- 投稿日:2025/02/07
- 更新日:2025/09/29

知られざるトマトの危険性
健康的なイメージだけど・・・
みなさん、トマトは好きですか?
トマトが赤くなると医者が青くなる
(熟したトマトを食べると健康になり、医者が暇になり困る)
という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
トマトにはよく知られるリコピンなどが含まれ、健康的なイメージがあります。
その名もトマチン
しかし、トマトには毒が含まれているのです。
その名もトマチンという物質です。
アルカロイド性の毒を持ち
C50H83NO21という化学物質で構成されています。
このような危険な毒物がスーパーなどで普通に購入できるのです。
皆さん気を付けてください。
トマチンの毒性
トマチンは危険な物質であり、トマトを4,800kgほどを一度に摂取すると死亡する可能性が高いです。
言い換えると4.8tのトマトを食べると死んでしまうということです。
大変危険です。明日からトマトを食べるのは辞めましょう。
ハンター×ハンター 第2巻より
※ 家庭菜園などで青い実や茎、葉などを口に含む場合はもっと少量で
中毒しますので、ご注意ください。
市販品は5t弱食べなくては中毒しません。
ここからが本題
トマト5t理論
さて、ここまで読んで多くの人が思ったでしょう。
「トマト4.8tなんて、食えるわけねぇだろ!」
私もそう思います。
そして
「そんなアリエナイ事態を想定した情報なんて役に立たないだろ」
それもその通りです。
さらに
「こんなゴミ情報を見抜けない奴はいないだろ!」
本当にそうでしょうか?
実はこのようにアリエナイ前提の情報が飛び交うのが現代社会の恐ろしいところです。
巷には大量に「トマトは毒である(5t食べると死ぬから)」のような情報があります。
本記事ではこれらをトマト5t理論と名付けて、具体例から見分け方まで書いていきますので、最後までご覧ください。
具体例
食パンの添加物
ヤマザキ製パンでは食感の追求のために臭素酸カリウムを添加物として使用していました(現在は使っていません)。
臭素酸カリウムは有毒で発がん性があります。経口摂取によって腎臓、中枢神経に影響を与え、腎不全、呼吸器抑制などを生じることがある、などと言われると怖いと思う人もいるかもしれません。
ではどの程度の量を食べれば、健康被害の可能性があるのでしょうか?
その量はおよそ400kgです。袋換算にすると1,000袋です。
大手食品メーカーの食パンには臭素酸カリウムという添加物が含まれて危険である!(キリッ
等と言っている人は毎日1,000袋の食パンを食べているのか、周囲にそういう人がいるので、警鐘を鳴らしているのでしょう。
特殊な事情の人を慮ってくれるなんて、気が利きますね♪
個人的には毎日1,000袋の食パンを食べる人がいたら、血糖値とか食費を心配しますが、言われてみれば、添加物も気になるかもしれません。想定したことが無いので考えもしなかったですが。
※ 計算根拠(読み飛ばし可)
含有量を0.5ppbとしたとき含有量は0.5mg/10,000kg
許容値は水道水基準で0.02mg(1日2ℓ飲む推定)
体重50kgの人で400kg以上の食パンを食べなければ、
健康上の問題はない。
パン一斤(スーパーの一袋)は350g以上なので、甘めに見積もって
毎日1000袋のパンを消費することが前提条件。
朝に300袋、昼に300袋、夜に400袋程度の食パンを食べる人は
注意する必要がある。
ちなみに検出限界が0.5ppbであり、検出されていないので、実際には
もっと含有量は少ないため、さらに大量の食パンを食べる必要がある。
見分け方
量の概念がない
トマト5t理論の滑稽なところは、前提条件としてあり得ない状況を設置していることです。
✅〇〇には××という毒性物資が含まれている
✅〇〇は毒性物質である××に含まれる成分を含んでいる
といった論調は一部はあたっているかもしれません。
そうであるならば一体どれほど摂取すると、どのように危険なのか?について詳細に記載するべきです。
しかし、大抵は一切触れられていません。
このような情報は「だから何なのか」が一切抜けているにもかかわらず、
〇〇は危険であるという、論理の飛躍が見られます。
情報として無価値なので、トマト5t理論か・・・とスルーしましょう。
比較していない
こちらはトマト5t理論からはやや外れますが、
✅○○には発がん性がある(可能性がある)
✅〇〇を摂取後に何年以内に〇〇人が死亡(体調不良)
も情報として何の価値もありません。
比較の重要性や比較の仕方は別の記事にまとめていますが、統計の知識が少し必要になるので、やや難しいかもしれません。
難しく感じる人は、理解できなくてもパラパラと見て、そういうものなのかとなんとなく眺める程度でもいいでしょう。
まとめ
✅トマトは毒である(5t食べると死ぬから)のような情報は多々ある
✅量の概念が無いものは要注意
✅比較検討が無いものは要注意
次回予告
トマト5t理論は情報として無価値といいましたが、無価値を通り越して有害な部分も多いです。
時間、お金、人間関係、信頼など人生において大事なものを失う可能性が高いです。
次回は
✅発信者は、なぜトマト5t理論を発信するのか?
✅トマト5t理論を信じてしまうと、どのようなデメリットがあるのか?
について深堀していきます。
後編はコチラから
参考資料
参考HP
Wikipedia
トマチン
日本植物生理学会
植物Q&A トマチン
臭素酸カリウムの製パンにおける有効性と安全性の確認
https://www.yamazakipan.co.jp/oshirase/images/0225/jafan.pdf
参考書籍
長村 洋一
長村教授の正しい添加物講義
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