• 投稿日:2025/11/10
【本要約】『LIFE SHIFT』100年時代を生き抜く人生戦略とは?

【本要約】『LIFE SHIFT』100年時代を生き抜く人生戦略とは?

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シロマサル@ノウハウ図書館×本の要約🍀

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要約
『LIFE SHIFT』は「人生100年時代」に必要な新しい生き方を示す書である。 教育・仕事・引退の3ステージモデルは崩壊し、学び直しや柔軟なキャリア設計を前提とした「マルチステージ人生」への転換が不可避と説く。 お金だけでなく「無形資産」の形成が幸福と成功の鍵になる。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はリンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』2016年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。


著者:リンダ・グラットン

Lynda_Gratton_(London_Business_School).jpg出典:Wikipedia

ロンドン・ビジネススクール教授。人材論、組織論の世界的権威。

2年に1度発表される世界で最も権威ある経営思想家ランキング「Thinkers50」では2003年以降、毎回ランキング入りを果たしている。

フィナンシャルタイムズ紙「次の10年で最も大きな変化を生み出しうるビジネス思想家」、英タイムズ紙「世界のトップ15ビジネス思想家」などに選出。

邦訳されベストセラーとなった『ワーク・シフト』(2013年ビジネス書大賞受賞)などの著作があり、20を超える言語に翻訳されている。


著者:アンドリュー・スコット

970d24ae3f0552d1af37985ebf7667ff.jpg引用画像元:https://www.tuttlemori-authors.com/?page_id=1299

ロンドン・ビジネススクール経済学教授、前副学長。オックスフォード大学を構成するオール・ソウルズカレッジのフェローであり、かつ欧州の主要な研究機関であるCEPRのフェローも務める。2005年より、モーリシャス大統領の経済アドバイザー。


00000.png✅ 3段階の人生はもう通用しない。

✅ 人生はマルチステージ型に再設計せよ。

✅ お金だけでなく無形資産が未来を決める。

本書は、そうした恩恵を現実化するために最初の一歩を踏み出すようなあなたを誘う招待状だ。

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』


「人生100年時代、どう生きるべきか?」

「今の働き方やキャリア設計のままで本当に大丈夫?」

そんな疑問に答えてくれるのが『LIFE SHIFT』である。

これまでの人生モデルが「教育」「仕事」「引退」という3つのステージで構成されていたのに対し、平均寿命が延び、100年を生きることが当たり前になる社会では、この直線的なモデルはもはや通用しないと語られる。

本書は長寿化による社会変化を前提に、これから必要となる新しい人生モデルと資産の築き方を解説してくれる。

本書の最大の特徴は、長寿化がもたらす「機会」と「リスク」を両面から描き出している点だ。


『LIFE SHIFT』

Image_fx (1).jpg「20代で基礎を固め、40代までにキャリアのピークを迎え、60代で引退」という一本道の人生設計が一般的である。

私自身もそう考えていた。

端的にいえば、若い人ほど長く生きる可能性が高い。
10年ごとに平均2~3年のペースで平均寿命が上昇していることを考えると、2007年生まれの50%が到達する年齢が104歳なら、10年前の1997年生まれの人の場合、その年齢は101~102歳という計算になる。

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』

人生100年時代の到来

人が長く生きるようになれば、職業生活に関する考え方も変わらざるをえない。人生が短かった時代は、「教育→仕事→引退」という古い3ステージの生き方で問題なかった。

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』

0.png⇒ 3ステージ人生は限界を迎えている。

⇒ より長い人生の歩み方を考えないといけない。

⇒ 長寿化は格差を拡大させる。

⇒ しかし、寿命の延長は「余生の増加」ではなく、「選択肢の拡大」である。


「人間五十年」から気がつけば80年、そして100年時代となった。

00.png「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」

人の世の50年という歳月は、天界の時間に比べれば夢幻(夢と幻のこと)のように儚いものだ、という意味。

この一節は今を精一杯生きることを表現している。


ちなみに当時の平均寿命が50年だったわけではない。

むしろ、30歳から40歳程度だったとされている。
(幼児死亡率の高さや、当時の医療や衛生環境が現代よりも未発達な点から)

しかし、人の一生は儚いものだが、2倍以上にはなったのだ。
できることなら、喜びたいものである。


話を戻すと、平均寿命の延びにより、教育→仕事→引退という直線的モデルは機能しない。

長寿社会では定年とされていた60歳からさらに40年もの余生を生きる現実が待っている。もはや折り返しに過ぎない。

今後は、70代、80代、さらには90代まで現役で活躍する人も珍しくなくなるだろう。

これを悲しいことだと思うかは人それぞれだ。


日本における個人にはどうしようもない大きな流れ:メガトレンドとは何か?

日本人の減少ペースは加速(県が1つ消えるレベルの90万人規模で減少)

今後も総人口は減り続ける

❸労働力確保など、複合的な理由で外国人は増えていく

❹都市部よりも田舎でこれからその影響が見え始める
(インフラ老朽化、地方人口の減少)

❺親から子への資産流動がより遅くなる。
(老人から老人に相続されるため、若者にお金が降りづらくなっていく)

ビジネスケアラーの増加・介護離職リスク


昔から言われている少子高齢化の加速と超高齢社会の到来が大きい。

労働力という観点だけで見れば、AI・ロボット・デジタル通貨など新テクノロジーの本格普及働き方改革・DX(デジタルトランスフォーメーション)推進といった措置を取らなければならない。

人が減れば、消費人口も減るので、国内の需要も減っていく。

悪いことばかりの書き方に見えるかもしれないが、「需要」がゼロというわけではないのがポイントである。


0000000.png352.pngジェレミー・リフキン著『限界費用ゼロ社会』

経済活動においては、自然界の資源を経済的価値に変える過程で、エネルギーの正味の増加はけっしてなく、有効エネルギーの損失あるのみだ。 唯一の疑問は、いつそのつけが回ってくるか、だ。

ジェレミー・リフキン著『限界費用ゼロ社会』

成長(衰退)が「ちょっとずつ」ではなく、ある時点から爆発する。

だからこそ今の判断基準では未来を読めない。

加速度はある地点を境にして急激な変化を生む。

未来は簡単に私たちの想像を超えていく。


新しいマルチステージ人生モデル

Image_fx (6).jpg

選択肢が増えれば、人々はもっと自分らしい人生の道筋を描くようになる。

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』

0.png⇒ 年齢とキャリアの常識を捨てる。

⇒ いくつかの「マルチステージ型人生」を知ろう。


「エクスプローラー」:選択肢を狭めずに幅広い針路を検討する働き方

「独立生産者」:自由と柔軟性を重視して小さなビジネスで働く

「ポートフォリオワーカー」:複数の仕事と活動を並行して行う働き方

今まで聞いたことのない呼び方の学び直しと多様な働き方が前提になる。

「マルチステージ型人生」は一本道ではなく、「学ぶ」「働く」「休む」「新しい挑戦をする」といったステージを組み合わせ、何度も切り替えながら人生を編み上げていくモデルである。

0000.png30代で一度休職して学び直し、40代から新しい分野に挑戦する人。

50代で企業を離れ、自分の興味を生かした小規模なビジネスを立ち上げる人。

よくよく世間を見てみれば、「会社員」や「公務員」や「専業」の人だけではない。

自身の性質にあった「生き方」があれば良いのだ。


100年ライフでは、強い友情を維持することも難しくなる。

そして、同時に友情の価値も高まる。

関係を維持するのは、長い人生の過程で多くの転機がやってくるからである。

アイデンティティ(自己同一性)や意識が変わり、多くの絆が弱まってくることもある。

断ち切れるものもあるだろう。

しかし、人間関係は職業生活を成功させる土台であり、人生とアイデンティティの物語を紡ぐ要素である。


鍵となる3つの無形資産

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あなたはおそらく、友人関係や知識や健康を「資産」と考えたことはないだろう。「資産」というのは、ほとんどの人が日常生活で使う言葉ではない。しかし、これらの要素を資産と位置づける発想は、100年ライフを生きるうえで欠かせないものだ。

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』

0.png⇒ お金以外の資産を育てる。

⇒ 長寿化社会を生きるうえでの“見えない富”


無形資産は「生産性資産」「活力資産」「変身資産」の3つ。

❶スキルと知識

❷肉体的・精神的な健康と幸福

❸多様性のある人的ネットワークで生業を変化できる状態

本書で語られる「無形資産」は知識やスキル、人的ネットワーク、健康、友人関係、自己認識力など、お金では買えない資源のことを指す。


これらを育てることが幸福と成功の基盤になる。

安定のない道には、その変化を補うための無形資産が必要になってくる。


社会的な偏見、長寿化に伴う経済的不安、社会保障制度の持続可能性など。

読む人たちをできるだけ不安にさせる目的が大半で使い古されたであろう…これからの問題の助けになる。

0000.pngAIや自動化の進展で多くの職業が変化する中、学び直し(リスキリング)を続けられる知的好奇心や柔軟性は、収入の安定よりもはるかに大きな価値を持つ可能性がある。

健康や信頼できる人間関係は、高齢期の生活の質を大きく左右する無形資産といえる。

変化に柔軟に対応しながら資産(有形・無形の両方)を蓄え、自らの人生を主体的に再設計する力こそが、100年時代を生き抜くための鍵となる。


学びや挑戦には時間とお金が必要だ。

とくに所得格差が高い国では、経済的な優位性や不利が世代間でより顕著に継承され、社会的な流動性が低下するという指摘をしている。

0000.png先進国では「K字経済」と呼ばれる現象が起きており、中間層が減少し、富裕層と貧困層の二極化が進んでいると語られる。

https___imgix-proxy.n8s.jp_DSXZQO0337552025022021000000-1.jpeg外部サイト日経新聞 経済社会に「K字」の傷 止まらない格差拡大

グラフの縦軸を国民所得に占める比率として、高所得層が国民所得に占める比率があがり、低所得者層は逆に下がる。

横軸の年代が進むにつれて、国民所得に占める比率の格差が広がることから「K」の字に見えるとして「K字経済」である。

長寿化はさらに老人から老人に相続されるため、若者にお金が降りづらくなっていく。


この点は、個人の「自助努力」だけに委ねるのではなく、政府や企業、そして社会全体が、教育、働き方、社会保障制度を再設計し、すべての人が「ライフシフト」を可能にするための機会とセーフティネットを提供することが不可欠と本書では最後にまとめている。

ただ、その選択肢をどのように活かすかは、個々人の意識と行動にかかっている。


0000000.png216.pngジョナサン・ハスケルとスティアン・ウェストレイク著「無形資産が経済を支配する」

こちらの無形資産とは意味合いが異なるので注意。

「無形資産」目に見えないモノという点は同じだが、次の3種類に分けている。

❶コンピュータ化情報:ソフトウェアやデータベースなど

❷イノベーション財産:研究開発や娯楽作品

❸経済能力:人材への研修や企業変革への投資

現代では、豊かさの源泉は目に見えない無形資産に変わった。

343.pngティム・ハーフォード著『アダプト思考』

「挑んだ。失敗した。だからどうした。また挑め。また失敗しろ。前より上手に失敗しろ」ーサミュエル・ベケット

ティム・ハーフォード著『アダプト思考』

もはや、身分や階級は存在しない。

「しがらみ」や「慣習」は寿命を迎えて新たな「しきたり」が生まれる。

変化に対応せよ。都合よく利用せよ。

世の中の流れを読み、今どの場所にいるのが最も有利なのかを適切に察知する能力が必要だ。


「自分はどのように100年の時間をデザインするのか」考えても損は無い。

そして、今までよりも考える時間があるのだ。


まとめ

リベシティ用サムネ.png✅ 3段階の人生はもう通用しない。

✅ 人生はマルチステージ型に再設計せよ。

✅ お金だけでなく無形資産が未来を決める。

長寿化時代には人生の設計と時間の使い方を根本から見直す必要があるのだ。
そうすることではじめて、長寿を厄災ではなく、恩恵にできる。

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』


⇒ 人生を設計し直す勇気が未来をつくる。


「私は何者か?」「私はどのように生きるべきか?」という問いに答えられるのは、結局のところは本人しかいない。
人生が長くなれば、これらの問いは無視できないものになる。

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

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