- 投稿日:2024/09/25
- 更新日:2025/09/29
はじめに
私は現在無職であり、趣味として畑で家庭菜園をしていたり野食(野外で食材を調達すること)をしている。
すると「自給自足してるんですね」
などと言われることがあるが、そのたびに
「自給自足はそんなに甘くない!」
と心の中で叫んでいる。
なぜそのような叫びが心の内から湧き上がってしまうのか?言語化する目的で本記事を書くことにした。
前回の
の実践編である。
実はリベ的にもちゃんとコンテンツがあり
という動画が上がっている。
読者の皆さんは模範的なリベ大生のため当然履修済みではあると思うので、私と同じ疑問を持ったであろう。
そう、この対策だけでは物資の補給が出来ないため、経済崩壊への備えとしては不十分ではないかと(あえて補足するが経済崩壊はしないという文脈のため、不十分なのは当然である。)
そこで今回は経済崩壊後のサバイバルを想定し、天然物だけで生活するスタイル、ボクの考えた最強の自然派となるための考察をしていきたい。
レギュレーション確認
自給自足と言えば自然派である。誰が何と言おうとそうである。
自然派たるもの人工物など身の回りにおいてはいけない。天然物のみで生活するべきであろう。
人工物と天然物
ということで、人工物と天然物の定義を区別しておこう。
まぁぶっちゃけると人工物と天然物なんて物質構成が同じなら同じものだから区別する必要なんて皆無なのだが敢えて定義していきたい。
偽物のほうが偽物の方が圧倒的に価値がある。そこに本物になろうという意志があるだけ偽物の方が本物のよりも本物だ。
貝木泥舟(物語シリーズ:西尾維新著)
詐欺師の言うことなど信じてはいけないので、天然物こそ至高であるという結論に至る。異論は認めない。
しかし、私の無知蒙昧な頭では全く区別がつかないのでgoogle is your friendの精神で探して見た。
自然派なのにWi-FiやPCを使っているなどと突っ込んではいけない。
というわけで以下はとある記事からの引用である。
↑天然 ① 狩猟採集(山菜、ジビエ、魚介)
② 農作物、畜産物(コメ、果物、乳製品)
③ ②の加工品(お茶、ご飯のパック)
④ ②の抽出濃縮品(白砂糖、ステビアエキス)
⑤ ④の加工処理による化学合成(ビタミンC)
⑥ 天然に存在しない成分(スクラロース) ↓人工
食における人工と天然の概念と幾らかの考察 著:じゃぐ氏
なぜ野菜や家畜が完全天然でないかという人の手によって管理された生き物だからである。これは学問上も定義されており、動物分類学や植物分類学では階級構造で種の下位階級として変種や品種が存在する。動物分類学と植物分類学では種以下の扱いは若干異なるが、話が長くなるので割愛する。詳しく知りたい人は自分で勉強しよう。
本記事からは若干話題が逸れるが、セキショクヤケイ(ニワトリの原種)を現地まで見に行った学者が書いた本があるので是非読んでもらいたい
著:遠藤 秀紀
話を戻すと完璧で究極の自然派たるもの、①の狩猟採集のみが利用可能であろう。人工物ってなんとなく嫌な響きだもんね!
つまり野菜や家畜の類は一切の使用が禁止される。
うむ、なんだかめっちゃ厳しいレギュレーションだ。
さらに細分化すると
今回はさらに細かく自然派を分けていく。そうすると
✅合法自然派
✅脱法自然派
✅違法自然派
の3つに分類される(勝手にした)。
以下がその分類である(なお、私が勝手に作った分類であるため出典及び根拠は皆無)。
合法自然派は原点であり、真に自然のものしか使用不可能である。そのため、外来の自然物や都市のゴミなどは使用できず、非常に高難易度の縛りプレイとなってしまう。
脱法自然派は派生形であり、一見すると合法自然派のように見える。しかし、養殖場から逃げ出した家畜や栽培品種なども利用可能なため、選択の幅が広がる。後述の衣服については、脱法レベルでなければ確保が難しく、全裸で過ごさなければならない可能性が出てきてしまう。
違法自然派は都市生態系や都市残置物の使用が可能である。ディスカバリーチャンネルの人気コンテンツ、エド・スタンフォードのサバイバル企画はこれに該当する。空のペットボトルなどは非常に有用なので、違法自然派なら是非とも確保しておきたい物資である。
やはり完璧で究極の自然派たるもの、合法自然派以外はニセモノであると言ってよいだろう。
実際にライフスタイルを想定してみる
一般的にサバイバル生活をするうえで「火」「水」「寝床」「食料」が重要と言われる。
というわけで、下記の本を取り寄せてみた。
ちなみにこの手のムック本は電子書籍より実本がいいだろうと思って、kindle Unlimited対象だが実本を購入した。
結論を言うと、読み物としては面白いが、実践するのがハードルが高すぎるので電子書籍で事足りると思う。
火
ヒトの生活に火は必須だ。合法自然派的には摩擦による火起こしや河原などでチャートを拾って打ち付けるのが正攻法となる。しかし、難易度が高いので違法自然派ならば経済崩壊前に虫メガネ・大量のマッチやライターを確保しておいた方がいいだろう。
水
現代日本では蛇口を捻れば飲める水が出てくる。素晴らしい。しかし、合法自然派的には浄水設備などご法度なので、自分で調達しなければならない。水が無ければ3日ほどで死んでしまう。
どんなにきれいに見えても、生水をそのまま飲むとお腹を下し、天国への片道切符となる恐れがあるので
✅煮沸する
✅水蒸気を液化させる
✅雨水を集める
あたりの代表的な方法で対策するべきである。
違法自然派であればペットボトルやビニールシートなどの超便利アイテムが使えるが、合法自然派だと途端に難易度が跳ね上がってしまう。
寝床
これも合法自然派には非常に厳しい。ブルーシートが使えないとなると、ティーピー型のシェルターを作るしかないが、私は作ったことが無い。適当な洞穴を探すという手があるが、中に凶暴な生物(ヒトを含む)が住み着いていない保証はない。
違法自然派であればブルーシートのほかに空き家や廃墟に住み着くという手段がある。
食料
自給自足と言えば食事である。本記事のメイン部分だ。
人工物と天然物の定義で書いたように
①狩猟採集(山菜、ジビエ、魚介)
以外は使用禁止である。
この条件はかなり選択肢が狭くなってしまう。
以前に毒キノコの記事でも書いたが
採取難度と同定難度の総合点から見て、食材としての易しさは
虫<魚<野草・果物<鳥・獣<<<越えられない壁<<<キノコ
である。虫は積極的に食べていきたい。
当然サバイバル読本DELUXEにも様々な食材候補の虫たちが載っている。
虫を食べない自然派などモグリも同然である。
特にセミ・バッタ・コオロギの仲間は採取難度、同定難度から考えて抜群に初心者向けである。加えて、セミを食べれば
とも言えるので、リベ大生的には必須科目と言っても過言ではない。
さらにさらに、無農薬・無添加であるのは自明なので非常に安心である(安全とは限らない)。
重ねて言うが、虫を食べない自然派など存在しない。
魚は漁具が必要だが、カゴ罠やガチンコ漁法などでなんとかなるかもしれない(経済崩壊前の場合は法律には要注意)。私はやったことはないけど。
解体時にはそれなりに道具が必要なので合法自然派であれば毒のリスクを考えても野草や果物のほうが易しくなる可能性は十分に考えられるだろう。
しかし、大した知識もなく野草や果物を食べるのは自殺行為に等しいので今のうちに自然派を目指してしっかり勉強しておきたい。
ド素人の私でもノビル・銀杏・スベリヒユあたりは簡単に採取&調理ができたので、大分類ではなく、もう少し細かく難易度選定してもいいかもしれない。
ジビエは私は過去に免許を持っていたが実際に狩ったことは一度もないが、1匹当たりの質量が大きい点は魅力だろう。しかし、自然派においては捕獲・解体・保存とクリアしなければならない課題のハードルが高い。
特に保存については私の頭では燻製くらいしか思いつかないので、是非とも上級自然派の方々からは教えを享受したいところ。コメント欄なりDMなりで教えてください。
キノコは私は手を出さないと決めている。命が惜しいからだ。しかし自然派生活を続けていれば、食のバリエーションの少なさから、美食を求めて命をかえりみずに手を出してしまうことも十分に考えられる。
過去の歴史を振り返って、毒のある生き物たちをなんとか食べてきた我々の祖先がいることを考えると、美食とは命を天秤にさせだせることが出来るほどの甘美なものであることは想像に難くない。
自然派を極めれば現代社会の食の多様性に羨望を抱くことは間違いないだろう。
衣服
武器と衣服については必須ではないが、あったほうが快適な生活ができる。ただし衣服については
✅ナイロンなどの化学繊維:石油製品なので当然ご法度
✅リネン(麻):栽培作物からの生成されるのでご法度
✅コットン(綿):栽培作物から生成されるのでご法度
✅シルク(絹):家畜(カイコ)から生成されるのでご法度
✅ウール(毛):家畜(羊)から生成されるのでご法度
と非常に制約が多くなってしまう。脱法自然派であれば、日本でも南国地域には野生の野良バナナがあるので、バナナの葉っぱとその辺のつる植物を用いて腰ミノくらいは作れるだろう。

合法自然派であれば、文字通り自然のままの姿で過ごすことも考えておこう。
武器
冒頭の学長動画では銃や弾薬を経済崩壊前に大量に買っておくという教えであった。しかし、個人的には補充できないという点が安心できないので、自然派最強weaponはクロスボウであると思う。理由としては
✅機構が単純である
✅取り回しにクセがない
✅遠距離から攻撃できる
✅矢弾の回収・再利用が可能である
矢じりには黒曜石を使えば、より完璧であろう

黒曜石の塊が都合よく採取できるかどうかという問題は些細なことなので、今回は言及しない。
なお、黒曜石はナイフに加工することも容易なので、小型の得物や魚を解体するのに役に立つ。黒曜石の塊マップを今のうちに作っておくのもおすすめだ。
おわりに
現代社会は貨幣経済により、分業が進み高度な科学技術とインフラによって快適な暮らしができるようになっている。
完璧で究極の自然派になるのは、極めて困難なうえに達成して得られるものは非常に少ないだろう。
信念を持って、本物の自然派を貫く人は尊敬できる。しかし私には到底マネが出来そうにないので、経済崩壊が起きないことを祈りつつ、現代社会の恩恵に感謝しながら俗物としてのうのうと暮らしていきたい。