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  • 投稿日:2025/12/24
  • 更新日:2025/12/25
ミヒャエル・エンデ『モモ』:時間は生きることそのもの

ミヒャエル・エンデ『モモ』:時間は生きることそのもの

シロマサル@ノウハウ図書館×本の要約🍀

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要約
『モモ』は、時間を「生きることそのもの」と定義し、効率化や合理性に支配された現代社会への批判を描いた物語である。 灰色の男たちが人々から時間を奪い、生の豊かさを消していく姿は、現代人の姿そのものだ。 モモの「聞く力」は、人間性を取り戻すための鍵として提示されている。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はミヒャエル・エンデ著『モモ』2005年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。

著者:ミヒャエル・エンデ

Michael_Ende_1990.jpg出典:Wikipedia

1929‐1995。南ドイツのガルミッシュに生まれる。父は、画家のエトガー・エンデ。高等学校で演劇を学んだのち、ミュンヘンの劇場で舞台監督をつとめ、映画評論なども執筆する。1960年に『ジム・ボタンの機関車大旅行』を出版、翌年、ドイツ児童図書賞を受賞。1970年にイタリアへ移住し、『モモ』『はてしない物語』などの作品を発表。1985年にドイツにもどり、1995年8月、シュトゥットガルトの病院で逝去。

『モモ』は1973年に発行され、児童文学の名作といわれている。

1977年には日本に滞在していたこともある。

日本では1976年に刊行され、今回は2005年の岩波少年文庫を軸に進めていく。

00000.png✅ 時間は節約するものではなく「生きることそのもの」である。

✅ 効率化は人間性を奪う危険を孕む。

✅ 心からの交流こそが人生を豊かにする。

とてもとてもふしぎな、それでいてきわめて日常的なひとつの秘密があります。
すべての人間はそれにかかわりあい、それをよく知っていますが、そのことを考えてみる人はほとんどいません。
たいていの人はその分けまえをもらうだけもらって、それをいっこうにふしぎとも思わないのです。
その秘密とは――それは時間です。

ミヒャエル・エンデ著『モモ』


「時間が足りない」「効率を上げたい」と焦っていないだろうか?

本書『モモ』は、そんな現代人に「時間とは何か?」を問いかける寓話である。

時間を奪う灰色の男たちと、ただ人の話を聞くだけで救うモモの物語は、私たちが忘れた「生きる意味」を思い出させてくれる。

人間は同じ時を過ごすことはない。

「お金」を求めなければならないとき、「時間」を求めなければならないとき、すべては連続している。

どちらかではなく、「両方」求めてしまうことに、どうこう批判できるものではない。


ミヒャエル・エンデ著『モモ』

Image_fx (9).jpg時間!効率!お金!時間!効率!お金!時間!効率!お金!

大きな工場や会社の職場には、おなじような標語がかかげられました。
時間は貴重だ――むだにするな!
時は金なり――節約せよ!

ミヒャエル・エンデ著『モモ』

灰色の男たちが象徴する現代社会

Image_fx (7).jpgいつだって、時間を考える時間がない。特に無駄にする時間は。

仕事がたのしいとか、仕事への愛情をもって働いているかなどということは、問題ではなくなりました――むしろそんな考えは仕事のさまたげになります。
だいじなことはただひとつ、できるだけ短時間に、できるだけたくさんの仕事をすることです。

ミヒャエル・エンデ著『モモ』

0.png⇒ 効率と合理性が人間性を奪う。


灰色の男たちは、単なる悪役ではなく「効率化」という現代社会の病理そのものを体現している。

彼らは人々に「時間を節約すれば人生が豊かになる」と囁き、預金のように時間を貯めさせる。

しかし結果は逆で、節約すればするほど生活は乏しくなり、人間関係も希薄になる。

これは「もっと早く、もっと多く」という生産性至上主義に支配された私たちの姿に重なる。

現代のビジネス社会では、効率化は正義のように扱われる。

AIや自動化、タイムマネジメント術に人々は熱中するが、その過程で「誰かと話す雑談」や「立ち止まって考える時間」といった非効率な要素が切り捨てられていく。

ミヒャエル・エンデは、このような「効率の奴隷化」によって人間が無機質になり、心を失っていく危険を灰色の男たちを通して描き出した。

「おれの仕事じゃ時間のゆとりがなさすぎる。ちゃんとした暮らしは、暇のある人間じゃなきゃできないんだ。自由がないとな。」

ミヒャエル・エンデ著『モモ』


時間=生命という価値観

Image_fx (6).jpg時間が常に流れて、壊れては別の時間に流れている。

「わたしはただ時間をつかさどっているだけだ。
わたしのつとめは、人間のひとりひとりに、その人のぶんとして定められた時間をくばることなのだよ。」

ミヒャエル・エンデ著『モモ』

0.png⇒ 時間を節約することは、生を削ること。


このお話で語られることは時間を「生きることそのもの」と定義する。

つまり、時間は銀行に預けて増やせるものではなく、呼吸や鼓動と同じく流れ続ける存在そのものだ。だからこそ「時間を節約する」という発想自体が、本来の生を切り詰める危険をはらんでいる。

例えば「昼休みを削って仕事を進める」「移動中は常に効率的に学習する」といった行為は、一見すると前向きだが、その積み重ねは「生きる実感」を削っていく。

節約した時間の中に豊かさは宿らず、むしろ「もっと効率化しなければ」という焦燥を強めるだけである。

時間を数字として管理するほど、人は時間の本質から遠ざかる。

なぜなら時間とは、生きるということ、そのものだからです。そして人のいのちは心を住みかとしているからです。

ミヒャエル・エンデ著『モモ』

ミヒャエル・エンデは『モモ』を通じて、時間は「管理する対象」ではなく「味わう対象」だと伝えている。

この価値観は、現代社会の常識を根底から覆す警鐘である。


モモの聞く力の意味

Image_fx (1).jpg傾聴は最古から存在する優良な作戦である。

小さなモモにできたこと、それは他でもありません、相手の話を聞くことでした。なあんだ、そんなこと、と皆さんは言うでしょうね。
話を聞くなんて、誰にだってできるじゃないかって。でもそれは間違いです。ほんとうに聞くことのできる人は、めったにいないものです。

ミヒャエル・エンデ著『モモ』

0.png⇒ 本当のコミュニケーションが人を救う。


モモが持つ特別な力は「人の話を黙って聞く」ことにある。

彼女は相手を評価したり、助言したりしない。ただ静かに耳を傾けるだけで、人々は自分の気持ちに気づき、心の奥に眠っていた本当の願いを言葉にできる。

現代社会では、会話ですら効率が求められる。

「結論は?」「要点をまとめて」と急かされ、言葉は短縮されていく。

しかしそこには人を癒やす力は宿らない。

むしろ「無駄に思える会話」「取り留めのない雑談」の中にこそ、人間らしい温かさや安心感がある。

モモはその「無駄の価値」を体現しているのだ。

ビジネスや教育の場でも、相手の話を遮らずに聞き切ることができれば、人は本来の力を発揮できる。

ミヒャエル・エンデはモモを通じて、効率とは対極にある「聞く力」こそ人間を救う手段だと強調している。

人の話を聞くことができるものは、「時間」がある者だけである。


0000000.png383.png永松茂久著『人は話し方が9割』

コミュニケーションにおける3つの大原則にまずは従うこと。

①人は自分への関心が一番強い。
②人は自分のことをわかってほしい生き物
③人は自分のことをわかってくれる人に好意を持つ

会話が上手くなる方法、それは「苦手な人との会話を避け、大好きな人と話す時間を増やす」。これだけです。

永松茂久著『人は話し方が9割』


ベッポが語る「ゆっくりさ」の哲学

Image_fx (5).jpg道路が永遠に続いていることなんて考えなくていいんだ。

「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、次のひと呼吸のことだけ、次のひと掃きのことだけを考えるんだ。いつもただ次のことだけをな。」

ミヒャエル・エンデ著『モモ』

0.png⇒ 焦らず、一歩ずつが人生を豊かにする。


清掃人ベッポは、モモに「長い道を掃除するときは、決して道全体を見てはいけない」と語る。

ベッポは今この瞬間を生きており、私利私欲のない人物として小説の中で生きている。

大切なのは「一歩ごと」「ひと息ごと」に集中し、小さな積み重ねを丁寧に行うことだ。

そうすれば、いつの間にか長い道も終わっている。

この姿勢は、効率を追い求めて焦りがちな現代人への痛烈なメッセージである。

私たちは成果を急ぎ、ゴールばかりを見て焦燥に駆られる。

しかしその結果、途中の景色や小さな喜びを見失う。

ベッポの哲学は「スローライフ」や「マインドフルネス」の原点に通じており、今を味わうことこそが人生を豊かにするのだと教えてくれる。

効率を求めて走り続けるのではなく、一歩ずつを確かめながら進む。

ベッポの姿は、人生の本質を穏やかに、しかし強烈に突きつける。

光を見るためには目があり、音を聞くためには耳があるのとおなじに、人間には時間を感じとるために心というものがある。そして、もしその心が時間を感じとらないようなときには、その時間はないもおなじだ。

ミヒャエル・エンデ著『モモ』


0000000.png303.pngアーノルド・ベネット 著『自分の時間』

およそ100年以上前の時間活用術の名著。

天才だからといって1日に余分な時間を与えられるわけではない。

どのような使い方をしても、明日の時間が23時間にはならないのだ。

朝、目覚める。 すると、不思議なことに、あなたの財布にはまっさらな24時間がぎっしりと詰まっている。 そして、それがすべてあなたのものなのだ。 これこそ最も貴重な財産である。

アーノルド・ベネット 著『自分の時間』


296.pngオリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』

本書はアメリカのベストセラー作家が書いた「新しい時間の使い方」の本。

80歳まで生きるとして、あなたの人生はたったの4000週間。

本書は、時間をできるだけ有効に使うための本だ。 ただし、いわゆるタイムマネジメントの本ではない。

オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』

単純な話、人生は短い。


397.pngリンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』

しかし、そうはいっても人生は長くなる。

端的にいえば、若い人ほど長く生きる可能性が高い。 10年ごとに平均2~3年のペースで平均寿命が上昇していることを考えると、2007年生まれの50%が到達する年齢が104歳なら、10年前の1997年生まれの人の場合、その年齢は101~102歳という計算になる。

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』

「20代で基礎を固め、40代までにキャリアのピークを迎え、60代で引退」という一本道の人生設計はもう通用しなくなる。

そのためにはお金以外の資産を育てることも必要になる。

モモが持つ力は、本書に書かれる「無形資産」といっても良い。


まとめ

317.png✅ 時間は節約するものではなく「生きることそのもの」である。

✅ 効率化は人間性を奪う危険を孕む。

✅ 心からの交流こそが人生を豊かにする。

子どもたちは、ほかのあることを忘れてゆきました。
ほかのあること、つまりそれは、楽しいと思うこと、夢中になること、夢見ることです。

ミヒャエル・エンデ著『モモ』


⇒ 時間をどう生きるか――それが人生そのもの。


子どもが何もしないで幼い時代を無駄にすごしているのを見て、あなたがたは心配している。とんでもない。幸せに暮らしているのがなんの意味もないことだろうか。

フランスの思想家/ジャン・ジャック・ルソー


AIや技術革新によって人間の自由時間が増えることで、人々は芸術・学問・文化活動に力を注げるようになると、私は信じたい。

「私は政治と戦争を学ばなければならなかったが、それは息子たちに数学と哲学を学ぶ自由を与えるためだった。息子たちは数学・哲学・地理・自然史・船舶工学・航海学・商業・農業を学ばねばならない。それによって、その子供たちに絵画・詩・音楽・建築・造形・製織・製陶を学ぶ権利を与えねばならない。」

アメリカの第2代大統領/ジョン・アダムズ


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

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この記事のレビュー(1
  • 会員ID:h3Vyteo6
    会員ID:h3Vyteo6
    2025/12/24

    ミヒャエル・エンデ『モモ』:時間は生きることそのもの初めて知りました。僕にとっては時間の概念が変わる記事でした。ありがとうございました‼️

    シロマサル@ノウハウ図書館×本の要約🍀

    投稿者

    2025/12/24

    おりきん様。 レビューしていただきありがとうございます🍀 ほんの少しでも、今をより良く生きるための参考になりましたら幸いです🌟

    シロマサル@ノウハウ図書館×本の要約🍀

    投稿者