- 投稿日:2025/12/09
- 更新日:2025/12/15
はじめに
日本酒の世界は、知れば知るほど奥深く、そしておいしくなる——そんな魅力があります🍶✨
この「日本酒ノウハウ総集編」では、毎月テーマをひとつ取り上げ、原料・造り・保存・温度帯・ペアリング・季節酒・ラベルの読み方など、日本酒をもっと楽しむための知識をわかりやすくまとめていきます。
専門的すぎず、でも表面的すぎない。
「初心者が迷わず楽しめる内容」と「中級者以上も納得できる深さ」を両立した、“学べる日本酒ブログ”を目指しています。
❶日本酒の原料
日本酒は「米・水・麹・酵母」というシンプルな素材から造られています。しかし、この4つの質や組み合わせによって、香り・旨み・キレが大きく変わります。
① 酒造好適米(さけづくりに向いた米)
食用米より粒が大きく、中心に“心白”と呼ばれる白い核心部をもつのが特徴です。
心白は麹菌が入りやすく、発酵が安定し、雑味の少ない酒質に導いてくれます。
また、精米歩合を下げる(多く削る)ほど雑味が減り、軽快でクリアな味わいになりやすい傾向があります。
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https://library.libecity.com/articles/01JAV7P4DMVG98C5JA23WDAGNZ
② 水(仕込み水)
日本酒の約80%を占める重要な原料。酒蔵ごとに水質が異なり、味わいに直結します。
硬水は発酵が力強く進みやすく、キレのある印象に。
軟水はゆっくり発酵し、柔らかく落ち着いた味わいになりやすい特徴があります。
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https://library.libecity.com/articles/01JK72W4JB8N7H2H4C0MGRAGDY
③ 麹(こうじ)
麹菌が米のでんぷんを糖へ変えることで、発酵が可能になります。
麹は酒の“旨み・香り・コク”を生み出す源で、酵素の働きが日本酒の奥行きを決めます。
日本酒では主に黄麹を使用し、穏やかで奥行きのある味わいに仕上がることが多いです。
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https://library.libecity.com/articles/01JCKX7GJJ2R8BTFY6TFKYDQQ5
④ 酵母
酵母は、糖をアルコールに変えるだけでなく、果実のような香りや複雑な旨みを生み出す存在です。
酵母の種類や扱い方によって、華やかな香りのタイプから落ち着いた味わいまで、日本酒の個性が大きく変わります。
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https://library.libecity.com/articles/01JARN0M3PGKTAXJ5KK0HGJKQ0
醸造プロセスの基本🍶
日本酒造りは“並行複発酵”
日本酒最大の特徴は、糖化(麹)と発酵(酵母)が同時に進む「並行複発酵」です。
この仕組みにより、穏やかな甘みと高いアルコール度数、そして奥行きのある味わいが生まれます。
① 精米
酒造りは米を削るところから始まります。外側に多いタンパク質や脂質を削ることで、雑味の少ない酒質に。
精米歩合の違いは、味の軽さ・香りの出方に影響します。
② 洗米・浸漬
米を洗い、一定時間水に浸します。吸水量は秒単位で管理されることもあり、蒸し上がりを左右する重要工程。
吸水が多すぎても少なすぎても、狙った酒質になりません。
③ 蒸米
蒸すことで米の内部構造が変化し、麹菌や酵母が働きやすくなります。
「外硬内軟(外は硬く中は柔らかい)」が理想とされ、ここでの仕上がりが後工程に大きく影響します。
④ 製麹(せいきく)
蒸米に麹菌を繁殖させ、糖化酵素を作ります。
温度・湿度管理が非常に繊細で、数時間の差が酒質を左右することも。
日本酒の旨みやコクの“設計図”を作る工程です。
⑤ 酒母(しゅぼ)造り
酵母を健全に増やすための準備段階。
雑菌を抑えつつ、強い酵母を育てることで、安定した発酵につなげます。
酒母の造り方によって、味の方向性が変わるのも特徴です。
⑥ もろみ(仕込み)
酒母・蒸米・麹・水を三段仕込みで投入。
ここで並行複発酵が本格的に進み、糖とアルコールが同時に生成されます。
発酵日数や温度管理が、香りやキレに直結します。
⑦ 上槽(じょうそう)
発酵が終わったもろみを搾り、液体と酒粕に分離。
この段階で、いわゆる“日本酒”の原型が完成します。
⑧ 火入れ・貯蔵
加熱処理で品質を安定させ、貯蔵・熟成へ。
火入れの有無や回数によって、フレッシュさや落ち着いた味わいに差が生まれます。