria.jpg出典:Wikipedia

1883年。オーストリア・ハンガリー帝国(後のチェコ)モラヴィア生まれの経済学者である。


00000.png✅ 経済発展の原動力は、既存知の新たな組み合わせによるイノベーションである。

✅ 企業家はリスクを恐れず、新しい価値を生み出す役割を担う。

✅ 企業家と資本家の役割を明確に分けることで、挑戦の幅が広がる。


シュンペーターは、100年前の経済学者。

「古典」と呼ぶ以外に表現ができない本である。

しかし、現代のイノベーション論や起業家論の源流である。

起業と新規事業がより深く理解しやすくなるだろう。


温故知新も時に重要である。00.png温故知新(おんこちしん):昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすること。


タイトルは「企業家」となっていて、「起業家」ではない。

ただ、同じ意味なので気にする必要はない。

源流らしい表記ゆれと考えてほしい。


『企業家とは何か』

イノベーションの源:創造的破壊とは何か

シュンペーターは経済発展の鍵を「創造的破壊」と定義した。

「経済発展の原動力は、イノベーション(革新)だ」

J・A・シュンペーター著『企業家とは何か』


ではイノベーションとはどのようなものか?

0000.pngiPhone📱はイノベーションである。 

①iPod(オーディオプレーヤー)、②携帯電話、③ネット通信デバイスの3つを組み合わせてまったく新しい価値を生み出し、世の中を大きく変えた。

0.png⇒ イノベーションとは、既存知と既存知の新しい組み合わせである。

⇒ 既存の仕組みを破壊し、新しい価値を創造することが重要。


人類発展の歴史は、このようなイノベーションの歴史である。

車輪は木から鉄製に、そしてゴム製のタイヤに変化したことで人類の輸送能力は急激にアップした。

人力、馬車、内燃機関、飛行機、インターネット通信によって、人の移動は大きく変化していった。

今では、土地や農地に縛られず、働く場所を選ばないこともできる。


イノベーションが生まれると、従来のやり方は根本的に変わり、世の中も大きく変わる。

太古の昔から人類は数多くのイノベーションを積み重ね、ここまで進化してきたのだ。


投資家や銀行が起業や新規事業に魅了されるのも、社会の発展に貢献できる可能性があるからだ。


既存知の組み合わせで新しい価値を生む

イノベーションは5つのパターンで発生する。

❶商品をつくる
例:iPhone
①iPod(オーディオプレーヤー)× ②携帯電話 × ③ネット通信デバイス

❷生産方法を生み出す
例:トヨタ生産方式

❸組織をつくる
例:事業部制組織『組織は戦略に従う』

❹販売市場をつくる
例:フランチャイズチェーン展開
マクドナルドケンタッキーフライドチキンサイゼリヤ

❺供給源を見つける
例:バイオ燃料用のユーグレナ(藻の一種であるミドリムシ)

0.png⇒ 新商品、生産方法、組織、市場、供給源の革新が重要。


企業家の本質:挑戦と創造

企業家は発明家ではなく、既存アイデアを事業に結びつける役割を果たす。

イノベーションは企業家と資本家で実現される。
リスクを負うのは、企業家ではなく資本家だ。

J・A・シュンペーター著『企業家とは何か』


シュンペーターは企業家と資本家の違いを以下のように表現している。

不確実なビジネスにお金を出す資本家の役割は、失敗してお金を失うリスクを負うことであり、企業家はリスクなんて気にせず事業の成功を目指し続けるべきと説く。

もちろん、企業家と資本家を兼ねる創業者もいる。


日本では、資金は主に銀行の融資などに頼っていて、企業家(=経営者)が個人で会社の借金の保証人になることも多かった。


近年、日本でもベンチャーキャピタルが整備され、再挑戦が可能になった。

100年以上も前にシュンペーターは経済学者の立場で、「事業を興しイノベーションを実現して新しいことを行う企業家こそが、経済発展の要である」と主張していた。

現代でも、通用する者も多い本である。

0.png⇒ 企業家は事業成功を目指し、資本家がリスクをカバーする仕組みが重要。


0000000.png233.png磯崎哲也 著『起業のファイナンス 増補改訂版』

起業家にまず必須なのは会計ではなく「ファイナンス」と語る本。

資金調達をファイナンスともいう。

資金調達は「銀行からの借入」か「株式による出資」に分かれる。

まとめ

リベシティ用サムネ (30).png✅ 経済発展の原動力は、既存知の新たな組み合わせによるイノベーションである。

✅ 企業家はリスクを恐れず、新しい価値を生み出す役割を担う。

✅ 企業家と資本家の役割を明確に分けることで、挑戦の幅が広がる。


⇒ 「イノベーションは既存知と既存知の新たな結合から生まれる」

⇒ 小さな挑戦でも、経済発展に寄与する可能性がある。

たとえ小さなことでも、それまでにない新しいことを行っているのならば、それは企業家である

J・A・シュンペーター著『企業家とは何か』


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれる。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆_.png

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