• 投稿日:2025/04/26
  • 更新日:2025/10/01
アル・ライズ、ローラ・ライズ著『ブランディング22の法則』

アル・ライズ、ローラ・ライズ著『ブランディング22の法則』

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シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

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要約
ブランドは拡大ではなく収縮すべきであり、新しいカテゴリーを創り出し、所有することが重要。カテゴリーの確立や、品質だけではブランドが成立しない理由、ブランドの一貫性の重要性を豊富な事例とともに紹介。強いブランドを築くための考え方を学び、長期的に市場を支配するための戦略を考察する。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はアル・ライズ、ローラ・ライズ著『ブランディング22の法則』(1999年発行)をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。


著者:アル・ライズ71q2Rl6DyrL._SY600_.jpg出典:Amazonのプロフィールから

世界で最も著名なマーケティング戦略家の1人。『ポジショニング』『マーケティング22の法則』など、ベストセラーの共著者。『フォーカス』の著者。


著者:ローラ・ライズA1Dln2xDr3L._SX300_CR0,0,300,300_.jpg出典:Amazonのプロフィールから

ノースウエスタン大学卒業。マーケティング戦略会社ライズ&ライズの共同経営者。


0000000.png289.pngジョン・スポールストラ 著『エスキモーに氷を売る』

マーケティング戦略のみで、大きな成果をあげる方法を紹介している。


00000.png✅ ブランドは拡大ではなく収縮が重要

✅ 新しいカテゴリーを創り出し、所有することが成功の鍵

✅ 品質だけではブランドは成立しない


市場におけるブランディングは牧場でのブランディング(牛に焼き印をつける)にとてもよく似ている。

アル・ライズ、ローラ・ライズ著『ブランディング22の法則』


焼き印をつけるのは、他の牛と区別できるようにするため。

つまり、あなたの商品と類似の商品を区別できるようにするのが「ブランディング」である。


タイトル通り、22の法則を挙げている。

000.png①拡張の法則:対象(ターゲット)が広すぎるとブランドにならない。

②収縮の法則:逆に焦点を絞り込めれば強力になる。

③パブリシティの法則:広告よりも口コミがブランドを作る。

④広告の法則:ブランドの維持には広告が必要。

⑤言葉の法則:消費者の頭に「言葉」を刻み込め。

⑥信用力の法則:みんなが選ぶ商品がブランドになる。

⑦品質の法則:品質だけではブランドにならない。

⑧カテゴリーの法則:成人向け、子供向け〇〇。

⑨名前の法則:結局、名前はブランドに紐づく。

⑩ライン延長の法則:あらゆる商品にブランド名を入れる。

⑪強調の法則:どんなブランドも独り占めにはできない。

⑫ジェネリックの法則:総称的な名前をブランド名にするな。

⑬企業の法則:ブランドはブランド、企業は企業である。

⑭サブブランドの法則:第2のブランドは本命を弱くする。

⑮兄弟の法則:第2のブランドの時と場所は慎重に。

⑯形状の法則:ロゴデザインは両目にフィットさせよ。

⑰色調の法則:競合とは反対の色を使え。

⑱国境の法則:ブランドに国境があってはならない。

⑲一貫性の法則:ブランドは一日にして成らず。

⑳変更の法則:ごくまれに、細心の注意を払えば変更できる。
(つまり、むやみに変更するな)

㉑寿命の法則:ブランドは永遠ではない。最後は安楽死を目指せ。

㉒特異性の法則:大切なのは、1つのものを追い詰めるひたむきさ。

1つ1つの法則を、コカ・コーラ、ボルボ、ロレックスといったブランドを挙げて紹介している。


あなたが自分のビジネスにブランド思考ないし「ブランディング」プロセスを適用するお手伝いをするところにある。
言い換えれば、ただの水をエビアンに変えるのである。

アル・ライズ、ローラ・ライズ著『ブランディング22の法則』


ライバルよりもいい商品をつくって自社ブランドでアピールしたり、日本製の高品質をアピールしてブランドを築こうとする。

著者らは、これらが「大間違い」だと言う。


当然ながら、全てをピックアップはしない。

それは、本書を読むと良い。


『ブランディング22の法則』

41d997fc-f9ce-4f4e-9343-c3bb9a007f3d.pngブランドは拡げず、絞り込め

①拡張の法則:対象(ターゲット)が広すぎるとブランドにならない。

0.png⇒ ブランド力は、対象の拡がりに反比例する。

0000.pngLevi's_logo.svg.png出典:Wikipedia

リーバイスは男性用ジーンズの代名詞だった。

しかし、ブランドを女性用、子ども用、アクセサリー、下着、スーツ、水着などに拡げてしまった。

一時的に売上は伸びたが、製品ラインを拡大しすぎてブランド力が低下した。

つまり、「ジーンズと言えばリーバイス」ではなくなった。


logo.png出典:公式サイト

一方、サブウェイは「サブマリン・サンドウィッチ専門」として成功。

米国で「サブマリン・サンドウィッチだけを売る店」として消費者の脳内に焼きついた。

その上、サブマリン・サンドウィッチだけをつくっていれば、誰よりも上手に低コスト・高品質でつくれるようになる。

このように対象を絞ることでブランドの差別化が可能となる。


0000000.png263.pngデービッド・A・アーカー著『ブランド優位の戦略―顧客を創造するBIの開発と実践』

「ブランドをどう見られたいのか?」を定義し、顧客が信頼できるブランドイメージを形成すること。


「カテゴリー」を創り出し、所有せよ

⑧カテゴリーの法則:成人向け、子供向け〇〇。

同じ便益を与える商品やサービスの集合を、カテゴリーという。

0.png⇒ カテゴリーの代名詞になれば、競合は勝てない。


コカ・コーラは「コーラ」、グーグルは「検索」というカテゴリーを所有している。

消費者がブランド名をカテゴリー名として使うとき、そのブランドは圧倒的な強みを持つ。

宅配便のことを「宅急便」と呼ぶのも1つのブランドである。

ちなみに、宅急便はヤマト運輸の登録商標である。


悲しい事実だが、消費者は新しいブランドには興味がない。

消費者が気にするのは、新しいカテゴリーである。

❶ 小さな市場に集中する。

❷ ブランド名でそのカテゴリーを代表になる。

❸ ブランドでなく新しいカテゴリーの利点を売り込む。

❹ カテゴリーを大きく育てていく。

「市場規模がどの程度で、何%シェアを取るか?」ではない。

「カテゴリーを絞り込み、1つの言葉を所有すれば、どれだけ市場を創造できるか?」と考えるべし。


0000000.png314.pngジョン・ムーア 著『スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?』

スタバは「スペシャリティコーヒー」という新しいカテゴリーを創った。


品質だけではブランドは築けない

⑦品質の法則:品質だけではブランドにならない。

0.png⇒ 品質を重視するだけでは市場で勝てない。

スクリーンショット 2025-02-22 101900.png出典:ZEISS日本公式サイト

ツァイスのレンズは最高級とされるが、実際には日本製の方が高性能な場合もある。

しかし消費者は「高級レンズ=ツァイス」というブランドイメージを持つ

ブランドは品質だけではなく、消費者の認識によって築かれる。

ツァイス製品の一部は日本のレンズメーカーがつくっている。

ただ、ツァイスのロゴがつくと、数万円が数十万円になる。

私たちは、この意味をじっくりと考えるべきだろう。


0000000.png267.pngハーマン・サイモン著『価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白』

どれだけ儲かるかは価格次第である。というシンプルな真理を教えてくれる。

「利益=販売量×価格-コスト」で考えよ。


レクサスも「ベンツやBMWよりも高品質」と市場調査で評価されている。

しかし、消費者がときめくのはベンツやBMWの人もいる。

決して、独り勝ちではない。


それはなぜか?


競合の参入は歓迎すべき

⑪強調の法則:どんなブランドも独り占めにはできない。

消費者は選択肢が1つしかないと、そのカテゴリーの存在そのものを疑い始める。

カテゴリーに選択肢があるから、信用しやすくなる。

つまり、需要が強くなりやすい。

0.png⇒ 選択肢が増えることで、カテゴリー全体の信用が向上する。

⇒ 健全な競争は、むしろ進んで受け入れるべし。


ペプシが登場したことで、1人当たりのコーラ消費量は増え、コーラ市場は拡大した。

競争相手の存在はブランドにとってむしろメリットになる。

0000000.pngA・プランデンパーガー著『ゲーム理論で勝つ経営』

不思議なことに独り勝ちしすぎると、他のプレイヤーがいなくなる。

その業界は衰退していく以外、道がなくなってしまう。

自社商品の価値を下げるプレイヤーが「競争相手」であり、他者との関係を1つに限定してはいけない。

競合がいることで、調達コストを抑えるメリットもある。


時間をかけて築いたブランドは絶対に変えるな

⑲一貫性の法則:ブランドは一日にして成らず。

強いブランドは数年程度では築けない。

何十年もかけて首尾一貫性を追求し続けた結果、生まれる。

0.png⇒ ブランドの一貫性は最大の財産。

⇒ ブランドの最大の敵は、人の飽きっぽさである。


ブランド構築は根気がいる仕事である。

長期間かけて首尾一貫したマーケティング活動を続ければ続けるほど、そのブランドは消費者の脳内で特定の場所を占有し続ける。


バイロン・シャープ 著『ブランディングの科学 新市場開拓篇』において、強いブランドは、明確なポジショニングではなく「思い出される頻度」で決まる。


ブランドを変えるのは、せっかく消費者の脳内に占有したその場所を、むざむざ手放す行為なのだ。


まとめ

リベシティ用サムネ (40).png✅ ブランドは拡大ではなく収縮が重要

✅ 新しいカテゴリーを創り出し、所有することが成功の鍵

✅ 品質だけではブランドは成立しない


⇒ ブランドは新しいカテゴリーを創り出し、所有し続けよ。


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆_.png

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