- 投稿日:2025/10/18
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はオリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』2023年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:オリバー・バークマン
英国ガーディアン紙の元記者。外国人記者クラブ(FPA)の若手ジャーナリスト賞を受賞し、連載コラム“This Column Will Change Your Life”で人気を得た。生産性と限りある人生をテーマにしたニュースレター“The Imperfectionist”も好評を博している。著書にベストセラー『限りある時間の使い方』(小社刊)のほか、『ネガティブ思考こそ最高のスキル』『HELP! 「人生をなんとかしたい」あなたのための現実的な提案』(いずれも下降全訳、河出書房新社)などがある。
✅ あらためて…人生は4000週間しかない。
✅ 効率化は自由ではなく焦燥を生む。
✅ 「何を諦めるか」を選ぶことが、豊かさの始まりである。
タイムマネジメントやライフハックの技術は、大事な真実を見落としている。
「時間は思い通りにコントロールしようとすればするほど、時間のコントロールが利かなくなる」という真実だ。
オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』
「仕事も家庭も完璧にこなしたい」
「いつか全部片付いたら自由になれる」
そう思って努力しても、タスクは増える一方ではないだろうか。
バークマンは言う。
「効率化は、あなたを自由にしない」。
本書は、限りある人生をどう生きるかを問い直す、“時間哲学”の教科書である。
ちなみに、この本は既に一度要約している。
オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』
元のタイトルは『Four Thousand Weeks』
80歳まで生きるとして、あなたの人生はたったの4000週間。
太古の昔でも、1000年前でも、これからも、「時間が足りない」のだ。😱
前よりも多くの本の読んで、要約して、なんとなく、あらためて見つめ直そうと思う。
『限りある時間の使い方』
時間は請求書の山のように積み重なるものではない。
時間の中を泳いでいたはずの僕たちは、いつしか時間を支配し、コントロールする立場になった。時間をコントロールできなければ、罪悪感でパニックになる。
オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』
効率化の罠――やればやるほど、心がすり減る
時間にしがみつけばつくほど、その場から動けなくなる。
妥協する生き方と、最大限に努力する生き方とを対比させるのは、そもそもまちがっている。最大限に努力するためには、どこかで手を打つ必要があるからだ。
オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』
⇒ 効率化は自由ではなく、焦燥を生む。
私たちは「もっと効率的に」「もっと早く」と追い立てられるように働いている。
しかし、効率化とは paradox(逆説)を孕んだ行為だ。
時間を節約するほど、私たちは“余った時間”にさらに新しい仕事を詰め込んでしまう。
やればやるほど、リストは増える。
タスクは終わらず、焦りだけが蓄積する。
バークマンは、この構造を「効率化の罠」と呼ぶ。
僕がいいたいのは、メリットだけではなくデメリットを直視しようということだ。
オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』
人間の欲求は“空白を埋めようとする”性質を持っている。
だから、時間を作っても休めず、むしろ“より多くこなさねばならない”という強迫観念に取り憑かれてしまうのだ。
効率を極めることが人生の解決策だと信じるほど、私たちは“自分を管理する機械”と化していく。
その結果、「時間を支配する」どころか、「時間に支配される」ようになる。
自由を得たいなら、まずこの幻想から抜け出さなければならない。
問題にしていたのは、楽しむことそのものではない。
問題は、それが意図的な選択ではないという事実だ。
オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』

ミヒャエル・エンデ著『モモ』
私たちはいつから「時間」を「効率」や「お金」で見るようになったのだろう。
18世紀後半、イギリスの農民たちは都市部に移り住み、工場で働くことになった。
皆がバラバラに働いていると作業管理や流れが止まってしまう。
だからオーナーたちは鉄といった原料と同じように労働時間を効率的に管理するようになった。
大きな工場や会社の職場には、おなじような標語がかかげられました。 時間は貴重だ――むだにするな! 時は金なり――節約せよ!
ミヒャエル・エンデ著『モモ』
その結果、私たちは時間に値段がつけられ、働かないやつらは時間という資源を盗んでいると錯覚するようになった。
もちろん、中世の農民時代に戻りたいわけではない。
だが‥‥。
子どもが何もしないで幼い時代を無駄にすごしているのを見て、あなたがたは心配している。とんでもない。幸せに暮らしているのがなんの意味もないことだろうか。
ミヒャエル・エンデ著『モモ』
「すべて片付けられる」という幻想を捨てる勇気
その考えは、空中に石を並べるようなもんだ。
良い先延ばしをする人は、すべてを片付けることはできないという事実を受け容れたうえで、何に集中して何を放置するかを賢明に判断する。
ダメな先延ばしをする人は、自分の限界を受け容れることができず、そのせいで動けなくなる。
オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』
⇒ 未完のまま生きる覚悟が、真の自由を生む。
「いつかすべて片付いたら、やりたいことをやろう」
多くの人が、この幻想の中で人生を先送りしている。
メール、会議、家事、そして“将来の準備”。
どれも重要だが、「すべてを終わらせる」という目標自体が、そもそも達成不可能なのだ。
バークマンは言う。「すべてを片付けるという夢を諦めよ」。
その敗北宣言こそ、人生の再出発である。
“完了”を追い求める生き方は、永遠に心を疲弊させる。
むしろ「終わらないことを受け入れる」とき、初めて心に余白が生まれる。
やるべきことをすべて抱えようとする代わりに、「これはやらない」と決める勇気を持つこと。
そして、やりかけのままでも自分を責めず、“いま”という有限な瞬間に価値を置くこと。
この態度の変化が、人生の質を根底から変えていく。
有限性を受け入れた者だけが、時間と共に生きられる
強い意志で設計図を書くのも良い。水の上にただ流されるのも良い。
「現実を思い通りに動かしてやりたい」という傲慢な態度こそが、苦しみを引き起こす。
オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』
⇒ できない自分を許すと、人生は豊かになる。
私たちは、無限に生きられるかのように振る舞う。
だが、人生はたった4000週間しかない。
その現実を直視することは、恐ろしくもあるが、同時に救いでもある。
なぜなら、「できることは限られている」と理解した瞬間に、人は“選ぶ力”を取り戻す。
完璧を目指すのではなく、限られた時間の中で“何を大切にするか”を明確にすること。
それが、有限の中で生きる知恵である。
バークマンはこう語る。
「時間は支配するものではなく、共に生きるものだ」。
つまり、計画で未来を固めるのではなく、いま流れている時間の“呼吸”に合わせて動くことが大切だという。
さらに彼は、先延ばしの本質にも切り込む。
それは怠惰ではなく、「失敗への恐れ」だ。
完璧にできない自分を受け入れたとき、ようやく私たちは行動を始められる。
不完全なままでも進めば、人生は少しずつ動き出す。
有限であることを恐れず、むしろ“有限だからこそ美しい”と感じるとき、人は時間と調和して生きることができるのだ。
なんとか苦しみから逃れようとしても、できることといえば、もっと速く動くことだけだ。
本当は急ぐべきじゃないとわかっている。
だけど、今さら急ぐことをやめるなんてできない。
オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』

エミール・デュルケーム著『社会分業論』
「分業」という言葉はアダム・スミスが提唱したような経済的な生産性や効率性を高める手段のイメージが強い。
誰かが、食事を作ってくれるから、毎日自炊や食べ物を生産しないで済む。
誰かが、公共交通機関を動かしているから会社や遊びに行ける。
しかし、社会は単に効率的に仕事を分け合うだけでは成り立たない。
分業は経済効率のためでなく、連帯の基盤である。
個人で出来ることは実に少ない。
行き過ぎた個人主義は良い結果を招かない。
諸個人は分業によってこそ相互に結びあっているのであって、それがなければ孤立するばかりである。彼らは、てんで発達する代わりに、自分たちの努力をもちよる。彼らは連携的である。
エミール・デュルケーム著『社会分業論』
ヴィクトール・エミール・フランクル著「夜と霧」
どのようなタイムマネジメントや手法よりも重要なことがある。
それは自分の内面に注意を向けることである。
周囲の圧力に惑わされず、人間らしく行動することが、極限状態であればあるほど‥‥生き延びる重要な要素となる。
彼らは、人間から一切を取り得るかもしれないが、しかしたった一つのもの、すなわち与えられた事態にある態度を取る人間の最後の自由、をとることはできないということの証明力をもっているのである。
ヴィクトール・エミール・フランクル著「夜と霧」
マルクス・アウレリウス著『自省録』
2000年前のローマ皇帝はこう言っている。
「君を悩ますのは出来事ではなく、その解釈である」。
周囲の事情のために強いられて、いわばまったく度を失ってしまったときには、大急ぎで自分の内にたちもどり、必要以上節度から離れないようにせよ。 たえず調和にもどることによって君は一層これを支配することができるようになるであろう。
マルクス・アウレリウス著『自省録』
引用文中の”これ”は時間であり、お金であり、自己であり、健康であり…。
数えきれないほどの重視すべき項目に当てはまる。
どんな英雄であろうとも、膨大な時の流れには逆らえず、塵に返ってゆく。
しかし、無駄と言い切れるほど、私は長い時間の中にはいない。
まとめ
✅ あらためて…人生は4000週間しかない。
✅ 効率化は自由ではなく焦燥を生む。
✅ 「何を諦めるか」を選ぶことが、豊かさの始まりである。
何かをきちんと読むためには、それに必要なだけの時間がかかる。
それは読書だけでなく、嫌になるほど多くのことに当てはまる事実だ。
オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』
⇒ 「時間を制御するな、時間と共に生きよ」。
心の真の深い平和と完全な心の安らぎという、健康に次いで最も貴重な地上の財宝は、孤独のなかにしかなく、徹底した隠棲のうちにしか見出すことができない。
そこにたどり着けるのは、人真似だと言われてもくじけずにつくりつづけ、粘り強く技術を磨き、経験を積むことのできる人だけだ。
初期の試行錯誤の段階で諦めてしまうようでは、けっしてオリジナルの作品はつくれない。
オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』
しかし、時間の価値は量で決まるのではなく、「他の人間と時間を共有する」ことである。
仮に週4日働き、残り3日が休みでも、仲間(距離は問わない)、友人、家族と同じ時間を共有できないのであれば、休日はただ身体を休めるだけになってしまう。
孤独の時間も必要だし、誰かとかかわる時間も必要である。
ただしそのどちらにおいても、自分自身の注意力と一人で使うorみんなで使う時間の比率を他に明け渡してはならない。
結局のところ、「時間」に関する苦しみは釈迦の説いた四苦八苦といっても良い。
①生
②老
③病
④死
⑤愛別離苦(あいべつりく):愛する人と別れる苦しみ
⑥怨憎会苦(おんぞうえく):嫌いな相手と会う苦しみ
⑦求不得苦(ぐふとくく):望むものが得られない苦しみ
⑧五蘊盛苦(ごうんじょうく):肉体や精神が思いどおりにならない苦しみ
そして、「生きるとは何か」という問いに対する釈迦の最終結論を三法印(さんぼういん)という。
①諸行無常
世の中のすべての現象は常に変化し生滅して、永久不変なものはない
②諸法無我
世の中のすべての現象には主体などない
③涅槃寂静
煩悩を全て消し去ると、穏やかな世界が待っている
価値と豊かさを内面に備えた人は、他人との連帯を得るために多大な犠牲を払ったりはしない。
それは自分ひとりで満ち足りた心境にあるからだ。
偉大で豊かな自我の持ち主は、そうした場合、このみじめな地上で見出しうる、もっとも幸福な状態を享受するだろう。
それでいて、仲間、友人、昔の友人、兄弟姉妹と話し、笑い、話し、歌を歌い、些細なことでも話す時間を共有する人々を大切に。
それらすべてがあなたにとって最も貴重なものとなる。
つまり、「我思う、故に時間あり」
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆
