- 投稿日:2025/03/24
- 更新日:2025/09/29

はじめに
野食とは?
野外で食料を調達して食べることを「野食(やしょく)」と言います。
野食は
・食に対する理解が深まる
・サイエンスに対する理解が深まる
・地球と自分の繋がりを直に感じられる
・最終的に生きている実感を得られる(食育)
まさしくリベラルアーツ(教養的)な学問です。
趣味として非常にオススメ出来ます。
STEP1 菜の花について調査せよ
今回の主役
今回は野草です。虫より難易度が高いですね。
菜の花は固有名詞ではありません。
いわゆる食材としての菜の花はアブラナ科植物の蕾(つぼみ)の総称です。
アブラナ科植物はかなり広範の植物で、野菜だとキャベツ、ハクサイ、ダイコン、コマツナなんかが該当します。特徴として春先に白や黄色の花を咲かせます。家庭菜園で上記の野菜を作って収穫せずにいると、花を咲かして面白いですよ!
追加の特徴としてモンシロチョウやアブラムシの大好物で、非常に虫がつきやすいです。春になると菜の花やキャベツ畑に大量のチョウチョが舞っているのはもはや風物詩と言えるでしょう。
チョウチョの幼虫も食ってるんだから、ウマいに決まってるよなぁ!?(※1)
さて、話がそれましたが、栽培されている菜の花は「ナバナ」や「ハナナ」が多いです。味は独特の苦みがあり、おひたしや和え物に用いられます。
今回はそれと似たような植物を食べる、そんなお話です。
※1 当然ながらこの理論は成立しない
菜の花採取における注意点
野食系では毎度言ってますが採集地の注意点として
✅私有地に無断で入らない
は絶対に守ってください。
今回は河原で採ってきました。
採取時に似た植物
これも野食系では毎度言ってますが
✅よくわからないものは食べない(ちゃんと同定する)
✅自己責任で食べる
は必ず守ってください。
最初に説明した通り、菜の花は総称なので、同定が割とザックリしていても食べられます。似ている植物で毒性のある植物については私の知識内では知りえませんが、後述のセイヨウカラシナは食べ過ぎるとお腹を壊すらしいのでご注意を(というか、野草は全般的に食べ過ぎないほうがいいです)。
主な2種類の菜の花
菜の花については近所で見かけるのは大体がセイヨウアブラナかセイヨウカラシナです。どちらも食べられますが、セイヨウカラシナはからし菜の名前通り、少しピリッとするらしいです。らしいというのは、私が食べたのは、おそらくセイヨウアブラナだからです。
セイヨウカラシナであれば、6月頃に種を採取してマスタードが作成できます。去年マスタードづくりにチャレンジしたのですが、種を齧って辛みがなかったので、私の家の近所に生えているのはセイヨウアブラナであり、マスタードづくりは断念しました。
というわけで、9カ月ぶりにリベンジで、今度は新芽を喰ってやろうというわけで、無事に達成しました。
この辺も野草の難しさであり、一番簡単な野食が虫です。私が常々言っている、「虫は初心者向け」の意味が良くわかるかと思います(※2)。
※2 何故、虫を食べる人が少ないのか不思議でならない。特に自然派の人
は食べない理由はないと思っている。
STEP2 菜の花を採取せよ
採取時期
3月~4月初旬ごろです。基本的には花が咲く前の蕾を食べます。群生地で花が咲き始めたころに、探しに行くといいでしょう。
図1. 菜の花が河原に群生している様子
採取地
一番のねらい目は河原です。土手に花が咲いていれば、ほぼ間違いなく採取できます。
採取法
蕾の10cm下くらいの若い茎の部分を折りましょう。素手で簡単にポキッと折れます。どうしてもキレイに取りたい人はハサミを持って行ってもいいですが、素手で採れるので個人的には不要だと思っています。
採取した後用に、袋か籠でも持って行きましょう。
図2.食べごろの菜の花
図3.収穫後の様子
FINALSTEP 菜の花を実食せよ
食べ方は色々ありますが、独特の苦みがあるので、シンプルな料理で素材の味を楽しむのがいいと思います。
代表的なところで行くと
✅おひたし
✅和え物
✅天ぷら
✅油炒め
あたりです。野草はアクが強いものが多いので、湯がいて冷水に晒す、天ぷらにするなどをするとアクが抜けて食べやすくなります。
私はゴマ油で炒めることにしました。
苦みが強いので、卵と合わせることでマイルドにしています。
苦みが苦手な人は一度湯がいてから(20秒程度)冷水に晒してマヨネーズで和えると食べやすいかと思います。
菜の花の油炒め
図4.調理後の様子
ごま油・・・おおさじ2
菜の花・・・手のひら一杯分くらい
溶き卵・・・2個
味の素・・・5振り
S&Bマジックソルト・・・5振り
醤油・・・少々(香りづけ程度)
菜の花をさっと炒めて、卵を入れて炒り卵にしただけです。苦みは結構強めでしたが、美味しく食べられました。
ベーコンやちりめんじゃこなどを合わせれば、パスタの具材になると思います。この時期に採れる、ノビルもパスタの具材として優秀なので、パスタが美味しい季節ですね。
おまけ 食べ比べ
3/25 追記
河原に生えてる菜の花食ってます!と吹聴していたら、栽培品種の菜の花をいただくことが出来ました。
もらった品種は折り菜(アブラナ?)とハクサイの菜の花
図5.栽培品種の菜の花 茎が太いほうがハクサイ
というわけで食べ比べてみました。
食べ比べのために同じ調理方法
図6.栽培菜の花の卵炒め
油炒めはかなりマイルドな苦み。菜の花独特の苦みはわずかに残るのみです。そういう面で、栽培品種はクセがだいぶ弱まっていますね。野生品種はかなりクセが強いです。
量が結構あったのでもう一品
図7.栽培菜の花のマヨネーズ和え
クセはまったくありません。クセが無さ過ぎて物足りないくらい。湯がくと苦みがなくなるので、野生品種は湯がいてもいいかもしれませんね。
栽培品種は独特の苦みを残すために油いための方がオススメです。
食べ比べをすることで、色々な知見が得られますね♪
過去の野食リンク
✅植物編
・ノビル(3~5月)
・銀杏(9~11月)
・スベリヒユ(7~9月)
・むかご(表)(10~11月)
・むかご(裏)(食わないほうがいい)
✅キノコ編
・毒キノコ(食べてはならない)
✅虫編